久々に尾倉町界隈を車で走りました。
人気blogランキングへ ← クリックを御願いします!
「この辺りに 『クロキのラーメン』 があったよね。」
そう 言いながら 車窓から眺めてみれば、跡形も無くなっています。
残念ですね。
二十年近く昔には、よく食べに来ていました。 メニューは、ラーメンとお握りだけ。 店内はカウンターだけで、7~8席。 営業は昼間の2時間程度。
それでも、外には十人くらい並ばせています。 昼を過ぎれば オヤジが出てきて、「はい、ここまでね」 そう。 材料が無くなれば、それで打ち切り。
商売っ気が無いのか、あっさり閉めてしまいます。 噂によれば、オヤジは売上を握りしめてボートに直行するとか。 噂話だったけどね。
閉まっていれば、普通の民家なんですよ。 まったく、ラーメン店とは判りません。 営業中になれば 「ラーメン」 と書かれた赤ノレンが玄関に 架けられるだけ。 ノレンが無ければ、本当に判らない。
そもそも。 店名も無い。 どこにも書いて無い。 では、何で 『クロキのラーメン』 って呼ばれているか、と言えば。 店の柱に、『クロキ』 と 書いているから。 それも、マジックで。 これは、表札のつもりなの? それで、みんな 店名の替わりに 『クロキのラーメン』 って 呼んでいたんだけど。
おおよそ 想像が付くように、とっても無愛想なオヤジです。 それでも、あるとき ラーメン作りながら、次のように言っていたのを覚えています。
「いやぁ、こんな店でも 閉めるな なんて言ってくれてさ、たくさん食べに来てくれるからね。 本当に有り難いよ。」
この偏屈オヤジが、こんな殊勝なことを言い出すと、危ねぇな、なんて考えてたら、案の定。 それから しばらくしたら、店が閉まってました。
気まぐれなオヤジだから、と思って何度も行きますが、もはや 二度と営業することは無かったのです。
無くなってみれば、惜しい店だったよな。 そう思わせる、たくさんの店が消えてしまいました。 今日も、痕跡もない状態を見て、一抹の寂寥感。
ブログ ランキングに参加中です