昨日、八幡西区民生委員「地区会長研修」で、豊前市の社会福祉法人 恵光園を訪れました。
知的障害者を対象に、170名の入所者と30名の通所者が自立を目指しています。 他にグループホームや短期入所の受け入れ。 作業訓練棟以外に、乗馬療法や園芸療法など先験的な療法が行われています。
ここで伺った話。 私は初めて聞いた話でした。 翌日になっても、憤りが押さえられません。
話の概要です。
この4月から 「障害者自立支援法」 が施行されます。 そうすると、従来は県の事業だった 「障害者相談支援事業」 が各市町村の責任に転嫁させられます。 10月からです。
同時に、就労・自立のため入所施設に居る期間に制限が加えられます。 入所可能期間は2年間です。 原則として継続入所できるのは50歳以上でかつ要介護度4以上の人に限られます。
これらの事は何を意味するのか。 それは、多くの障害者の方が地域に戻ってくること、相談機能が地域に求められるということです。
「地方分権」 の美名の元に地域に障害者のケアが任せられます。 問題は二つあります。 一つは、地域に受け入れのための人材確保やシステムが出来ていないこと。 もう一つは、結果として地域格差が生ずること。
何故、拙速に地方に責任を転嫁するのか? それが 「小さな政府」 の目指すことなのでしょうか?
私には、弱者を切り捨てようとする、国家的な欺瞞としか思えません。 根本的な歳費削減が先決ではないでしょうか? 国立大学の独立行政法人化など、小手先の歳費削減などより、権益部分にメスを入れるべきだと考えます。
昨日の新聞を読むだけでも…
国費の無駄遣いをチェックすべき会計検査院で、1千万円以上の発注の内、8割が随意契約。 職員8名中、6名を検査院OBで占める財団法人などへの随契です。 この財団法人では 「情報収集」 ための新聞切り抜きなどを請け負っていたそうです。
社会保険事務所では4万人以上に対して、あたかも本人申請があったかのような偽装で、保険料納付の免除や猶予を行っています。 保険料未納率が低くなっている、と見せかけるための組織的な操作だそうです。 損保ジャパン副社長から登用された村瀬長官の掲げる 「納付率向上」 に対する現場のプレッシャー、という見方が記載されていました。 実態の真偽はどうなのでしょうか?
外部評価を上げるために数字を誤魔化すことが厚生省や社会保険庁の目標であったのなら、村瀬元副社長は最適任だったのでしょう。 同日の一面は、損保ジャパンが、禁止されている生保料立て替えで業務停止処分になると報じています。
裏金問題や随契問題で追求された社会保険庁には、もはや自浄能力さえ無いのでしょうか?
こういう記事を読んでから 恵光園で 「障害者自立支援法」 の話を伺ったため、憤る気持が高まってしまいました。
参加した民生委員さんは、「私たちに、今以上の支援・サポートを要求されても対処出来ないのに、何が支援法よ!」 と同様に憤っておられました。 私を除けば、役員さんの平均年齢は六〇代後半。 こうした民生委員さんのボランティア活動にも限界があります。
地方や現場の実態も知らず中央だけで決める政策、勝ち負けが全てで弱者を放り出す政策、それらは日本を亡ぼし兼ねません。
藤原正彦さんは 「情緒に欠け論理的思考能力だけが優れているタイプが一番困る」 と言っています。 全く同感です。