戦争により 生き方をねじ曲げられ、
重く、苦しい過去を
背負った人を
かなしく描いた・ミステリーが、ここにも、あります
『ゼロの焦点』です
昭和を代表する
「社会派小説の旗手」、
まつもとせいちょう(松本清張)の 長へん(編)・・
しかも
ご本人が、「自分の作品の中で一番好き
」
と 言い切った、代表作
です。
それは
どんなお話か というと、、、
<あらすじ>
主人公の禎子(ていこ)は
新婚の夫に 蒸発され
わけがわからず、大ショ
夫が行方不明となった、金沢に
やってきます。
しかし・・いっしょにさがしてくれていた、
夫の兄や同僚が
何者かに 毒、
(この事件には根深い何かがある)と 気づきます
。
禎子は 恐れながらも、
手がかりとなりそうな、二枚の写真をたより
必死に かけまわり
ついに
犯人をつきとめる
けど、、、 そこには・・ 平成・令和の身勝手な犯行とは
かけ離れた、
誰も責めきれない、昭和ならではの犯行理由
が
存在したのでした。。 クリンたち、この『ゼロの焦点』を、2009年封切りの映画で
見ました その映画は、広末涼子、中谷美紀、木村多江の三人が
「全女優魂」を 注ぎ込んだ
怪作で、
しびれました・・
(第33回日本アカデミー賞作品賞ほか計11部門で優秀賞を受賞)
わびしい・雪景色
寒く、凍てつく・漁村
暗く、荒れ狂う
冬の海
クライマックスシーンに 出てくるのは、
「人間の深淵」を
のぞきこんだかのような、
冬の のと(能登)の、
だんがいぜっぺき(断崖絶壁)・・ ぜひ、ごらんになってみてください
とっても、雪まみれになれる、映画ですの (本じゃなくて、映画の宣伝に
なっちゃった・・)
【おすすめ度:映画よりおもしろくなかったけど・・、原作をリスペクト
】
(次回「雪の日に読む小説」は、吉村昭の『破船』を とりあげます
)