クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雪の日に読む小説・16(『ゼロの焦点』松本清張)

2021-02-03 | 本と雑誌

戦争により 生き方をねじ曲げられ

重く、苦しい過去を

背負った人を

かなしく描いた・ミステリーが、ここにも、あります


 『ゼロの焦点』です

昭和を代表する

「社会派小説の旗手」、

まつもとせいちょう(松本清張)の 長へん(編)・・

 しかもご本人が、「自分の作品の中で一番好き

と 言い切った、代表作

です。

 

それは

どんなお話か というと、、、

<あらすじ>

 主人公の禎子(ていこ)は

新婚の夫に 蒸発され

わけがわからず、大ショック

夫が行方不明となった、金沢に 

やってきます。 


 しかし・・いっしょにさがしてくれていた、

夫の兄や同僚が

何者かに 毒殺され

(この事件には根深い何かがあると 気づきます


 禎子は 恐れながらも、

手がかりとなりそうな、二枚の写真をたより

必死に かけまわり

ついに

犯人をつきとめる

けど、、、

 そこには・・ 平成・令和の身勝手な犯行とは

かけ離れた、

誰も責めきれない、昭和ならではの犯行理由

存在したのでした。。

 クリンたち、この『ゼロの焦点』を、2009年封切りの映画で

見ました

 その映画は、広末涼子、中谷美紀、木村多江の三人が

「全女優魂」を 注ぎ込んだ

怪作で、

しびれました・・

(第33回日本アカデミー賞作品賞ほか計11部門で優秀賞を受賞

 わびしい・雪景色

寒く、凍てつく・漁村

暗く、荒れ狂う 

冬の海

 

クライマックスシーンに 出てくるのは、

「人間の深淵」を 

のぞきこんだかのような

冬の のと(能登)の、

だんがいぜっぺき(断崖絶壁)・・


 ぜひ、ごらんになってみてください

とっても、雪まみれになれる、映画ですの


 (本じゃなくて、映画の宣伝に

なっちゃった・・)

 


おすすめ度:映画よりおもしろくなかったけど・・、原作をリスペクトして、星4つ弱

 

 

(次回「雪の日に読む小説」は、吉村昭の『破船』を とりあげます

 
コメント (21)
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