人間の力なんて
及ばない
大いなる・宇宙の光と 向き合った人の本を
もう一冊。
『極夜行(きょくやこう)』
の レビューいきます
(角幡唯介。「2018年・本屋大賞ノンフィクション本大賞」作品です)
きょくや(極夜)とは・・「北極の夜の世界」を指す言葉。
実は
ほっきょく(北極)には、
太陽がのぼらない・真っ暗な日が 数ヶ月続く時・・
が
あるらしいのですが、、
その暗やみ(闇)を 見に行った日本人が、
この本の
ちょしゃ(著者)、
かくはたゆうすけ(かんじ、角幡唯介)さん
です。
かくはたさん
は、現在44さい。
大学のころから
「探検部員」を やっていて・・
「もう開拓の余地はない」と 言われていた
ノ
を、
「北極探検」という
ふつうの人ではできない・たいけん(体験)を 武器に、切りひらきました
そう、、、
知られざる世界のオンパレード
を、
ならべて 見せたのです
なので・・
読者は、
「へえ~
北極って、そんなことがあるんだ~
」と
好奇心で 読みすすめてしまう
これぞ
ノンフィクションのもつ・強み。
かくはたさんは、2016年、犬一匹をつれて
ほっきょく(北極)に
出かけました。
月さえ見えない・暗やみ(闇)の中・・
持って行った食べ物は、
しろくま(白熊)に 食べられてしまい
ウサギやオオカミを
うち殺して食べる
サバイバルな日々、、
そうして・迎える、夜明けの太陽は、
一体 自分に、何をもたらしてくれるのか・・?
それを 知りたいばかりに
すいきょう(酔狂)にも
「極夜行」に 出かけたのです
4ヶ月ののち・・、かくはたさんに 何がおこったか
それは
ラストで 明らかになります。
クリンたちは、
その結末が 知りたくて
読みはじめたのですが・・
20ページくらい・読んだ
ところで、
(あれこの人、おもしろいな
)
と 気づき
そこからは、
きょくやこう(極夜行)の行程を 楽しむようになりました
かくはたさん
は、生まれたばかりの娘
がいるのに、
死ぬかもしれない「北極探検」に
行ってしまう人
学生時代からやってきた・好きなことを、
そのまま仕事にしている
自由な たましい(魂)の、持ち主です
そのためか、
とても おおらかで、
ふつうの人なら、泣きたくなる・孤独や、叫びたくなる・ピンチも
なんのその
楽しんで、
全部、ネタにしています
そんな、かたやぶりが 文体にも
あらわれているので、
読者は、
明るく・ころがされるように 読めるのでした
いわば
「一流の作家のように哲学を語る頭を持った・若者と
居酒屋に行ったら、
『俺が北極に行った時の話きく?』
と
おもむろに 話し始められちゃって、
『ええ~、マジですかあ
その話。
すっごおい』
と、
こっちも 引き込まれちゃった
ってかんじの、本」なのです
(※けっこうくだけてるんです。『ヤバい。マジで高潮が発生しやがった。』みたいな文章が出てきます)
ノンフィクション、
というと
しんけん(真剣)かつ、辛気くさいイメージ
を 持つ方、
いらっしゃると 思いますが・・
そんな、
神妙に かまえなくて、大丈夫
こんな・しばれる冬の晩に、
お酒を 飲みながら、気楽に 読める本ですから
ちなみに
「著者」いわく、
「北極でいちばん美味しいのは、
だ
そうですので、
ビーフジャーキーなど おつまみにすると、気分が出るでしょう
【おすすめ度:そこそこ
】
(次回は、『冬の本』をご紹介します 「雪の日に読む小説」特集も、あと2冊となりました
)