海に面した・地方が
ぶたい(舞台)の、
うすらさむい小説を もうひとつ・・
『破船』です。
書いたのは、
昭和の歴史小説家、よしむらあきら(吉村昭)
。
あっさりした・ひっち(筆致)
に 反して、
かなり
調べあげて書くのが 習かん(慣)だった
作家さんが 取り上げている
のだから、
(この話は、史実なのだろう、、)
と
かくご(覚悟)して・読まなければ ならないのですが・・
この小説に描かれる・漁村、怖いです。。
<あらすじ>
江戸時代の、とある・まずしい、漁村・・
村人たちは
生活をきりつめ、
出かせぎで、食いつないでいました。
が
そんな 彼らには、
時々、
ものすごい 天からの恵みが、もたらされることが あります
おふねさま(お船様)です
冬の・・
海が荒れる夜に、
お船さまは
米や、さとう(砂糖)、日用品を 運んで村に来てくれる・・
どこから来てくれるのか?
というと、
沖から 来てくれます。
村人が、浜で焚く火
に
おびきよせられて、、
実は、この村。
あらし(嵐)で 困っている船を
わざと近づけては
「座礁」させ、
船の つみ(積み)荷を うばっていたのです
もちろん・・、乗組員は、みな殺し。
しょうこ(証拠)は
バラシて
みんなで、いんぺい(隠蔽)・・
そうやって 生き延びるのが、当たり前の村なのでした・・。 物語は、主人公の少年
が、
「お船さま呼び寄せの儀式」
を
知るところから はじまるのですが・・
この本、4分の3くらい・読むと
いきなり、
どんでん返しが はじまります それは・・
ある年、またも
到来したお船さまに、
村人たちが タカって行ったら
その船が、
なんと
村に「疫病」を まきちらす
「もがさ船(痘瘡に罹った病人を補陀落渡海させる船)」
だった
という、
大・どんでん返しです、、
(・・・え、えげつねぇ~~~~
)
(※ネタバレはここまで そのあと村がどうなったのか?は、クリン知ってるけど、教えません
)
・・・・・
日本って、
ほんの何世代か前までは、
こういう土俗的な集落が、けっこう・あったんだろうなあ・・
と、
現代人の いでんし(遺伝子)に
ゆさぶりを かけてくるような、
小説。。
でもって
「新型コロナウィルス」に、むしばまれる
今の時代にも
教訓を与える
お話なのでした。。
【おすすめ度:いまならでは
】
(次回、「雪の日に読む小説特集」は『芙蓉の人』(新田次郎)を取り上げます 実話にもとづく夫婦の山岳小説です
)