クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雪の詩(中原中也「汚れつちまった悲しみに」)

2021-02-13 | 文芸

俳句につづき、

番外として

雪のふる詩をいっぺん(一篇)、あげておきたいと 思います。

 

 <中原中也「汚れつちまった悲しみに」>


 

汚れつちまつた悲しみに 

今日も小雪の降りかかる

汚れつちまつた悲しみに 

今日も風さへ吹きすぎる


汚れつちまつた悲しみは 

たとへば狐の革裘(かはごろも)

汚れつちまつた悲しみは 

小雪のかかつてちぢこまる

 


汚れつちまつた悲しみは 

なにのぞむなくねがふなく

汚れつちまつた悲しみは 

倦怠のうちに死を夢む


汚れつちまつた悲しみに 

いたいたしくも怖気づき

汚れつちまつた悲しみに 

なすところもなく日は暮れる・・・・・・

 

 (END)

 

<解釈>

 はじめのうちこそ、キツネのかわごろものように

白く

やわらかな美しさを そなえていた・かなしみも・・

あまりに長く

かなしみつづけているうち、

 くたくたの ぼろぼろに なってしまった、、

 かなしみは、美しく保っておいてこそ 
まだ救いがあるのに、

そうすることも できず・・

 

ただ、

かなしんでいるうちに、

むざんな気持ちが 

自分をむしばんでしまった、、

 

 

どうにかしないといけなかったと わかってはいるけれど、、

かなしすぎて、

どうにもできない。


 それが、「汚れちまった」、

わたしの、大切な かなしみ・・

 


 「 
いきなり刺してくるような詩だね・・」

と、

うちのチットが 言っていたので、

 

みなさまも

中原中也に 出会ったら、

背中を見せずに 

後ずさりして お逃げください



それと、もうひとつ、注

 (クリンのほっぺのアップ画像は、詩の中の、

「汚れちまった・キツネのかはごろも」などのイメージとは

一切関係ありませんっ🐻

 

そりゃ、せんたっき、何年も入ってないから

昔ほどは、毛も白くは ありませんけど・・

クリン、

ぜんっぜん・せいけつだし、フワフワですので

 

 

次回は、「来年の冬読書予定」をはっぴょうして、おわります )

 

コメント (20)
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