俳句につづき、
番外として
雪のふる詩をいっぺん(一篇)、あげておきたいと 思います。
<中原中也「汚れつちまった悲しみに」>
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘(かはごろも)
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる・・・・・・
(END)
<解釈>
はじめのうちこそ、キツネのかわごろものように
白く
やわらかな美しさを そなえていた・かなしみも・・
あまりに長く
かなしみつづけているうち、
くたくたの ぼろぼろに なってしまった、、
かなしみは、美しく保っておいてこそ
まだ救いがあるのに、
そうすることも できず・・
ただ、
かなしんでいるうちに、
むざんな気持ちが
自分をむしばんでしまった、、
どうにかしないといけなかったと わかってはいるけれど、、
かなしすぎて、
どうにもできない。
それが、「汚れちまった」、
わたしの、大切な かなしみ・・
「
いきなり刺してくるような詩だね・・」
と、
うちのチットが 言っていたので、
みなさまも
中原中也に 出会ったら、
背中を見せずに
後ずさりして お逃げください
それと、もうひとつ、注
(クリンのほっぺのアップ画像は、詩の中の、
「汚れちまった・キツネのかはごろも」などのイメージとは
一切関係ありませんっ🐻
そりゃ、せんたっき、何年も入ってないから
昔ほどは、毛も白くは ありませんけど・・
クリン、
ぜんっぜん・せいけつだし、フワフワですので)
(次回は、「来年の冬読書予定」をはっぴょうして、おわります
)