クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

『JR上野駅公園口』柳美里・感想

2021-08-19 | 本と雑誌

上野こうえん(公園)に 

来たとき

『JR上野駅公園口』という小説が、

去年、「全米図書賞」にかがやいことを 

思い出しました

 

書いたのはゆう みり(柳美里)

「芥川賞」を受しょう(賞)したさい、

かなり・話だいになった

在日かんこく(韓国)人女性で、

五十になっても・前がみ(髪)がかわいい

「永遠の少女」っぷり

なんだか・いつも気にかかる、作家さんです

 このたび、初めて読んだ・彼女の小説

『JR上野駅公園口』には、

上野こうえんにくらす・ホームレスたち

平成令和が、つづられています。

 知らなかったのですが・・

上野こうえんでは、

天皇ご一家が おとずれるたびに、

ホームレスに いどう(移動)を命じる「特別清掃」いうのが 

行われているらしく、

柳さんは、それを取材したおり

(上野のホームレスって、東北から出てきた人が多いんだな。)

と 

気がついたそうです

 そして「そうだ 福島の被災者からきいている

話をあわせて、

2つのかなしみをつなぎあわせた、ひとつの物語を つくろう

って、 

思い立ったらしい。

 ホームレスと ふくしま・・

だれもが 

気にしつつ、、

目をそむけてしまっている

重いテーマでは ないでしょうか・・?

 



小説は、

一人のホームレスの人生をふり返る

「回顧談形式」で すすむのですが

柳さんが

なんかい(難解)なしゅうじ(修辞)を用いないで

平易に書いているので、

かえって、その内容のリアルさが 抽出されています


 苦しくなりがちな・人間もよう(模様)
を、

「上野公園」という、

さまざまな人々が行き来する・ぶたいそうち(舞台装置)の中で、

自然なものとして

描いた、

ゆうみり(柳美里)

 彼女のけいれき(経歴)を見ると、「演劇人」

であったことが わかり、

クリンたち、

(なるほど

と ガッテンしました

 だって、読んでいるとまさにぶたい(舞台)セット

さながらに、

あの、く知る「上野公園」が 立ちあらわれてくる・かんじなのです

 

たてものの高さから

鳥のさえずり

木々の枝葉まで・・

お芝居の「背景画」が、

ズザザザーーーって、一気に 組みあがってくるのです

(さすがベテラン作家ですね

 

 ・・そんな、上野こうえんで見かける・ホームレスたちにも、

当たり前だけど

生んでくれた・おやがいて

ふつうの人生があった日もあり、

いろんなことがおきて、

今・ここに 至っている。。



 柳さんは、しごく・まじめに

この、現代のしょそう(諸相)と 向き合い

今を映す・ひとつの物語を

つくり出していた 

と 

思います

 

しん(親)友のチットは、

・・傷つくことも多い立場の人でもある彼女が、

あえて、切迫感や鋭さ重さを 見せないで、

さらさらペンを走らせているのが

とっても印象的。

・・・

優しい人なんだね

 

述べていました

 

 

(次回も本の話です~

 

 

 

コメント (9)
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