遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

古九谷陽刻牡丹紋長皿

2020年02月17日 | 古陶磁ー全般

古九谷青磁陽刻牡丹紋長皿、5枚です。

古九谷とはいいますが、有田でつくられた伊万里焼です。1650~1670年代、初期伊万里が終わる頃の作です。

  8.2-8.8 cmⅹ17.8-18.4 cm、高 2.2-2.7 ㎝

おもての面は、ほぼ無疵です。

 

裏面です。

     高台 5.1-5.4 cmx13.9-14.4  ㎝

2個の高台に欠けがあります。

すべての高台に薄く錆色、というより緋色が出ています。

 

陽刻で、周縁に雷紋、見込みに牡丹の花と葉が浮き出ています。

降りものも多くあります。

器体はゆがんでいます。高台にもゆがみがあります。

 

陽刻模様を生かすためか、青磁釉は薄くかけられています。

 

残りの4枚。

 

この青磁牡丹長皿は、伊万里青磁では代表的な物の一つです。

模様はほどんど同じで、同一の型から造られたとおもわれます。

しかし、製品のばらつきが大きく、今回の長皿も、5枚とも器形が微妙に違います。

その理由はゆがみです。

器体が大きく歪んでいます。高台の歪みもあります。

このような歪みや降りものは製品としては難点ですが、器全体として見ると、なんとも言えない味わいがあります。武骨な造りも含め、古拙の味とでも言えるでしょうか。

この長皿の大きな特徴は、器体に比べて、ゴツイ作りの高台です。しかもやや内向き。この様な器は、その昔、「九谷の古い手」と呼ばれていました。

本来なら、早い時期の古伊万里青磁と言うべきでしょうが、古拙な味わいをもった武骨なこの長皿を、あえて、古九谷青磁牡丹紋長皿と呼びたいと思います(^.^)

 

 

 

コメント (6)
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