遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ガラス18 ウランガラス枕時計

2020年09月20日 | ガラス

ぶ厚いガラスフレームの枕時計です。

 

 

 

ケースから出せば、これこの通り。

実は、このケースはおまけです。フランス時計が入っていたのでしょうか、大きさもピッタリ。

 

 高 14.4㎝、幅10.3㎝ 、奥行き 5.2㎝。 重さ1.15㎏。

 

上側:

 

底部:

 

反対側:

 

 

簡素な文字版です。

文字盤の下部に、Manufactured by Seikosha, Tokyo, Japan と極小文字が入っています。

昭和初期に作られた、セイコーの時計です。

 

裏側もシンプル。

ネジでゼンマイをまくのですが、つまみが小さくて、指が痛くなります。正確に時を刻むのですが、いっぱいにまいても、2日ともちません(^^;   

実用的?!

 

透明度の高いガラスですから、メカの動きがよくわかります。

 

ガラスの稜線は、すべて面取りしてあります。結構上手の品です。

 

実は、底のガラスが割れているのです。

残念ながら、以前のブログで紹介した割れた氷カップのように、タダにはなりませんでした(^^;  相場の半値くらいだったでしょうか。「伊万里なら、十分の一だけど・・・」とねばったら、ケース(最初の写真)をつけてくれました(^.^)

 

こん回のガラスも鉛ガラスです。ズシリと重く、透明度が高い。また、触って見ると、硬く冷たい感じがするソーダガラスと比べて、鉛ガラスでは、ぬめッとした柔らかな感じが手に伝わります。切り口(割れ口)も鋭くなく、手を切ることはありません。

試しに、割れ口をカッターナイフで削ってみました。おお、削れます。木を削るような具合にはいきませんが、確かに削れます。切子に使われるはずですね。

 

この透明感がたまりません。

 

こちらの方向では、10㎝ほどの厚さのガラス。

 

 

 

今回のガラスは、鉛ガラスですが、微量のウランが入ったウランガラスでもあります。

ウランガラスは、ブラックライトで紫外線をあててやると、蛍光を発して怪しく光ります。

ちなみに、ブラックライトは、陶磁器や絵画の修復(疵跡)有無を見分けるのに必須の道具です。

 

日本では、ウランガラスの品は、大正から昭和初期にかけて作られました。現在、稀少価値とその不思議な美しさから人気が高く、コレクターズアイテムとなっています。

含まれているウランは微量で、放射線の影響は小さいと言われていますが、こんな品に囲まれていると不気味です。

故玩館での地位も、隅の隅(^.^)

 

コメント (4)
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