遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ブログ2周年! 『志野山水草花紋火入』

2021年01月04日 | 古陶磁ー全般

今日でyahooブログから通算して、丸2年になりました。

そこで、いつものガラクタではなく、それなりの品物をさがしてみました。

 

桃山時代の志野火入れ(伝世品)です。

 

『志野山水草花紋火入』

8.1x8.1cm、高8.8cm、高台径5.4㎝。桃山時代、伝世。

 

四方を見てみます。

左側

 

反対側

 

右側

 

真横から、グルリともう一度。

山に松。

 

草花。

 

山に松。

それとも、天秤で物を運ぼうとしている男?(^.^)

 

 

草花。

 

擂座(るいざ)の位置は普通、口付近なのですが、この品では、結構下方で、ほぼ真中付近です。

 

高台の畳付だけ釉剥ぎで、他はすべて長石釉がドロリとかかっています。

 

小さな石噛みも見られます。

 

 

驚くことに、底には3つの目跡が。ここに一体何を入れて重ね焼きをしたのでしょうか。

 

表面を拡大してみると、大小多くの気泡が見られます。

青磁や通常の上釉と違って、気泡の大きさや分布はバラツキが大きく、まるで天の川のようです。

気泡の間に、不透明な白い小塊が所々に見えます。長石の結晶でしょうか。

 

古いニュウが一本、入っています。

 

手にしっとりとくる感触は、志野ならではですね。

 

20年ほど前、

「アンタほどの人なら、志野のひとつは持っとらなアカン」

と、件の骨董屋の親爺。

こういう甘言に、ついフラッとなってしまうのですね(^^;

その結果、いつものガラクタ買いを、何十回か、あきらめねばなりませんでした(^.^)

 

追記:最初、タイトルを『志野山水草花紋向付』としましたが、図録などでは、この手の品を向付ではなく火入れとしている事が多いので、『志野山水草花紋火入』に変更しました。

 

コメント (12)
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