遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

『納札 東西名物名所合せ』(3)

2021年01月22日 | 納札・紙物

『納札 東西名物名所合せ』(2)の最期の札、浅草の伝統玩具、飛んだりの関連で、しばらくミニチュア道具をいくつか見てきました。

今回は、元へ戻り、『納札 東西名物名所合せ』の続きです。各頁には、縦長の一丁札(4.8x14.4㎝)が、2枚ずつ貼られています。

 

【四天王寺 猫の門の猫】

大阪、四天王寺の聖霊院(聖徳太子を祀る太子殿)には、猫の門と虎の門の2つの門があります。猫の門の木彫猫は聖霊院にある経堂のお経がネズミにかじられないよう、見張り番をしていると言われています。

【四天王寺 庚申堂七色守】

四天王寺、南大門近くの庚申堂では、御七色守り(盗難避)が授与されます。三匹の猿が描かれた三角形の包みの中には、四色の菓子、大豆、昆布と梵字が書かれた紙が入っています。

【木津大国主神社 甲子燈心、なんばのどら焼き】

敷津松之宮(しきつまつのみや)(大阪市浪速区)は、大国神社ともよばれ、境内には木津川や神社地域の開発に尽力した木津勘助の像があります。それにちなんで木津大国主神社とも呼ばれます。

大黒天の縁 日(甲子の日)に燈心を買うと、

その家が栄えるといわれました。納札には、いぐさの芯の部分を取り出して作った燈心が描かれています。

 

【友禅染 鴨川さらし】

友禅染めでは最後に、染めた反物を水にさらし、生地についた糊や余分な染料を流します。友禅流しと言われるこの工程は、昔は、京都の鴨川でおこなわれていました。

また、鴨川の流れに布をさらしながら砧でたたく「衣叩き」という作業をして、布につやを出し、柔らかくしたといわれています。

【神田祭】

神田祭は、神田明神(東京都千代田区)で行われる祭礼で、京都の祇園祭、大阪の天神祭と共に日本の三大祭りの一つに数えられています。

 

【住吉踊りといも】

住吉踊りは、住吉大社(大阪市住吉区)の御田植神事で行われる踊りです。江戸時代には大道芸として全国に流布し、かっぽれなどに影響を与えました。現在は、6月14日の御田植神事をはじめ、主要な神事の時に住吉踊りが披露されます。独特の衣装に身を包み、教導師と呼ばれる踊の先生が、中央の傘の柄をたたき拍子をとりながら謡い、音頭に合わせて童女たちが飛び跳ね、団扇を打ちながら踊ります。

住吉の辺りでは、名産の住吉芋を、焼き芋、ふかし芋、芋煎餅などにして売っていたようです。

【雑司ヶ谷の木兎】

鬼子母神堂を有する法明寺(東京都豊島区雑司ヶ谷)で、10月中旬、お会式で授与されるのが、「すすきみみずく」です。すすきの穂を刈り集めて作られ、安産や子育て、健康の守りとして、江戸後期のころより親しまれてきた、東京を代表する郷土玩具の一つです。

 

【勝間村 凧】

かつて、大阪、勝間村(現、大阪市西成区)で、勝間凧(こつまいか)と呼ばれる凧が作られていました。両横に空気受けの袖がついていたので、イカと呼ばれていたのでしょう。あるいは、江戸時代、過熱した凧あげを幕府が禁止したため、イカあげとよんで禁をすりぬけた庶民の知恵の名残りかも知れません。明治から大正にかけ輸出品として多数製作されましたが、昭和初期に消えました。この納札が作られら頃には、勝間凧がまだ住吉名物であったと思われます。

【灘の銘酒】

説明略。

コメント (2)
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