遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

生活笑百智 『萬法秘術集』(4)

2021年03月29日 | 面白古文書

江戸時代の面白百科『萬法秘術集』の4回目です。

 

   山のいも結ふ法
塩のにかりニて積て半時置後に結ふ
へし心のまゝにむすへるなり

   山芋を結ぶ方法
塩のにがりをふって半時ほどおいた後に結ぶ。
思い通りに結べる。

 

   物の香りを去ル法
ひともじをくひて口の奥ニハ酢ニて
口を洗て呑へし

   物の香りを取りさる方法
人という字を食べ(?)、口の奥には酢で
口を洗って呑む。

 

   弘法おこり落シ法
○○○○急如律令  右の通り
盃の中は二行に書その朝呑へし

   弘法瘧(おこり)の直し方
◯◯・・・急如律令  このように
盃の中に2行に書いて、朝呑む。  瘧(おこり):マラリア熱。

 

   歯を虫くひうつくを留る法       
そらばんニ二百四十八ト置六の位ニて割
末の玉ニ灸三ツすゆると直に留る也          

   虫歯が疼くのをとめる方法
ソロバンに二百四十八と置き、六の位で割り、
最後の玉に灸を3個すえるとたちまち止まる。 うつく:疼く

 

   魚の骨喉にたつを取法
九竜化骨神護身 
是を三度ヅゝ唱ふべし

   喉に刺さった魚の骨を取る方法
九竜化骨神護身
これを三回ずつ唱えなさい。

 

 

   夜道によタものに逢ぬ法
ランラン。ラエシリント二十度唱て出べし

       夜道で与太者に逢わない方法
ランラン、ラエシリンと20回唱えなさい
  

   酒久しく貯法
菽(しゅく)の実松の葉二品入置バ何年ニても
くさらぬなり

    酒を長くもたす方法
菽(しゅく)の実と松の葉、この2品を入れておけば、
何年たっても腐らない。

 

   水に繪を書法
小豆の粉木わだの粉等分きぬニつゝみ
よくしぼり紙にぬりうゑに繪を書
水中に入箸にて紙を沈へし
繪うくなり

    水に絵を描く方法
小豆の粉、キハダの粉を同量、布に包み、
よく絞って紙に塗り、上に絵を描く。
水の中に入れ、箸で紙を沈める。
絵が浮き出てくる。

 

   鼡道◯二かゝらぬ法
菌弱(蒟蒻?)玉を摺つぶし付れバよし

    鼡道◯ニかゝらない方法
コンニャク玉を摺りつぶし、付ければよい。

 

 旅ニてのみしらミうつら(ぬ)法
朝顔の種を袋に入懐中すれば
のミしらみうつらぬる妙なり

   旅で蚤や虱がうつらない方法
朝顔のタネを袋に入れ、懐へ入れておけば、
蚤や虱がうつらない、不思議だ。

 

   色白くなる法
白大角豆白小豆牽牛子
三品粉にしてあらふべし則色白く
なる事雪の如し

    色が白くなる方法
白大角豆、白小豆、牽牛子
この三品を粉にして洗うとよい。すぐに
雪のように色が白くなる。

 

 

コメント (4)
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