先回のブログで、土の中で悪さをするセンチュウをやっつける捕食菌を増やせば、野菜の根が傷つくことなく、青枯れ病菌におかされ難くなるのではないかと考えました。しかし、結果はおもわしくありませんでした。
青枯病は、青枯病菌によって根がやられます。感染すると、水分や養分を吸収することができなくなり、枯れてしまう訳です。
ならば、野菜の根を丈夫にしたらどうか、との考えがひらめきました。
「そうだ、垂直栽培、やろう」(^.^)
垂直栽培については、昨年度にブログで紹介しました。
垂直栽培では、野菜の苗の段階から、支柱に茎をギュッとしばり付け、垂直の姿勢を保ちます。垂直に保つことによって、生長点で生成した植物ホルモン、オーキシンが下へ移動して根を発達させると同時に、他の植物ホルモンを活性化して、ホルモン全体のバランスを良好に保ち、野菜の成長を促すというものです。
その後、第2,第3のレポートをブログにのせました。が、まだ、最終結果については報告していませんでした。そこで、最終報告も兼ねて、垂直栽培の効果、特に、トウガラシ類の結果を今回述べます(昨年度分です)。
垂直に縛る野菜と通常栽培の野菜と二通りの方法で育ててみて、結果を比較しました。
トマト ◎
ナス ◎
トウガラシ類 △
ジャガイモ ◯
ニンニク ◎
大豆 ◎
カボチャ ×
サツマイモ ×
トマト、ナス、ニンニク、大豆は、樹勢、収量ともに増大。トマト、ナスについては、秋まで生育が続きました。ジャガイモは樹勢強、収穫量はそれほど変わらず。カボチャ、サツマイモは、蔓の伸長に縛る作業が追い付かず、途中で垂直栽培を放棄(^^;
問題は、トウガラシ類です。何年も、青枯病にやられ続けてまともに育ったことがありませんでした。はたして、垂直栽培の効果は?
入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました。
入れた苗は、万願寺トウガラシ4本、シシトウ4本、ピーマン4本です。それぞれ、半分(2本)を垂直栽培、残りを普通栽培にして、生育の状態を観察しました(5月中旬)。
その結果、普通栽培の苗は、植えてからほどなくして(5月中)枯れました。苗を引っぱると、植えた時と同じ状態でスポンと抜けます。根がほとんど張っていません。それに対して、垂直栽培の方は、6月まで成長し、少し実がなった状態で、順次、枯れていきました。7月まで生き残ったのは、シシトウ(京みどり)1本のみでした。
ところが、この1本はどんどん大きくなり、8月末には、160cm、9月には180cmの高さになり、10月末までなり続けました。
中山道脇に1本だけ残ったシシトウの巨木? (2021年8月30日)
生い茂る葉とすずなりのシシトウ。
これだけ大きいので、1本で10本分ほどの実がとれました。
支柱を補強しないと、自分の重みで倒壊。台風が来たら一発でアウトでしょう(^^;
垂直栽培の特徴は、成長が長く続く事、野菜の若さがたもたれることです。これは、やはり根が土壌中にしっかりと張っているためでしょう。その結果、1本/12本ではありますが、青枯病菌の攻撃に打ち勝ったのだと思います。
昨年度(2021年)の結果でした(^.^)
ps. 先回(先年度分)試みた線虫捕食菌資材は、今回の垂直栽培でも入れてあります。ですから、線虫捕食菌+垂直栽培の結果です。