先回のブログで紹介した『御深井(おふけ)釉手付菓子』が入っていた箱に、古い新聞が敷いてありました。
戦後間もない頃の地元の新聞です。
「岐阜新報」!? ・・・・聞いたことあるような、ないような ・・・ 聞いたことありませんでした(^^;
調べてみると、この新聞は、昭和21年に「濃飛新聞」として発刊され、昭和24年9月に「岐阜新報」と改名して、昭和25年1月に終刊となった地方の日刊紙であることがわかりました。現在、岐阜県内にまとまった品はなく、国会図書館マイにクロフィルムとして保管されています。
ま、言ってみれば、戦後、雨後の筍のように出現したカストリ新聞の一つでしょう。
今回の古新聞は、終刊近い「岐阜新報」の一部です。
紙面は、少しくだけた記事が目につきます。
裏面(2面):野球に力を入れていたのか、関係記事が多いです。
芸能娯楽:
注目されるのは、けっこう煽情的なタイトルの記事です。
「元代議士長男の詐欺事件」や「哀れ御曹司色情狂の断種」など、旧名士、名家をこき下ろしているのは、この頃の風潮だったのでしょう。
中でも、特に「色情狂断種施行」は、ショッキングです。
名家の御曹司が出征中、南方でマラリアに罹るも、復員後、幸せな生活を送っていたが、マラリアが再発して色情狂となり、断種された、という記事です。
これは、あの旧優生保護法ですね。
優生保護法は、昭和23年(1948)に制定された法律で、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護すること」を目的に、遺伝性の知的障害や精神障害などの病気があるとされた人に強制不妊手術などが行われました。この法律は、昭和23年9月11日~平成8年9月25日まで存在し、数万人ともいわれる多くの被害者が出ました。
国によるナチスまがいの優生法が最近まで施行されていたのは驚きです。
こういう法律の恐ろしい所は、優生や不良の定義はどうにでも解釈可能で、時の権力や社会勢力によって、恣意的に運用されたり、拡大解釈されるの可能性が大きいことです。
不良とされる病気や障害も、いつ、どうやって決めたのかはっきりしません。今回の新聞記事は法律ができてからまもない頃の例ですが、マラリアによる脳損傷は後天的なもので、法律の趣旨にさえ合っていません。また、優生保護法で不良とされた障害または病気の中には、網膜色素変性、黄斑部変性、網膜膠腫などの眼病まで含まれていました。私も対象になってしまいます。
「優生」は、さらに重大な問題を孕んでいますす。今話題の旧統一教会の教義にも、優生思想に通じるものがあります。朝鮮半島出身の文鮮明による世界統一構想は、他よりも優れた彼(ら)が世界のトップに立つべきだというものです。ですから、劣った日本人は、金銭で奉仕するのが当然だというのです。
驚いたことに、嫌韓を叫び、美しい日本を標榜していた安倍元総理をはじめとする自民党の国会議員たちは、裏で統一教会と通じていたのです。票?金?権力?ここまでくると、人間のクズとしか言いようがないですね。
また、旧統一教会は、怪しい変な教義を正しく説明することなく、信者を誘い込み後に徐々に洗脳して、変な教義に疑問を持たなくさせてしまうのでしょうね。
常識が非常識である変な教義です。
そして、一旦制定されると、なかなか廃止にならないんですね。
このような法律が制定される場合は、制定の過程を良く監視する必要がありますね。
数は力なりで、勝てば官軍ですから、数を増やすためなら、どんな手でも使うのでしょうね(><)
選ぶ側とすれば、そのカラクリにも注視して選ぶ必要がありますね。
優生保護法は、数で勝はっている方が優、少数派は劣という大前提で成り立っています。もし、障害をもっている人間が大多数なら、話しは変わってくるはずです(老人ならほとんど、何かしらの障害を持っているか、障害予備軍ですが(^^;)。
戦国時代でなくても、人間の社会は、数の優劣が支配原理ですから、法律は本来、それを修正するものでなければいけないのです。が、優生保護法の場合は逆でした。昨日も、盲人老夫婦が優生保護法で受けた不妊手術に対して国を提訴しました。