遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

陶胎七宝花紋耳付大花瓶

2021年05月28日 | 陶磁胎七宝

前回の陶胎七宝ブログで、尺オーバーの大花瓶を紹介しました。

これに気をよくして、少しでも大きな陶胎七宝をと、品物探しを始めました。そして見つけたのが今回の品です。

最大径14.6㎝、口径11.8㎝、底径12.3㎝、高37.8㎝。重2.56㎏。明治。

 

大きく、重い陶胎七宝花瓶です。

胎土は、やはり薩摩系のクリーム色陶土。

様々な花柄模様が、泥七宝で施されています。

胴体中部には、薩摩系の彩色がなされています。

 

上部、口の内部には色釉で唐草のような模様が描かれています。

 

底には、伊万里焼風に蝶と花が描かれています。

 

90度ずつ回転します。

 

両側にある耳にも花が描かれ、本来の獣耳が牡丹耳になっています(^^;

 

さらに90度回して、最初の反対側:

 

窓の内、外には、様々な花。

地を埋めているのは、これまで紹介した陶胎七宝のハート形ではなく、渦巻き型の植線です。

 

さらに90度回転:

 

 

 

この品の見どころは、胴の窓の中に見られる様々な花や木でしょう。

大輪の朝顔。

藤の花。

松?の花?

ススキとトンボ。

梅の花。

桜の花。

葡萄。

コスモス?紅葉?

 

これでもかというくらいの花、さらに胴中部には派手な彩色。

とても日本人向けとは思えません。明らかに輸出品ですね。

こうやって並べてみると、今回の品がいかに巨大かがわかります。

陶胎七宝の限界に近い大きさか!?と、一人悦に入っていました。

しかしそこには、思わぬ落とし穴が!

        ・・・・・To be continued(^.^)

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-05-28 09:47:13
前回の物の大きさに驚きましたが、更に驚きですね!
こんなに大きなものをどうやって作ったのかと思いました。
文様も、百花繚乱で、これを、こんなに大きなものに描く作業も大変ですよね!

ますますびっくりしていますが、「To be continued」ですか!
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-05-28 10:32:35
これだけの大きさで、これだけの派手さなら、西欧の家に置いても様になるでしょうね。
ただ、陶胎七宝の味わいは、品物が大きくなるにつれて、だんだん薄れていく気がします。

他のジャンルでもそうですが、大(きな)物に目がいくうちは、まだまだですね(^^;
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遅生さんへ (酒田の人)
2021-05-28 20:28:20
七宝のことは良く判りませんが、やはりこれだけのサイズの品を作るのは
並大抵ではないのはなんとなく判ります。
当時の職人さんは、「よっしゃ、俺が一番デカいのを作る」という思いがあったんでしょうか
それにしても、さすがに故玩館、凄い品が勢ぞろいしていますね。
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酒田の人さんへ (遅生)
2021-05-28 21:05:49
七宝はキレイでナンボです。
ピカピカの七宝が作れるようになったのは、明治初期。それまでは青山邸の引手のような濁った泥七宝でした。
陶胎七宝は、この古いタイプの七宝で、ボディが陶器のため、大きい物を作るのが困難です。
それなら、というわけで大物探しに走った訳です😂
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