昨日のブログで、古伊万里コレクターのDr.Kさんが、「染付 蝶文 輪皿が花大深皿」を紹介されていました。
例によって、おお、似たような皿があったはずと思い、棚を捜したところ、今回はすぐに見つかりました(^.^)
古伊万里の輪花小皿4枚です。
すべてに、小ホツがあります。
径 11.0㎝、高台径 6.2㎝、高 2.3㎝。江戸中ー後期。
この皿は、20年ほど前、名古屋骨董祭で求めた物です。この日は、これという品も見当たらず、かといってこのまま手ぶらで帰るのもなんだし、と思い、購入しました。傷有りですから、それなりのお値段。図録にも登場するタイプの品だし、まあいいかと自分を納得させました(^.^)
小さい皿のわりには手が込んでいます。
外周の口紅の内側に筋状の陽刻(写真ではほとんど見えません)、その内側を染付のドットでぐるっと囲み、見込には全面に細かな陽刻模様が施されて、漢詩が書いてあります。
手掛かりは漢詩。
『深山逢白額、努力転精風、父子倶無恙、脱身纔甲中。揚香』
これは、中国の親孝行な子供24人(二十四孝)の一人、揚香のお話ですね。
「父と暮らしていた娘、揚香は、二人で山へ出かけた時、虎が襲い掛かろうとしました。揚香は、父を助けるため、身を賭して虎に立ち向かいます。心をうたれた虎は、尻尾を巻いて退きました。」
かなり細かな陽刻が、全面に施されているのですが、写真ではわかりずらいです(^^;
唐子娘が虎に立ち向かうところを彫っています。
娘は斜め左方向、虎に向かっています。
虎は下向きです。「虎」の字の上に足、左方にグルグル巻いた尻尾、下方に顔があります。
周りの岩や草花まで細かに表されています。
実は、この皿、買ってから一度も取り出したことがありません。眺めてみたのは今回が初めてです(^.^)
どのような型を用いたのでしょうか。まるで、鋭い片切り彫りのように見えます。こんなに小さな皿に、壮大な物語を精細に陽刻する伊万里の技術に驚きました。
しかも、4枚も!
故玩館には、いろんなものが、沢山眠っていますね(^_^)
私も、染付蝶文輪花大深皿を横浜の骨董市で買ったわけですが、私は、その日は、午前中、東京の骨董市に行きましたが、たいした収穫がなかったので、午後、横浜まで遠征したわけです。
そこでも、たいしたものがなかったのですが、せっかく横浜まで遠征したのだからと思い、その深皿を買って帰ったわけです。
その頃は、この手が、時々売られていましたよね。今では、有名になってしまったのか、なかなか登場しなくなりましたね。
4枚もお持ちなんですね。
是非、あと1枚追加して5枚組にしてください(^-^*)
私の場合、休憩をはさまないとどうしても注意力が散漫になってしまいます(^^;
伊万里の陽刻も、この時期になると、初期ー中期のもやっとしたものではなく、本当に細密になりますね。びっくりしました。青磁釉を掛けたらすばらしいと思うのですが。
陶工がお遊びで掛けた物があれば、Drを見習って、すかさずゲットしたいです(^.^)