遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

円空仏ゆかりの宿儺カボチャが採れました

2023年08月24日 | ものぐさ有機農業

このところ何回も紹介しているスリム化したトウガラシ類の畑です。

が、今回の主役は、その右側にあるカボチャ畑です。

これも当然、連作。

ソラマメの収穫晩期(6月初旬)に、いくつかの株を取り去り、そこへカボチャの苗を植えました。なぜ、こういうセコイ育て方をするかというと、ソラマメの収穫終了をまっていたら、カボチャを植える時期を失するからです(^^;

そろそろ出来ている頃です。メチャクチャにはえている大葉の間をぬって、カボチャのツルが広がっています。いつも、生育初期には、教科書通り、3本仕立てでツルを誘導しているのですが、そのうちに、子ヅル、孫ヅルがごちゃごちゃになり、あきらめて伸びるに任せることになってしまいます。これもまた例年通り(^^;

今年は、いつもの恵比寿カボチャの外に、宿儺カボチャを植えました。10年以上前、宿儺カボチャが話題になり始めた頃、早速苗を取り寄せて植えてみました。中型のカボチャが数個採れました。他のカボチャに比べて栽培が難しく、質より量の我が家では、以後、もっぱら、多産の恵比寿カボチャを作ってきました(くどいようですがこれも連作(^^;)

今年はふと魔(?)が差して、宿儺カボチャも入れてみました。

宿儺カボチャは、飛騨、高山市丹生川地区で古くから栽培されてきたカボチャです。皮が薄く、ホクホクとしておいしい。

まあ、これだけ採れれば合格ですね。

一方、恵比寿カボチャの方は、不作です。昨年は、30個程も採れました。けれど、今年は、植えてしばらくしてウドンコ病が出ました。最初は重曹液を散布していたのですが、効き目はイマイチ。やむなく、石灰を直接散布して、枯れるのはくい止めました。しかし、その後の実の付きがかんばしくなく、不作に終わりました。

まあ、今年の主眼は宿儺カボチャですから、これで良しとしましょう。

一般には、宿儺は人々を苦しめる怪物とされていますが、飛騨丹生川では、武勇にすぐれた司祭、農耕の指導者で、この地域を中央の手から守った英雄であったと言われてきました。そこで丹生川地区では、特産のカボチャに、宿儺カボチャの名をつけた訳です。

丹生川地区にはまた、両面宿儺像と言われる円空の名作が残されています。

円空仏といえば、ウチにもあったはず・・・

高 38.0㎝、幅 9.6㎝、奥 6.8㎝。重 201g。

彫りはまあまあ。

何よりも木の風化がすごいです。ボロボロと崩れます。ふわっと軽く、木が枯れています。重さは200gしかありません。しかし、400年の風化にしては、彫りの風化が少ない。どうやらこれは、水中や土中に長く留めて(5年以上)時代をつけた品物ですね。いわゆる、良く出来た贋物(^^;

何となく相性を感じます(^.^)

円空への色気はサラリとすてて、この大物(3.2㎏)が、どんな風に料理され、今晩の食卓に出てくるか楽しみです(^.^)


コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 江戸中期色紙『新六歌仙和歌... | トップ | 大徳寺四四四世諦道宗當『且... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (水仙)
2023-08-24 13:12:42
宿儺カボチャというかぼちゃを知りませんでしたからネット検索しました。ずいぶん高級な南瓜なのですね。お料理した写真も見せていただけると有り難いです。南瓜好きな私も南瓜を食べたくなりましたから明日普通の南瓜を買ってくることにします。もちろん宿儺かぼちゃが売られていたら買ってきますが…。
返信する
遅生さんへ (Dr.K)
2023-08-24 14:44:34
宿儺カボチャというものがあるのですね。
私は、見たことがありません。
この辺では作っていないし、売ってもいないようです。
しかし、大きいですね! そして美味しいのですね(^_^)

丹生川地区には、宿儺カボチャとか、円空の両面宿儺像とか、宿儺にまつわるものが存在するのですね。古い歴史を持つ地区なのですね。
また、故玩館には、円空仏が鎮座されているのですね(^_^)

我が家の家庭菜園の一角にも、カボチャが這い回っています。
堆肥の中の種から自然に芽を出したものですが、ちょっと空いた所に出た芽なものですから、放置していましたら大きく育ってきたものです。
もっとも、あまりにも這い回られては邪魔なものですから、蔓を持ち上げては丸め、持ち上げては丸めて、はびこらないように積み上げています。
今は、2種類はびこっているようです。
1種類は、普通の形の恵比寿カボチャのような形のもので、もう1種類は瓢簞形のバターナッツカボチャです。
返信する
水仙さんへ (遅生)
2023-08-24 16:46:18
市場に出回る量は多くないです。
が、今時のことですから、大きなスーパーにはあると思います。普通のカボチャより、高いです。いわゆる高級カボチャ。味も良いです。
一度味わってみるのも一興です。
返信する
Dr.Kさんへ (遅生)
2023-08-24 17:00:21
宿儺カボチャは、何処でも栽培可能だと思います。本来は、丹生川地区に留めておくべき種ですので、さすがに大っぴらには名のれず、飛騨カボチャなどの名で苗を売っています。収穫物から種をとれば、苗を買わなくてもOK(今は、種苗法とかで、いろいろややこしい制限があるらしいですが)。
Drの所では自然生えのカボチャが元気に生育しているのですね。家庭菜園の理想ではないですか。2種類のカボチャをかわいがってやって下さい。
もし、故玩館に円空仏があったとしても、展示はおろか、ブログにも出せません。当地では、円空仏があるとわかると必ず泥棒(プロ)が入りますから。某骨董屋とツルンでいるとの噂有り(^^;
返信する
Unknown (blue-wing-olive)
2023-08-24 18:58:04
円空仏が好きで、一時期、千光寺とか、美並の施設とか、岐阜の骨董屋とか見学に行ったものです。
ブログ主さま、贋作の見分けがつくんですね。プロフェッショナルの方はやはり凄いと思います。
宿儺カボチャは、こちらでは直売所とかで、わりと手に入りやすいので、食べる機会は時々あります。
ブログ主さまのところは、豊作のようで何よりです。美味しそうです。
返信する
blue-wing-oliveさんへ (遅生)
2023-08-24 20:14:58
私は、プロではありません。ずぶの素人です。ただ、ガラクタと格闘してうん十年、それなりの経験だけはさせてもらいました。ただ、円空仏のような特殊な作家物になるとほとんどお手上げです。わずかに、数百年の時代による木の変化が手がかりでしょうか。
ずっと以前、岐阜県が1億円で円空物を購入し、その後、クレームがついて、すったもんだのあげく、灰色決着でウヤムヤとなり、お蔵入りになった事件がありました。選定委員のセンセー方でも見抜けなかったのですね。それとも、ボンクラぞろいだった?(^^;
宿儺カボチャは、都会ではかなり希少価値の野菜です。ウチのあたりは、田舎ですからそれほどでもありません、作る人はあまりいませんが。
返信する
Unknown (クリン)
2023-08-25 18:12:46
ぬおお!!円空仏!?🐻とコウフンしていたら、にせものだったのですね!(すくなカボチャにも似ていますがなんかゴーヤみたいです🍀)
えびすカボチャに似た木喰仏もあれば、こがんかんとしてはパーフェクトですね⤴✨🎶
返信する
クリンちゃん (遅生)
2023-08-25 20:12:47
円空は、私の家の辺りへも来ていたようです。数軒先の尼寺(現在、無住)にも仏像が残されていました。
しかし、円空仏もこれだけ有名になると、夥しい数の贋物が出回るようになりました。コレクター泣かせです(^^;
木喰はいいですね。栗カボチャを磨けば、かなりいい線を行きそうです(^.^)
返信する

コメントを投稿