鍋島青磁五寸皿です。
ブランドにつられて入手しました(^^;)
径16.0㎝、 高 4.4cm
器形には鍋島らしさが(^^)
底径 8.2 cm
カメラが下手くそなのと、ブログアップ時の写真の質の低下で、かなり白っぽく見えています。
実際は、透明感のある青緑色です。雨過天青といえるでしょうか。
比較のために、伊万里青磁小皿を載せます。
径 11.1㎝、高 2.5㎝
底径 6.2㎝
大明年製の銘がある江戸後期の古伊万里青磁です。
両者を並べてみました。
やはり、ワンランク上のような気がするのですが・・・。
表面を拡大して見てみました。
ブルーの透明釉の中に多数の気泡が均等に浮かんでいます。少なくとも、今出来のまがい青磁ではなく、まじめに焼かれた品のようです。
正直いって、私には、この(鍋島?)青磁の時代、産地を特定できる能力はありません。
故玩(骨董)は、しょせん、ロマンの産物。そして、ロマンを成り立たせているのが、ポジティブな想像力です。
偽物は、毎日見ているうちに小さな疑問がわいてきて、それが違和感に変わり、そのうち、何とも厭な感じがしてきます。
すると、ポジティブな想像力は粉々に砕け散ってしまいます(><)
この皿がウチに来てから20年余。まだ、今のところは大丈夫です(^.^)
ネガティブな現実ばかりの世の中だからこそ、何とかポジティブな想像力をもち続け、ロマンの世界にひたっていたいものです。
ここの小皿と同じ色です。
青磁を好きではない私ですが、一応、鍋島青磁の皿の1枚くらいは持たなけりゃということで、鍋島青磁の7寸皿を1枚だけ所蔵しています。
その皿については、鍋島に明るい小木一良先生が我が家を訪れた時に見せたことがあります。
その際、先生は、盛期に近い本歌と認めてくれました。
遅生さんが言われますように、
「偽物は、毎日見ているうちに小さな疑問がわいてきて、それが違和感に変わり、そのうち、何とも厭な感じがしてきます。」
よね。
この5寸皿を見て20余年が経っても、ポジティブな想像力が粉々に砕け散らないところからも、これが本歌であることを証明していると思います(^-^;
高台畳付き部分に鉄釉を塗ってはいませんね。
そのことからも、本歌と思います。
その違いを見極めることができる人間の感覚は、けっこうすぐれていると思います。
言われるとおりに、見れば見るほどいい色ですね。小皿かと思ったら16センチ。密かに楽しんでおられることでしょう。
故宮博物館で、汝窯青磁の水仙盆を見ました。やはり「雨上がりの空の色」というそうで、ほんとに美しいものでした。
「大明」は日本にはない年代なので調べてみて、やっとわかりました。少しずつ知識が増えています。
その一つが、釉薬中の細かい気泡です。このため、光が乱反射され、色に奥深さがうまれます。また、彫りなどの地模様が幻想的に見えます。
気泡の生成は釉薬中の不純物(アルカリ)と薪焼成によりますが、偶然に左右されることが多く、故玩ハンターの腕の見せ所でもあります(^.^)
伊万里のAuthorityからの折紙は、弱気になりがちな遅生にとって、何よりのチカラであります(^.^)
青磁は本当に難しいですね。得られる情報が少なすぎます。白磁ほどではないですが。
それにしても、7寸皿をお持ちとは、さすがです。おまけに、小木先生がコレクションを御覧に家まで来られたのですか。
これは、もう、Dr.Kコレクション集を上梓していただかないとおさまりがつかないのではないでしょうか。解説文は、ホームページのをまとめ直せばOKでしょうから、すぐにでもGOですね(^^)
「大明成化年製」は、文字通り明の時代の陶磁器に記された銘なのですが、中国を手本にした伊万里では、年代とは関係なく一種の記号のように使われました。一昔前は、この銘のある骨董は、本物で良い品だ、ということだったのですが、今はいくらでも精巧なコピー品が流通しています。せちがらい時代です。要注意(^^;)
鍋島の中では青磁は比較的に人気の低いカテゴリーですが、伊万里の青磁と比較すると出来栄え、品格の高さが全く違うことが判ります。
中期の鍋島青磁、やはり一つは手にしたい品であることは確かです。それにしても拡大写真は凄いですね!、こんな風になって発色しているのを見ると、まさに炎の芸術であることを感じます。