先回は、肥松の煎茶盆を紹介しました。
今回は、肥松の香盆です。
26.4cm x 16.7㎝、高 1.7㎝。明治時代。
先回の肥松煎茶盆より、少し小振りです。また、縁も浅いので、香盆としました。もちろん、煎茶盆として使うことも可能です。
先回の盆は松の柾目を使っていました。
一方、今回の品は、松の輪切りをそのまま使っています。
上品な柾目に対して、ワイルドな輪切り。
脂分が非常に多く、色も濃い茶色です。
一番の見どころは、太い幹から出た小枝の部分。
幹の中心から伸びています。まだ、赤ちゃんの段階の枝も見えます。
ひび割れも、中心から出ていますね(^^;
この盆を作るにあたって、やはりこの枝を意識したのでしょう、外側に少し出っ張らして枝を強調しています。なかなか芸が細かい(^.^)
そこで、この盆に合う品を探しました。
8.7㎝ x 4.9㎝、高 5.2㎝。江戸時代。
京焼だと思います。鶴香合は多くありますが、この品は風雅な落ち着きがあります。
渋い肥松香盆の上で、場所を得たかのようです。
香合は、お茶席にたいておく香を入れるため、茶道でも使われます。小さくかわいいので、集めている人もいます。
香道の方は、今はめちゃめちゃマイナーです。で、例によってそれならば、と入門するつもりで道具だけは揃えたのですが、結局、Uターンしました。理由は、お金と人間関係(^^;
そして、香合をそれに載せるわけですね。
確かに、この香盆の「一番の見どころは、太い幹から出た小枝の部分」ですね(^_^)
綺麗な柾目の利用に対して、その対極にある面を利用するという発想ですね(^-^*)
手でつまもうとする人もあるかも。
でも、少し太いですね。
黒もじも、ワイルド!?(^.^)