
日本画家、加藤栄三の小品(短冊)です。
加藤栄三『くわい』岩彩、短冊。昭和。
加藤栄三(かとうえいぞう、1906年(明治三九(1906)年-昭和四七(1972)年): 日本画家。加藤東一の兄。岐阜市生れ。東京美術学校卒、結城素明に師事。文展、日展で活躍。文部大臣賞受賞。日展理事。
独特の色調が印象的です。
色使いや画題は、弟、加藤東一とよく似ていると思います。
くわいの周りのブツブツが気になります。
粗い岩絵具をそのまま撒いたように見えます。
加藤栄三は、昭和47年、65歳の時に自死しています。
絵画制作に行き詰ったからだと言われています。が、本当の理由は不明です
芸術家の宿命でしょうか。
画壇で華々しく活躍する弟、東一に対する複雑な思いもあったでしょう。
空襲で、ほとんどの作品が焼失するという悲惨な体験もその生き方に影をとしていたのかもしれません。
なぜ自殺されたのでしょうね。個性もあるし死ぬこともなかったと思いますが、かのゴッホですら自殺したのですから、認めてもらえない芸術家は悲惨ですね。
私も現在猛烈なバッシングを受けていますから、自殺しないといけないでしょうか?😄
優れた表現ができる天賦の才があればべつですが(極めて稀)、たいていは己を責め苛み、切り刻むようにして自分の表現を作り出さねばなりません。
加藤栄三の絵が哲学的な雰囲気をもっているのは、その辺によるものだと思います。
いじめの本質は、いじめる側の劣等感にあります。
お互いに優秀だっただけに、それぞれ譲れないものがあったでしょうから、厳しいものがあったのでしょうね。
特に、兄のほうには、弟には負けたくないというプレッシャーのようなものがかかったのでしょうか。
確かに、この絵にも、深遠な悩みのような雰囲気を感じさせますね。
互いに影響しあったのでしょうね。
普通でも、兄弟、親子で同じ職業に就いた場合、微妙なものがありますから。
岐阜城金華山の麓、ロープウェイ乗り場横に、加藤栄三・東一記念美術館があります。一応、兄が先になっています(^^;