遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

スリム化の効用

2023年08月20日 | ものぐさ有機農業

16日のブログで野菜畑のおもわぬ台風被害を、18日のぶろぐでは、台風対策、野菜のスリム化について報告しました。

特に、虎の子のトウガラシ類は、今年、青枯れ病に勝てるかどうかの最終段階に入っていたので、ぜがひでも、生き抜いてもらわないといけなかったのです。そこで、台風の前日、大慌てで実をすべて取り去り、枝をギュッとまとめて支柱に縛り付けてスリムにして、強風をやり過ごしました。

こうして、とにかく台風は無事にパス。

で、あれから5日弱の今朝、畑をのぞいてみました。

当然ですが、異常なし。

ギュッと縛ったピーマンは、スッと上へ伸びています。

よく見ると・・

実が大きくなっているではありませんか。

シシトウも、

近寄ってみれば、

ビッシリと実をつけています。

さっそく収穫した結果はこれ。

台風前に、大慌てで行った5日前の収穫(下写真)と較べてみると・・・。

ほとんど同じですが、今日の方が色艶が良い。

今回、気がかりであったのは、縛って内側になった花のことです。かなり強く縛ったので、行き場を失い、実がうまく育たないのではないか、との懸念がありました。

上の写真の右側が通常の実、左側が内側になった実です。日光が直接当たらないので色白ですが、まあ、良しでしょう。それに、内側にある実は、10個に1個くらいの割合で、思ったよりも少なかったです。実も、葉や枝同じで、日光を求めて外側へとせり出すのですね。このことは、十六ササギでハッキリと観察することができました。

ところで、野菜を縛って育てるのは、垂直栽培と言われる方法です。成長軸を真っ直ぐにすることにより、野菜のホルモン分泌が良好となって根が良く育ち、地上部の生育が促されます。結果として、良い野菜が長く収穫できます。

実は、この場所のトウガラシ類は当初、この垂直栽培で育てていました。が、途中で少し気を抜いた隙に、枝が大きく広がってしまい、中央へ縛り付けるのが難しくなり、そのまま伸びるにまかせていたのです。ところが、台風来襲!の非常時、強風に対処するため、無理やりに枝をまとめて支柱に縛り付けました。はからずも、垂直栽培を再開することになったのです。

その結果、5日弱でこの収穫。

台風対策、スリム化の効用ですね(^.^)

 

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野菜畑、台風をかわすにはスリム化

2023年08月18日 | ものぐさ有機農業

先回のブログで、台風7号による野菜畑の思わぬ被害を報告しました。

台風後の様子です。

とても一人では後始末ができません。奥さんの応援を得て、何とかざっと片付けることが出来ました。

十六ササギ棚の一部も残せました。自家用分は収穫できそうです。

キュウリの棚は無傷で残りました。が、キュウリはすでに終盤。一日に数本細々と採れれば良いので、下の方を取り除いてすっきりさせ、バトンタッチ用のキュウリ苗を植えました。

さて、本題はこれからです。

実は、台風襲来の時点で、トマト、十六ササギ、キュウリは盛りを過ぎていました。もし被害を受けたとしても、まあ仕方がないかとの思いでした。また、盛期のオクラは毎日葉を落としているので超スリム、モロヘイヤは頑強、いずれも少々の風にはビクともしないでしょう。結果は予想通りでした(^.^)

問題は、夏バテを脱しつつあったナスと滅茶苦茶に採れていたトウガラシ、ピーマン類です。

迫りくる台風に何とかしなければ・・・

まず、ナスです。

とにかく身軽にせねばなりません。実を全部取り、枝をできる限り切り詰めました(どのみち、同じ操作で秋ナスに備えます)。

ご覧のように無傷。新しい枝葉がだいぶ出て来ています。この調子なら、秋ナスはOKですね(^.^)

そして、何としてでも台風をかわさねばというのが、トウガラシ、ピーマン類です。先ほどの畑の西方、桜老木の下に、シシトウ(伏見甘長)3本、ピーマン2本、肉厚ピーマン2本、万願寺トウガラシ2本の計9本が植わっています。

これらを是が非でも台風から守らねばならないのには理由があります。

まず、これらは今、どんどん実っています。上手くいけば、この調子で10月半ばくらいまで収穫できそうなので、何としても生き残らせたい。

しかし、トウガラシ類はものすごく枝が茂ります。枝は弱く、力がかかるとポロっと折れます。おまけに、多数の実がついていると重くなり、少しの風でも折れてしまいます。

そして、何よりも、この場所のトウガラシ類は、私にとって思い入れの強い野菜なのです。というのも、これまでブログで何回も報告してきたように、ここ10年ほど、トウガラシ類は青枯れ病でまともな栽培が出来きませんでした。いろいろな事を試しつつ、ついに今年は、12本中9本が生育という、これまでにない好成績をおさめつつあります。ですから、彼らには何としても生き抜いてもらわないと連作大王のメンツが立ちません(^^;

そこで施した台風対策は、徹底したスリム化。

大きく広がった枝々をギュッとしぼって真ん中に集め、麻紐で縛り、支柱に固定しました。

そして、伸びの無い農業用紐で各支柱を互いに結び付け、

両端を地面に固定しました。

結果は上々。風のダメージは全くありませんでした。

実は、このような処置をする前に、成り盛っていた実を取っておきました。取らなければうまく縛れないし、実の重みでダメージを受ける可能性があったからです。

台風の前日、奥さんと二人、時折降り付ける雨の中で、もくもくと作業をました。

その結果がこれ(全体の数分の一です)

これだけあっても、奥さんの手料理ですぐになくなります。

特に、シシトウの煮付けが絶品(^.^)

 

 

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台風7号、野菜を直撃

2023年08月16日 | ものぐさ有機農業

台風7号、当地方は幸いにもほとんど被害はありませんでした。

念のため、昨日は、雨の中、畑をぐるっとみまわりました。すべて異常なし。

そして、今朝起きて再度見まわしてみると・・・

収穫の終わったマクワウリ畑に、夏バテ回復中のナス、そして終盤のキュウリ、いずれも健在です。

ところが・・・

その横の大棚が、ドサッと倒れています。

台風が来た昨日は健在だったのに。おそらく夜中に、突風が吹いたのですね。

キュウリの棚に倒れ掛かっています。この大棚には、あの十六ササギがこれでもかというくらい繁茂していました。

おまけに・・・

第一陣の収穫が終わって、次の花が咲き始めていて、来週にはまたドドッと採れるぞ、と楽しみにしていたのです。

何とかならないかと起こしにかかりました。しかし、ものすごく重く、無理して起こそうとして力を入れると、支柱の竹がバキバキと折れます。竹藪を伐採して以来、新しい竹を補充できないでいたからです。 もう、今年の十六ササギは諦めるよりほかありません(^^; 

ササギの棚以外にも・・・

トマト畝の半分がやられました。盛りは過ぎてるとはいえ、ショック。やはり、これまでですね(^.^)

 

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貫名海屋『漢詩 題山水図』

2023年08月14日 | 文人書画

近世日本の書聖と言われた江戸後期の書家、貫名海屋の漢詩文です。


全体40.4㎝x165.3㎝(軸先含まず)、本紙27.3㎝x105.8㎝、紙本、幕末。

貫名海屋(ぬきなかいおく(安永七(1778)年ー文久三(1863)年):阿波生。江戸後期の儒者、画家、書家。京都で活躍。市河米庵、巻菱湖とともに、幕末の三筆と呼ばれた。近世の日本の書に大きな影響を与えるとともに、南画家としても活躍した。

作品は、自作漢詩、「題山水図」(山水の図に題す) からの一文です。

垂楊湾外雨初晴
一夜春江新漲声
試倚層軒看曉色
漁人艇麹塵行

垂楊湾外、雨初めて晴れる
一夜春江、新漲の声
試に層軒に倚り、曉色を看る
漁人艇、麹塵を行く。

垂楊:垂れた楊(やなぎ)、新漲:新しく漲る、倚:依りかかる、層軒:軒を重ねる様、曉色:夜明けの景色、麹塵行:酒を飲みながら行く。

七絶としては未完成ですし、後世に残されたものと少し異なります。詩作途中の書でしょうか。

貫名海屋は、晋・唐の法帖の臨書に励み、また空海など平安期の名跡を多く学んで、唐晋風と呼ばれる高雅で流麗な独特の書体をものとしました。
今回の品には、その書風がよく表れていると思います。

この書には、「脱倣写 海屋生」とあります。ですから、今回の品は、貫名海屋が、それまでの日本の書の様式から脱皮して、新たな様式を打ち立てようとする気概が溢れた物と言えるでしょう。

 

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秋山公道『農魂』

2023年08月12日 | 文人書画

昭和に活躍した書家、秋山公道の行書『農魂』です。

 

56.0㎝x122.5㎝(軸先含まず)、本紙 33.8㎝x43.7㎝。平成8年。

秋山公道(明治三七(1904)年ー平成九(1997)年):静岡県生、名、晴次。新日本書道会主催。京都を中心に活躍。独特の漢字書で知られる。

 

茶掛けスタイルで、「農魂」の文字が行書で書かれています。

秋山公道は、先に紹介した日比野五鳳と同時期に活躍した書家です。漢字の公道、仮名の五鳳と称されました。

私は、氏の晩年近くに、秋山公道氏の知遇を得ました。今回の品は、私をイメージして揮毫された書をいただいたものです。

「農魂」==>「連作大王」として花開く(^^;)を見て、陰ながら公道氏もカラカラと大笑い!?(^.^)

コメント (6)
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