続きです。
内容を少し紹介します。
「大事故からの出発 核燃・原発を止めるために、市民にできることはなにか」
1.原子力発電と火力発電は湯沸かし装置
原子力も火力も原理は同じ、原料が「ウラン」か、「火」かの違い。
ウランや火を燃やしてタービンを回して発電する。
しかし、原発は効率が悪い蒸気機関であり、
出力100万キロワットの原発で、100万キロワットを電気として使えても、
200万キロワットは捨ててしまう。
この200キロワットを海に捨てるので「海温め装置」と言う人もいる。
7℃も海水温が上昇し、放射能や化学物質を同時に流している。
100万キロワットの原発1基が1年で燃やすウランの量は1トン。
広島原爆800グラムの1000倍以上。
2.原発を日本の都会ではなく、低人口地帯に造ったこと。
「原子力立地審査指針」によれば、
①原子炉の範囲は、原子炉からある距離の範囲内は非居住区域であること。
②原子炉からある距離の範囲内であって、非居住区域の外側の地帯は、低人口地帯 であること。
③原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること。
・・・このように決められているからである。
3.原発は止められない崩壊熱をもつ
電気出力100万キロワットの原発では、全部で300万キロワットの電気を作り 100万キロワットを使い、残り200万キロワットは捨てるのだが、
その中で核分裂279万キロワットは制御棒で抑えられるが、 残り21万キロワットは崩壊熱であり、それは止められない。
21万キロワットは、例えば家庭の中で使う電気ストーブや電気ポットが1キロワ ットだから、それと比べてみるとかなりの量であることがわかる。
4.今回の福島第一原発事故で放出されたセシウム137と広島原爆のセシウム量の比 較。(日本政府の発表)
1~3号機で、広島原爆の170発分が大気中に出た。主に2号機が多い。
しかし、これは政府発表によるもので、過小評価である。この2.5倍は放出されたとする説もある。(広島型の400発分)
5.福島原発事故の本当の被害の大きさは。
土地が失われる、強いられて人々は被曝している、崩壊する一次産業、生活。
政府は5兆円ですべて賠償しようとしているが、こんな額では補償しきれないだけ の損害を与えた。
6.日本は法治国家?
放射線管理区域(医療現場など)に指定されるべき場所が、福 島や関東に存在しているが、政府はそこを管理区域にしないばかりか、人々を住ま わせている。
日本は法治国家のはずである。日本の放射線に関する法律では 4000ベクレル/㎡を超えた場合は、どんな放射性物質も管理区域の外に出して はならないとされている。これは法律違反である。
日本では一般人は年間1ミリシーベルト以上の被曝をさせない、してはならないと いう法律がある。しかし、今回の事故で、年間20ミリシーベルトとした。
政府は、原発事故を引き起こした犯罪者であり、事故後に法律を反故にした。
7.子供を被曝から守ること。
①何よりも子どもには原子力を選んだ責任はない。
②子どもは大人より放射線の感受性が高い。
年齢が低いほど、放射線から受ける感受性は高くなる。
赤ちゃんは30才台の4倍感受性が高い。
政府は500ベクレル(1キロあたり)という基準を決めた。
しかし、500ベクレル以下が安全という根拠はない。
汚染の真実を隠している。
食品の汚染を徹底させ、調べることが必要。
私の提案として、ベクレル数の高い順に「60禁」「50禁」などとして仕分け し、消費者が選べるようにする。そして、子供達には、汚染の低い物を食べさせ る。
8.放射能のがれき問題。
本来、がれきを含めた、現在問題化している放射能汚染は、すべて東電の福島第一 原発にあったものであるから、東電の所有物なのである。東電の物は、東電に返す べき。
放射能は煮ても焼いても無くならない物。がれきの放置は子供達にとっては被曝の 原因になる。
放射能を飛散させないフィルターのついた焼却施設で焼くしかない。(これには批 判もあるが。)
汚染の強いがれきは、福島原発敷地内に、あるいは周辺に焼却施設を造り、そこで 焼く。汚染の低いがれきは放射能の飛散を防げるフィルターを用いた施設が引き受 ける。
焼いた灰は、福島の事故現場で必要となるであろう石棺や 地下遮水壁のコンクリートの原料として使うことを提案したい。
9.石油はあと何年持つか。
1930年の時は、石油はあと18年しかもたないと言われてきた。
10年後には、20数年しかもたないと言われ、1960年には、30数年、
1990年には40数年もたないと言われた。・・・・
このような宣伝に惑わされ続けた。
10.原発と再処理施設
ウラン採掘→ウランの濃縮・加工→原発→再処理→プルトニウム燃料加工→高速増 殖炉→高速炉燃料再処理→プルトニウム取り出す→軍事用へ?
しかし、夢の原子炉と言われた高速増殖炉「もんじゅ」は、事 故続きで、現在も稼働できず。費用がかさむのみ。もんじゅだけでも1兆円の金が かかった。
六ヶ所村の再処理施設も、事故続きのため稼働できないまま現在に至る。
再処理施設を稼働するよりも、英仏にプルトニウムを取り出し てもらった方が倍も安くなる。
プルトニウムを諸外国から軍事用に取り出していると評されると困る日本は、
最後の手段として「プルサーマル」を作った。
プルトニウムとウランを混ぜたモックス燃料を燃やせる炉を大間に造ろうとしてい る。
六カ所村の再処理施設が毎年取り扱う放射能の量は、800トン。
100万キロワットの原発1基が出す放射能は1トン。
しかし、再処理施設による使用済み核燃料の再処理実績は20%もない。
11.原発が無くても火力、水力などで十分電気は足りる。
電力会社から「節電」を命じられ、日本中が節電したが、それは原発がないと
電気が足りない、だから原発が必要と思わせるためである。
ただし、私たちはライフスタイルを見直すべきで、電気を無駄に使うべきではな い。
以上、ざっと説明してみました。
もっと詳しく知りたい場合は、やはり小出先生の本をご覧下さいね。
最後に、もう一度先生の言葉で閉じましょう。
「皆さんのできる事で、原発反対を訴えて下さい!」歌、絵、詩、ことば、署名、その他、あなたにできることでいいのです。
私の場合は、こうしてブログやフェイスブックなどのネットを使ったり、署名をお願いしたり、虹の会で話し合ったり、祈ったりして訴える事をしています。
あなたにも何かできますよ。
本を読むことからでもいいし、講演を聴くことからでもいいし、とにかくまずは関心を持ってみたらいいと思います。それから何か示されたら、それをしていけばいい。
人それぞれでいい。
ここあでした。
内容を少し紹介します。
「大事故からの出発 核燃・原発を止めるために、市民にできることはなにか」
1.原子力発電と火力発電は湯沸かし装置
原子力も火力も原理は同じ、原料が「ウラン」か、「火」かの違い。
ウランや火を燃やしてタービンを回して発電する。
しかし、原発は効率が悪い蒸気機関であり、
出力100万キロワットの原発で、100万キロワットを電気として使えても、
200万キロワットは捨ててしまう。
この200キロワットを海に捨てるので「海温め装置」と言う人もいる。
7℃も海水温が上昇し、放射能や化学物質を同時に流している。
100万キロワットの原発1基が1年で燃やすウランの量は1トン。
広島原爆800グラムの1000倍以上。
2.原発を日本の都会ではなく、低人口地帯に造ったこと。
「原子力立地審査指針」によれば、
①原子炉の範囲は、原子炉からある距離の範囲内は非居住区域であること。
②原子炉からある距離の範囲内であって、非居住区域の外側の地帯は、低人口地帯 であること。
③原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること。
・・・このように決められているからである。
3.原発は止められない崩壊熱をもつ
電気出力100万キロワットの原発では、全部で300万キロワットの電気を作り 100万キロワットを使い、残り200万キロワットは捨てるのだが、
その中で核分裂279万キロワットは制御棒で抑えられるが、 残り21万キロワットは崩壊熱であり、それは止められない。
21万キロワットは、例えば家庭の中で使う電気ストーブや電気ポットが1キロワ ットだから、それと比べてみるとかなりの量であることがわかる。
4.今回の福島第一原発事故で放出されたセシウム137と広島原爆のセシウム量の比 較。(日本政府の発表)
1~3号機で、広島原爆の170発分が大気中に出た。主に2号機が多い。
しかし、これは政府発表によるもので、過小評価である。この2.5倍は放出されたとする説もある。(広島型の400発分)
5.福島原発事故の本当の被害の大きさは。
土地が失われる、強いられて人々は被曝している、崩壊する一次産業、生活。
政府は5兆円ですべて賠償しようとしているが、こんな額では補償しきれないだけ の損害を与えた。
6.日本は法治国家?
放射線管理区域(医療現場など)に指定されるべき場所が、福 島や関東に存在しているが、政府はそこを管理区域にしないばかりか、人々を住ま わせている。
日本は法治国家のはずである。日本の放射線に関する法律では 4000ベクレル/㎡を超えた場合は、どんな放射性物質も管理区域の外に出して はならないとされている。これは法律違反である。
日本では一般人は年間1ミリシーベルト以上の被曝をさせない、してはならないと いう法律がある。しかし、今回の事故で、年間20ミリシーベルトとした。
政府は、原発事故を引き起こした犯罪者であり、事故後に法律を反故にした。
7.子供を被曝から守ること。
①何よりも子どもには原子力を選んだ責任はない。
②子どもは大人より放射線の感受性が高い。
年齢が低いほど、放射線から受ける感受性は高くなる。
赤ちゃんは30才台の4倍感受性が高い。
政府は500ベクレル(1キロあたり)という基準を決めた。
しかし、500ベクレル以下が安全という根拠はない。
汚染の真実を隠している。
食品の汚染を徹底させ、調べることが必要。
私の提案として、ベクレル数の高い順に「60禁」「50禁」などとして仕分け し、消費者が選べるようにする。そして、子供達には、汚染の低い物を食べさせ る。
8.放射能のがれき問題。
本来、がれきを含めた、現在問題化している放射能汚染は、すべて東電の福島第一 原発にあったものであるから、東電の所有物なのである。東電の物は、東電に返す べき。
放射能は煮ても焼いても無くならない物。がれきの放置は子供達にとっては被曝の 原因になる。
放射能を飛散させないフィルターのついた焼却施設で焼くしかない。(これには批 判もあるが。)
汚染の強いがれきは、福島原発敷地内に、あるいは周辺に焼却施設を造り、そこで 焼く。汚染の低いがれきは放射能の飛散を防げるフィルターを用いた施設が引き受 ける。
焼いた灰は、福島の事故現場で必要となるであろう石棺や 地下遮水壁のコンクリートの原料として使うことを提案したい。
9.石油はあと何年持つか。
1930年の時は、石油はあと18年しかもたないと言われてきた。
10年後には、20数年しかもたないと言われ、1960年には、30数年、
1990年には40数年もたないと言われた。・・・・
このような宣伝に惑わされ続けた。
10.原発と再処理施設
ウラン採掘→ウランの濃縮・加工→原発→再処理→プルトニウム燃料加工→高速増 殖炉→高速炉燃料再処理→プルトニウム取り出す→軍事用へ?
しかし、夢の原子炉と言われた高速増殖炉「もんじゅ」は、事 故続きで、現在も稼働できず。費用がかさむのみ。もんじゅだけでも1兆円の金が かかった。
六ヶ所村の再処理施設も、事故続きのため稼働できないまま現在に至る。
再処理施設を稼働するよりも、英仏にプルトニウムを取り出し てもらった方が倍も安くなる。
プルトニウムを諸外国から軍事用に取り出していると評されると困る日本は、
最後の手段として「プルサーマル」を作った。
プルトニウムとウランを混ぜたモックス燃料を燃やせる炉を大間に造ろうとしてい る。
六カ所村の再処理施設が毎年取り扱う放射能の量は、800トン。
100万キロワットの原発1基が出す放射能は1トン。
しかし、再処理施設による使用済み核燃料の再処理実績は20%もない。
11.原発が無くても火力、水力などで十分電気は足りる。
電力会社から「節電」を命じられ、日本中が節電したが、それは原発がないと
電気が足りない、だから原発が必要と思わせるためである。
ただし、私たちはライフスタイルを見直すべきで、電気を無駄に使うべきではな い。
以上、ざっと説明してみました。
もっと詳しく知りたい場合は、やはり小出先生の本をご覧下さいね。
最後に、もう一度先生の言葉で閉じましょう。
「皆さんのできる事で、原発反対を訴えて下さい!」歌、絵、詩、ことば、署名、その他、あなたにできることでいいのです。
私の場合は、こうしてブログやフェイスブックなどのネットを使ったり、署名をお願いしたり、虹の会で話し合ったり、祈ったりして訴える事をしています。
あなたにも何かできますよ。
本を読むことからでもいいし、講演を聴くことからでもいいし、とにかくまずは関心を持ってみたらいいと思います。それから何か示されたら、それをしていけばいい。
人それぞれでいい。
ここあでした。