ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

子宮頚癌治療ガイドライン2007年版

2007年10月18日 | 婦人科腫瘍

Keigansisin 日本婦人科腫瘍学会 編

後 援:日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会/婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構

金原出版、定価2,520円

以下、金原出版ホームページより

 本ガイドラインの作成にあたっては,これまでと同様にガイドライン作成委員会と評価委員会を設置し,作成委員には頸癌の診療を専門的に行っている医師を全国から召集し,さらに放射線治療専門医と腫瘍内科医にも入っていただいた。作成形式は,体癌と同様に頸癌も治療に関するエビデンスが少なくレベルも低いこと,欧米との治療上のギャップも少なからず存在することなどから,頸癌の治療上の問題点を明らかにしそれに回答する「Q&A形式」を採用することにした。取り扱う対象は,子宮頸部に原発した各ステージの扁平上皮癌と腺癌,およびそれらの再発癌と妊娠合併頸癌とした。さらにこれらの治療に対応した3つのアルゴリ ズムを載せ,各項を「Q&A形式」で記述した。すなわち,頸癌治療における現在の問題点を臨床的疑問点(クリニカルクスチョン:CQ)として抽出し,各CQに対して国内外の文献を網羅的に収集し,各文献の構造化抄録を作成しエビデンスとして評価した。これらを十分に吟味したうえで,総合的な判断からCQに対する答えを推奨として簡潔に記載しそのグレードを付記した。さらにそのCQに対する背景・目的と推奨に至るまでの経緯を解説として記述し,最後にエビデンスのレベルを付記した参考文献を載せた。エビデンスのレベルと推奨のグレードに関しては,「卵巣がん」や「子宮体癌」の治療ガイドラインとの整合性から,そこで用いたものをそのまま使用することにした。ガイドライン原案は,評価委員会での検討に次いで,大小計4回に亘るコンセンサスミーティングにて専門家間の長時間にわたる論議を尽くす一方で,全学会員に提示され,これらの過程を通して多くの提言や助言を容れた。さらに婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)や日本産婦人科医会,日本産科婦人科学会にも提示され,ここでも多くの意見を採り入れたうえで,これらの学会の承認を得た。最終的には本年夏に開催された日本婦人科腫瘍学会理事会での審査・承認を経て,このたびの発刊に至った。