ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

勤務医の大量離職、診療科の休廃止

2007年10月20日 | 地域医療

コメント(私見):

どんな仕事であれ、業務量を増やすためには、スタッフを増員することが必須条件となります。スタッフが増員されないのに、業務量だけが際限なくどんどん増え続けていけば、いずれどこかで破綻してしまうのは当然です。

最近、勤務医不足による診療科の休廃止が急増しています。診療科の休廃止を回避するためには、現在の科の常勤医数で、無理なく、余裕を持って業務を継続できる程度に、科全体の業務量を厳しく制限することが重要だと思います。

勝算も無いのにギリギリまで頑張り続けるのは、破綻した時の被害が甚大となり、得策とは言えません。万策尽き果て勝算が無いと悟った時点で、早めに白旗を掲げて降参を表明することも大事なことだと思います。

****** 朝日新聞、長野、2007年10月20日

27病院の43科が休廃止か縮小

 県内の27病院が05年4月以降、医師数の不足などを理由に、43の診療科を廃止や休止、縮小したことが、県医療政策課による各保健所に対する聞き取りでわかった。43科の内訳は、産婦人科が最も多い14科で、小児科の6科が続く。時期的には今年に入ってからが17科を占めており、産科医や小児科医を中心に、勤務医不足の影響が急激に出てきていることが改めて明らかになった。

 調査対象は病院のみで、診療所は含まない。産婦人科や小児科に続く内訳は、整形外科4、麻酔科3、眼科2、循環器科2、精神科2などの順だった。休廃止や縮小を迫られた27病院の地域別は、北信6、東信7、中信8、南信6で県内全域に及んでいる。

 産婦人科については、ほとんどが分娩(ぶん・べん)に関する休廃止・縮小。縮小は、県外からの電話による申し込みは断るなどして里帰り分娩を制限(佐久総合)したり、予約制にしたりするなどの方法が取られている。

 すでに休廃止・縮小した以外にも、県立須坂病院(須坂市)と昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が今年度いっぱいで分娩の扱いを休止する方針をすでに決めている。

(以下略)

(朝日新聞、長野、2007年10月20日)