類まれなる美女が
真面目に清らかに生きているというだけで
おまえたちはそこまで狂うのだ
イナゴの大軍のように群れて
たった一つの灯を大事に
いなかで
普通に生きているだけの女に
襲い掛かるのだ
ただ美しいというだけで
おまえたちは度を失い
われを失い
嫉妬の焔に身を投げてしまう
そこであらゆる馬鹿をやる
あぶられた豚のように
必死で暴れまわるのだ
何もわかってはいない
なぜそのように憎むのか
かわいらしい花のような女が
何も悪いことをしないというだけで
なぜそのように
執拗という言葉さえ小さく感じるほど
どこまでもどこまでも追いかけるのか
追従を含んだ言い方をすれば
おまえたちは
自分が嘘であることが痛いのだ
あらゆる技術を弄して
嘘で塗り固めて
完璧に作り上げた善なる美人の仮面が
完璧に嘘であることが
真実の美女がいることでばれるのが
痛いのだ
嘘がばれれば
自分には何もない
それほどに長い間
馬鹿なことばかりやってきて
何も勉強してこなかった
自分が痛いのだ
正しいものが憎い
美しいものが憎い
真実が憎い
ゆえにあらゆる真実の美をつぶし
高い香を焚きこんで腐った嘘の匂いをごまかした
恐ろしく着飾った美を
本当の美女にするのだ
それならもう
永遠に苦しくはない
いにしえの彼方に
置き去ってしまった馬鹿も
雪玉のように消えていくに違いない
あほうが
嘘を本当にし
本当を嘘にし
何もかもをさかさまにして
馬鹿な自分を救おうとして
その果てにおまえたちは
たったひとつぶの小さな真実に触れただけで
沸騰したのだ
すべてがそれで消し飛んでしまうほど
おまえたちは真実の姿に
驚嘆したのだ
なにゆえにそこまでしたのか
たまには自分でじっくりとかみしめるがよい