人の世の流れを見るための
不思議な穴がある
人間のかよわい殻の奥で
うずく心を見る
不思議な目がある
黄金の二つの月が
この世のどこかに穿たれている
その中にいる星は
わたしである
気付きはすまい
そのたったひとそろえの目が
どこにあるのかに
どこでわたしが
おまえを見ているかに
だれも自分のことなど知らないと
思っているたかぶりの猿が
一本のマッチを擦りつつ
都を燃やし尽くしてやろうと考えている
憎いからだ
自分よりいいものが
美しいものが
そういうものの姿を
わたしはずっと見ている
ありとあらゆる惨劇は
勉強を怠って
人に先んじられた悔しさに溺れ
人を馬鹿にすることのみのために生き始めた
馬鹿がやったのだ
その馬鹿の姿を
わたしはずっと見ているのだ
万緑の季節の森の
すべての葉の中にひそむ
たった一枚の葉に
描かれたひとそろえのわたしの目が
おまえを見ているのだ