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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

珠玉のエッセイ「ミラノの太陽、シチリアの月」

2025-02-13 15:54:08 | 私の読書日記
内田洋子さんの本を読んで、まだまだ浅いけど、初めからそんなにハマったわけでもなかったけど、この本にはとにかく圧倒された。これまで読んだ数冊の中でも(今思えば、他の作品も十分素晴らしかったのだが)ずば抜けて面白かった。

全て30ページくらいの短編なのだが、どの話も唸るほどいい。どの話も映画に出来るほど、内容が濃い。創作にしてもすごいけど、これは彼女の人間力が培って、彼女が実際に見聞きした真実の話だ。事実は小説よりも奇なり、とはよく思うのだけど、これを読むとまさにそのとおりだと思う。こんな体験をできる彼女の恐れを知らぬ生き方(たった一度の人生ならぜひこんな風に生きてみたい)や、相手の心を開かせる天賦の才にただただ舌を巻く。

文章力は疑いようもない。食べ物を語らせたら、涎が出るし、ファッションや、インテリア、人と形についても、その精緻な文章のおかげで、ありありと目に浮かぶのだ。
この力は凄過ぎて、映像にしたら追いつかないのかもしれない。

この作品で益々ファンになったので、もう全部読むまでは終わらない、私の中の内田洋子ブーム本格到来の2025年となりそうだ。

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