今年の第136回天皇賞(秋)は、GI馬7頭が参戦する豪華な顔ぶれとなりました。昨年の秋の天皇賞馬でGI4勝のダイワメジャー、春の天皇賞馬・メイショウサムソン、宝塚記念を制した後、ダーレー・ジャパンに移籍したアドマイヤムーンに注目が集まったこのレースは、台風一過だけど昨日の大雨の影響で馬場が少し荒れ気味の東京競馬場で行われました。
レース直前の人気では、①メイショウサムソンが1番人気、2番人気には⑫アドマイヤムーン、⑭ダイワメジャーは3番人気、4番人気の⑮ポップロックまで10倍を切る単勝オッズでした。
バラバラのスタートから③コスモバルクが鼻に立ち、②エイシンデュピティと④デルタブルースが並んで追走。①メイショウサムソンは好スタートを切った後4番手に順位を下げます。ダイワメジャーは6番手スタート、アドマイヤムーンは⑦シルクネクサスと並ぶような態勢で9番手、ポップロックは14番手、毎日王冠を制した⑬チョウサンは最後方からの競馬となりました。
残り1000mでバルク先頭、デルタ2番手、サムソン5番手、その後ろにメジャー、アドマイヤムーンは⑨アグネスアークと⑦シルクネクサスと3頭並んでいる状態。
残り600mを切って最後の直線、コスモバルクが粘るがメイショウサムソンが内から差していく。メジャーとムーンはなかなか前に進めない。2番手争いから⑥カンパニーがやって来る!サムソンを捕らえようとするもダメ。残り200でサムソンが他のライバルを引き離す。カンパニーが2番手をキープしたいところで、⑨アグネスアークが急襲。ダイワメジャーとアドマイヤムーンはもう絶望的。メイショウサムソンがこのまま1着でゴール!2番手争いはカンパニーとアグネスアークが並びました。4番手争いはポップロックがやや有利でした。
最終成績
1 メイショウサムソン 1:58.4
2 アグネスアーク 2.1/2
3 カンパニー クビ
4 ポップロック 1.1/4
5 コスモバルク クビ
6 アドマイヤムーン クビ
7 シルクネクサス ハナ
8 チョウサン クビ+クビ
9 ダイワメジャー クビ
10 ブライトトゥモロー 1/2
11 ローゼンクロイツ 3/4
12 デルタブルース 1.1/4
13 シャドウゲイト 2.1/2
14 エイシンデピュティ 8位降着
15 マツリダゴッホ ハナ
16 ボンネビルレコード 大差
単勝
1 290円
複勝
1 150円 9 780円 6 690円
枠連
1-5 2,250円
馬連
1-9 4,970円
馬単
1-9 6,730円
ワイド
1-9 1,690円 1-6 1,610円 6-9 7,240円
3連複
1-6-9 36,730円
3連単
1-9-6 183,380円
勝ったメイショウサムソンは天皇賞春秋連覇達成!タマモクロス、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーに次ぐ4頭目の快挙となりました(秋春連覇のスーパークリークを含めると5頭目)。優勝騎手の武豊騎手は今季GI2勝目、天皇賞は春秋含めて10勝目です(春6勝:秋4勝)。武豊とメイショウサムソンのコンビは、凱旋門賞に挑む予定でしたが馬インフルエンザの影響で参戦断念、秋の天皇賞にスライドさせました。
サムソンはこのレースで①武豊との新コンビ、②宝塚記念からの休み明け初戦の不安要素を抱えて挑みましたが、その不安を一掃する強い走りでした。今後はジャパンカップと有馬記念の「秋の古馬3冠」に挑戦します。
アドマイヤムーンは6着、ダイワメジャーは9着で共に電光掲示板に載ることは出来ませんでした。岩田康誠騎手は「ぶつけられたわ!」、安藤勝己騎手は「あんな不利を受けるなら自分が行ってしまえば良かった」と不満を述べていたそうです。JRAのサイトで発見したパトロールビデオの動画を見ると、最後の直線はゴチャついてましたね。エイシンデュピティが斜行したことで、進路が塞がれてるのがわかります。サムソンやコスモバルクもヨレていたので怪しかったんですが、セーフでした。
"諸悪の根源"であるエイシンデュピティは8位に入線しましたが、アグネスアーク、シャドウゲイト、ダイワメジャー、アドマイヤムーンの走行を妨害したため14着に降着、鞍上の柴山雄一騎手は4日間の騎乗停止処分を受けました。柴山騎手、先週はロックドゥカンブで経験不足を露呈、今週は騎乗停止処分。まだまだアンカツ越えの道は厳しいみたいです。秋の天皇賞での降着処分は、1991年以来2度目の出来事となりました。あの時はメジロマックイーンが1位で入線しましたが18着に降着しました。後に社会問題に発展したはずですが覚えているでしょうか?
今年の秋の天皇賞は、メイショウサムソンが栄光の春秋連覇、アドマイヤムーンらが最後の直線で被害を受けるという後味の悪さが残ったレースとなりました。こんなスッキリしないGIレースは昨年のエリザベス女王杯以来だ…。