秋のダート王決定戦・第10回ジャパンカップダート(GI)が6日、阪神競馬場で開催されました。数々の名勝負・名場面が生まれたJCダートも節目となる10回目を迎え、今年はJCD2勝目を目指す④ヴァーミリアンに対し、①エスポワールシチー・②サクセスブロッケンの4歳組、⑫シルクメビウス・⑯ワンダーアキュート・⑬スーニ・⑨ゴールデンチケットといった3歳組が王者の首を狙います。海外からはアメリカから⑦ティズウェイが参戦。ダート界は今こそ政権交代、日本のダート競馬の歴史に新たな1ページを開く時が来た!
直前の単勝オッズは、1番人気はエスポワールシチーで3.1倍、ヴァーミリアンが2番人気(3.7倍)、3番人気にはワンダーアキュート(8.2倍)、4番人気のサクセスブロッケン(9.2倍)までが10倍を切り、以降シルクメビウス、⑤マコトスパルビエロ、⑪ラヴェリータと続きました。
スタートは全馬ほぼ出遅れ無し、エスポワールシチーも好スタートを切った。先行争いでは⑭ワンダースピードとワンダーアキュートの「ワンダー兄弟」、そしてティズウェイが前に出るが、1コーナーを回ると同時にエスポワールが先頭に立った。5番手争いの中にヴァーミリアンとサクセスブロッケンがいる。2コーナーから向正面に入ると、早くも縦長の状態になった。先頭を行くエスポワールシチーはマイペースな逃げで3馬身のリード、2番手にティズウェイ、ブロッケンは3番手。5番手のアキュートの外側に、マコトスパルビエロが一気に上昇し、2番手まで浮上!ヴァーミリアンは9番手まで下がり、その隣にスーニがいる。後方では、シルクメビウスとゴールデンチケットが並走し、⑩ボンネビルレコードが13番手。⑥メイショウトウコン14番手、ラヴェリータは後方2番手、⑮マルブツリード最後方で4コーナーへ。
4コーナーから残り400mを切り、エスポワールが持ったまま先頭キープ。ブロッケンは早くもムチが飛び、ヴァーミリアンはまだ馬群の中。大外ではメイショウトウコンが飛んでくるが、メビウスが粘るブロッケンを捕らえる勢いだ。ヴァーミリアンは馬群から抜け出せない。掲示板に載るのは絶望的だ。先頭のエスポワールは2番手以降をぐんぐん引き離し、そのまま逃げ切って先頭ゴール!2着にはシルクメビウス、3着争いはゴールデンチケットがゴール前で2頭をかわして3着入線。エスポワールシチーがダート界の新時代到来を告げる逃げ切りV!ついに政権交代が実現しました!
最終成績&払戻金
1①エスポワールシチー 1:49.9
2⑫シルクメビウス 3.1/2
3⑨ゴールデンチケット 1.1/4
4②サクセスブロッケン クビ
5③アドマイヤスバル ハナ
6⑯ワンダーアキュート 2.1/2
7⑥メイショウトウコン ハナ
8④ヴァーミリアン ハナ
9⑤マコトスパルビエロ ハナ
10⑧ダイショウジェット 3/4
11⑩ボンネビルレコード クビ
12⑦ティズウェイ ハナ
13⑧ラヴェリータ クビ
14⑬スーニ 3/4
15⑭ワンダースピード クビ
16⑮マルブツリード 2.1/2
単勝 1 310円
複勝 1 150円 12 390円 9 890円
枠連 1-6 1,020円
馬連 1-12 1,940円
馬単 1-12 3,160円
ワイド 1-12 870円 1-9 2,340円 9-12 5,720円
3連複 1-9-12 32,660円
3連単 1-12-9 131,960円
ダート界の歴史が変わりました!エスポワールシチーが1番人気の期待に応える鮮やかな逃げ切り、2着に3馬身半をつけての圧勝劇でJCダートを制覇。これで自身4連勝、GI3連勝となりました。シルクメビウスとゴールデンチケットの3歳馬2頭が2着と3着、4番人気のサクセスブロッケンは4着、3番人気・ワンダーアキュートは6着、2番人気のヴァーミリアンは8着。ティズウェイは12着という結果に終わりました。
4歳&3歳世代が上位を独占、ヴァーミリアンが沈んだ事で世代交代を印象付けるレースとなりました。勢力図も大きく変化し、カネヒキリ&ヴァーミリアンの2強時代は完全に終止符が打たれ、エスポワールを中心とする若手・中堅の時代へと変化していきます。やはり競馬の世界も「CHANGE」が必要ですね。
優勝したエスポワールシチーに騎乗した佐藤哲三騎手は、JCダート初制覇、GI勝利は2004年の宝塚記念以来5年ぶり4度目となります。佐藤騎手といえば、かつてタップダンスシチーで2003年のジャパンカップを逃げ切ってファンをアッと驚かせましたねえ。今回のレースもあの時を思い出させるような勝ち方でした。佐藤騎手と「○○シチー」系の馬とは相性がいいのでしょうか?
エスポワールシチーはデビュー当初、芝でのレースを走っていましたが、7戦して1勝、2着2回という成績。ダートに挑戦したのは昨年の8月下旬で、初レースで1着を飾って以降は4連勝と才能を開花させました。今年に入ると、重賞初挑戦の平安ステークスで2着、フェブラリーステークスで4着の後、マーチSで重賞初制覇。5月のかしわ記念では、カネヒキリ・サクセスブロッケンを破り、ダート転向約9か月でGI初勝利。秋に入り、マイルチャンピオンシップ南部杯、JCダートとGI連勝。並み居るGI馬を破って名実ともに新ダート王に輝きました。ダートでの成績は10戦8勝と好成績、まだまだ勝ち星を伸ばしそうな予感だ。
父親であるゴールドアリュールはGI4勝とダート界の中心にいた馬だったけど、JCダートは勝てませんでした。その息子であるエスポワールが父が果たせなかったJCD制覇を成し遂げました。今後は暮れの大一番・東京大賞典にでるかどうかは未定、来年の春にはドバイ遠征もあり得るかもしれません。新ダート王の戦いはこれからも続き、逃げて勝つ走りでファンを魅了してくれる事でしょう。
来週からは2週続けて2歳GIが行われます。その第1弾は2歳牝馬の頂点を決める「阪神ジュベナイルフィリーズ」です。シンメイフジ、タガノエリザベート、ステラリード、ラナンキュラス、ジュエルオブナイル、ベストクルーズ 、モトヒメなどが登録しています。ウオッカ・ブエナビスタに次ぐニューヒロインが出てくるのを期待しましょう。