7月終了時点でパリーグの首位に立っていた福岡ソフトバンクホークスは、先週はまさに最悪の1週間でした。旭川での日本ハム2連戦で連敗を喫すると、主砲のオーティズが右ひざを痛めて離脱。その後、西武との首位攻防戦でも一勝もできずに首位陥落。「死のロード」を終え、失意のまま福岡に戻りオリックスと対戦したのですが、火曜日はホールトンが2発を浴びて5失点、オリックス先発・金子千尋を攻略できずにドロ沼の6連敗…。7月の大躍進から一点、8月に入って大失速。先発投手陣が勝てない、主砲が離脱と「負のスパイラル」から一向に抜け出す気配が見えないホークス、本当に大丈夫なのか?
11日は九州地方で台風4号が接近し、福岡ヤフードームでのソフトバンクVSオリックスの17回戦が台風の影響で中止になるのかと思われましたが、なんと試合決行!この日の先発は、ソフトバンクが現在13勝の和田毅、対するオリックスは近藤一樹。国内FA権を取得した和田が、自らの好投でチームの連敗を阻止できるか!?
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1(遊)川宗則
2(二)本多雄一
3(左)松田宣浩
4(一)小久保裕紀
5(右)多村仁志
6(指)ペタジーニ
7(三)イ・ボムホ
8(中)長谷川勇也
9(捕)田上秀則
(投)和田毅
この日も松田が3番レフトで先発出場。オーティズの代わりに1軍登録されたボムホも2試合連続でスタメン入りを果たしました。先週末の西武戦では2試合連続で代打ホームランを放っていますが、スタメンでも結果を出したいところだ。
初回、ホークス先発・和田が先頭打者を四球で歩かせると、後藤のレフト前ヒットで1死1,2塁と先制のピンチを迎えます。しかし、カブレラをレフトフライに打ち取り2死、T-岡田を直球で見逃し三振に仕留めます。ランナー2人背負うも、後続を抑えて無失点で切り抜けます。その裏のホークスは、1死から本多がバントヒットを決めると、松田の場面で2塁への盗塁を成功させます。松田三振で2死2塁となり、4番・小久保が近藤の8球目のストレートをライトへ流し打ち。ライト前に落ちるタイムリーヒットで本多が生還。ホークスが幸先良く1点を先制します。
和田は2回もヒットによるランナーを出しながらも後続を退けると、3回にはヒット&四球で2死1,2塁の場面でT-岡田を2塁ゴロに打ち取り2者残塁。序盤3イニングを終え、毎回のようにランナーを出しながらも無失点。中盤に入った4回、先頭の北川にヒットを許すと、カラバイヨの3塁ゴロをボムホがキャッチできず内野安打。犠打で1死2,3塁と同点&逆転のピンチで、金子圭輔にチェンジアップをすくい上げられるが、2塁手・本多がジャンピングキャッチで同点を阻止。その直後、バルディリスの四球で2死満塁。ピンチが続くも最後は荒金久雄を空振り三振!満塁の大ピンチを凌いだ和田、オリックスの反撃を断ち切りました!
和田が踏ん張った直後の4回裏、ホークス打線が近藤を攻め立てます。先頭の松田がレフト前ヒットを放つと、小久保もヒットで続き無死1,2塁。追加点のチャンスに多村が近藤の直球を弾き返し、右中間へのタイムリー2塁打で1点を追加。なおも無死2,3塁でペタジーニが5球目のチェンジアップを狙い撃ち。ライトへの鋭い当たりはフェンスに直撃。タイムリー2塁打で2点追加。この回4連打で3得点を奪い4-0、オリックス先発・近藤をノックアウトしました。
5回、本多がヒットと盗塁で2塁まで進むと、2死2塁で多村がオリックス2番手・古川の変化球を捕らえ、レフト線を破るタイムリー2塁打で5点目。6回には長谷川の2塁打、川崎の四球で2死1,3塁の場面で、本多がセンター前タイムリーを放って6点目。続く松田は変化球を叩きつけ、三遊間を破るレフト前タイムリーヒットでさらに1点追加。6回まで7-0とオリックスを突き放します。
味方の援護を受けた和田は、5回に入ってから調子を上げてきます。5回はカブレラから三振を奪うなどでこの日初めての3者凡退。6回はカラバイヨと鈴木を連続三振に仕留め、7回もオリックス打線を3人に抑え、3イニング連続の3者凡退の好投を見せ、7回無失点でマウンドを降りました。
8回、和田の後を受けたファルケンボーグが、いきなり連打を浴びるとT-岡田のレフト前タイムリーで1点を失う。続く北川には直球が甘く入り、あわや3ラン本塁打というセンターフェンス直撃のヒット。相手の走塁ミスに助けられ1アウトを取ったが、2死1,3塁で横山のライト前タイムリーで再び1点返されてしまう。ファルケンボーグはこの回5本のヒットを浴びて2失点、オリックス打線の反撃に遭ってしまった。9回は守護神・馬原が3者凡退に抑えて試合終了。ソフトバンクが7-2でオリックスを下し、連敗を6で止めました。
パシフィック・リーグ公式戦 2010/08/11(水)
ソフトバンク-オリックス 17回戦
(ソフトバンク10勝6敗1分、ヤフードーム、18:00、31130人)
Bs 000 000 020 2
Sh 100 312 00X 7
【投手】
(オ)近藤、古川、香月、前田祐-鈴木、横山
(ソ)和田、ファルケンボーグ、馬原-田上
【責任投手】
(勝)和田20試合14勝5敗
(敗)近藤20試合5勝7敗
やっと連敗が止まりました~!首位陥落&6連敗のホークスが「長いトンネル」から抜け出すことができました。和田が無失点のピッチングを見せれば、打線が序盤から苦手の近藤を攻めたて、4回まで4得点を奪ってKO。4回に和田が2死満塁のピンチを凌ぎ、直後に打線が4連打で3点を奪ったというシーンが試合の大きな分かれ目でしたね。その後もオリックスの中継ぎ陣から追加点を奪い、7最終的には7得点。ここ最近4点止まりの試合が続き、5点以上入ったのは久しぶりじゃないかと思います。
首位陥落&連敗続きでフラストレーションが溜まっていたファンの皆さんも、久々の勝利で安心されている方も多いでしょう。いやぁ~もう本当に長かったなあ…。ここからまた巻き返して、もう一度首位に返り咲いてほしい。あと、大型連敗はもうイヤです!
この日の先発の和田投手は、7回まで打者29人に対して111球投じ、被安打5・10奪三振・3四死球・無失点という内容で両リーグトップ&自己最多タイの今季14勝目。立ち上がりから不安定気味で、初回~4回までランナーを出しながらも無失点に抑え、特に4回は2死満塁と同点または逆転のピンチを凌いで見せました。5回以降は調子を上げ、オリックス打線を3イニング連続で3者凡退の好投。和田の年間14勝はプロ通算3度目、次の登板では自己最多の15勝目の期待がかかります。
一方、中継ぎの柱であるファルケンボーグがまたも失点を許してしまったのが心配なところ。日曜日の西武戦では、4安打3失点とファルケンにとっては珍しい「炎上」で負け投手。この日も5本のヒットを浴びて2失点と精彩を欠きました。本人曰く「変化球の精度がよくない」とコメントしているようです。どうも先日のショックから抜け出せずにいるファルケンボーグ、早く調子を取り戻してもらいたいところです。
打線のほうは13安打で7得点。この日のお立ち台に上がった本多選手は、5打数3安打1打点の猛打賞。初回のバントヒットは先制点の口火を切り、第4打席ではセンター前タイムリーを放ちました。この日はバットの他にも活躍し、4回には好プレーを見せれば、盗塁も2回成功。2盗塁は何れも得点に繋がりました。多村選手は2打席連続タイムリー2塁打で2打点、松田選手は2安打1打点でまたも3番起用に応えました。
連敗脱出で再び連勝モードに突入したい福岡ソフトバンクホークス。12日の予告先発はソフトバンクが大隣憲司、オリックスが西勇輝となっています。うわぁ~大隣かよー。大隣がカブレラやT-岡田に一発を浴びて、また敗戦投手になりそうな予感。なんだか戦う前から負けるかもしんない。ホークスファンの皆さん、首位返り咲きは当分時間がかかりそうです…。