第90回全国高校サッカー選手権大会は、7日に国立競技場で準決勝2試合が行われました。2011年12月30日に開幕し、夢の国立の切符を手にしたのは、市立船橋(千葉)、大分高校、尚志(福島)、四日市中央工業(三重)の4チーム。成人の日・9日の決勝戦に勝ち進むのは一体どこだ!?
準決勝第1試合 市立船橋(千葉)VS大分高校(大分)
過去4度の優勝を誇る名門・市船が7年ぶりに国立の舞台に戻って来た。ここまで3試合で無失点と伝統の堅守ぶり発揮。伝統校の貫録で久々の決勝進出を目指します。対する大分は1回戦で10得点を奪う大勝を見せると、3回戦では青森山田を破り、準々決勝では市立西宮に大逆転勝利。4試合で17得点の攻撃力で、市船の守りを崩せるか?
両チームとも決定的なチャンスが少ない状態で迎えた前半24分、市立船橋はゴール正面でFKを獲得し、渡辺健斗が右足で直接狙い、バーに当たるもゴールネットを揺らす!FKが決まり市船が1点を先制します。対する大分も30分にFKを獲得し、小松立青のシュートは壁に直撃、こぼれ球をもう一度小松が拾ってミドルシュートを放ちますが、市船GK・積田景介のファインセーブに阻まれ同点ならず。前半44分、市船は池辺征史が相手DFをかわしてシュートを放つもバーの上。
市船1点リードで折り返した後半、両チームとも開始早々から決定的なチャンスを作ります。後半1分に大分・武生秀人がミドルを放つも枠外、3分には市船の岩淵諒がダイビングヘッドもダメ。迎えた後半11分、市船はペナルティエリア付近でボールを繋ぐと、和泉竜司がドリブルで切り込んで、最後は右足で流し込みゴール!キャプテンのゴールで市船に2点目が入ります!
2点ビハインドの大分は後半35分、敵陣の深い位置でボールを奪うと、小松が左足を振り抜いたが、GKの好セーブに阻まれます。その直後のCKを清家俊が完璧なヘディングシュートで1点を返しますが、反撃もここまで。市立船橋が2-1で大分に勝利し、決勝進出を果たしました。
準決勝第2試合 四日市中央工VS尚志
四日市中央工は初優勝だった第70回(1991年度)大会以来20年ぶりのベスト4。対する尚志は福島県勢初の4強入りを果たしました。震災と原発に苦しむ福島県民を勇気づけるためにも、決勝進出を狙います。
試合は四中工の一方的なペースとなりました。序盤から惜しいシーンが続き、前半34分にスルーパスから田村翔太が左サイドをドリブルで突破し、自らシュートを打って行ったが、尚志GKのセーブに阻まれます。続く左CKを田村大樹がグラウンダーで蹴り込み、味方の折り返し→国吉祐介の右足シュートが決まり1点を先制。さらに6分後の41分、右サイドの浮き球パスに反応した田村翔がDFとGKをかわし、右足で押し込んで2点目を奪います。
後半も四中工の勢いは止まりません。後半20分に浅野拓磨のシュートはDFにブロックされるが、ゴール正面へ跳ね返ったボールを松尾和樹がダイレクトで左足ミドルシュート。そのままゴールに突き刺さり3点目。後半32分には浅野がドリブルで持ち込み、左足ミドルを決めて4点目。4-0と尚志を突き放します。
何とか1点を返したい尚志は33分、山岸祐也がスルーパスから抜け出しでシュートするもバーに直撃。こぼれ球を後藤拓也が狙うも枠をとらえる事ができません。37分、左サイドの金田一樹のクロス→福永裕大が落とし、山岸がエリア手前で右足を振り抜きゴール。尚志ようやく1点を返します。
しかし、四中工は後半44分に浅野が左サイドを突破し、相手DFを2人をかわし左足シュートを決めて5点目。さらにはカウンター→尚志DFがクリアできずオウンゴール。ダメのダメを押す6点目で勝負あり。四日市中央工が怒涛のゴールラッシュで尚志に6-1で圧勝しました。
というわけで、準決勝2試合が終わり、市立船橋と四日市中央工業が決勝戦に進出しました。市船は渡辺選手の鮮やかなFKが決まれば、キャプテンの和泉選手が今大会3得点目のゴールで追加点。後半36分に初失点を許しましたが、大分の反撃を凌ぎ切りました。久々の高校日本一、高校総体(インターハイ)との2冠制覇まであと1勝です。
四中工は尚志を相手に伝統校の底力を発揮。その中でも浅野選手がこの試合2得点と大活躍を挙げ、1回戦から準決勝まで5試合連続ゴールと絶好調!チームメイトの田村翔太選手も2点目のゴールを奪いました。浅野選手と田村選手はともに5試合で7得点を挙げ、得点王争いでトップタイ。この強力2トップを市船DF陣は抑えることができるのでしょうか?
市立船橋が勝てば9年ぶり5度目、四中工は20年ぶり2度目、初の単独優勝となります。名門校同士の決勝戦は1月9日、午後2時ごろにキックオフです。