2013年3歳クラシック開幕戦・第73回桜花賞(GI・芝1600m 18頭立て)が7日、阪神競馬場で行われました。昨年はジェンティルドンナが優勝し、その勢いで史上4頭目の牝馬三冠達成。今年の桜花賞は、チューリップ賞を勝った⑬クロフネサプライズ、フィリーズレビューを勝った⑱メイショウマンボ、フェアリーステークス覇者で3戦無敗の③クラウンロゼの「トライアル勝ち組」に加え、ディープインパクトの妹⑫トーセンソレイユ、巻き返しを図る2歳女王⑥ローブティサージュ、⑰コレクターアイテム、④サンブルエミューズ、ディープインパクト産駒の⑭レッドオーヴァルと⑦アユサンが参戦しました。
レース直前の単勝のオッズは、クロフネサプライズが1番人気(2.8倍)、2番人気レッドオーヴァル(4.5倍)、3番人気がトーセンソレイユ(7.0倍)。4番人気以降はメイショウマンボ(8.7倍)、クラウンロゼ(9.5倍)。10倍以下はこの5頭。その後はコレクターアイテム、アユサン、ローブティサージュ、⑨ウィンプリメーラと続きました。
スタートで⑧ティズトレメンダスとトーセンソレイユの2頭が出遅れ。先行争いで好スタートを見せた②サマリーズが先手を奪い、クラウンロゼ、ウィンプリメーラ、ティサージュ、⑪サウンドリアーナ、サプライズも先行策を取る。7番手グループに①ストークアンドレイ、⑩シーブリーズライフ、アユサン、コレクターアイテム、メイショウマンボ、⑯ジーニマジックが追走。中団より後ろの位置には、13番手の位置に⑨プリンセスジャックとソレイユ、15番手にオーヴァル、16番手ティズトレメンダス、16番手⑮ナンシーシャイン、最後方にサンブルエミューズという展開。
外回り3コーナーの中間点を通過し、サマリーズがレースを引っ張り、クロフネサプライズが2番手に浮上、ジーニマジックが3番手。プリメーラとクラウンロゼが4,5番手で並走。コレクターとマンボの8枠2頭は外に持ち出し、ティサージュ馬群の中。残り600mを過ぎて4、コーナーを回ったところで、サプライズが早くも先頭に立つ!このまま押し切れるか?2番手集団からサウンドリアーナ、ウインプリメーラ、内からローブティサージュ、最内クラウンロザ、外からアユサンが迫ってくる。大外にはレッドオーヴァルが猛追。残り200mでアユサンがサプライズをかわすが、外からレッドオーヴァルがまとめてとらえにかかる。ラスト100mでオーヴァルとアユサンの2頭が競り合い、ゴール前でアユサンがわずかに抜け出し先頭でゴールイン!ゴールの瞬間、鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手がガッツポーズ!
全着順&払戻金
1着⑦アユサン 1分35秒0
2着⑭レッドオーヴァル クビ
3着⑧プリンセスジャック 2馬身1/2
4着⑬クロフネサプライズ クビ
5着⑥ローブティサージュ 1馬身1/2
6着④サンブルエミューズ クビ
7着⑫トーセンソレイユ 1/2馬身
8着⑮ナンシーシャイン アタマ
9着⑪サウンドリアーナ 1/2馬身
10着⑱メイショウマンボ ハナ
11着⑤ウインプリメーラ 1馬身1/4
12着⑩シーブリーズライフ 1/2馬身
13着⑧ティズトレメンダス 1/2馬身
14着⑯ジーニマジック 3/4馬身
15着⑰コレクターアイテム 1馬身1/4
16着③クラウンロゼ クビ
17着①ストークアンドレイ 9馬身
18着②サマリーズ 大差
単勝 ⑦ 1800円
複勝 ⑦ 460円 ⑭ 200円 ⑨ 1860円
枠連 ④-⑦ 1120円
馬連 ⑦-⑭ 3300円
馬単 ⑦-⑭ 9350円
ワイド ⑦-⑭ 1100円 ⑦-⑨ 12830円 ⑨-⑭ 7100円
3連複 ⑦-⑨-⑭ 102860円
3連単 ⑦-⑭-⑧ 679300円
牝馬クラシック第1戦の桜花賞は、弟・クリスチャンが乗るアユサンと兄・ミルコのレッドオーヴァルのディープ産駒同士&デムーロ兄弟による叩き合いの末、クリスチャンのアユサンが制して第73代目の桜の女王に輝きました。これでディープインパクト産駒は3年連続で桜花賞制覇。そしてGI史上初の兄弟騎手ワンツー決着となりました。残り200m辺りでクロフネサプライズを捉え、鋭い末脚で大外から伸びてきたオーヴァルに一度は差されながらも、残り50m付近でもう一度差し返しました。レッドオーヴァルは上がり3ハロン35.1秒を叩きだしたんですが、完璧に差し切れずクビ差惜敗。3着には14番人気の伏兵・プリンセスジャックが入り、3連単で67万円台の高配当。
1番人気に推されていたクロフネサプライズは、直線で先頭に躍り出るも押し切れず4着。鞍上・武豊騎手の桜花賞6勝目はなりませんでした。2歳女王・ローブティサージュは5着、3番人気・トーセンソレイユはスタート出遅れが響いて7着、クラウンロゼは最後沈んで16着惨敗に終わりました。
優勝したアユサンに騎乗したクリスチャン・デムーロ騎手は、JRA・GI初勝利。もともとは主戦・丸山元気騎手が騎乗するはずでしたが、6日の福島競馬場でのレースで落馬負傷。急きょクリスチャン騎手に乗り替わり。自らの好騎乗でアユサンを勝利に導き、代打起用に見事応えてみせました。丸山騎手も入院先の病院で喜んでいるに違いない。アユサンを管理する手塚貴久調教師はクラシック初制覇。昨年のこのレースではアイムユアーズで3着に敗れており、手塚氏にとってはリベンジ達成と言えるでしょう。
来週は中山競馬場で牡馬クラシックの第1弾・皐月賞が行われます。昨年の朝日杯FS優勝馬で、スプリングステークスを勝ったロゴタイプ、弥生賞を制したカミノタサハラ、若葉ステークスを勝ったレッドルーラー、共同通信杯を勝ったメイケイペガスター、きさらぎ賞馬タマモベストプレイ、京成杯を勝ったフェイムゲーム、コディーノ、エピファネイア、インパラトール、アーリントンカップを勝っているコパノリチャードなどが登録しています。
トライアル前はエピファネイアとコディーノの2強かと言われましたが、弥生賞で共倒れ。ロゴタイプがスプリングSを勝って皐月賞の最有力候補に急浮上しました。そのロゴタイプには、ミルコ・デムーロ騎手が騎乗予定。桜花賞では弟が勝ったので、次は兄の番ですね。福永祐一騎手に手綱が戻るエピファネイアとコディーノは逆襲に燃えていてるだろうし、中山2000mで2勝しているフェイムゲーム、4戦3勝のカミノタサハラも不気味だ…。
皐月賞前日には、春の最強障害馬を決める中山グランドジャンプがあります。昨年の最優秀障害馬・マジェスティバイオが脚部不安で春シーズン全休、中山大障害を勝ったマーベラスカイザーが骨折。障害2強不在のグランドジャンプには、2011年の優勝馬・マイネルネオス、2010年の優勝馬・メルシーモンサン、阪神スプリングジャンプを勝ったシゲルジュウヤク、前哨戦のペガサスジャンプステークスを制したリキアイクロフネ、昨年のGJと大障害で2着に入ったバアゼルリバーが出走予定。こちらの方も本当に見逃せない一戦です。全馬無事に完走できることを願っています。