3歳クラシック・皐月賞を前日に控えた13日、2013年春の最強ジャンパー決定戦・第15回中山グランドジャンプ(J・GI 芝4250m)が中山競馬場で行われました。大竹柵と大生垣、芝外回りの特設ハードルなど12個の障害とバンケットが待ち構え、国内最長距離の4250mで競われる「日本一過酷なレース」に今年は16頭が出走。ペガサスジャンプステークスを勝った⑨リキアイクロフネ、阪神スプリングジャンプ覇者⑤シゲルジュウヤク、昨年のGJと中山大障害で2着だった③バアゼルリバー、GJ3連覇を狙う柴田大知騎手は⑧ビービースカットに騎乗。他にも2011年の勝ち馬⑥マイネルネオス、2010年覇者⑪メルシーモンサンの「歴代優勝馬」、中山新春ジャンプステークスを勝った⑭ハクサン、アイルランドの障害GIで2勝を誇る⑫ブラックステアマウンテンなどが参戦しました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気がバアゼルリバー(2.4倍)、2番人気リキアイクロフネ(4.6倍)、シゲルジュウヤク3番人気(6.0)倍、4番人気のハクサン(6.5倍)までが10倍以下5番人気以降は⑯ナリタシャトル、④ワシャモノタリン、⑮セイエイ、ブラックステアマウンテン、⑩ゴールデンガッツと続きました。
3コーナーからのスタートで、ゴールデンガッツが大きく出遅れ。最初の5号障害(生垣)をシゲルジュウヤクが先頭で飛越。他の馬も続々とクリアする中、ゴールデンガッツが落馬。さらに落馬に巻き込まれた②カピターノも競走中止。最初の障害で早くも2頭脱落。1周目のスタンド前~向正面に入り、ジュウヤクが単独先頭、ビービースカットが2番手、①トーセンオーパス3番手、ナリタシャトル4番手、5番手セイエイ、6番手ハクサン、7番手ワシャモノタリン、8番手にブラックステアとマイネルネオス並走。中団より後目の10番手集団にリキアイクロフネ・⑦ウォークラウン・バアゼルリバー。後方はメルシーモンサン、⑬タニノハービービー。
14頭は1回目の大障害コースに入り、2つ目のバンケット→大竹柵を先頭のシゲルジュウヤクが飛越すると、後続も無事にクリア。逆回りになったところで14頭が一団となり、オーパスが5号障害を飛越した直後に先頭に立つが、ジュウヤクがすぐさま奪い返してレースを引っ張る。モノタリンが3番手グループまで進出。ブラックステアマウンテンは中団、バアゼルとリキアイクロフネは後方待機。2回目の大障害コースに入るところで、ハクサンが3番手に浮上。そして2つ目の難関・大生垣をシゲルジュウヤクがトップでジャンプ。後続もきれいに飛び越えた!順回りに戻り、ハクサンが2番手まで上がり、ジュウヤクに接近。後方ではトーセンオーパス3番手、ビービースカット、ワシャモノタリン、ブラックステアマウンテンが6番手。バアゼルリバーは8番手。
14頭が4号障害を飛越し、最後のバンケットを通過し、芝外回りに突入。シゲルジュウヤクとハクサンが激しく競り合い、ハクサンが一度は並びかけるも、ジュウヤクが残り800mで再び突き放すが、3,4コーナー中間点の9号ハードルで2頭同時に飛越。後ろからはワシャモノタリンとブラックステアマウンテンが接近し、ブラックステアが外から一気に追い上げ、4コーナーを回ったところで先頭の位置まで浮上。そして、最後の直線の10号障害をシゲルジュウヤクとブラックステアマウンテンが同時に飛越。残り200mでブラックステアが抜け出す。残り100mで3番手のリキアイクロフネが追い込んできたが、ブラックステアマウンテンが押し切ってゴールイン!猛追を見せたリキアイクロフネは、ゴール前でシゲルジュウヤクをかわすも2着まで。道中先頭で走り続けたシゲルジュウヤクは最後力尽きて3着でゴール。
全着順&払戻金
1着⑫ブラックステアマウンテン 4分50秒5
2着⑨リキアイクロフネ 1/2馬身
3着⑤シゲルジュウヤク 1馬身1/4
4着⑬タニノハービービー 3馬身
5着⑮セイエイ クビ
6着③バアゼルリバー 1馬身
7着⑭ハクサン 1馬身1/2
8着①トーセンオーパス 3/4馬身
9着④ワシャモノタリン 2馬身1/2
10着⑦ウォークラウン 1馬身1/4
11着⑧ビービースカット 大差
12着⑧マイネルネオス 4馬身
13着⑯ナリタシャトル 3馬身1/2
中止⑪メルシーモンサン
中止②カピターノ
中止⑩ゴールデンガッツ
単勝 ⑫ 2640円
複勝 ⑫ 730円 ⑨ 200円 ⑤ 240円
枠連 (5)-(6) 4200円
馬連 ⑨-⑫ 6720円
馬単 ⑫-⑨ 17420円
ワイド ⑨-⑫ 1800円 ⑤-⑫ 2640円 ⑤-⑨ 620円
3連複 ⑤-⑨-⑫ 13570円
3連単 ⑫-⑨-⑤ 123370円
最初の障害で2頭が競走中止するという波乱の展開から始まった今年のグランドジャンプは、アイルランドから参戦のブラックステアマウンテンが、最後の直線でのシゲルジュウヤクとの叩き合いを制して優勝。外国馬の優勝は史上3頭目で、欧州勢は初勝利となりました。2着には直線で末脚を見せたリキアイクロフネが入り、レースを引っ張ってきたシゲルジュウヤクが3着に入りました。1番人気のバアゼルリバーは6着に終わりました。このレースは13頭が完走し、ゴールデンガッツ、カピターノ、メルシーモンサンの3頭が競走を中止しました。最初の障害で落馬したゴールデンガッツと煽りを受けたカピターノは人馬ともに異常なし。メルシーモンサンは9号障害の手前で競走を中止し、レース後に「左前繋靭帯不全断裂」が判明。
2002年のセントスティーブン、2005~07年に3連覇を達成したカラジに次いで、史上3頭目の外国馬による優勝を果たしたブラックステアマウンテンは、前哨戦のペガサスジャンプステークスでは9着と惨敗しましたが、今回はスタートから中団に控え、芝外回りコースに入ったところでスパートを仕掛け、4コーナーで先頭に立って1着でゴールしました。前走の惨敗ぶりがウソのような本気を出して勝利でした。いやぁ~、この馬が正直来るとは思っていませんでした。
14日は牡馬クラシック第1戦・皐月賞が行われます!前日オッズでは、⑭エピファネイアが単勝4.0倍で1番人気となり、⑫コディーノが4.1倍で僅差で2番人気、3番人気・⑦ロゴタイプが4.4倍、⑮カミノタサハラが7.4倍と続いています。金曜日のオッズではコディーノが1番人気でしたが、土曜日にエピファネイアが逆転。当日も1番人気が変わるかもしれません。エピファ・コディ・ロゴの3強のどちらかが勝つだろうと思うけど、中山2000mの重傷を勝ったフェイムゲームとカミノタサハラ、2000mで2勝している③レッドルーラーにも番狂わせを起こすチャンスはありそう。皐月賞は15時40分に発走予定です。