カナダで連日熱戦が繰り広げられている「2015 FIFA女子ワールドカップ」。連覇を目指している女子日本代表は、24日の決勝トーナメント1回戦でオランダに2-1で勝利してベスト8進出を果たしました。迎えた日本時間28日の準々決勝は、エドモントンの「コモンウェルス・スタジアム」でオーストラリア代表と対戦。2大会連続のベスト4進出をかけたこの試合、なでしこの若手の星が輝きを放ちました!
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[日本女子代表]
GK 18 海堀あゆみ
DF 3 岩清水梓
DF 4 熊谷紗希
DF 5 鮫島彩
DF 19 有吉佐織
MF 6 阪口夢穂
MF 8 宮間あや
MF 9 川澄奈穂美
MF 13 宇津木瑠美
FW 11 大野忍
FW 17 大儀見優季
[オーストラリア女子代表]
GK 1 リディア・ウィリアムズ
DF 5 ローラ・アレウェイ
DF 7 ステファニー・カトリー
DF 8 エリーズ・ケロンド・ナイト
DF 14 アラナ・ケネディ
MF 10 エミリー・バネグモンド
MF 19 カトリナ・ゴリー
FW 9 ケイトリン・フォード
FW 11 リサ・デバナ
FW 17 カイア・サイモン
FW 20 サマンサ・カー
試合は日本が序盤から押し気味に進みます。前半7分、右サイドで川澄が浮き球のパス→大野がループシュートを狙ったが、バーの上を越える。さらに1分後、川澄がミドルシュートを放つも枠を捉えることができない。豪州は12分にサイモンがスルーパスに反応したが、日本DF岩清水がスライディングでクリアします。
前半22分、日本は右サイドで川澄が味方とのワンツーで右サイドを突破。グラウンダーの折り返しを大野が右足であわせたが、わずかにゴール右に逸れてしまう。豪州は28分、ペナルティエリア付近でセットプレーのチャンスを迎える。ゴールやや左寄りのFKをケネディが直接ゴールに狙ったが、左に外れる。
日本は33分、大野のバックパスを受けた宮間が、PA外から右足を強く振りぬいたが、豪州GK・ウィリアムズに防がれる。続く左からのCKに、ファーサイドにいたDF岩清水がヘディングで合わせたが、味方DFに当たってゴールならず。完璧な当たりだっただけにもったいない。豪州は前半終了間際にカウンターからサイモンがシュートを打つも、GK海堀が正面でキャッチ。前半は両チームスコアレスで終了しました。
迎えた後半、先に決定的場面を作ったのは豪州でした。後半9分に中盤でバネグモンドが阪口のボールを奪って縦パスを送り、カーが右足シュートを打ったが、海堀にキャッチされる。対する日本も後半14分、ペナルティエリア内で川澄がボールをキープしてからヒールパス→右サイドバック・有吉のクロス→ニアサイドで宮間がシュートするも、わずかに外れてしまう。崩す形は良かったが、フィニッシュが甘かった…。
後半27分、日本は大野を下げてFW岩渕真奈を投入。その岩渕は左サイドのスローインを受けると、相手DFをかわしてシュートまで持ち込む場面も見せる。その後も攻め続ける日本は、後半35分に有吉のシュートは枠外、40分に右サイドで川澄がクロス→大儀見がニアサイドでボレーシュートを見せるが、わずかにポスト右に外れる。さらに41分、阪口の縦パス→岩渕がPA内に入ってシュートを放ったが、DFに当たってCK。
そして迎えた後半42分。宮間の左CKを相手がクリア→セカンドボールを宇津木がシュートするもダメ→ゴール前で詰めていた岩清水が押し込もうとするもGKに阻まれ、ならば今度はパスで繋ぐ→フリーになっていた岩渕が右足で押し込んだ!日本が途中出場・岩渕のゴールで試合の均衡を破る!
1点を奪った日本は後半アディショナルタイム、澤穂希を投入して守備固めに入る。後が無くなった豪州は、パワープレーで同点ゴールを狙うも、日本の堅い守備を崩せず。終了間際、バネグモンドがゴール正面の位置からミドルシュート。しかし、GK海堀ががっちりとキャッチして試合終了!日本が1-0でオーストラリアを下しました!
エドモントンで行われた準々決勝は、日本が終始走り続け、ボール支配率も61%とオーストラリアを圧倒。両チーム無得点で、このまま延長戦に入るかと思われましたが、後半42分に途中出場の岩渕選手がゴールを決めて1点を先取。この1点を守り切った日本が、2大会連続のベスト4進出を果たしました。岩渕選手のゴールに、早朝から応援していた人も興奮する人もいれば、眠気が吹っ飛んだ人もいるでしょう。チーム一丸で豪州を撃破した日本、連覇まであと2勝です!
決勝点を挙げた岩渕選手は、大会直前に右ひざを痛めてしまいますが、グループリーグ3戦目のエクアドル戦で初出場。前回のオランダ戦では、後半33分に2点目の起点となるスルーパスで勝利に貢献。そして今回も途中から出場し、待望のW杯初得点。U-17代表時代から注目され、16歳でフル代表入りするなど「なでしこの未来のエース」と言われました。自身のフル代表でのゴールは通算4得点目。豪州戦でのゴールは、人生で記憶に残るものになるでしょう。準決勝以降も出場機会が与えられると思います。この大舞台でもう一度ゴールを奪い、なでしこを連覇に導いてほしいです。
ベスト4入りを決めたなでしこジャパン、ここまで5試合全て1点差での勝利です。いやぁ、このチームは勝負強いですね。それにカメルーン戦での菅澤優衣香選手といい、オランダ戦での有吉選手といい、豪州戦の岩渕選手と日替わりで「ヒロイン」が誕生しています。次の準決勝ではFIFAランク6位のイングランド代表(日本時間7月2日@エドモントン)と戦います。4年前のドイツ大会で唯一負けた相手にリベンジして、決勝進出なるでしょうか?次も絶対勝って下さい!