このブログでJR北海道の「単独維持困難線区」の話題を取り上げました。ここで改めてあげておきます。
1.JR北海道が国などの支援を受けて存続する方針を示している線区
①宗谷本線の名寄〜稚内
②石北本線の新旭川〜上川
③根室本線の釧路〜根室(通称は花咲線)
④釧網本線の東釧路〜網走(全線)
⑤富良野線の富良野〜旭川
⑥根室本線の滝川〜富良野
⑦室蘭本線の沼ノ端〜岩見沢
⑧日高本線の苫小牧〜鵡川
2.JR北海道が廃止・バス転換の方針を示している線区
⑨根室本線の富良野〜新得
⑩留萌本線の深川〜留萌(全線)
3.沿線自治体が鉄道の廃止で合意している線区
⑪日高本線の鵡川〜様似←2021年4月1日廃止
⑫札沼線の北海道医療大学〜新十津川←2020年5月7日廃止
⑬石勝線の新夕張〜夕張←2019年4月1日廃止
さて、今回は上記の⑨です。朝日新聞社が、昨日(2022年1月29日)の8時27分付で「JR根室線の存続、沿線4市町村が断念 バス転換の協議へ」(https://www.asahi.com/articles/ASQ1X6RH0Q1XIIPE00M.html)として報じています。
報道の内容は、28日に富良野市で行われた、沿線4市町村(富良野市、南富良野町、新得町および占冠村)、北海道、JR北海道の担当者による「根室本線対策協議会」という会議です。この会議で、鉄道としての存続を断念してバスに転換するための協議に入ることを決めたようです。今後、住民説明会を開いて住民の理解を求めるようです。
仮に鉄道で存続するというと1年あたり10億9000万円程という費用がかかるというのがJR北海道の主張です。その通りであるのかどうかはわかりませんが、沿線4市町村で負担するのは困難であるということで、鉄道としての存続は無理だという結論に達したようです。また、JR北海道はバス転換について18年間、運営を支援するという条件を示したようです。
今回取り上げた区間の一部は、2016年8月に台風の被害に遭い、それから不通が続いています。しかも輸送密度がかなり低い状態です。存続するとしても、沿線自治体や北海道の負担が増えるばかりでしょう。沿線住民がどのような意見を出すのかが注目されますが、普段は鉄道を利用しない人が鉄道存続を唱えることもありえます。
また、富良野駅〜新得駅の区間が廃止されるとすれば、富良野線にも影響が出るでしょうし、その他の線区についても廃止の論議が進む可能性もあります。