ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2011年6月12日および20日、鷺沼駅

2020年01月04日 00時00分00秒 | まち歩き

 最初にお断りです。今回は、私の「川崎高津公法研究室」に掲載していた「待合室」の、次の記事の再掲載です。

 第445回:「東急田園都市線途中下車(16) 鷺沼駅(その1)」(2011年6月20日撮影。2011年10月4日〜11日掲載)

 第446回:「東急田園都市線途中下車(16) 鷺沼駅(その2)」(2011年6月12日および20日撮影。2011年10月11日〜17日掲載)

 誤字脱字を除き、内容を修正しておりません。したがいまして、後の事情変更なども一切反映しておりません。御注意ください。

 

 田園都市線の急行は、渋谷を出ると三軒茶屋、二子玉川、溝の口、そして鷺沼に停車します。今回はその鷺沼駅を取り上げます。「東急田園都市線途中下車シリーズ」としては第16弾となります。第15弾として取り上げた宮前平駅の次の駅です。

 宮前区内では唯一の急行停車駅(ということは準急停車駅でもあります)である鷺沼駅は、田園都市線の運行上の要の一つでもあります。また、大井町線の車庫もあるので、大井町線の一部の列車が鷺沼駅発着となっています。そればかりでなく、ここには東京メトロ半蔵門線の車庫である鷺沼車両基地もあります。そのためか、鉄道ファンを中心に、全国的にも有名です。

 鷺沼駅の正面口です。以前はこちらにしか改札口がなかったのですが、最近になって北口ができました。この駅には定期券売り場もあります。宮前区役所などは宮前平駅の付近にありますが、同区の商業の中心は鷺沼と言ってよいでしょう。ちなみに、宮前郵便局は鷺沼駅から少しばかり歩いた所にあります。

 意外に取り上げられることが少ないのですが、首都圏の鉄道の中で東急は自動改札機を早くから導入していました。この駅も早いほうではなかったかと記憶しています。また、この駅の前にはバスターミナルがあり、主に東急バスが発着しています(川崎市バスも走ります)。市境に近いため、横浜市の都筑区に向かう路線もあります。

 また、これも意外に取り上げられることが少ないのですが、鷺沼駅は川崎市に古くからある温泉の最寄り駅でもあります。この温泉の名は有馬温泉です。嘘でも冗談でもありません。宮前区有馬に、本当にあります。鷺沼駅から小杉駅行(新城駅行)、東山田営業所行、センター北駅行、センター南駅行のどれかに乗りますと、四つ目のバス停が中有馬で、そのすぐそばです。

 バスターミナルのすぐそばに東急ストアがあります。東急ストアというと、溝の口駅、武蔵小杉駅、新丸子駅などのように高架下にあるというイメージも強いのですが、鷺沼の店はかなり規模が大きく、青山フラワーマーケット、JTB、ABCマートなどが入っています。私は何度かしか入ったことがないのですが、利用客は多いようです。

 東京都内ではパーキングメーターやパーキングチケットの機械をよく見かけます。しかし、川崎市に入るとほとんど見られなくなります。私が知る限りですが、川崎市内でパーキングメーターがあるのは、この鷺沼駅周辺だけなのです。川崎市の中心街である川崎駅周辺では見られないのに、また、武蔵小杉駅周辺、溝の口駅周辺、登戸駅周辺や向ヶ丘遊園駅周辺などでも見られないのに、何故に鷺沼駅周辺にはあるのか、よくわかりません。しかも、横浜市青葉区内、たとえば隣のたまプラーザ駅の周辺にもないのです。鷺沼駅周辺にのみパーキングメーターがあるのは、川崎市内の大きな謎の一つです。

東急ストアの前にあるパーキングメーターを撮影してみました。1時間300円であることは東京都内と同じです。

 鷺沼の東急ストアの前の三叉路です。右側に鷺沼駅があります。真っ直ぐ進むとすぐに急な坂で、下り切ると鷺沼小学校があります。そこからまた急な坂を登り、進んでいくと横浜市青葉区に入り、たまプラーザ駅に出ます。鷺沼小学校から先は桜並木が続きます。上の写真の交差点から鷺沼小学校までは、桜並木こそないのですが御覧のように並木が続きます。

 この辺りは、実は車では少し走りにくいところです。その理由がこの横断歩道です。信号機がなく、しかも横断する歩行者が多いのです。どこにもそんなことを書いてある標識はないのですが、完全に歩行者優先と考えてよい交差点です。自動車を運転している時には、次から次へ歩行者が渡っていくのを見届けてから走らなければなりません。自動車の運転手のほうが平身低頭で「お通しください、歩行者様」という態度をとらなければならない交差点なのです。

 ここから少し歩くと国道246号線で、そこまでの辺りは、所々に商店などがあるものの、基本的に閑静な住宅街です。

 平日の午前中ということもあって、自動車の通行量は少なく、パーキングメーターのエリアに駐車する自動車もありませんが、平日の夕方や休日になると一変します。買い物客を念頭においてメーターを設置していることがわかります。右側に、鷺沼では古い書店があります。この辺りは、以前から何度となく自動車で通っていますので、大体のところはわかります。

東急ストアの敷地です。

 

 鷺沼駅のホームの真上にある橋を渡ります。左側に鷺沼駅の1番線および2番線のホームの屋根が見えます。右側にあるのが東京メトロの鷺沼車両基地です。工場と検車区が置かれています。高圧線のある部分が田園都市線の本線で、その右側が東京メトロの、左側が東急の車庫となっています。少々わかりにくいのですが、手前に08系が留置されています。

 

 鷺沼駅前の商店街は、西(北西)のほうにも続きます。この先を進めば東名川崎インターチェンジの近くに出ますが、そこまでの間は住宅地です。1990年代まではサレジオ学院の中学校と高校がありましたが、現在は横浜市都筑区に移転しています。

 このまま真っ直ぐ歩いてもよいのですが、私は右に曲がろうと思っています。今、ちょうど車が出てきました。

 田園都市線に沿って坂を下ります。すると、御覧のような建物が見えます。別にそこに用事がある訳でもないのですが、小学生時代まで、夏といえばここに来ていたのです。

 今はカッパーク鷺沼として、さぎ沼なごみ保育園、土橋小学校などとなっていますが、ここに川崎市水道局が運営する鷺沼プールがありました。川崎市内では最大で、六角プールには1.8メートルという深さの部分もありました。手前が入り口で、ここで料金を払い、ロッカールームに入って着替え、プールに出たのです。幼い頃、夏にここに来るといつもたくさんの人がいて、ここで泳ぎ、日焼けをしたのです。

 しかし、川崎市営としてはやや料金が高く、また、レジャーの多様化もあり、利用客は減少しました。私もいつの間にか来なくなりました。結局、2002年に廃止されています。なお、ここには競技用のプールがありません。

 プールは屋外型であったため、夏のみの営業でしたが、実はこのプールの下に配水池がありました。現在も重要な施設として活用されています。

 鷺沼プールがあった頃から、それほど大きくは変わっていない、と思いながらこの坂道を見ていました。駅は宮前区鷺沼3丁目にありますが、ここは土橋3丁目です。プールと車庫、それが私にとっての鷺沼のイメージでした。

 

 鷺沼駅周辺を歩いています。幼少期から何度も訪れている所です。

 宮前区内では唯一の急行停車駅(ということは準急停車駅でもあります)である鷺沼駅は、田園都市線の運行上の要の一つでもあります。また、大井町線の車庫もあるので、大井町線の一部の列車が鷺沼駅発着となっています。そればかりでなく、ここには東京メトロ半蔵門線の車庫である鷺沼車両基地もあります。そのためか、鉄道ファンを中心に、全国的にも有名です。

 田園都市線の線路の奥に、東京メトロの鷺沼車両基地があります。08系が留置されていました。8000系もこの基地に所属しておりますし、時には日比谷線用の03系も見られます。南千住の車庫に工場機能がないため、鷺沼まで回送されるそうです。半蔵門線と日比谷線とは線路がつながっておらず、それどころか乗換駅すらないので、日比谷線→東急東横線→東急目黒線→東急大井町線→東急田園都市線のルートで回送されるとのことです。

 ここは、元々が東急の鷺沼検車区でした。田園都市線の溝の口~長津田の開業とほぼ同時に自由が丘から移転してきたのです。旧3000系、旧5000系、5200系、旧6000系、旧7000系、7200系、8000系、そして8500系を見ることができました。このように書くと、当時の東急線のほとんど全てではないかと思われるかもしれません。確かにその通りで、軌道線である世田谷線の車両を除いてほとんど全てをここで見ることができました。一部の形式は見られなかったかもしれませんが、系列ということで言えば文字通り全系列が田園都市線を走っていました。また、当時の田園都市線は編成が短く、2両から4両くらいが一般的でした。不定期列車も走っていて、当時の時刻表にも掲載されていました。田園都市線が現在のようになったのは1980年代に入ってからのことです。

 そう言えば、私は、小学生時代、鷺沼検車区で、長野電鉄に譲渡される前の旧5000系(長野電鉄では2500系)を見たことがあります。緑一色ではなく、赤とクリームの2色に塗られており、驚いた記憶があります。

 1979年、鷺沼検車区は長津田に移転しました。そして、そこに東京メトロの車両基地が置かれたという訳です。

 

 鷺沼プールの跡は、さぎ沼なごみ保育園、富士見プラザフォンテーヌ鷺沼、フロンタウン鷺沼、そして土橋小学校となっています。フロンタウンとなっている部分が、まさにプールであった所です。手前の自転車置き場や駐車場は、ほとんどプール時代そのままです。

 ここには社会福祉施設もあります。保育園も福祉施設の一つで、児童福祉法に基づいて設置されます。従って、カッパーク鷺沼には児童福祉施設と老人福祉施設の双方が設置されていることになります。さらに、宮前平駅側には小学校もあります。その意味では福祉と教育の場が置かれている、ということになります。

 右側、手前から東急の鷺沼車庫、東急田園都市線、そして東京メトロ鷺沼車両基地です。朝のラッシュ時が終わったばかりという時間のためか、大井町線の車両は見当たりません。

 川崎市内には、ここの他に車庫がいくつかあります。私が知る限りでは、東急東横線・目黒線の元住吉検車区、JR南武線の中原電車区で、いずれも中原区にあります。京浜急行と小田急については、川崎市内に車庫はないはずです。それから、京王相模原線の若葉台駅のそばに車庫がありますが、若葉台駅が川崎市麻生区にあるのに対し、車庫は東京都稲城市にあります(但し、敷地の一部が川崎市麻生区にまたがっています)。

 川崎市には、何箇所かにこのような行政サービスコーナーがあります。田園都市線の沿線ということで言えば、溝の口駅前のノクティA棟、そしてこの鷺沼駅前です。区役所で扱われる事務の一部がここで処理されます。住民にとっても、基本的なことはここで足りるようになっています。もっとも、川崎市民である私は、一度も利用したことがありません。区役所か出張所に行きます。

 この写真を撮影するまで、鷺沼駅に北口があることを知りませんでした。いつできたのかわかりませんが、最近のことでしょう。急行停車駅であるにもかかわらず、長らくこの駅の改札口は1つしかなかったのです。バスターミナルのほうだけでは不便でもありますから、北口がオープンしたのはよいことです。

 2番線から下りの各駅停車中央林間行が発車しました。2002年にデビューした2代目5000系です。当初から田園都市線用であり、また、東武伊勢崎線・日光線に乗り入れられるようになっていました。現在に至るまで増備が続けられており、また、初期の数編成を除いて6扉車が組み込まれています。これは、田園都市線が日本の大手私鉄の中で、平日朝のラッシュ時の乗車率が日本一であるためです。

 2代目5000系は、元々がJR東日本のE231系をベースとして設計されたものです。E231系は東急車輛とJR東日本が共同で開発したものです。但し、2代目5000系のデザインは独自のものとなっています。

 また、新5000系は、その後の東急の標準ともなっています。目黒線には5080系(2代目5000系の5080番台と表現するほうがよいかもしれません)が登場し、6両編成で活躍しています。また、東横線には何編成かの2代目5000系が8両で走っているほか、まさに東横線用として5050系(これも5050番台と表現するほうがよいかもしれません)が登場しています。さらに、横浜高速鉄道みなとみらい線のY500系も、2代目5000系とほぼ同型です。池上線および東急多摩川線の2代目7000系、大井町線急行用の2代目6000系も、デザインは全く異なりますが2代目5000系がベースとなっています。

鷺沼駅は掘割の構造となっています。車庫があること、ここで急行と各駅停車の接続が行われることから、2面4線の構造です。御覧のように、改札口はホームよりかなり高い所にあります。

これから、私は上り電車に乗り、渋谷に向かいます。急行であれば次の停車駅は溝の口で、その先は二子玉川、三軒茶屋、渋谷の順となります。

 鷺沼と言えば、このお店を忘れる訳にはいきません。以前から、時々ではありますが、食べたくなると寄り、買い物をしていきます。元はと言えば、実家の近所の人からいただいたものがきっかけです。結婚してからは妻と何度か食事をしました。私、そして家族のお気に入りのお店の一つでもありますが、まずは駐車場と店の建物の間にあるこの建物です。

 豆腐屋のうかいです。鷺沼以外にも何箇所かにお店があるのですが、ここはかなり前から営業しており、くみあげ豆腐などを買っています。小で1キログラムもあり、1050円です。とにかく美味しい豆腐で、醤油も薬味もいりません。そのまま食べるのが一番よいくらいなのです。冷奴がおすすめです。但し、夕方に行くと売り切れていることも多いので、早い時間に行って買うのがよいでしょう。

 私は豆腐好きであり、豆腐料理も好きです。ただ、意外に豆腐料理が高いので驚いたこともあるのですが、このお店はそれほど高くありません。それでいてヴァリエイションが豊かで、美味、そして満腹感も味わえます。いつも混んでいるのはそのためでしょう。豆腐嫌いの人もここの料理には納得していました。

 今回は無断で掲載してしまいました。うかい鷺沼店様、申し訳ございません。また食事でもしたいと思っていますので、お許しください。

これも駐車場の裏です。店に入ると中庭があって、庭園のようになっています。池、そして橋もあります。その中庭を見ながら、お座敷で食事するのもよいものです。

 書いているうちにくみあげ豆腐を食べたくなりました。

 さて、これで東急田園都市線の川崎市内の駅を全て取り上げました。従って、これまでのところ、渋谷~たまプラーザの全駅を紹介したこととなります。全駅のうちの過半数に達してはいるのですが、それでもようやく前半戦が終了したというところでしょうか。長津田駅を除くあざみ野~中央林間が後半戦ということになりますが、通勤で使うのとは反対の方向でもあるので、なかなか難しいところです。

 渋谷区:渋谷(12)

 世田谷区:池尻大橋(3)、三軒茶屋(1)、駒沢大学(9)、桜新町(4)、用賀(13)、二子玉川(14)

 川崎市高津区:二子新地(6)、高津(2)、溝の口(8)、梶が谷(11)

 川崎市宮前区:宮崎台(7)、宮前平(15)、鷺沼(16)

 横浜市青葉区:たまプラーザ(10)、あざみ野、江田(17の予定)、市が尾(18の予定)、藤が丘、青葉台、田奈

 横浜市緑区:長津田(5)

 町田市:つくし野、すずかけ台、南町田(土休日のみ急行停車。平日は急行も準急も通過)

 大和市:つきみ野、中央林間

 〔赤字は急行・準急停車駅、青字は準急停車駅(急行通過駅)です。また、駅名の後にある( )と数字は、このシリーズで取り上げた順番などを示します。〕


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