1.不動産取得税の課税主体など
不動産取得税は道府県税である。すなわち、不動産取得税の課税主体は都道府県である(以下、法律に合わせて道府県と記す)。また、不動産取得税は法定税であり、かつ普通税である(地方税法第4条第2項第4号)。
2.不動産取得税の課税物件(課税客体)
不動産取得税の課税客体(課税物件)は不動産の取得である。
注意しなければならないのは、課税客体が不動産そのものでもなければ不動産の所有でもないことである。この点において、課税物件が固定資産(土地、家屋および償却資産)であり、固定資産の所有に着目して課される固定資産税と異なる。
また、不動産の取得が課税客体とされていることから、不動産取得税の位置づけについては、流通税とする見解〈金子宏『租税法』〔第二十四版〕(2021年、有斐閣)17頁および876頁〉と資産課税とする見解〈石村耕治編『税金のすべてがわかる現代税法入門塾』〔第10版〕(2020年、清文社)12頁〉とに分かれる。
ここで、不動産は土地および家屋とされる(地方税法第73条第1号)。次に、土地は「田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう」(同第2号)、家屋は「住宅、店舗、工場、倉庫その他の建物をいう」(同第3号)とされる。また、住宅は「人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分で、政令で定めるものをいう」(同第4号)とされる。
以上につき、「地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)」(平成22年4月1日総税都16号。以下、取扱通知)は次のように説明する。
土地には、立木その他土地の定着物が含まれない〔同第5章2(1)〕。
家屋は、固定資産税にいう家屋、または不動産登記法にいう家屋と同じ意味である。「屋根及び周壁を有し、 土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供しうる状態にあるものをいう」〔同第5章2(2)。なお、同ア〜エを参照〕。
住宅には別荘が含まれない。また、家屋の一部が「人の居住の用に供する」ものであっても、別荘以外であればよい〔同第5章2(3)〕。
3.不動産取得税の納税義務者
地方税法第73条の2により、不動産取得税の納税義務者は次に掲げるものとされる。
〔1〕不動産の取得者(同第1項)
取得者は個人、法人の別を問わない。なお、取得については、取扱通知において次のように説明されている。
・「不動産の取得とは、有償であると無償であるとを問わず、またその原因が売買、交換、贈与、寄附、法人に対する現物出資、建築、公有水面の埋立、干拓による土地の造成等原始取得、承継取得の別を問わない」〔同第5章3(1)〕。
・「法人が組織変更し、又は人格なき社団が法人格を取得した場合には、不動産について実質的な 所有権の移転があったものとは認められないことから、課税対象とはならない」〔同第5章3(2)〕。
・「不動産の取得の時期は、契約内容その他から総合的に判断して現実に所有権を取得したと認められるときによるものであり、所有権の取得に関する登記の有無は問わない」〔同第5章3(3)。なお、同ただし書きも参照〕。また、実際には登記に基づいて不動産取得税の課税が行われることが多い〈山形富夫『税務の基礎からエッセンスまで 主要地方税ハンドブック』(2017年、清文社)171頁。鵜野和夫『不動産の評価・権利調整と税務―土地・建物の売買・賃貸からビル建設までのコンサルティング―』〔令和3年10月改訂〕(2021年、清文社)267頁も参照〉。
〔2〕家屋が新築された場合
不動産取得税の課税客体は不動産の取得であるから、いつ取得がなされたかが重要である。家屋が新築された場合について、地方税法第73条の2第2項は、次のように定める。
第一に、当該家屋について最初の使用が行われた日に、当該家屋の取得があったものとみなされる。すなわち、当該家屋の所有者が取得者とみなされる。
第二に、当該家屋が使用されることなく他人に譲渡された場合には、その譲渡が行われた日に当該家屋が取得されたものとみなされる。すなわち、当該家屋の譲受人が取得者とみなされる。
第三に、当該家屋が新築された日から6か月が経過して、なお当該家屋について最初の使用または譲渡が行われない場合には、当該家屋が新築された日から6か月を経過した日において家屋の取得があったものとみなされ、当該家屋の所有者が取得者とみなされる。
第四に、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社または宅地建物取引業者が家屋の注文者であり、当該家屋が新築に係る請負契約に基づいて請負人から注文者に譲渡された場合には、その譲渡の後に最初の使用または譲渡が行われた日において家屋が取得されたものとみなされ、当該家屋の所有者または譲受人が取得者とみなされる。
〔3〕家屋の改築
改築によって当該家屋の価格が増加した場合には、当該改築が家屋の取得とみなされる(同第3項)。この場合には、当該改築による「価格」の増加分が課税標準とされる(同第73条の13第2項)。
ここで改築は、同第73条第8号によって「家屋の壁、柱、床、はり、屋根、天井、基礎、昇降の設備その他家屋と一体となつて効用を果たす設備で政令で定めるものについて行われた取替え又は取付けで、その取替え又は取付けのための支出が資本的支出と認められるものをいう」と定義される。なお、取扱通知取扱通知第5章2(4)ウによると「その取り替え又は取付けのための支出が資本的支出と認められるもの」とは「家屋の本来の耐用年数を延長させるようなもの」や「価額を増加させるもの」を意味する。
なお、地方税法には家屋の移築および移設に関する規定が存在しないが、取扱通知第5章にはそれぞれについて説明がなされている。このうち、移築は、家屋を解体し、それを材料として他の場所に同一の構造で再建することをいう。厳密に言えば、移築は新築に該当するが「負担の均衡上改築の場合に準じてその移築により増加した価格を課税標準として課税することが適当である」とされる〔取扱通知第5章2(5)〕。一方、移設は「家屋を原型のまま他の場所に移転すること」で、「不動産の取得には含まれない」(同)。
〔4〕家屋の増築
増築は、地方税法第73条第7号によって「家屋の床面積又は体積を増加することをいう」と定義される。増築が行われた場合、その増築された部分について取得があったものとみなされ(同第73条の2第3項および第1項を参照)、その増加部分の「価格」が課税標準とされる(同第73条の13第1項を参照)。
〔5〕高さが60メートル以下の区分所有建物等(例;分譲マンション)の場合
建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分の取得があった場合には、当該専有部分の属する家屋(共有部分も含む)の「価格」を、専有部分の床面積の割合により按分して得た額に相当する価格の家屋の取得があったものとみなされる(地方税法第73条の2第4項)。
〔6〕居住用超高層建築物の場合
居住用超高層建築物は、建築基準法第20条第1項第1号に規定する建築物(高さが60メートルを超える建築物)であり、複数の階に人の居住の用に供する専有部分を有し、かつ、当該専有部分の個数が2個以上のものである。
居住用超高層建築物の専有部分の取得があった場合には、当該専有部分の属する居住用超高層建築物(共用部分とされた附属の建物を含む)の価格を「人の居住の用に供する専有部分」とそれ以外の専有部分とに区分し、それぞれの床面積が当該居住用超高層建築物の全専有部分の床面積の合計に対する割合により按分して得られた額に相当する家屋の取得があったものとみなされる(地方税法第73条の2第5項)。
〔7〕区分所有建物等の共用部分のみの建築があった場合
共有部分に係る区分所有者が「当該建築に係る共用部分の価格を建物の区分所有等に関する法律第14条第1項から第3項までの規定の例により算定した専有部分の床面積の割合(居住用超高層建築物に係る共用部分のみの建築があつた場合には、前項各号に定める専有部分の床面積の当該居住用超高層建築物の全ての専有部分の床面積の合計に対する割合)により按分して得た額に相当する価格の家屋を取得したものとみな」される(地方税法第73条の2第6項)。すなわち、この場合には管理者等に課されるのではなく、区分所有者に課されることとなる。
〔8〕家屋の造作その他の附帯設備の扱い方
例えばビルに設置されているエレベーターや空調設備は、家屋の造作その他の附帯設備であり、建築物の効用を高めるものである。一般的には、家屋の主体構造部と附帯設備の設置者または所有者は一致する。しかし、貸しビルなどにおいては、主体構造部の所有者と附帯設備の設置者が異なり、附帯設備の設置者が所有権を留保している場合が少なくない。
そこで、地方税法第73条の2第7項は、家屋の主体構造部と一体となって家屋として効用を果たしている附帯設備について、主体構造部の取得者以外の者が附帯設備を取り付けたものであっても、主体構造部の取得者が附帯設備に属する部分も併せて当該家屋を取得したものとみなされる旨を定める。
この場合には、まず、主体構造部の取得者が納税通知書の交付を受け、その交付を受けた日から交付を受けた日から30日以内に、附帯設備に属する部分の取得者と協議をする。次に、主体構造部の取得者が、道府県に対し、不動産取得税の課税標準となるべき価額のうち附帯設備に属する部分の取得者が所有する部分の価額を申し出る。これを受けて、道府県は、附帯設備に属する部分の取得者に対して不動産取得税を課する。一方、道府県は、主体構造部の取得者に課した不動産取得税の税額から、附帯設備の取得者に課した不動産取得税の税額に相当する額を減額する(なお、同第8項〜第10項も参照)。
〔9〕土地区画整理法による土地区画整理事業、または土地改良法による土地改良事業が施行される土地について仮換地または一時利用地の指定がなされた場合
当該仮換地または一時利用地について使用し、または収益することができることとなった日の以後に、当該仮換地または一時利用地に対応する従前の土地の取得があったときに、当該従前の土地の取得者が取得者とみなされ、不動産取得税が課される(地方税法第73条の2第11項)。
〔10〕土地区画整理事業の施行者が管理する保留地予定地等
次のいずれかの場合に、保留地予定地等である土地の取得があったものとみなされ、当該土地を取得することとされている者が取得者とみなされる(同第12項)。
①土地区画整理事業の施行者以外の者が、当該土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までの間当該保留地予定地等である土地について使用し、または収益することができること、および同日の翌日に当該施行者が取得する当該保留地予定地等である土地を取得することを目的とする契約が締結された場合。
②同日の翌日に土地区画整理組合の参加組合員が取得する当該保留地予定地等である土地について、当該参加組合員が使用し、または収益することができることを目的とする契約が締結された場合。
4.不動産取得税の納税義務者とならないもの(人的非課税)
地方税法第73条の3第1項は「道府県は、国、非課税独立行政法人、国立大学法人等及び日本年金機構並びに都道府県、市町村、特別区、地方公共団体の組合、財産区、合併特例区及び地方独立行政法人に対しては、不動産取得税を課することができない」と定める。
また、同第2項は「不動産取得税は、皇室経済法(昭和22年法律第4号)第7条に規定する皇位とともに伝わるべき由緒ある物である不動産については、課することができない」と定める〈規定の仕方からすれば物的非課税とも読み取りうるが、山形・前掲書178頁に倣い、ここでは人的非課税としておく。但し、疑問は残る〉。
5.不動産取得税の課税客体とならないもの(物的非課税)
他の税目についても言いうることであるが、不動産取得税の物的非課税は、人的非課税と比較しても非常に広範囲にわたる。そこで、若干の例のみをあげておく。
(1)地方税法第73条の4(見出しは「用途による不動産取得税の非課税」)
第1項第2号:「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条に規定する境内建物及び境内地(旧宗教法人令(昭和20年勅令第719号)の規定による宗教法人のこれに相当する建物及び土地を含む。)
同第3号:「学校法人又は私立学校法第64条第4項の法人(以下この号において「学校法人等」という。)がその設置する学校において直接保育又は教育の用に供する不動産(第4号の4に該当するものを除く。)、学校法人等がその設置する寄宿舎で学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条の学校又は同法第124条の専修学校に係るものにおいて直接その用に供する不動産、公益社団法人若しくは公益財団法人、宗教法人又は社会福祉法人がその設置する幼稚園において直接保育の用に供する不動産(同号に該当するものを除く。)及び公益社団法人若しくは公益財団法人で職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第24条の規定による認定職業訓練を行うことを目的とするもの又は職業訓練法人で政令で定めるもの若しくは都道府県職業能力開発協会がその職業訓練施設において直接職業訓練の用に供する不動産並びに公益社団法人又は公益財団法人がその設置する図書館において直接その用に供する不動産及び公益社団法人若しくは公益財団法人又は宗教法人がその設置する博物館法第2条第1項の博物館において直接その用に供する不動産」
同第4号:「社会福祉法人(日本赤十字社を含む。次号から第4号の7までにおいて同じ。)が生活保護法第38条第1項に規定する保護施設の用に供する不動産で政令で定めるもの」
同第7号:「公益社団法人又は公益財団法人で学術の研究を目的とするものがその目的のため直接その研究の用に供する不動産」
同第38号:「特定建設線(全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)第4条第1項に規定する基本計画に定められた同項に規定する建設線のうち政令で定めるものをいう。)の同法第6条第1項に規定する建設主体として同項の規定により国土交通大臣が指名した法人が同法第9条第1項の規定による国土交通大臣の認可を受けた当該特定建設線の工事実施計画に係る同法第2条に規定する新幹線鉄道の鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第8条第1項に規定する鉄道施設の用に供する不動産で政令で定めるもの」
同第3項:「道府県は、公共の用に供する道路の用に供するために不動産を取得した場合における当該不動産の取得又は保安林、墓地若しくは公共の用に供する運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤とう若しくは井溝の用に供するために土地を取得した場合における当該土地(保安林の用に供するために取得した土地については、森林の保健機能の増進に関する特別措置法(平成元年法律第71号)第2条第2項第2号に規定する施設の用に供する土地で政令で定めるものを除く。)の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。」
②同第73条の5(見出しは「土地開発公社の不動産の取得に対する不動産取得税の非課税」)
③同第73条の6(見出しは「土地改良事業の施行に伴う換地の取得等に対する不動産取得税の非課税」)
④同第73条の7(見出しは「形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税」)
同第1号:「相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得」
同第2号:「法人の合併又は政令で定める分割による不動産の取得」
同第2号の2:「法人が新たに法人を設立するために現物出資(現金出資をする場合における当該出資の額に相当する資産の譲渡を含む。)を行う場合(政令で定める場合に限る。)における不動産の取得」
同第2号の3:「共有物の分割による不動産の取得(当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得を除く。)」
⑤地方税法附則第10条:適用期限が定められている。
6.不動産取得税の課税標準
不動産取得税の課税標準に関する原則は、地方税法第73条の13に定められている。
まず、不動産を取得した場合には、その取得時における不動産の「価格」である(同第1項)。すなわち、不動産取得時の適正な時価であり、固定資産税および都市計画税と同じ意味である。
次に、「家屋の改築をもつて家屋の取得とみなした場合に課する不動産取得税の課税標準は、当該改築に因り増加した価格とする」(同第2項)。
以上に対する例外(換言すれば特例)も多く定められているが、ここでは同第73条の14を参照する。
例外1:「住宅の建築(新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入を含むものとし、政令で定めるものに限る。)をした場合における当該住宅の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の算定については、一戸(共同住宅、寄宿舎その他これらに類する多数の人の居住の用に供する住宅(以下不動産取得税において「共同住宅等」という。)にあつては、居住の用に供するために独立的に区画された一の部分で政令で定めるもの)について1200万円を価格から控除するものとする」(同第73条の14第1項)。
例外2:「共同住宅等以外の住宅の建築(新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入を含む。以下この項及び第4項において同じ。)をした者が、当該住宅の建築後一年以内にその住宅と一構となるべき住宅を新築し、又はその住宅に増築した場合には、前後の住宅の建築をもつて一戸の住宅の建築とみなして、前項の規定を適用する」(同第2項)。
例外3:「個人が自己の居住の用に供する耐震基準適合既存住宅(既存住宅(新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないもの以外の住宅で政令で定めるものをいう。第73条の24第3項において同じ。)のうち地震に対する安全性に係る基準として政令で定める基準(第73条の27の2第1項において「耐震基準」という。)に適合するものとして政令で定めるものをいう。第73条の24第2項及び第3項において同じ。)を取得した場合における当該住宅の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の算定については、一戸について、当該住宅が新築された時において施行されていた地方税法第73条の14第1項の規定により控除するものとされていた額を価格から控除するものとする」(同第3項)。
なお、例外1および例外3について「第1項及び前項の規定は、当該住宅の取得者から、当該道府県の条例で定めるところにより、当該住宅の取得につきこれらの規定の適用があるべき旨の申告がなされた場合に限り適用するものとする。この場合において、当該住宅が、住宅の建築後一年以内に、その住宅と一構となるべき住宅として新築された住宅であるとき、又はその住宅に増築された住宅であるときは、最初の住宅の建築に係る住宅の取得につき、第1項の規定の適用があるべき旨の申告がなされていたときに限り、適用するものとする」(同第4項)。
この他、公営住宅などを譲渡された者、不動産を収用されて補償金(または移転補償金)を受けた者、公共事業を行う者に不動産を譲渡した者、など多くの例について特例が定められている(同第5項〜第14項。また、地方税法附則第11条なども参照)。
既に述べたように、不動産取得税の課税標準は取得時の「価格」であるが、この「価格」をどのように決定するのであろうか。地方税法第73条の21は、不動産の「価格」が固定資産課税台帳に登録されている場合とそうでない場合とに分けて定める。
まず、当該不動産の「価格」が固定資産課税台帳に登録されている場合には、当該「価格」によって不動産取得税の課税標準となるべき「価格」を決定する(同第1項本文)。但し、増築、改築、損壊、地目の変換などがあった場合にはこの限りでない(同項ただし書き)。
次に、当該不動産の「価格」が固定資産課税台帳に登録されていない場合には、固定資産評価基準(同第388条第1項)により、不動産取得税の課税標準となるべき「価格」を決定する(同第73条の21第2項。同第1項ただし書きに該当する場合も同様である)。
なお、宅地と評価される土地の取得が2024年3月31日までの間に行われた場合に限り、不動産取得税の課税標準は当該土地の「価格」の2分の1の額とする特例がある(同附則第11条の5第1項)。
7.不動産取得税の税率
原則として、不動産取得税の標準税率は4%である(地方税法第73条の15)。但し、次のような例外がある。
第一に、2024年3月31日までの間に住宅または土地の取得が行われた場合の標準税率は3%である(同附則第11条の2第1項)。住宅以外の家屋については原則通り4%であることに注意されたい。
第二に、例外2:免税点←不動産取得税が課されない。
土地の取得:10万円未満であれば非課税
家屋の取得のうち、建築に係るもの=一戸(マンションなどについては独立した一区画)につき23万円未満であれば非課税
家屋の取得のうち、建築に係るもの以外のもの=一戸(マンションなどについては独立した一区画)につき12万円未満であれば非課税
(以上、地方税法第73条の15の2第1項。同第2項も参照。)
8.不動産取得税の減免措置
①「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」(同第73条の24)
一定の事由に該当する場合に、150万円が減額される。
②「耐震基準不適合既存住宅の取得に対する不動産取得税の減額等」(同第73条の27の2)
但し、取得から6か月以内に耐震改修を行い、耐震基準に適合する旨の証明を受けることが要件となる。
③「被収用不動産等の代替不動産の取得に対する不動産取得税の減額等」(同第73条の27の3)
④地方税法附則第11条の4に規定される減免措置(いずれも適用期限がある)
心身障害者を多数雇用する事業所の事業主が助成金を受けて取得する事業用施設、サービス付き高齢者住宅の敷地の用に供する土地、宅地建物取引業者が回収工事対象住宅を取得して改修した上で個人に譲渡した場合などについて、減免措置がなされる。