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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

ジュラシック・ワールド/炎の王国

2018-07-18 22:25:51 | 映画+SFファンタジー
Jurassic World: Fallen Kingdom

Directed by J. A. Bayona
Produced by Frank Marshall Patrick Crowley Belén Atienza
Written by Derek Connolly Colin Trevorrow
Based on Characters by Michael Crichton

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』最新予告

前作と今作のネタバレを含みますのでご注意ください。




早速行ってきました。
金曜日に公開からの3連休なので3日前から売り出す前売りを日付が変わったと同時に
ごるちゃんにゲットしてもらいました。
しかも日比谷です。ありがとう、ごるちゃん。
おかげで映画部4人、とても良い席で3Dなジュラシックワールドを堪能できました。

観終わった最初の感想はみんな「オーウェン、かっこいい」でした。
全員一致でGOODを出すなんて滅多にありません。
確かにクリプラはかっこいいです。マッチョな部分もOKです。
今回はさらにパワーアップしていたオーウェン。並みの軍人ではありませんでしたよ。


さて内容ですが、
1を観ていなくても大丈夫なつくりにはなっていました。
でも、所々に小ネタがあるのでやっぱり1とジュラシックパークを観ておいた方が楽しさ100倍違います。

1でクレアはヒールのまま逃げまくったのも話題になっていたせいか
クレア登場時はヒールから映されていましたし、島に着いた時も靴からでした。
さすがに今回はちゃんとブーツ。

それにしてもまたしても謎の副題。なぜ「炎の王国」なのか・・・かっこいいから?
確かにパークがあるイスラ・ヌブラル島は噴火により壊滅しますが
でもそれは冒頭の「起」の部分なだけでメインは別にあります。
原題の「Fallen Kingdom」って結構重要な伏線になっていると思うのだけど。

と、文句ばかり言っていますが上手い副題をつけろと言われると無理なんですけどね。
王国の崩壊とかではダメだったのかな。

この話はまたあとで触れるとして。



冒頭は前作で崩壊したパークがあるイスラ・ヌブラル島。
Tレックスとブルー、そしてモササウルスの共闘で海に沈めたインドミナスの骨を
謎の集団が回収しますがその時に恐竜に襲われ海のゲートが開放されてしまいます。
これはラストの伏線となります。


イスラ・ヌブラル島では火山が活動し恐竜たちは絶滅寸前。
前作から一転して恐竜保護グループDPGを設立したクレアは恐竜たちを救出する方法を模索し
政府に支援を要望するが拒否されましたが、パークを設立したハモンドのビジネスパートナー、
ロックウッド財団のベンジャミン・ロックウッドは経営者ミルズを通して支援を申し出ます。

ミルズさんはどこかで見たような気がしますが気のせいかも。

さらにラプトルのブルーを捜索してほしいと頼まれクレアはオーウェンに会いにいきます。


オーウェンは一度は断るものの、ラプトル4姉妹の成長記録を見ていたオーウェンは
結局承諾し獣医のジアやフランクリンたちと島に行きます。


成長記録の一部がこれです。
ヤバいですよ、かわいすぎて永遠に見ていられます。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』本編映像”子供の頃のヴェロキラプトル 4姉妹”



前作のラプトルたちとオーウェンの関係は油断すると食べられちゃうような
もう少し緊張感がありましたが今作の仲良しっぷりはどうしたことか・・・
やはりTレックスたちと共闘してやっつけた時に距離感が縮まったのかな。

島にはミルズが雇った傭兵たちがいました。


恐竜それぞれに埋め込んである追跡チップを頼りにブルーを捜索します。
ほどなくオーウェンの目の前に現れたブルー。


オーウェンはよくブルーに「Girl」と呼びかけるんですよね。
オーウェンに限らずみんな「彼女」と呼んでいるし「clever girl」と言ってるし。
もちろんみんな女子なんですけど特にラプトルは「Girl」なのが私の萌えポイントなんです(病気)


オーウェンはゆっくりと手を伸ばしブルーに触れようとします。


その瞬間ミルズの傭兵、ウィートリーらがブルーに麻酔銃を撃ちさらに銃で撃たれてしまいます。
撃つとは思いましたけどね。
でも、久しぶりの再会なんだから邪魔しないで!って心の中で叫びました。

ミルズの目的は保護ではなく恐竜たちをオークションにかけ稼ぐことでした。
ブルーは捕らえられオーウェンも麻酔銃を撃たれクレアたちと危うく島に取り残されそうになりながらも
何とか傭兵の船に乗り脱出しますが取り残された恐竜たちは炎に巻かれて死んでしまいます。

オーウェンたちは船の中でジアと再会します。


獣医のジアは懸命にブルーの治療をしていますが輸血が必要になり
オーウェンとクレアは麻酔で眠らされているTレックスの血をとりブルーに輸血し一命をとりとめます。



ロックウッド邸ではベンジャミンの孫娘、メイジーがミルズの秘密の研究所の存在を知ります。

ロックウッド邸とメイジー。


そっと忍び込むと目に入ったのはオーウェンが小さいブルーたち4姉妹を調教している動画でした。
恐竜好きのメイジーはじっと観ています。そこにミルズと密売人のエヴァーソルが入ってきます。
エヴァーソルはトビー・ジョーンズです。この手の役をやらせたら世界一だと思います。


ミルズたちはインドミナスとラプトルを掛け合わせたインドラプトルの話をしています。
ブルーたちがオーウェンの命令を聞くことに目をつけ兵器として売り出そうと考えていました。

メイジーはベンジャミンに事の顛末を話し、
ベンジャミンがミルズに警察に自首するよう言いますがベンジャミンはミルズに殺されてしまいます。
それを知ったメイジーはたったひとりになってしまいました。

ミルズたちの計画を阻止するべくロックウッド邸に侵入するオーウェンたち。
そこでメイシーに会います。
クレアはロックウッド邸で一度メイジーに会っているので声をかけますが
誰を信用していいかわからないメイシー。
でもオーウェンのラプトルとの交流を動画で見ていたメイジーなのでオーウェンに抱きつきます。
目の前でクレアがずっと話しかけているのにオーウェンに抱きつくなんて将来有望な女子です。


エヴァーソルが呼んだ投資家が次々とロックウッド邸に集まりオークションが始まりました。
しかし途中で恐竜が逃げ出し会場はパニック。
さらにインドラプトルが檻から逃げ出してしまいます。

インドラプトルに追われるメイジー。
ここでミルズからメイジーはベンジャミンの孫ではなく娘のクローンだということが明らかになりますが
でもメイジーは背後からインドラプトルが迫っているのでそれどころではない感じでした。

部屋に入りじっとしているメイジーですが
頭の良いインドラプトルはメイジーの部屋に難なく侵入。
ちょっとエイリアン?


オーウェンが助けに入りますが恐竜には敵わずピンチ。

その時!
解放されたブルーが助けにきました。
これはわかっていた展開ですが、でもいいんです。
ベタだろうとなんだろうとこの場面が見れるだけで満足なんです。


一方、地下ではシアン化水素ガスが充満し檻に入れられた恐竜たちに死が迫ります。
クレアは扉を解放するスイッチを押そうとしますが、オーウェンに説得され思いとどまります。
もし恐竜たちを外に解放したら大変な事になります。

しかしその時メイジーがボタンを押し恐竜たちを解放してしまいます。
自分と同じクローンで、彼らも生きている、とメイジーは言います。

オーウェンはブルーに一緒に安全な場所に行こうと言いますが
ブルーはそのまま森の中に消えていきます。

今回は冒頭からマルコム博士が何度か登場しています。
恐竜が放たれた世界になり、マルコム博士が議会に呼ばれます。
博士は自分が警告してきたことが起きた事、これからは恐竜と共存していく世界になると言います。
そして最後に、このセリフです。

「ようこそ、ジュラシックワールドへ」



かなり端折りましたがこんな感じです。
ストーリーもだいぶ忘れかけているのでマルコム博士のセリフもうろ覚えです。

最後はラスベガスとか動物園とかに恐竜がいるし
冒頭で逃げ出したモササウルスもサーファーであふれている海に登場していました。
これどうするの?と思っていたら続きがあるんですね。3部作だって事を観終わってから知りました。
ともかくまたブルーとオーウェンに会えるだけで嬉しいです。


今回はかなりホラーテイスト多めでエイリアンとかバイオハザードを彷彿させました。
舞台も広いお屋敷とはいえ家の中なので賛否両論あるようでした。

私もやはり1作目のほうが面白く感じました。
オーウェンもクレアもほどよいタフさ加減で強さにリアリティがありましたが
今作はパワーアップしちゃっていて、オーウェンの強さは超人並みだし、
クレアに至っては、サラ・コナーかよ!って突っ込みたくなる場面もありました。

1作目が面白かった最大の理由は何と言ってもオーウェンとラプトル姉妹の共闘、
さらにTレックスまで参戦したあのクライマックスシーンです。
しかもトドメがモササウルスでしょ。
今まで恐竜たちはそれなりに共存してきたのにインドミナスが滅茶苦茶にしたわけで、
同じクローンでもこいつは許せん!みたいな感じですごく良かったです。

でも今回はブルーとオーウェンが仲良しだったのでそれだけで満足しております。
オーウェンのピンチには必ず駆けつけるんだもん。
でも欲を言えば私はラプトルの走りが好きなので次はそこのところをぜひ。


このポスターの「Life finds a way」
これはマルコム博士がジュラシックパークの恐竜たちがみなメスなのに
繁殖していたのが明らかになったときに言ったセリフです。
「命は必ず道を見つける」


ジュラシックパーク、ジュラシックワールドともに一貫して伝わってくるのは
人間の傲慢さと命のコントロールの難しさですよね。

メイジーは次作も出てくるのでしょうか。
クローン技術で生まれた少女と恐竜はどんなラストを迎えるのでしょう。

「Fallen Kingdom」は人間と恐竜、どちらも崩壊したという事なんでしょうね。
冒頭でも触れましたがなぜ「炎の王国」だったのでしょうか。
やっぱりかっこいいから?

どんな結末でもよいですが、ブルーだけは殺さないでー!
そして次回はぜひサム・ニールも出してください。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

2018-07-16 21:39:51 | Star Wars
Solo: A Star Wars Story

Directed by Ron Howard
Produced by Kathleen Kennedy Allison Shearmur Simon Emanuel
Written by Jonathan Kasdan Lawrence Kasdan
Based on Characters by George Lucas

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」日本版予告

実はハンソロは観る予定ではありませんでしたが
うちのジェダイマスターが、
どんなに不評であろうとファンとしては観に行くべきだ。。。
と言うし、レビューと予告だけで判断してはいかんと思い直して行ってきました。


以下、ネガティブな感想とネタバレを含みますのでご注意ください。




多分に漏れず私もこの映画はハン・ソロがファルコンを手に入れ
チューイやランドと出会いながら成長していく西部劇のような冒険活劇だと思っていました。
もちろん着地点は、タトゥイーンでオビワンに仕事を持ちかけられるあの密輸業者なハン・ソロです。
だから見どころは彼がなぜアウトローな生き方を選んだのか、
チューイたちとどんな風に出会い、ファルコンを操縦する技術をどう手に入れたかです。


ルーカス公認の非公式小説ではハンソロは子どものころ海賊ギャリス・シュレイクに拾われ奴隷として働かせられていました。
(本作ではレディ・プロキシマという犯罪組織)
その時にウーキー族の女性が母親のように接していたそうなのでハンはウーキー語がわかるんですね。
ある日逃げ出し帝国軍に入りエリート軍人として出世していましたが、
奴隷として虐げられていたウーキー族のチューバッカを助けたために除隊となったので密輸業者になったという事です。
ちなみにランドとはボバ・フェット絡みで親友になっています。
ファルコンはギャンブルでランドから巻き上げているので所有者はランドなんですね。

自分の才覚で奴隷から抜け出し一時はエリートにまで出世したすごい男です。
波乱万丈すぎる人生のせいでひねくれちゃいましたが、
ルークやレイアと出会ったことで正義の人に変わっていきますし。


でも本作にはこの設定はあまり活かされていませんでした。

冒頭はいきなりエミリア・クラーク演じるキーラを連れてレディ・プロキシマから逃げだすところから始まります。
カーチェイスなど激しいアクションも盛り込まれていますが
観ている方はどうしてこうなってるのかさっぱりわからず置いてきぼり感がすごいですし、
ドキドキというよりは面倒くさい感じで、早く決着つけてくれ、としか思えないほどつまらなかったです。

結局、ソロだけ逃げキーラは再び連れ戻されてしまいます。
追手から逃げ切るためにソロは帝国軍に入隊。
その時に受付していた軍人が、天涯孤独な人間だから「ソロ」という名字をつけています。えー!

そこで師匠となるトバイアス・ベケットに出会います。
ベケットは他人を信じるな、を教え自らもソロを裏切ったりして
あまりにもどんでん返しが多くて疲れてきます。

ウディ・ハレルソン。

チューバッカとの出会いはベケットの裏切りで脱走兵として扱われ
その処分として獣の檻に閉じ込められてしまいますが
3日間何も食べていない飢えた獣がチューバッカだったんです。
チューバッカって人間も食べるのね・・・・・
そこでウーキー語が話せるハンはチューイを説得してふたりで協力し逃げ出します。

チューイがハンソロの無二の相棒になる理由としてはあまり説得力がないんですよね。
ランドとの出会いもしかり。すごく軽いんです。
時間に限りがあるのであまり掘り下げられないのはわかりますが、
もう少しうまく描いてほしかったところです。


キーラはあのあともちゃんと生き抜いていて、
それどころかベケットの依頼主であるドライデン・ヴォスの副官になっていました。

エミリア・クラーク。
可愛いし存在感はあるのだけど、ギャングのボスの副官としてはイマイチという印象でした。


ポール・ベタニーasドライデン・ヴォス
素顔のベタニさんは久しぶりに見たかも。

クライマックス、ベケットに強盗だと聞かされてきたエンフィス・ネストが実は帝国軍に退行する反乱者で
ベケットやドライデン・ヴォスを欺きドライデン・ヴォスの軍隊を返り討ちにするのですが
この軍隊がものすごくショボくて、全然盛り上がりませんでした。

エンフィス・ネストの正体は帝国軍に一族を奪われた生き残りの少女でした。
この場面はすごく良かっただけに残念です。

しかし一番の原因はオールデン・エアエンライクです。(ファンの方ごめんなさい。)

彼は悪くありません、良い役者だし。でもハン・ソロのイメージではないんです。
SWを観てハリソン・フォードLOVEになった私としてはやはり受け入れ難いものがあります。
映画館で初めて予告を観た時に、あ、無理と思いましたもん。
じゃあ、誰なら良かったの?と言われると難しいのですけど。

さらに、
ハンがまったく学習しないんですよ。
窮地にたたされるごとに普通は今までの経験を生かして対応すると思いますが
いつも同じ態度、同じ対応なんです。ちょっとバカかも。
人懐っこそうな笑顔はすごくステキでハンっぽいオールデン・エアエンライクなんですけどね。


そして衝撃のラスト。

ハンがドライデン・ヴォスに殺されそうになったその時、
キーラがドライデン・ヴォスと戦い彼を倒します。キーラ強いです。
しかし、物語はそれだけでは終わりません。


キーラがドライデン・ヴォスのホットラインで交信した相手、
それはE1で死んだダースモールでした。ええー!ですよ。
生きとったんかい。
キーラ何者?これから帝国軍に入るの?
という謎は明かされないまま、ハンの前から姿を消します。
まったくスッキリしません。


ローグワンが面白かったのは、
E4に繋がるストーリーだった事もあると思います。
この作品もラストにジャバザハットやボバ・フェットが出てくれると
E4や5に繋がって面白かったかもしれません。

作品の好き嫌いの判断のひとつに自分の期待通りかそうでないか、もあると思うので
これは単に私の期待通りではなかった、という事です。
なのでフィルターを全部取り払って観てみれば面白いのかもしれません。


私の言いたいことはここにありました。
IGNのレビューです。ほんと、これ。
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー レビュー

乱暴な文章になってしまいすみません。
この辺で逃げます。

The Child in Time その13

2018-07-15 09:06:39 | The child in time
The Child in Time

Director: Julian Farino
Writers: Stephen Butchard (adaptation), Ian McEwan (based on the novel by)

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場面はジュリーに変わります。
タクシーを呼び外出する支度をしているとドアを叩く音がするので外を見ると少年が立っていました。


不思議そうな表情でジュリーはいったん奥に入り鍵を手に取り再び外を見ると少年は消えていました。


ジュリーはドアの外に出ます。
すると家の前にいたタクシーの運転手が声をかけます。

運:タクシー呼んだ?
J:ええ。もう出るところだから少し待ってね。
運:OK。急がなくていいよ。はやく着きすぎたんだ。

ジュリーはうなずきもう一度家に入りますが腑に落ちない表情です。



場面は水族館。
水槽の前に立っているふたり。


S:僕は5分かそこら、あのこを見つけたと思っていたよ。
その5分は少なからずとても幸せだった。
「やっと見つけたんだ」って。君になんて言おうか考えていた。
逮捕されなくてよかったよ。

J:あのこが私たちを見つけないとダメなのよ。
S:諦めるてない?
J:希望を捨てることはできないわ。


少しの沈黙のあとジュリーが口を開きます。

J:どうしてあのこが生きてるって思うの?
S:あの子が死んだらきっと僕にはわかるから。
J:そうね、私も同じだわ。あのこはどこかにいる。
でもどこから探せばいいのかわからないの。
自分たちの無力さを受け入れるのはつらいわ。でもどうすることもできない。
私たちにできることはこうして待機をするだけ・・・正気を保ちながら。


公園を歩くふたり。

J:しばらく旅行に行くことになったわ。
S:どこに行くの?
J:まだ決めてないの。どこか暖かいところね。電車で行けるところ。
フランスとか?
S:どうして今なの?
J:行きたいからよ。
S:行かないでくれって頼んだら?もうしばらくいて欲しいんだ。
J:それでも行くわ。


J:ポストカード送ろうか?
S:そうだね。


場面はスティーヴンの実家に変わります。
スティーヴンが実家の庭に立っているとお母さんが来ました。


母:もうすぐ夕食よ。今はポテトを仕上がりを待っているところ。
S:暖かいところにいなよ。
母:暖かいから大丈夫。それに話があるのよ。
S:怖いな・・・・
母:あのパブに行ってきたのよ。「ベル」
S:いつ?
母:数週間前に。頭からずっと離れなくて。あなたは以前にも行ってるのよ、ある意味ね。
S:どういうこと?
母:あなたは私といたのよ。ずっとね。
私はよく覚えてるの。あなたのお父さんに私の妊娠を伝えた日だから。
私たちは結婚していたわけではないから想定外だったの。
彼に伝えるのが怖かった。でもあんなに素晴らしい日になるなんて。
あなたに初めて会った日。真実なの。

私は神経過敏になっていた。お父さんがどんな反応をするのかわからなかったの。
妊娠は悪い知らせだったのよ。

私たちは計画を立てて、そしてあなたに会ったのよ。
窓に可愛らしい子どもがいたわ。この顔よ。
あなただとわかったわ。
だから私は覚えているの。
狂ってはいないし頭がおかしくなったわけでもないわよ。


S:そんなわけない、僕は信じるよ。
母:ああ、よかった。だってこれはとても重要な事だと思ったの。
もし私が見たのがあなただとしたら・・・・
まだ生まれてもいないところにあなたがいたとしたら、ケイトも絶対にどこかにいるに違いないわ。
あなたはずっと彼女を愛し続けるの。でも彼女を愛する事は恋しがる事とは違うからね。
きっとあの子は見つかるわ。どこかにいるはずよ。


スティーヴンは声を詰まらせ頷きます。
そしてふたりは強く抱きしめあいます。



続きます。



The Child in Time その12

2018-07-11 22:29:15 | The child in time
The Child in Time

Director: Julian Farino
Writers: Stephen Butchard (adaptation), Ian McEwan (based on the novel by)

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スティーヴンは急いで学校の中に入ると先ほどの少女を探します。


「おはようございます、フォレスター先生。」

教室から子どもたちの声がします。
その教室に少女がいました。
スティーヴンは教室に入ると少女に声をかけます。


S:ハロー。僕が誰だかわかる?
先生:失礼ですが、何をしているんでしょう?
S:挨拶だよ。
先生:時間と場所を考えてください。
S:あなたに理解してもらおうとは思ってないよ。僕は彼女の・・・
すまない。あなたにプライベートな話をしたいんだけど、外に出てもらえる?


先生は子どもたちに声をかけるとスティーヴンと廊下に出ます。

S:端的に説明した方がいいな。
さっき話していたあの少女、そこに座っていた少女は僕の娘なんだ。
先生:ルースのこと?
S:彼女の名前はケイト。本当の名前はケイトだ。彼女は僕の娘だよ。

先生:上司を呼んだほうがよさそうね。
S:彼女は娘なんだ。3年前に誘拐された。僕がわからないのはそのせいなんだ。
だけどあのこは・・・・あのこなんだ。僕にはわかる。だってあのこなんだよ。

スティーヴンは校長と話をします。


校長:ルイスさん。あなたのお嬢さんが行方不明になったのは知っています。
あなたが自分の娘だと言っている少女はルース・ライルです。
S:その人たちが彼女をそう呼んでいるなら、そうです。

校長:その人たちの事なら知っていますよ。
ルースの父親はジェイソン・ライル。彼はペアレントガバナーを務めています。
S:僕は自分の娘がわかるし、そこにいる少女は僕の娘なんだ。
僕は騒ぎ立てるつもりはない。ただ娘を返してほしいだけだ。
校長:ここにルースを連れてきてもあなたは騒いだり横やりをいれたりしないですね。
私は警察を呼びたくありません。
S:警察を呼んでくれても結構だ。でも僕は騒いだりはしない。

先生とルースが部屋に入ってきました。

校長:入りなさい、フォレスター先生、ルース。
そんなに長くはかからないしすぐにクラスに戻れますからね。
ここにいてください、フォレスター先生。
ルース、あなたのフルネームを教えてくれるわね。
R:ルース・エルズペス・ライル。
校長:歳は?
R:8歳です。
校長:この学校にいるあなたのお姉さんの名前は?
R:クロエ。10歳です。
校長:あなたが初めてセントエドワーズに来たのは?
R:学校ですか?それとも保育園?
校長:保育園よ。
R:2歳の時です。

校長:フォレスター先生、あなたはいつからルースを知っていますか?
先生:保育園からです。

S:違う、それは間違いだ。そんなはずはない。
校長:ありがとう、フォレスター先生。ありがとう、ルース。

ふたりが教室に戻ります。

校長:学校の記録と写真もあります。ご覧になりますか?
ルースの家族とは良い友人です。
彼女の母、ジャクリンがルースを身ごもった時のことを私は覚えています。
何は問題はありますか?
S:いえ。

校長:いたいだけここに居てくださって結構ですよ。

そう言うと校長は部屋から出ていきます。


ひとり残されたスティーヴンは嗚咽を漏らします。
いろいろな事があふれ出し堰を切ったように泣き出します。







続きます。

スティーヴンは逮捕されてもおかしくない行動をとっていますけど
校長先生がいい人というか大人というか、ものすごく人徳がある先生です。

それにしてもやりきれないですね。

The Child in Time その11

2018-07-08 21:26:28 | The child in time
The Child in Time

Director: Julian Farino
Writers: Stephen Butchard (adaptation), Ian McEwan (based on the novel by)


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リビングでスティーヴンとテルマはワインを飲んでいます。



S:君たちの関係はどうなってるの?テルマ。今も彼の妻?
T:そうよ、私は彼の妻なの。だからここにいるのよ。
S:耐えてるんだ。
T:待ってるのよ。それが私に望んでいる事だといつも自分に言い聞かせてる。
今の彼は時間から外れているの。それだけ。

S:正気を失っているわけではなく?
T:もっと現実的にみてよ。
私たち、見た目は老けたけど実際にはどのくらい大人になった?
あなたが書いた本を読んだわよ。
S:彼は大人だ。才能があって洗練された男だ。
T:彼に戻ってきて欲しいのね。


チャールズは部屋でひとり考え込み、そして髭を剃ります。
スティーブンは空いたグラスをもってテルマとキッチンに行きます。

T:もう少しいたらいいのに、彼もがっかりするわ。
S:大丈夫、すぐに立ち直るよ。
・・・・・・・ごめん。僕は本当に嫌な奴だな。
T:それがあなただし。

スティーヴンは苦笑します。

S:君の言う通り、僕は彼に戻ってほしいんだ。自分を哀れんでいるんだよ。
だから君の言う通りだ。ガキなんだ、僕は。伝染したんだよ。


苦笑するテルマ。
スティーヴンはもう一度謝りテルマをハグします。

S:僕は森で彼をちょっといじめてしまったんだ。彼に謝らないと。
T:あなたも大人になったわね。

チャールズの部屋の前。


S:チャールズ?チャールズ?

ドアの向こうから「忙しいんだ。」とチャールズの声がします。
スティーヴンはドアの前に立つと一気に話します。

S:チャールズ、聞いてくれ。すまなかった。
隠れ家にいるときに、君は行方不明の子どもの捜索の話をしてたけど
ぼくはケイトの事ばかり考えてしまっていた・・・・なぞらえているんだと思ったんだ。

部屋のドアが開きチャールズが顔を出します。


C:そんなことはしない。
S:わかってる。僕が間違ってた。ごめん。
C:いいんだ。
S:入ってもいい?

チャールズは少し考えてから言います。

C:君を裏切った。
S:え?そんな事してないよ。
C:したんだ。君はわかってるはず。
S:ばかばかしい。
C:俺は辞職せざるを得なかった。
・・・・・・・君はケイトが見つかると思ってる?
S:ああ、そう願ってるよ。絶対に見つかると信じているんだ。
C:彼女は成長しているはずだ。
S:うん。
C:もし10年以内に見つけたら彼女は少女だな。
S:うん、でも彼女はケイトのままだ。僕の娘だ。
C:君は彼女を公園に連れて行き滑り台やブランコで遊ぶ・・・失ったものを取り戻したくて。
例えじゃない、わかる?
S:ああ、わかる。これからも理解していくつもりだ。

チャールズは笑顔を見せます。

C:来てくれてありがとな、スティーヴン。君は親友だ。


ドアを閉めようとするチャールズを止めるスティーヴン。
C:何?

スティーヴンは何かを言おうとしますがやめます。


S:おやすみ。
C:おやすみ。

閉じられたドアの前でしばらく立ったまま動かないスティーヴン。


翌朝。

翌朝、タクシーに乗り帰路につくスティーヴン。
森の中から見守るチャールズ、そして家の中ではけわしい表情のテルマがいます。


タクシーの中でずっと考え込んでいるスティーヴン。
子どもたちの横断のためタクシーが止まります。


横断する子どもたちを見ているスティーヴンはひとりの少女に目が留まります。


S:止めてくれ。
運:何だって?
S:車を止めてくれ!!
運:それは無理だ、ここはRed Routeなんだよ。
S:いいから止めてくれ!

スティーヴンは無理やり車を止めると少女を追いかけ学校に走ります。


続きます。

スティーヴンとチャールズの会話は後々重要になってくるような気がするので、
かなり考えて訳してみたものの、結局あまりよくわからずでした。
行間みたいなものがさっぱり読み取れていないのも原因だと思います。


原作の設定ではテルマはチャールズよりかなり年上で、
チャールズはスティーヴンより6つ年上なのでテルマとスティーヴンはかなり年齢差があります。
ドラマ上ではわかりませんがそれでもテルマの落ち着きが少し年齢を感じますね。

そして少女を追いかけるスティーヴン・・・・切ないわ。