立川から中央線で新宿へ移動、先週に引き続き角川シネマ新宿での小津4K最終日に「早春」と「麦秋」を楽しみました。
まずは「早春」、4K版はもとより映画館のスクリーンで観るのは初めての事となります(^_^)
サラリーマン社会の悲哀に絡めて、倦怠期の夫婦と不倫をテーマに展開するストーリー...という感じですが、今回は小津さんのイメージするサラリーマン像が強く浮き出ているように見えましたね。
まだ夜が明け切れていない早朝を行く電車...
これがまた鮮明で凄く立体的で、冒頭からデジタルリマスターの効果も実感できました(^_^)
朝の出勤風景の描写がこれまた凄い!
駅ホーム目一杯に立って溢れそうな人の群れが見ていて怖い...この当時は黄色い線も「下がってお待ちください」の場内アナウンスもなかったんでしょうね(^_^;
まるで小さな小川の水が集まって大河となり、ビジネス街という海へ流れ込んでいくかのような...サラリーマンを水、あるいは魚群のように見せているという(^_^;
それを他人事のように高みの見物よろしく感心しているサラリーマンってのも中々エグイです(笑)
「俺たちだってたった今あすこ歩いてきたんだぜ」と。
そして主人公・杉山(池部良さん)もその流れの中で会社に到着し...
キチンと配列された机に身を置き、始業時間通りに整然と黙々と仕事していく...。
私もそうなんですが、小津さんもサラリーマン社会とは無縁の世界で生きてきた人間なので、大きな組織と縦の関係の中で時間に拘束され規則正しく機能する人たち...その生態を動物か昆虫でも観察するように皮肉っぽくカリカチュアしているのがまた(^_^;
そしてなんと言っても杉山の妻・昌子を演じる淡島千景さんと友人役・中北千枝子さんの美しさが際だっています(*^o^*)
特に淡島さんの女盛り感がハンパなくて、地味で薄化粧なだけに美しさと色香でハチ切れそうで(*^m^*)
淡島さんは派手でオシャレな役どころが多いけど、「早春」での飾り気のない、素の美しさは素晴らしいの一言...。
この時の淡島さんの実年齢は32歳、その魅力が凄すぎて、不倫相手のキンギョ・岸惠子さんなんて小便臭いガキにしか見えないです(^_^;
そしてこれも4K効果の恩恵なのか...
外泊して戻った夫の言葉に、いわゆる「女の勘」が発動した瞬間の表情が凄まじく感じて怖かった(^_^;
中北さんは「晩春」でのアヤちゃん的なポジションキャラなのですが、サバサバさっぱりした自立した女性が良い感じで良かったですねぇ(^_^)
いや〜4Kデジタルリマスター版、いろんな意味でとても良かったですわ(*´д`*)
この後は続けて「麦秋」を鑑賞しましたが、以前にも印象はこういうのとかこういうのとかこういうのを書いたので、ここでは割愛しますが、感想一点。
以前にも不在者の存在感と視線が織り込まれているとも書いたラストシーンなんですが...。
麦の穂が風に煽られ揺れ動いている様が...まるで麦の穂一つ一つが人間が蠢いているように見えました...。輪廻をテーマにしているということですが、正にこのラストシーンで集約されていると感じます。
いや〜約一ヶ月に渉っての7作、本当に堪能させていただきました!
毎週ドップリと小津ワールドに浸れる楽しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
7作中、3作が今回4K化されたワケですが、この中で一番インパクトがあったのは「東京暮色」ですねぇ...ダークサイドのエグ味がハンパなかったし、有馬さんが案じる明子の生硬さが堪らなかったです。「早春」に続いて、明子役が岸さんだったらしく、代打出演となった有馬さんはちょっと不服だったみたいだけど、そのフテ腐れた気持ちがうまく画面に出ていたのも良かった(^_^)
またこういう企画、楽しみに待ってます!東宝さんにも小津作品の4K化、頑張ってほしいしね〜(^o^)
まずは「早春」、4K版はもとより映画館のスクリーンで観るのは初めての事となります(^_^)
サラリーマン社会の悲哀に絡めて、倦怠期の夫婦と不倫をテーマに展開するストーリー...という感じですが、今回は小津さんのイメージするサラリーマン像が強く浮き出ているように見えましたね。
まだ夜が明け切れていない早朝を行く電車...
これがまた鮮明で凄く立体的で、冒頭からデジタルリマスターの効果も実感できました(^_^)
朝の出勤風景の描写がこれまた凄い!
駅ホーム目一杯に立って溢れそうな人の群れが見ていて怖い...この当時は黄色い線も「下がってお待ちください」の場内アナウンスもなかったんでしょうね(^_^;
まるで小さな小川の水が集まって大河となり、ビジネス街という海へ流れ込んでいくかのような...サラリーマンを水、あるいは魚群のように見せているという(^_^;
それを他人事のように高みの見物よろしく感心しているサラリーマンってのも中々エグイです(笑)
「俺たちだってたった今あすこ歩いてきたんだぜ」と。
そして主人公・杉山(池部良さん)もその流れの中で会社に到着し...
キチンと配列された机に身を置き、始業時間通りに整然と黙々と仕事していく...。
私もそうなんですが、小津さんもサラリーマン社会とは無縁の世界で生きてきた人間なので、大きな組織と縦の関係の中で時間に拘束され規則正しく機能する人たち...その生態を動物か昆虫でも観察するように皮肉っぽくカリカチュアしているのがまた(^_^;
そしてなんと言っても杉山の妻・昌子を演じる淡島千景さんと友人役・中北千枝子さんの美しさが際だっています(*^o^*)
特に淡島さんの女盛り感がハンパなくて、地味で薄化粧なだけに美しさと色香でハチ切れそうで(*^m^*)
淡島さんは派手でオシャレな役どころが多いけど、「早春」での飾り気のない、素の美しさは素晴らしいの一言...。
この時の淡島さんの実年齢は32歳、その魅力が凄すぎて、不倫相手のキンギョ・岸惠子さんなんて小便臭いガキにしか見えないです(^_^;
そしてこれも4K効果の恩恵なのか...
外泊して戻った夫の言葉に、いわゆる「女の勘」が発動した瞬間の表情が凄まじく感じて怖かった(^_^;
中北さんは「晩春」でのアヤちゃん的なポジションキャラなのですが、サバサバさっぱりした自立した女性が良い感じで良かったですねぇ(^_^)
いや〜4Kデジタルリマスター版、いろんな意味でとても良かったですわ(*´д`*)
この後は続けて「麦秋」を鑑賞しましたが、以前にも印象はこういうのとかこういうのとかこういうのを書いたので、ここでは割愛しますが、感想一点。
以前にも不在者の存在感と視線が織り込まれているとも書いたラストシーンなんですが...。
麦の穂が風に煽られ揺れ動いている様が...まるで麦の穂一つ一つが人間が蠢いているように見えました...。輪廻をテーマにしているということですが、正にこのラストシーンで集約されていると感じます。
いや〜約一ヶ月に渉っての7作、本当に堪能させていただきました!
毎週ドップリと小津ワールドに浸れる楽しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
7作中、3作が今回4K化されたワケですが、この中で一番インパクトがあったのは「東京暮色」ですねぇ...ダークサイドのエグ味がハンパなかったし、有馬さんが案じる明子の生硬さが堪らなかったです。「早春」に続いて、明子役が岸さんだったらしく、代打出演となった有馬さんはちょっと不服だったみたいだけど、そのフテ腐れた気持ちがうまく画面に出ていたのも良かった(^_^)
またこういう企画、楽しみに待ってます!東宝さんにも小津作品の4K化、頑張ってほしいしね〜(^o^)