カンボジア経済

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チェンマイ・イニシアティブのマルチ化を巡る交渉

2015年12月11日 | 経済
 2015年2月まで国際通貨基金(IMF)副専務理事を務めていた篠原尚之東京大学政策ビジョン研究センター教授が語るチェンマイ・イニシアティブ(CMI, Chiang Mai Initiative)の交渉の記録が同センターのサイトに「備忘録」として掲載されました。
 チェンマイ・イニシアティブとは、2000年にタイのチェンマイで日中韓とASEAN諸国で合意されたもので、危機時に域内国の二国間で通貨交換の形で米ドルの短期的な供給を行うという、通貨スワップ取極のネットワークのことです。1997年7月よりタイを中心にアジア各国の通貨が急激に下落し、アジア各国が大きな経済的打撃を蒙ったアジア通貨危機への対応として、日本が提唱したアジア通貨基金(AMF)構想がとん挫したことを受けて形成されたものです。
 チェンマイ・イニシアティブは2010年にマルチ化(CMIM)し、それまでの複数の二国間契約が一本の多国間契約に発展し、支援がさらに円滑化されました。この記録は、マルチ化を巡る各国の思惑と交渉、特に、日本を上回る拠出割合(意思決定の際の発言権のウェートに影響)を主張した中国と、中国以上の拠出額を主張した日本がどのように交渉していったのかということを中心に、東アジアの金融協力の軌跡を追い今後の展望を考えるものです。
 CMIMの交渉の過程と現在の役割、IMFデリンク部分についての考え方、AMRO(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office)の役割とその強化の必要性等について、わかりやすく書かれています。お勧めです。ぜひ下記のサイトの本文をご覧ください。
(写真は、下記サイトより)

東京大学政策ビジョン研究センターのサイト
http://pari.u-tokyo.ac.jp/publications/notes/rn1_1.html

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