ロイター通信によりますと、中国最大の鉄鋼グループである中国宝武鋼鉄集団は、新疆ウイグル自治区に保有している溶鉱炉をカンボジアに移設することを検討しているとのことです。中国では、鉄鋼の生産過剰に苦しんでおり、過去3年間で1億5000万トン/年分の生産設備を削減しています。他方、ASEANやインドでは、旺盛な需要を背景に鉄鋼の生産が伸びています。2018年のASEANの粗鋼生産量は、対前年比18%増となっています。このため、2017年に閉鎖されていた新疆ウイグル自治区アクス地区の溶鉱炉2基(生産能力310万トン/年)と転炉2基をカンボジアに移設する構想です。
その実現性については、様々な問題があり、疑問視する声も出ています。まず、カンボジアでは、製鉄に必要な鉄鉱石や石炭を輸入する必要があり、そのための港湾が必要となります。また、製鉄所は、大量の電力も必要です。更に、生産した鉄鋼を加工するための周辺産業も、カンボジアには全く集積していません。また、移設が検討されている溶鉱炉は旧式で効率が低いものであるとも言われています。製鉄所ができたとしても、世界との厳しい競争も予想されます。
カンボジアの産業開発政策では、近隣に強力な競争相手となる国が多いこともあって、重化学工業化路線を追求していません。中国側の事情に引きずられた無理な投資計画は、カンボジア側でも十分慎重に検討していく必要があるものと見られます。
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その実現性については、様々な問題があり、疑問視する声も出ています。まず、カンボジアでは、製鉄に必要な鉄鉱石や石炭を輸入する必要があり、そのための港湾が必要となります。また、製鉄所は、大量の電力も必要です。更に、生産した鉄鋼を加工するための周辺産業も、カンボジアには全く集積していません。また、移設が検討されている溶鉱炉は旧式で効率が低いものであるとも言われています。製鉄所ができたとしても、世界との厳しい競争も予想されます。
カンボジアの産業開発政策では、近隣に強力な競争相手となる国が多いこともあって、重化学工業化路線を追求していません。中国側の事情に引きずられた無理な投資計画は、カンボジア側でも十分慎重に検討していく必要があるものと見られます。
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