カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

米中貿易戦争 カンボジアからの輸出には追風か

2018年08月31日 | 経済
 米国のトランプ大統領が仕掛けた「米中貿易戦争」が、カンボジアからの輸出にとって追い風になるのではないかとの見方が浮上してきています。中国製のハンドバッグなどの製品の関税が上昇すると、Steven MaddenやCoach等の製品メーカーにとってカンボジアやベトナムがこれまで以上に魅力的になってきていると見られます。特に、カンボジア製品は、特別特恵関税制度により米国の関税が免税となっており有利な状況です。2016年からは、バッグ等の旅行用品も免税品目リストに追加されており、これらの製品もカンボジアへのシフトが進みつつあると指摘されています。
 米国アパレル&フットウェア協会は「この変化は現在進行中である」とし、米国の関税政策の変更がメーカー等に不安を与えており、輸入先の変更を加速させているとしています。また、7月に米国ファッション産業協会が発表した調査結果では、調査に参加しているすべての企業が中国から製品を調達していましたが、このうち67%は今後2年間で中国内での生産量を減少させると見込んでいるとしています。
 但し、カンボジアへの生産シフトについては、労働生産性の低さ、インフラの不足、フンセン政権の強権化等が課題・リスクとして挙げられています。

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2018年上半期 株式取引 日本人が最大

2018年08月30日 | 経済
 8月17日、カンボジア証券取引所は、2018年上半期(1月~6月)の外国人による株式取引で、日本人投資家が第1位だったと発表しました。外国人投資家の取引出来高は、全体の67.38%を占め、51億6000万リエル(約14億円)に達したとしています。このうち、第1位が日本人で取引全体の30.90%を占めました。第2位は中国(13.82%)、第3位は台湾(7.23%)でした。
 カンボジアの株式市場は、6月からモバイル取引を導入したことにより、出来高が増加傾向にあります。カンボジア証券取引所の発表によれば、2018年6月の出来高は98万6994株で、3月の32万2583株の3倍以上となりました。
 カンボジアの株式市場は、これまで株価、出来高共に低迷していましたが、様々な努力の積み上げで少しずつ活性化が図られており、今後の動向が注目されます。
(写真は、カンボジア証券取引所)

カンボジア証券取引所の発表
http://www.csx.com.kh/news/notice/viewPost.do?MNCD=8020&postId=373#.W4XrFvZuI2w

ブログ「カンボジア経済」2018年6月12日「カンボジアでもスマホから株式取引可能に」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/8b9dba9f35391d3b08d7ba1a62a34ba4


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鉄道北線 橋梁改修のため一部区間運休に

2018年08月29日 | 経済
 8月17日、鉄道を運営する民間企業のロイヤル鉄道とカンボジア政府は、鉄道北線について橋梁と線路の改修のため、バッタンバン~シソポン間およびバッタンバン~プルサット間を8月最終週から当面の間、一部運休すると発表しました。5か所の橋梁の改修と、線路のバラスト(砂利)の締固めや調整を行い、列車がスムースに走行可能となるようにしたいとしています。
 この一部運休期間中の列車運行は、月曜日プノンペン6:30発ポイペト行、火曜日ポイペト6:30発プノンペン行となります。なお、ポイペト~シソポン間については、水曜、木曜、金曜、土曜、日曜に各一往復、プノンペン~プルサット間については、水曜と木曜に各一往復を運行したいとしています。
 工事の完了時期は、現時点では明らかにされていませんが、今後、工事の進捗状況や工事完了時期を適時に開示するとしています。
 鉄道北線は、選挙前にプノンペン~プルサット間の全線を「開通」させたのですが、無理なところもあったものと見られ、安全運行のためには更なる改修が必要と見られていました。なお、鉄道北線には信号設備は一切なく、自動踏切もほとんどないのが実情で、開通早々、自動車との衝突事故等を起こしています。安全で快適な鉄道として本格的に営業するまでには、まだ時間を要するものと見られます。
(写真は、バッタンバン~プルサット間の鉄道橋梁の改修工事。2018年4月25日撮影)

ロイヤル鉄道(民間企業)のフェイスブック
https://web.facebook.com/TRRCambodia/


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カールスバーグ アンコールビール製造会社に増資

2018年08月28日 | 経済
 8月13日、ビール業界大手のカールスバーグ・グループは、カンボジアで主にアンコールビールを製造しているカンブリュー社(Cambreu)の株式の25%を追加購入して、持ち分を75%としたと発表しました。カンボジアのビール業界のシェアは、カンボジアビールを製造するクメール・ブリューワリー社が35%、ハイネッケンやタイガービールを製造するカンボジア・ブリューワリー社が25%を占め、カンブリュー社は3位の20%に後退していました。
 カールスバーグ・グループは、1991年からパートナーとして、更に2005年に株式の50%を保有してカンブリュー社に協力してきましたが、今回の持分増加により経営の主導権を握り、長期的な発展を目指してカンボジアの成長機会をしっかりとつかみたいとしています。
 カンブリュー社では、シアヌークビルの工場でアンコールビールを製造しています。これに加えて、ツボルグやカールスバーグ、ギネス等のビールや、ペプシコーラ、ミネラルウオーター等のソフトドリンクも製造しています。カールスバーグ・グループでは、既に確立している「アンコールビール」のブランドを活用して、これらの商品の販売も強化したいとしています。

カールスバーグ・グループの新聞発表
https://carlsberggroup.com/newsroom/carlsberg-group-increases-ownership-in-cambodian-business/

ブログ「カンボジア経済」2009年2月23日「アンコールビール工場見学」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/6fdf2d85b3eaaea26508d61f73d1ac13



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2018年08月27日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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カンボジアフィンテック協会設立

2018年08月27日 | 経済
 8月15日、カンボジアフィンテック協会が設立記念式典を開催しました。式典には、カンボジア国立銀行(中央銀行)のチア・スレイ総局長等、関係者多数が参加しました。
 フィンテック協会は、金融、IT等の企業・団体がメンバーとして参加しています。協会の主な活動は、政府・規制当局への政策提言、スタートアップ支援、投資家等のマッチング、関係者間の連結性強化としています。
 式典のスピーチでカンボジア国立銀行のチア・スレイ総局長は、「カンボジアでは、携帯電話の普及、先進的なATMセキュリティシステム、ウィングのようなモバイル送金・支払システム等の技術ジャンプの好例が揃っている。カンボジアは発展していないからこそ先進国のようなしがらみがなく、様々なフィンテックが開発・展開可能な国である。」と述べ、フィンテックの更なる開発・展開に期待を示すとともに、金融規制当局であると同時に金融セクターの振興を図っている中央銀行としてフィンテックについて支援を惜しまない姿勢を示しました。
 チア・スレイ総局長が述べているように、カンボジアはフィンテックの開発・展開にとって大きな可能性があるものと見られ、今後のフィンテック協会の活動とフィンテック業界の発展が注目されます。
(写真は、フィンテック協会のサイトより)

カンボジア国立銀行のサイト
https://www.nbc.org.kh/download_files/news_and_events/speeches_eng/Speech_by_Her_Excellency_CHEA_SEREY_Official.pdf

フィンテック協会のサイト
http://cambodiafintech.org/


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カンボジアでも 蘭州ラーメン

2018年08月26日 | 生活環境
 東京で、蘭州ラーメンが流行っていると聞きました。神保町の「馬子禄」はいつも行列でなかなか入れません。プノンペンにも「蘭州拉麺館」があります。セントラルマーケットの西、200メートルほどのところで、カンプチアクロム通りに面しています。このお店は、元々はニューヨークホテルにあったのですが、2回移転して現在の場所に移り、ずいぶん立派になりました。久しぶりに、蘭州拉麺(牛肉麺:3.5ドル)を食べてみたら、すごく美味しくなったように感じました。このお店の牛肉麺は、香辛油がかかっていないタイプです。パクチーはたっぷりです。辛い方をお好みの方は、刻みニンニク、刻みトウガラシ、自家製辣油をたっぷりかけてお楽しみください。私は、自家製辣油をちょっとかけて食べるのが好みです。なお、同系統の搾菜肉絲麺(3.5ドル)も美味しいです。蘭州拉麺館は、野菜炒めや前菜等がリーズナブルな価格で食べられるのも嬉しいです。なお、上の写真は、牛肉片麺(牛肉麺より牛肉多め)で4.5ドルです。隣にあるキャベツ炒めも侮れない美味しさです。お勧めです。お試しください。

蘭州拉麺館 Lan Zhou Hand Made Noodles
https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g293940-d5018115-r516638842-Lan_Zhou_hand_Made_Noodles_Restaurant-Phnom_Penh.html


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アジアクロスカントリーラリー 雨期のカンボジアはプロでも大変

2018年08月25日 | 経済
 今年もアジアクロスカントリーラリーが、8月12日から18日に、タイ・パタヤをスタートし、国境を越えてカンボジアに入り、アンコールワット周辺を走り、プノンペンまでというコースで開催されました。アジアクロスカントリーラリーは、アジア各国を基点とした山岳部やジャングル、海岸、プランテーション、サーキットなど、アジアの特徴ある地域、路面状況、自然、気候の中で毎年8月に開催され、2018年大会で23回目となっています。国際自動車連盟(FIA)公認のクロスカントリーラリーでダカールラリーと同じ格式、アジア最大の大会です。
 2018年の二輪部門では、池町佳生さんが所属するチームFB Internationalが2年ぶりに優勝を果たしました。
 今年も様々なチームが日本からも参加しました。俳優の哀川翔さんのチームも6年ぶりに四輪部門に参加しました。「弾丸ママ」こと増田まみさん(二輪)の激闘を紹介するサイトを見ると、雨期のカンボジアのオフロードを走るのは、プロでも大変だと実感します。
 カンボジアでこのようなイベントが開催されるのはうれしいことです。日本チームが優勝したのでなおさらです。

アジアクロスカントリーラリーのサイト
http://www.r1japan.net/axcr/index_ja.html

Off1.jp 「弾丸ママ、アジアのラリーに行く」
https://www.off1.jp/


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みずほ銀行レポート カンボジア総選挙を終えて

2018年08月24日 | 経済
 8月6日、みずほ銀行国際戦略情報部は、「総選挙を終えて~投資環境への影響と日系企業動向について~」と題するレポートを発表しました。
 選挙結果については、「旧最大野党のカンボジア救国党が、2017年11月に解党されたため、有力野党不在のまま行われたが、大きな波乱もなく、与党人民党の圧勝が確実となった。」としています。また、投票率についても、「速報ベースの投票率は約 83% (前回は69.6%)と予想を上回り、また無効票も 10%以内に収まり、フン・セン政権を後押しする結果となった。」と分析しています。欧米諸国の対応については、「民主化後退を懸念する欧米がカンボジアへの制裁を強化しつつある。米国は政府要人関連に対する制裁を実施したが、現時点では影響は限定的。制裁が欧州連合(EU)の特恵関税停止まで及べば影響は大きいが、実際に発動する可能性は低いとみられている。」としています。
 日本との関係については、「現政権の一党独裁体制が一段と強まり、政治・経済面で中国との結びつきが強まることが見込まれる一方で、親密国である日本に対する期待も大きく、特に産業育成、インフラ開発面で日系企業の果たす役割は大きい。」と期待を示しています。日本からの投資についても、「本選挙の結果により長期政権が継続されることとなったため、政情の安定と好調な経済発展の持続により日系企業の投資が加速することが期待される。」としています。
 選挙関連情報と、日本からの投資トレンドについてコンパクトにまとまった好レポートです。
(写真は、7月29日の選挙の様子。プノンペン駅前に設置された投票所)

みずほ銀行のサイト
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/country_focus/pdf/18_15_mcf.pdf


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フンシンペック党 党首にチャクラヴァット殿下

2018年08月23日 | 経済
 8月8日、野党のフンシンペック党は、ノロドム・チャクラヴァット殿下が代理党首に就任したと発表しました。これまでの党首は、故シアヌーク前国王陛下の長男であるノロドム・ラナリット殿下でしたが、高齢となったことと、今年6月の交通事故で重傷を負いタイの病院で療養中であるため、党首を実質的に譲ったものと見られます。故シアヌーク前国王陛下が設立したフンシンペック党は、1993年の最初の選挙のときから、王党派として議席を獲得してきましたが、次第に党勢に陰りが見えていました。1993年は58議席でしたが、1998年43議席、2003年26議席、2008年2議席、2013年0議席でした。
 チャクラヴァット殿下は、1970年プノンペン生まれの48歳、フランスで工学を学んだとのです。カンボジアは、若手の人材不足が指摘されますが、海外留学を経験し、先進的な考え方にもなじんでいる優秀な人材が、政府の要職や財閥の娘婿等に、ぽつぽつと現れています。まだ人数には限りがあるものの、スマートでリースナブルなこの世代は、フン・セン首相や現在の財閥の長を中心とする第1世代とは一線を画しており、「プロミネント・ジェネレーション(光り輝く世代)」と呼ばれています。この世代がついに政治の表舞台に登場したことにより、今後のカンボジアの変化の始まりを予感させるものがあり、更なる活躍が期待されます。
(写真はクメールタイムズ紙より)

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2018年上半期 観光客数 順調に増加

2018年08月22日 | 経済
 7月29日、観光省は2018年上半期(1月~6月)の観光統計を発表しました。カンボジアへの訪問客数は、前年同期(266万2679人)から12.7%増加して300万1660人に達しました。国別にみると、1位中国93万1763人(対前年同期比75.8%増)、2位ベトナム38万6614人(1.5%減)、3位ラオス20万346人(10.7%減)、4位韓国17万4600人(8.3%減)、5位タイ15万9862人(5.0%減)、6位米国13万3664人(1.2%減)、7位日本9万7698人(0.6%減)、8位フランス8万5906人(3.6%増)、9位マレーシア8万5854人(9.4%増)、10位英国8万4844人(5.6%減)となっています。各国が軒並み減少している中で、中国だけが大幅増加となっており、カンボジアの観光業にとって、中国の重要性はますます増大しています。
 なお、到着方法別では、空路66.8%、陸路30.6%、海路2.6%となっています。近隣国からは陸路で入国することも多く、シアヌークビルに寄港する大型船による海路での入国も目立ちます。
 観光省では、2018年の訪問客数を前年比12%増の620万人と予測しています。2020年には700万人とし、更に2030 年には1500万人に増加させたいと強気の見通しを立てています。観光業は、カンボジア経済の主要なエンジンの一つであり、雇用にも大きな役割を果たしています。今後とも、空港や道路等のインフラ整備や語学や入国手続き等のソフト面の拡充を図ることにより、観光客の誘致のための地道な努力が継続されることが期待されます。


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日経新聞 中国がカンボジア総選挙にサイバー攻撃と報道

2018年08月21日 | 経済
 8月18日、日本経済新聞は朝刊1面トップ記事で「中国、サイバー選挙介入か カンボジアで「予行演習」 デジタル技術が民主主義揺らす」と題する記事を掲載しました。「中国が近隣国への政治介入を狙ってサイバー攻撃技術の開発に乗り出した疑いが浮上した。7月29日に総選挙があったカンボジアで大規模な「予行演習」が観測され、今後はアジアを中心に情報操作や選挙工作を広げる可能性がある。」と指摘しています。
 具体例として、昨年解党された救国党の党首で現在拘束されているケム・ソカ氏の娘で米国在住のケム・モノビシャ氏に、中国の海南島から送られたウィルスメールを挙げています。中国軍がサイバー戦部隊の拠点を置く海南島の「攻撃サーバー」から見つかったのはカンボジアの選挙委員会、諸官庁、野党政治家へのアクセス履歴だったとしています。フン・セン政権を脅かす動きがないか、総選挙前のカンボジアを「技術を進化させる試験場」に位置づけて攻撃を繰り返していた可能性が高いと指摘しました。
 カンボジアは「親中国」と言われますが、国会議事堂、閣僚評議会庁舎等が中国の援助で建設されたことに加え、最近は中国からカンボジア政府関係へのパソコンの寄贈等も行っており、中国にとっては簡単にハッキングできる相手でもあります。中国によるカンボジアへのサイバー攻撃は、以前から取りざたされていましたが、今回、日経新聞が大々的に報道したことにより、中国の隠れた意図が白日の下にさらされたと言えます。日本経済新聞は、カンボジア総選挙についても数多くの記事で報道していました。今後も日本経済新聞の報道に注目していきたいと思います。
(写真は、中国の援助で建設された閣僚評議会庁舎(奥))

日経新聞のサイト
https://www.nikkei.com/paper/article/?n_cid=kobetsu&ng=DGKKZO34305140X10C18A8MM8000

ブログ「カンボジア経済」2018年8月4日「カンボジア総選挙 日本経済新聞が多数の記事」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/9e456b072e0042db321badad42b5807b


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2018年08月20日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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カンボジア総選挙 与党人民党が125議席全議席を獲得

2018年08月20日 | 経済
 8月15日、カンボジア国家選挙管理委員会は、7月29日に投票された国民議会選挙の結果を発表しました。与党のカンボジア人民党が全125議席を占めるという圧勝に終わりました。
 登録有権者数838万217人に対し、投票者数は695万6900人となり、投票率は83.0%となりました。投票用紙にバツ印を付ける等して抵抗を示した有権者も多く、無効票は、59万4659票と全体の8.5%に達しました。
 与党人民党の得票数は488万9113票(有効票の76.8%)に達しました。野党の中では、フンシンペック党37万4510票(5.9%)、民主連盟党30万9364票(4.9%)等が健闘しましたが、議席獲得には至りませんでした。また、期待された草の根民主党は、7万567票(1.1%)に留まりました。
 今回の選挙では、最大野党の救国党が解党され、政権に批判的なマスコミが様々な形で圧力を受ける等、政権側の強権的な手法がとられたため、欧米を中心として強い批判が寄せられました。残念ながら、中国を後ろ盾としたフン・セン政権は、強気の態度を崩さず、結果的には全議席を占めるという圧勝でした。
 今後は、組閣に注目する必要があります。フン・セン首相としては、とりあえず選挙圧勝という目的を果たしたこともあり、海外からの圧力も考慮して穏健的な政策をとることが期待される反面、圧勝した人民党内部では強気の発言も多く、内外のバランスに配慮していくものと見られます。
 日本としては、カンボジアが中国に傾き過ぎず、また、中国をモデルとした真の意味での独裁・弾圧国家にならないよう、硬軟両用で様々なチャンネルを通じて穏健に対話を継続していくことが期待されます。なお、今回の選挙では、様々な圧力により人民党に投票せざるを得なかった有権者もいたものと見られますが、フン・セン政権を積極的に支持している有権者も相当の割合に達しているという事実には、しっかりと向き合い、十分に配慮を重ねる必要も高いものと見られます。
(写真は、7月29日の投票の様子)


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書籍 世界で活躍する仕事100: 10代からの国際協力キャリアナビ

2018年08月19日 | 経済
 7月6日、世界をよくしたい、世界のために働きたいと思われている方々に最適の書籍「世界で活躍する仕事100: 10代からの国際協力キャリアナビ」(東洋経済新報社:2200円+税)が出版されました。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢野麻美子国際研究室研究員が監修・編集・執筆代表(共著)を務めています。また、16名の共著者が、様々な事例を紹介しています。
 本書は、国際協力に関わる100の仕事について、キャリアパス、難易度、給与待遇までを掲載した国際協力キャリアを歩むためのガイドブックです。これまで「国際協力」においての働く場所として考えられてきた国連やJICA、NGOのみならず、民間企業(メーカー、エンジニア)や、士師業(薬剤師、弁護士)など、海外はもちろん日本国内でも国際協力に携わることができる職業や機関を取り上げています。
 本書では、これまで国際協力にあらゆる立場で携わってきた「国際協力のプロフェッショナル」たちが、さまざまな生き方の多様性、可能性を提示しています。特に、11人の実例を取り上げた「ケーススタディー」は、バラエティに富んでいて興味深いものがあります。また、国際協力においては、任期付きの仕事がふつうであり、常にスキルアップをして次のポストを探します。働き方改革が進められる中で、流動性に富み、自身の努力で道を切り開いていく生き方を提示されているところは好感が持てます。国際協力に興味がある方だけでなく、新たな働き方を模索されている方々を応援してくれる本だと思います。好著です。ぜひお手に取ってご覧ください。
 なお、矢野麻美子研究員が、本書に関連してプレジデント・オンラインに「"任期付きが普通"の国連職員は異常なのか 働き方を自分自身でデザインできる」と題する記事を書かれています。こちらもぜひご覧ください(無料です)。

【世界で活躍する仕事100 主要目次】
序章 国際協力キャリアってなんだろう?
PARTI 国際協力に携わる100の仕事
第1章 国連・国際機関で働く(UNHCRなど国連機関、ILOなど関係機関)
第2章 日本の公務員・役所で国際協力に携わる(外務省、海上保安官、教師など)
第3章 政府関係機関で働く(JICA、JETROなど)
第4章 大学・研究機関で国際協力を研究・サポートする(大学、シンクタンクなど)
第5章 民間企業・士師業で国際協力に携わる(メーカー企業、看護師、デザイナーなど)
第6章 NGO・公益法人職員として国際協力に取り組む(人権NGO、公益社団法人など)

PARTII 国際協力キャリアを歩む
第1章 世界を就職先にするための助走期間
第2章 国際協力キャリアで世界に羽ばたく

PARTIII INDEX式 君の疑問とやる気から考えよう
1. 国際協力Q&A
2. ぼくの、わたしの「世界をなんとかしたい!」

東洋経済新報社のサイト(アマゾンやhontoへのリンク有)
https://store.toyokeizai.net/books/9784492046265/

プレジデント・オンライン「"任期付きが普通"の国連職員は異常なのか 働き方を自分自身でデザインできる」
https://president.jp/articles/-/25819


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