カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア西部の現状2024 その3 観光が復活しつつあるシェムリアップ

2024年01月31日 | 経済
 2024年1月に、バッタンバン、ポイペト、シェムリアップ等のカンボジア西部の主要都市とそれらを結ぶインフラの現状を視察する機会がありました。
 1年ぶりにシェムリアップを訪問しました。シェムリアップは、アンコールワット等のアンコール遺跡群を擁する観光都市です。しかし、2020年以降、新型コロナの影響で訪問客数が激減し、経済は大きな打撃を受けました。カンボジア観光統計によりますと、カンボジアへの外国人訪問客数は、ピークだった2019年の661万592人から、2020年130万6143人、2021年19万6495人へとピーク時の40分の一にまで大幅に減少していました。しかし、2022年は227万6626人、2023年は545万3231人まで回復してきています。今回の訪問でも、欧米系を中心として、観光客も復調しつつあるのを実感しました。繁華街のパブストリートや、アンコールワットには、多くの観光客が戻ってきていました。
 カンボジア政府も、観光客誘致の努力を続けています。シェムリアップで行っていた大規模な道路改修工事の効果は大きいものがあります。この事業で改修した道路は、合計38本で、総延長は108.7㎞、総工費は約1億5000万ドル(約172億円)とのことです。この道路工事は、シェムリアップ観光開発マスタープランの一環として実施されたもので、2021年12月に完成しました。工事中は、道路が通行止めになったり、家から車が出せなくなったりと、色々と不便もあったようですが、道路が出来上がって見違えるようになったところも多いようです。新型コロナで観光客がほとんどゼロだった2年間で工事を行えたことは、不幸中の幸いであったものと見られます。改修工事では、観光にも好影響を与えるべく、道路沿いの植栽や景観に配慮するとともに、川沿いに遊歩道を設けたり、サイクリングレーンを整備するといった工夫も見られます。対象となった道路は、市内中心部だけでなく郊外まで及んでおり、道路整備の経済効果の大きさが目に見えるようでした。
 2023年11月には、建設が進められていたシェムリアップ・アンコール空港が正式に開港しました。また、日本の円借款の支援による水道の拡充事業も2023年5月に完成しました。観光が主要産業であるシュムリアップにとって、こうした基礎インフラの整備は欠くことのできないものです。維持管理を含めて、今後もインフラ整備に向けた地道な努力の継続が期待されます。
(写真は、観光客で混雑するパブストリート)

整備された道路。昔とは比べ物にならないほどの改善です。


シェムリアップの繁華街のパブストリートの夜。盛り上がっていました。



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カンボジア西部の現状2024 その2 国境の町ポイペト

2024年01月30日 | 経済
 2024年1月に、バッタンバン、ポイペト、シェムリアップ等のカンボジア西部の主要都市とそれらを結ぶインフラの現状を視察する機会がありました。
1年ぶりにタイ国境のポイペトを訪問しました。タイとのこれまでの国境には、入国管理等を行う新しく大きな建物が完成しています。2022年12月の大火で、国境近隣のカジノホテル数軒が焼け落ちており、国境付近の景色は全く変わっていました。なお、昨日の記事にも掲載した通り、貨物専用の国境施設を近郊のストゥンボットに建設中で、国境を通過する貨物の手続き迅速化が図られる計画です。
 鉄道北線のポイペト駅は、貨物輸送で潤っているようでした。駅には新たな貨物上屋が完成していました。最近は、フォードの完成車を一度に100台以上も輸送する貨物列車も運用されています。訪問当日は、列車は見られませんでした。。タイ国鉄と接続する鉄橋や線路も数年前に完成しているのですが、新型コロナの影響もあって二国間交渉が進んでおらず、直通列車や貨物の一貫輸送の実現には至っていません。
 ポイペトには、日本企業が進出している経済特区が二つあります。ロイヤルグループ・ポイペト経済特区とサンコー経済特区です。サンコー経済特区内には、豊田通商グループのテクノパークポイペトもあり、中小企業の方にも魅力的な場所となっています。新型コロナの影響もあって、ここ2~3年ほどは日系の大きな新規投資はないようでした。
 しかし、ポイペトは、カンボジアの労賃の低さとタイとの連結性から、タイに進出している日系企業、特に労働集約的部品産業のシフト先としては、非常に有望な候補となる場所と見られ、カンボジア政府も日系企業の誘致に力を入れています。カンボジアは、労務費が上昇した周辺諸国から労働集約的な工程を切り出し、労賃の安い国に移すフラグメンテーションの好例となることが期待されており、特に、タイの東部臨海地域に多数進出している日系企業の「タイプラスワン」の候補地となることが期待されます。
 ポイペトでの日本の方の生活基盤も以前に比べると整ってきているようで、タイ系のスーパーBigC、サンコー経済特区入り口前の長期滞在型ホテル、1階に和食の国境食堂HARUが入居するアパートメント等が完成しています。
 国境付近にはタイ人向けのカジノが多数あります。そのうち一つを訪れてみました。平日の昼間でしたが、フロアの3分の一程度は埋まっており、タイ通貨のバーツの札束を握りしめたタイ人がバカラ等に熱中していました。カンボジアにとって観光も重要な産業であり、昨年あたりから復活し始めているタイからの観光客数の増加も大いに期待されるところです。
(写真は、ポイペト国境の真新しい入国管理事務所の建物)

タイの支援で建設中のストゥンボット国境の管理用の建物。早期の完成とワンストップの運用が期待されます。


ポイペト駅に新たに完成していた貨物上屋。セメント等の積み込みに活用されているものと見られます。


カンボジアとタイを結ぶ鉄道の国境の鉄橋。閉鎖されています。ここを通過して直通列車が走る日が期待されます。


2022年12月の大火で延焼したカジノ。死者・負傷者多数でした。国道5号線の国境付近に立ち並んでいたカジノホテルはほとんどが焼失していました。



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カンボジア西部の現状2024 その1 国道5号線を西へ

2024年01月29日 | 経済
 2024年1月に、バッタンバン、ポイペト、シェムリアップ等のカンボジア西部の主要都市とそれらを結ぶインフラの現状を視察する機会がありました。
 まず、プノンペンから国道5号線を西に向かいます。国道5号線は、プノンペンから近郊のプレッククダムまで(約40キロ)は中国の支援で整備されましたが、それ以外の区間は、日本の円借款による支援で改修工事が行われてきました。日本が支援している国道5号線改修事業の対象は、プノンペン近郊のプレッククダムから主要都市のコンポンチュナン、プルサット、バッタンバン、シソポンを経由してタイ国境のポイペトまでの区間(366㎞)で、これまでの2車線・簡易舗装の道路を4車線化・アスファルトコンクリート化し、主要都市(ウドン、コンポンチュナン、プルサット、バッタンバン、シソポン)についてはバイパスを建設する計画です。日本政府はこれまでに8件、総額948億6000万円の円借款を供与してこの国道5号線の改修を支援しています。条件は、一部を除き、金利0.01%/年、償還期間40年(10年の据え置き期間を含む)という大変譲許的なものです。
 国道5号線の改修工事は、北、中央、南の3区間に分かれて実施されており、北区間は2022年1月に完工しています。2023年11月に、南区間及び中央区間(プレック・クダム~バッタンバン間:246.15km)も完成しました。残るはシソポン~ポイペト間のみとなっています。
 今回、実走してみると、高規格・高品質の道路で快適な走行でした。日本の支援のキーワードは「質の高いインフラ」であり、国道5号線でも日系企業による高品質の施工が行われており、完成してもすぐに穴だらけになる中国や韓国の支援とは一線を画すものです。国道5号線では、プノンペン近郊の中国の施工区間は、既に補修工事の跡だらけであり、日本の質の高さが際立ちます。また、時間短縮効果も大きいものがあり、以前は7~8時間かかっていたプノンペン~バッタンバンは、4~5時間で到着可能となっています。
 国道5号線の終点であり、タイとの国境であるポイペト近郊では、タイの支援によって貨物専用の新たなストゥンボット国境施設を建設中です。国境に架かる橋は既に完成していますが、国境の検査施設等はタイ側の入札手続きの遅れ等により、工事中の状況です。ポイペト付近の経済特区や、タイとプノンペンを結ぶ南部経済回廊にとって、新国境建設は通関の改善に必要不可欠であり、早期の完工が望まれます。
 国道5号線は、プノンペンとタイ国境を直結する重要なルートであり、プノンペン周辺に進出している日系企業にとっても、サプライチェーンの一環としてタイとの連結性を確保するために必要不可欠となっています。全線の完成により、更に大きな効果が出るものと期待されます。
(写真は、国道5号線コンポンチュナン付近)

プノンペン近郊に新設された立体交差。渋滞解消に大きな効果を発揮しています。


プノンペン近郊の中国支援区間。早くも大規模補修の跡が数多くみられ、中国企業の低品質施行を防止する強い対応が必要と見られます。


完成したウドン市街を迂回するバイパス。標識類もきちんと整備されています。


バッタンバン近郊の国道5号線の旧道。昔は全線こんな感じでしたので、大きな発展を感じます。


シソポン~ポイペト区間。昨年起工式を行い、現在工事が進められています。


水浸しのように見えますが、「逃げ水」です。道路表面の空気が暖められて光が屈折することで水たまりのように見えます。



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年01月29日 | 一般
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シェムリアップ 久しぶりの隠れ家フレンチ Le Cul de Sac

2024年01月28日 | 生活環境
 シェムリアップの路地の奥にある隠れ家フレンチの「Le Cul de Sac」です。中心部から離れたシェムリアップ西部の細い路地の行き止まりにあります。お店の入口には、看板もなく、ミシュランマークだけが目印です(ミシュランのレッドブックの星ということではなく、グリーンブックに掲載されたということらしいです)。店名のLe Cul de Sacは、フランス語で袋小路という意味らしく、正に店名通りのお店です。小さな入り口を入って、お庭の小道をたどっていくと、レストランに着くという感じです。メニューは、隠れ家フレンチらしいものが多いです。今回は、人気のミモザサラダ(3.5ドル)、アボガドとカニのタルタル(7ドル)、イカのトマト煮込み(16ドル)、グラタン(13ドル)等を頂きましたが、いずれも素晴らしいものでした。ワインも色々と揃っています。お値段も良心的です。ちょっと遅めのランチでしたので、空いていましたが、夜は結構混むとのことでした。また、渋い雰囲気のバースペースもあって、いい感じです。ここはお勧めです。ぜひお試しください。

Le Cul de Sac
https://web.facebook.com/LeCulDeSac

人気のミモザサラダ(3.5ドル)、アボガドとカニのタルタル(7ドル)


イカのトマト煮込み(16ドル)、グラタン(13ドル)


見つけにくい入口。



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素晴らしい眺望 Khema Flatiron店

2024年01月27日 | 生活環境
 プノンペン北部ボエンコックに建設された高層ビルの28階にある「Khema Flatiron店」です。Khemaは、プノンペン市内に数店舗を持つフレンチのお店です。場所が高層ビルの上層階なので、広々とした眺望を楽しめます。結構広いお店です。メニューは、ほかのお店と大体同じ感じです。今回はブレックファスト会議だったので、朝食食べ放題をお願いしました。毎朝7時から11時まで、11ドルでいろいろと食べ放題です。私は、クイティウとアイスカフェオレをお願いし、その他、卵料理等をいただきました。雰囲気も良くて、リーズナブルな価格と感じます。ビジネスランチセットも15ドルだそうです。お客さんは、ここにお住まいの方や、ビル内のオフィスにお勤めの方が多いようでした。お勧めです。お試しください。

Khéma (Flatiron by Meridian)
https://web.facebook.com/KhemaFlatiron/?_rdc=1&_rdr

さえぎるものもなく、素晴らしい眺望が開けます。


フリーフローのメニューです



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世界銀行 カンボジア2030 経済成長減速は改革促進のチャンス

2024年01月26日 | 経済
 12月13日、世界銀行は「カンボジア2030 経済成長減速は改革促進のチャンス」と題するレポートを発表しました。
 レポートでは、カンボジアは、新型コロナ以前の10年間は、公的債務をGDPの40%未満に抑えながら、年平均7%の成長率を維持していたと評価しています。この急速な成長は、貧困削減の急速な進展につながり、カンボジアの貧困率は2014年の26%から2020年には18%に低下しました。
 しかし、2023年後半からカンボジアの経済は伸び悩んでいるとしています。世界銀行は、今年の成長率を5.4%と予測していますが、新型コロナ前の10年間に達成された年平均成長率7.2%には遠く及ばないと指摘しました。その大きな要因は欧米・中国等の経済停滞といった海外要因ですが、国内要因としても、生産性の伸びの低さや投資の建設業への偏り等があると見ています。
 このため、世界銀行では、カンボジア企業の生産性と競争力を高めるためのビジネス環境の更なる改善、インフラと物流の高度化、スキル不足に対処するための「未来に備えた」労働力育成、気候変動への対処等が必要であると提言しています。
 レポートは、「極度の貧困を撲滅し、生活水準を向上させるための道のりを続けるために、カンボジアは高い成長を維持する必要があります。そのためには、生産性の向上、大胆な構造改革、インフラと人的資本への質の高い投資、気候変動への対処等に配慮した開発政策に移行することが求められます」と結んでいます。
 カンボジアの最近の課題と対処について、短くまとまったレポートです。ご興味の方はぜひご一読ください。
(写真は、夕暮れのプノンペン。世界銀行のサイトより)

世界銀行のサイト
https://blogs.worldbank.org/eastasiapacific/cambodia-2030-economic-slowdown-offers-opportunity-speed-reforms


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カンボジアの農林水産業概況 コメの生産量は日本を上回る

2024年01月25日 | 経済
 日本の農林水産省は、主要国の農林水産業の概要を取りまとめています。今般、カンボジアの農林水産業の概要2023年度更新版がサイトに掲載されました。
 カンボジアの主要農産物は、コメ、キャッサバ、さとうきび、とうもろこし等です。耕地面積の約8割を占める稲作は、雨水を利用した一期作を中心として、灌漑施設が機能している地域では二期作が行われています。主要地域は、メコン川及びトンレサップ湖周辺となります。キャッサバは主に北西部で栽培されており、多くが燃料用バイオマス原料としてタイやベトナムに輸出されています。
 農林水産業がGDPに占めるシェア(2021年)は、日本が1.0%にまで低下しているのに対し、カンボジアは低下傾向にあるものの22.7%となっています。農用地の面積は、カンボジアは610万ヘクタールと、日本の437万ヘクタールを大きく上回っています。コメ(籾)の生産量(2021年)は、日本の1053万トンに対し、カンボジアは1141万トンと日本を上回っています。
 カンボジアからの主要な農産物輸出品は、コメ(農産物輸出の31.4%)、天然ゴム(30.2%)、バナナ(12.7%)等となっています。日本とカンボジアの農産物の貿易額は大きくないものの、日本からカンボジアへの輸出の第1位が牛肉であることが注目されます。カンボジアで日本産の和牛の消費量が多いわけではなく、ほとんどが中国向けに再輸出されていると言われます。
 カンボジアでも農業センサス等を行って農業関係の統計の整備に努力しています。日本の農林水産省がこうした資料を取りまとめているのは大変大きな意義があることと見られます。
(写真は、カンボジア・シソポン近くの水田)

日本の農林水産省のサイト
https://www.maff.go.jp/j//kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/attach/pdf/index-94.pdf


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クボタ建設 スバイリエンにおける上水道拡張計画を受注

2024年01月24日 | 経済
 1月11日、クボタ建設は、カンボジア王国から同国南部スバイリエン州の州都スバイリエン市の上水道拡張工事を受注したと発表しました。この案件は2022年3月に日本政府とカンボジア政府が調印した無償資金協力(供与限度額27.86億円)により実施されています。
 カンボジア政府は2025年までに都市部の全人口に対して安全な水へのアクセスを確保する目標を掲げて地方都市の上水道施設整備を進めており、日本政府は2007年から技術協力を含めた地方主要都市への上水道整備の強化支援を進めてきました。スバイリエン市では人口に対して給水能力が不足しており、都市部の水道普及率は48.9%(2019年時点)に留まっています。上水道にアクセスできない住民は自家用井戸や雨水から水を得ており、水質など公衆衛生環境の改善や利便性の向上のために上水道施設の拡張が喫緊の課題となっています。
 この事業では、スバイリエン市に取水施設、導水管、浄水場(処理能力:6800立方メートル/日)、送配水管網を建設する予定です。完成後は、スバイリエン市都市部の水道普及率が86.7%まで向上することが期待されています。なお、契約金額は、約28.8億円です。
 クボタ建設では、「長年培ってきた同国における上水道施設建設の技術やノウハウを最大限活用して本工事に取り組み、スバイリエン市民への安全な水の安定供給と、住民の生活環境改善に貢献してまいります。」としています。
(写真は、既存の浄水場。JICAのサイトより)

クボタ建設の発表
https://www.kubota.co.jp/news/2024/management-20240111.html


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2023年 カンボジアからの輸出微増 主要国の需要減退か

2024年01月23日 | 経済
 カンボジア経済財政省の関税消費税総局の発表によりますと、2023年(1月~12月)のカンボジアからの輸出は、対前年比1.8%増の226億4499万ドル(約3兆2840億円)でした。輸入は、5.0%減の241億8304万ドル(約3兆5070億円)でした。
 輸出先を国別にみると、1位は米国で対前年比0.8%減の88億9744万ドル(約1兆2900億円)で、全体の39.3%を占めています。2位はベトナムで37.1%増の29億7256万ドル(シェア13.1%)、3位中国19.2%増14億7874万ドル(シェア6.5%)、4位日本0.2%増11億7578万ドル(シェア5.2%)、5位カナダ22.4%減8億6954万ドル(シェア3.8%)となっています。輸入は、第1位は中国で対前年比3.3%増の107億8609万ドル(シェア44.6%)、2位ベトナム8.9%減36億1218万ドル(シェア14.9%)、3位タイ20.5%減28億9543万ドル(シェア12.0%)、4位インドネシア9.1%増9億9460万ドル(シェア4.1%)、5位台湾36.3%減6億6051万ドル(シェア2.7%)となっています。
 品目別輸出では、縫製品が第1位で対前年比12.9%減の78億6878万ドル(シェア34.8%)、2位電気部品56.6%増31億2991万ドル(シェア13.8%)、3位穀物45.1%増17億4819万ドル(シェア7.7%)、4位旅行用品8.2%減17億763万ドル(シェア7.5%)、5位履物21.4%減13億6547万ドル(シェア6.0%)等となっています。品目別輸入は、1位石油製品7.6%減33億8824万ドル(シェア14.0%)、2位縫製原料10.2%減25億9739万ドル(シェア10.7%)、3位電気機器7.7%増15億7663万ドル(シェア6.5%)、4位車輛43.6%減13億3951万ドル(シェア5.5%)、5位機械11.0%減13億661万ドル(シェア5.4%)等です。
 品目別輸出で、日系企業等が製造・輸出している電気部品が大きく伸びたことが注目されます。他方、これまでの主力輸出品であった縫製品・履物・旅行用品が大きく減少しました。主要輸出先の欧米の景気が延滞の影響と見られます。また、品目別輸入では、石油製品価格の落ち着きで、石油製品の輸入金額が減少しています。
 カンボジアの輸出産業は、新型コロナの影響から予想よりも早く回復してきました。しかし、主要輸出先の米国・欧州の景気減速等の影響で、逆風を受けつつあります。他方、電気部品等、新たな製造業の輸出が堅調です。今後とも、輸出品目の多様化と輸出競争力の強化が重要な課題となるものと見られます。
(写真は、日本が支援して整備が進められてきたシアヌークビル港)

関税消費税総局の統計のサイト(英文です)
https://stats.customs.gov.kh/en


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カンボジア 2023年12月の物価上昇率

2024年01月22日 | 経済
 国家統計庁から発表された2023年12月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、2.7%でした。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月からは久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向となっていました。2023年7月以降、若干の上昇に転じています(2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%、7月1.9%、8月3.2%、9月3.8%、10月3.9%、11月2.7%)。なお、11月と比べると12月は0.4%の下落でした。また、2023年の年間平均上昇率(暫定)は、2.1%となっています。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。11月の4389リエル/リットルから、12月は4237リエル/リットルに下落しました。ディーゼルは、11月の4561リエル/リットルから、12月は4237リエル/リットルに下落しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、足元は70ドル台にまで下落してきています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しています。2023年中盤に上昇した後、最近落ち着いてきています。
 国際機関は、2024年のカンボジアの物価上昇率については安定的と予測しています。アジア開発銀行は4.0%、世界銀行は2.8%、IMFは3.0%、AMROは3.1%と予測しています。
(写真は、大晦日のプノンペンのカウントダウン会場)  



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年01月22日 | 一般
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プノンペンで牛骨白湯ラーメン あぶらや

2024年01月21日 | 生活環境
 プノンペン南部モニボン橋近く、ノロドム通り沿いに開店したラーメン居酒屋「あぶらや」です。日本の本店は、鹿児島にあるそうです。店内はモダンな雰囲気です。メニューは、牛骨白湯ラーメンを中心に、焼き鳥やサラダなどの居酒屋メニューも充実しています。今回は、牛骨白湯チャーシュー麺(8.9ドル)と餃子(3.5ドル)をいただきました。牛骨白湯スープは、油多めですがあっさりとした感じがします。チャーシューは本当にトロトロで、とろける感覚です。ランチタイムにはお得なセットメニューもあるそうです。お客さんは、日本の方が多いようでした。お試しください。

あぶらや ABURAYA
https://web.facebook.com/profile.php?id=61552417092469

日本のあぶらやのサイト
https://aburaya.jp/

とろとろのチャーシューたっぷりの牛骨白湯チャーシュー麺



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お手頃な一人鍋 小肥羊(シャオフェイヤン) エクスチェンジスクエア店

2024年01月20日 | 生活環境
 プノンペン北部の高層ビルエクスチェンジスクエアの1階にある中国火鍋の「小肥羊(シャオフェイヤン)」です。小肥羊(シャオフェイヤン)は、中国内モンゴル自治区オルドス市発祥の火鍋レストランで、中国各地にチェーン展開しています。2006年には日本にも進出しており、プノンペン市内にも数店舗を展開しています
 エクスチェンジ店も内装は、ファミリーレストラン風ですが、清潔感があります。メニューは、おなじみの火鍋です。4種類のスープから選ぶことができます。具材は、ラムだけでなく、幅広く揃っています。真っ赤な麻辣スープも、辛さ控えめで美味しいです。今回は、ランチタイムだったので、一人用のセットメニュー(10.8ドル)をお願いしてみました。お肉、野菜等のセット、麺までついているので、お手軽な価格に感じます。また、つけだれが各種揃っていて、パクチー等の薬味も含めて、セルフサービスで自分好みのものを作れます。お客さんは、近くでお勤めの方が多いようでした。お試しください。

小肥羊(シャオフェイヤン) Little Sheep Hot Pot
https://web.facebook.com/LittleSheepKH/?_rdc=1&_rdr

一人用セットですが、ボリュームはたっぷりです。



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キャピタルゲイン課税 実施をさらに1年延期 不動産不況で

2024年01月19日 | 経済
 新聞報道によりますと、カンボジア経済財政省は、2024年初から導入予定としていたキャピタルゲイン課税を、更に1年間延期して2025年1月からとするとのことです。キャピタルゲイン課税は、土地や株式の取引の利益に課される税金で、カンボジアでは税率20%を予定しています。この課税については様々な議論が10年ほど前から続けられていましたが、中国人による不動産投資が激しくなったことを背景に法改正や規程の整備が行われ、当初は、2020年7月から導入される予定でした。しかし、新型コロナの影響もあり、すでに2回実施が延期され、2024年1月からの導入となっていたものです。
 カンボジアでは、法人への課税が中心となっており、個人所得への課税は、法人から支払われる給与が主な対象となってきました。しかし、中国からの投資による不動産価格の上昇等により、不動産取引への課税の必要性が指摘され、特に、中国人等の外国人を含む裕福な個人の所得に対する課税の必要性が高まっていました。法人税や付加価値税、関税や特別税(高価な嗜好品等)の徴税は、次第に強化されてきています。こうした中で、裕福な個人の不動産取引等への課税を強化することは、妥当な方向性と見られます。
 しかし、新型コロナの影響や、中国の大手不動産会社の破たん、中国政府による海外不動産投資規制等もあって、カンボジア不動産への投資の大きな部分を占めていた中国人投資家による投資も弱含んでいます。カンボジアの不動産価格も弱含みとなっている中でのキャピタルゲイン課税の導入には、心配の声も上がっていました。経済動向や不動産取引の状況等に配慮した導入延期はやむを得ないものと見られます。
(写真は、シアヌークビル。工事が中断されている物件も多い)



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