カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

総選挙の様子(その3:開票)

2008年07月31日 | 経済
 カンボジアの今回の総選挙では、3時に投票を締め切って、各投票所で直ちに開票に入ります。
まずは、投票した人の数を、各政党の監視員の前で確認し、残った投票用紙の数も確認して、間違いないものとします。次に投票箱を開き、四つ折の投票用紙を伸ばして、枚数を数えます。私の見た投票所では、これが一回では合わず、3回ほど数えなおしていました。その後、選挙管理委員長が、一枚ずつ、どの党に投票されたかを読み上げ、記録係が黒板に貼り出した大きな紙に記録していきます(日本でしたら「正」の字ですが、カンボジアですは四角に斜め線で5票です)。この際、委員長は、選挙監視員、各党からの監視員に一枚ずつ見せながら数えます。最後に集計して、各党からの監視員にも確認して、伝達フォーマットに記入して完了です。なお、投票用紙は、未使用のものも含めて全て、上位の選挙管理委員会に提出されます。
 私が見た投票所では、事務的な課題はありましたが、開票はまじめに、公正に行われていました。
 なお、上の写真は、コンポンチュナン州の州都コンポンチュナンの街中の投票所です。お寺の敷地に11の投票所が所狭しと並んでいました。なお、投票所の中は撮影禁止のため、残念ですが、開票等の様子はお目にかけられません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総選挙の様子(その2:コンポンチュナン州の農村部)

2008年07月30日 | 経済
 農村の投票所にも行ってみました。コンポンチュナンでは、NGOのFIDR(国際開発救援財団)が支援して建設された学校のいくつかが投票所となっていました。(写真上)
 コンポンチュナンは、プノンペンから100kmほどと言うこともあって、いつもはプノンペンに働きに行っている若い女性も何人も戻ってきて投票していました。(写真下)
 投票は、まず、外に張り出してある有権者名簿に自分の名前があるかを見ます。次に、投票所に入り、IDカード等を見せて本人確認をし、名簿にチェックします。そしてA4大の大きな投票用紙をもらいます。投票用紙の裏には、その都度確認印を押し四つ折にして渡し、不正を防ぎます。投票用紙には、11の政党の名前とマークが書かれており、四角にチェックをする形式です。見えないように囲われた中で、投票用紙にチェックを書きます。カンボジアには、字の読めない方もいますし、書けない方もいますので、このような方式になっています。チェックをしたら、確認印が見えるように折り曲げて、投票箱に入れます。投票したら、指を特殊なインクに漬けて、投票済みを明らかにして二重投票を防ぎます(写真下)。
 コンポンチュナンの農村部の投票所は、和気藹々とした雰囲気でした。投票所の選挙管理委員は学校の先生も多く、マニュアル通りにきちんと進めているようでした。ただ、様々な課題は、まだまだあるようです。

プノンペンから戻ってきたらしい若い女性。プノンペン周辺の縫製工場は、周辺の農村部からの労働力を吸収しています。なお、パジャマのような服は、都市部でもかなり見かけます。


二重投票を防ぐために、人差し指に特殊なインクをつけます。選挙の後は、みんなこの状態です。一週間は落ちないらしいです。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総選挙の様子(その1:プノンペン)

2008年07月29日 | 経済
 投票所は、いろいろなところを使っていますが、プノンペン市内で私が訪問したところは、仮設テントでした。1つの投票所では、700人以下の有権者が来ることになっていますので、全国では1万3000以上の投票所が設けられました。プノンペンのこの場所では、道路の真ん中に設置された細長いテントに、10個の投票所が並びました。(写真上)
 投票時間は、朝7:00から午後3:00までです。投票所の準備は、6人の選挙管理委員によって、朝6時前から始まり、投票箱の設置や投票用紙の準備が、マニュアルに沿って、行われていました。なお、ジュラルミン製の組み立て式投票箱は、日本の支援で購入されたもので、不正もしにくいと言われており、大変評価されていました。
 投票所には、国際選挙監視団だけでなく、カンボジアの監視団、各政党の監視員もきていて、投票所の準備(投票箱の中に何も無いことを確認してから投票箱を閉鎖、シールする等)から、投票、開票まで、ずっと監視が続いていました。
 なお、監視団の情報によると、都市部では、有権者名簿に自分の名前が無くて、投票できなかった人が少なからずいたようです。

仮設テントの投票所。貼り出された有権者名簿に名前があるかチェックしています。


暗いうちから準備中の投票所。中に、日本の支援で購入したジュラルミンの投票箱がチラッと見えます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙速報

2008年07月28日 | 経済
<一番下に【追記】があります>

 昨日(7月27日)、カンボジア下院総選挙が行われ、即日開票されました。暫定公式結果は、選挙委員会から本日16:00(日本時間午後6時)に発表される予定です。各党、民間団体による独自取りまとめ結果は、次々と出ております。ここでは、COMFREL(Committee for Free and Fair Election in Cambodia:NGO12団体が集まった選挙監視団)による結果(速報)をお知らせします。写真は、選挙結果取りまとめに夜遅くまで頑張っているCOMFREL本部の様子です。

 人民党(与党) 58.2% 89議席
 サムランシー党 21.8% 28議席
 人権党 6.3% 2議席
 ラナリット党 5.6% 2議席
 フンシンペック党 5.0% 2議席

 なお、選挙は、平穏に行われた模様で、大きな混乱や不法行為は、報道されていません。
 選挙当日の様子等は、またこのブログでお知らせしたいと思います。

 日本でもカンボジアの総選挙のニュースは流れています(ちょっと数字が違います。人民党発表の数字かもしれません)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080728-00000042-san-int

【7月29日追記】本日、COMFRELの改訂版がウェブに掲載されました。

http://www.comfrel.org/images/others/1217324167PR%2016%202008%20PVT%20En.pdf
 人民党(与党) 57.9% 90議席
 サムランシー党 22.0% 27議席
 人権党 6.3% 3議席
 ラナリット党 5.7% 2議席
 フンシンペック党 5.2% 1議席

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プノンペンにメータータクシー登場

2008年07月27日 | 経済
 プノンペンにはこれまで日本のようなメーター式のタクシーがありませんでした。モトドップ(オートバイの後ろに乗せてもらう)や、ルモー(トゥクトゥク。バイクに座席付リヤカーを牽かせるもの)しかなく、料金もいちいち交渉しなくてはなりません。
 7月12日から、中国系企業により、白いタクシーが走り始めました。当初12台でh始めて、9月には60台に増やす予定とのことです。料金は、最初の2kmが1ドル(約100円)、それ以降200メートル毎に0.1ドル(約10円)とのことです。これは、ルモーより安い感じです。詳細は、新聞記事をご覧ください。
http://english.cri.cn/3130/2008/07/11/1781s379849.htm
 たまたま止まっていた、このタクシーの写真を撮ることができました。中国製らしき車ですが、中は結構広く、フロントには「メーター」がしっかり鎮座していました。どなたか利用されたら、ぜひレポートしてください。

メーターです。


後ろ側。電話で呼べるようです。このタクシーの運転手さんは、英語はできないようでした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙監視員になりました!

2008年07月26日 | 経済
 日本の「カンボジア市民フォーラム」による国際選挙監視団に登録して、今回の総選挙の「選挙監視員」となりました。まずは、選挙監視員「三種の神器」を頂きました。選挙監視員証、選挙監視員ベスト、選挙監視員ファイルです(写真上)。また、昨日は、国連開発会議(UNDP)主催の選挙監視に関する国際会議(写真下)も開催されました。資料によりますと、国際監視団員は、全部で433人(うち女性142人)です。また、カンボジア人の監視員は、23,838人に登ります。
なお、日本語では「監視」という強い言葉ですが、実際の活動では問題を発見したとしても、その場で指導・助言することは選挙への介入・干渉となりかねないことから、指導・助言は原則として行わず、事後報告のみ行うこととしていますので、英語の「Observer」の方がぴったりします。
 日本人の一人として、カンボジアの人々のために、本当に必要な活動に参加できることは、とてもうれしいことです。この活動には、日本からも若い大学生の方からお歳を召された方まで、多くの女性を含めて(お母さんも!)、様々な方が参加されています。

UNDP主催の国際会議


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙戦最終日(追記)

2008年07月25日 | 経済
 選挙戦最終日のプノンペンで、サムランシー党のキャンペーン大行列とすれ違いました。ざっと見て、5千人以上の支援者でした。サムランシー党首ご本人のいい写真(写真上)が撮れましたので、追記します。本日の、この前の投稿もご覧ください。

バイクの行列
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙戦最終日

2008年07月25日 | 経済
 1ヶ月に渡る選挙キャンペーンも最終日を迎えました、街は、各党のキャンペーン行列があちこちを占拠しています。上の写真は、カンポット州の州都カンポットの中心部でのカンボジア人民党(CPP)の大集会です。朝の6時から集まって、がんがんと音楽をかけ、気勢を上げていました。ざっと4,000人は、集まっているものと見ました。
 明日土曜日は、クーリングダウンデーと称して、選挙戦はお休みで、明後日の日曜日(7月27日)が投票日となります。なお、今晩から、お酒の販売は禁止です(日曜日まで)。

トラックに乗って、同じシャツを着た支援者が集まって来ていました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンコールワット以外のシェムリアップ(その2:グルメ)

2008年07月24日 | 社会・風土
 シェムリアップの楽しみは、グルメもあります。アプサラダンスを楽しめるクメール料理はもちろん、各国のレストランがあります。
 日本食でしたら、ソッカホテルの「たけむら」。写真下は、ランチですが、美味しいお寿司も食べられます。
 夜は、オールドマーケット近くの通称バーストリートやパブストリートを歩いてみるのも楽しいです。写真下は、クメールバーベキューです。ジンギスカンのようななべの真ん中では、焼肉、周りにはスープを入れて野菜を煮込んでいます。お値段は、お手ごろです。たくさんの観光客の方々が、この界隈には来ていて、楽しそうな雰囲気があふれています。また、スタイリッシュなバーも多いのですが、Hotel de la Paixのバーは、その中でも最もスタイリッシュと評判で、本当に素敵です(写真上)。

日本食「たけむら」


バーストリートには、オープンテラスレストランが並び、素敵な雰囲気です。


バーストリートの中にある「クメールバーベキュー」 お手ごろです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンコールワット以外のシェムリアップ(その1:ゴルフ)

2008年07月23日 | 社会・風土
 昨年、カンボジアを訪問した外国人の数は200万人を越えました。主な行き先は、アンコールワットです。今後も観光客を誘致するためには、アンコールワット以外の観光資源の開発も重要な課題となっています。
 アンコールワットのある街、シェムリアップには、最近ゴルフコースが二つできました。
2007年4月にオープンした「ソフィテル・フォキトラー・ロイヤル・アンコール・ゴルフ」では、2007年11月にはアジアPGAツアー「ジョニーウォーカー・クラシック」が開催されました。もうひとつは、2007年11月にオープンしたばかりのニック・ファルド氏設計の「アンコール・ゴルフ・リゾート」(写真上)です。両方とも国際的な水準の美しいゴルフコースです。料金は、日本と比べれば、安価と言うことができるかと思います。

フォキトラーは、ヤシの木が目立つ南国風のコースです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙監視活動

2008年07月22日 | 経済
 選挙の制度と実態、選挙監視NGOの活動についてのセミナーがありました。これは、日本大使館(Embassy)、NGO、JICA(国際協力機構)、JBIC(国際協力銀行)の関係者が集まるENJJの「人権・グッドガバナンス分科会」が主催したものです。
 今回の選挙のポイントは、内戦直後は荒れていた選挙活動が落ち着いてきており、単に選挙が平穏無事に終わるだけではなく、選挙の「質」が問われているところとのことでした。内戦終了直後の1993年選挙では、380件もの殺人事件が起きましたが、98年選挙では40件、2003年は18件と減少し、今回もゼロではないようですが、かなり減るだろうとのことでした。しかし、まだまだ、中立性や公平性の問題もあるようですし、Tシャツやクロマー(スカーフ)、調味料等を有権者に配るようなこともあるようです。
 選挙監視については、まず、国際選挙監視団があります。日本の監視団は7月21に結団式が行われました。これに加えて、NGOによる監視も行われるとのことで、日本のNGOとしては、「カンボジア市民フォーラム」が中心となって選挙監視団が結成されています。また、カンボジアNGO関係者によるCOMFRELやフランス系のNICFEC等のNGOも監視を行うとのことで、選挙の「質」が高まることが期待されます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェリーの上の売り子さんたち

2008年07月21日 | 社会・風土
 プレック・クダムのフェリー(写真上)の上には、いろいろなものを売っている売り子さんたちがいます。下の写真は、鳥の丸焼きと亀です。この他にも、カブのような形の果物(すっぱいらしいです)に、唐辛子と塩をまぶしたもの等、プノンペンでは、あまり見かけないものも売っていました。

鳥の丸焼きと亀


いろいろなものを売っています。


笑顔がまぶしい売り子のKさん(14歳)。


Kさんが売っていたすっぱいフルーツ(日本語不明)に唐辛子塩をまぶしたもの。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急ピッチに進む橋の建設

2008年07月20日 | 経済
 国道5号線からトンレサップ川を渡る、プレック・クダム橋の建設現場を見てきました。現在は、この場所はフェリーで渡らなくてはなりません。この橋ができると、国道5号線と国道6号線を短時間で結ぶことができます。
この橋は、中国の資金支援で、中国企業によって建設されています。本年1月にもここを訪れていますが、工事の進み具合は、思ったよりも早く、既に川の中の橋脚が姿を現していました。また、両岸も、住宅や小さな商店があったところも、既に工事現場となっていました。予定では、来年開通の予定とのことです。


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コンポンチャム州のゴム農園

2008年07月19日 | 経済
 カンボジアにも広大なゴム農園がありました。プノンペンの北、コンポンチャム州です。写真のようにどこまでも続くゴムの木の林を見てきました。それぞれの木には、らせん状の溝が掘られ、一番下につけた木のお椀にゴムの木の白い樹液が溜まるようになっています(写真上)。樹液は、どろどろしているのかと思っていましたが、実はさらさらとしたものでした。これを集めて、酸性の液で固め(ゴム分と水分を分離)、四角いシート状のものにします。カンボジアの天然ゴムは、品質も良く、国際価格も上昇しているので、今後が期待されます。

ゴムの林がどこまでも続いています。


ゴムの木にはらせん状の溝が掘られています。一番下に樹液をためるお椀がついています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バッタンバン駅

2008年07月18日 | 社会・風土
 カンボジアの鉄道は、プノンペンからバッタンバンを経由しタイ国境に向かう北線と、プノンペンから港町のシアヌークビルを結ぶ南線があります。両線とも、内戦による破壊や予算不足によって開店休業状態ですが、今年からアジア開発銀行の支援によるリハビリ事業が始まっています。
 さて、バッタンバン駅に行ってみました。結構大きな駅ですが、駅舎内は子供たちの遊び場となり、線路や構内は草生して、牛が歩いているというのんびりとした雰囲気でした。列車は、週に一往復とのことです(プノンペン→バッタンバン:土曜日朝6:20発。バッタンバン→プノンペン:日曜日朝6:40発)。

駅舎の中では、子供たちがバドミントンをしていました。切符売り場には、週1便の列車の時刻と運賃が張り出されていました。外国人運賃は、プノンペンまで、25,300リエル(約650円)でした。


駅構内は草生して、子供たちの遊び場となっています。高校生たちや牛がのんびり歩いていました・・・。


駅構内には、フランス時代に作られたと思われるちょっと瀟洒なデザインの機関庫が残っていました。機関庫の前を親子が楽しそうに帰って行きます。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする