カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

日本カンボジア絆フェスティバル2020

2020年02月29日 | 社会・風土
「日本カンボジア絆フェスティバル」が、今年も2月20日(木)から23日(日)までカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で開催されました。様々な企画が盛りだくさんで、いろいろな日本に触れることのできるイベントです。今年のテーマは「Power of Sports」。会場には、オリンピック・パラリンピックの展示もあって盛り上がります。
 今年の目玉は、阿波踊りのパフォーマンス、フレンドシップ・クラッシック・コンサート、コスプレショー等です。また、浴衣体験、折り紙、生け花、習字といった日本文化紹介や、うどん作り等の日本食の体験等のイベントもあります。
 いろいろなお店も出ています。今年は、フィギュアやアニメグッズ等のお店が多いのが目を惹きました。今年は、日曜日にお邪魔したのですが、多くのカンボジアの若者たちがコスプレを楽しんでいて圧倒されました。こういった若い力がいろいろなものを動かしてくれると実感しました。
 この他にも、様々なイベントや展示が盛りだくさんで、楽しめました。

日本カンボジア絆フェスティバルのサイト
https://web.facebook.com/kizunafestival/

コスプレを楽しむカンボジアの若者がたくさん見られました。


コスプレ上級者も多くなっているようです。



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今年の経済成長 予測より減速か 観光客大幅減少

2020年02月28日 | 経済
 2月25日、フン・セン首相は、今年の成長率が当初予想の6.5%に達せず、6%程度に減速する見込みであると述べました。新型肺炎問題の影響で、2月の観光客数が対前年同月比60%減となると見込まれ、特に中国人は90%減となると見込まれることを要因として挙げています。
 この状況に対応するため、2月24日、フン・セン首相は、シェムリアップで税務登録されているホテル・ゲストハウスについて、本年2月から5月までの4か月間、全ての税を免除すると発表しました。なお、この期間中であっても、各ホテル・ゲストハウスは、月次税務申告を行う義務があることは変わらないとしています。また、政府機関、民間企業、NGO等に対し、セミナーや会議を行う際には、シェムリアップ、シアヌークビル等で行うことを要請しました。
 また、アンコール遺跡の入場料については、同一料金で有効日数を増加させるキャンペーンを実施するとしています。1日券(37ドル)は2日間利用可能に、3日券(62ドル)は5日間利用可能、7日券(72ドル)は10日間利用可能となります。対象期間は、2020年2月25日から6月25日までの4か月間とのことです。
 カンボジア経済の大きなリスクであったEUの特恵関税制度EBAの資格停止が顕在化したことに加え、新型肺炎による観光業への影響、中国経済の大幅スローダウン等が重なり、今年のカンボジア経済は困難に直面することとなると見られます。



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ムーディーズ カンボジアの成長率予測を引き下げ 5.5%に

2020年02月27日 | 経済
 2月18日、国際的格付機関のムーディーズは、「EUによる特恵関税制度一部停止が輸出と投資誘致に重荷(Partial suspension of Cambodia's preferential access to the EU will weigh on its exports, investment potential)」と題するレポートを発表しました(有料です。200ドルです。)。
 レポートで、今年のGDP成長率が5.5%に留まると予測しています。国際通貨基金(IMF)、世界銀行、アジア開発銀行等の予測では、これまで7%程度の成長を見込んでいたため、かなりの減速となります。ムーディーズによると、EUの特恵関税制度EBAの一部停止による輸出額の減少額は1億5000万ドル(約165億円)程度となると予測されています。今回は、一部停止であり、EU向け輸出の2割程度に関税を付加することとなりますが、全面停止ではなかったため、影響は限られるものと見ています
 また、賃金上昇が生産拠点、投資先としての魅力を減じる恐れがあると指摘しています。さらに新型肺炎問題によって、観光産業の成長や消費の伸びを押しとどめる可能性も無視できないとしています。
 なお、ムーディーズでは、現在のカンボジア政府の格付け「B2」は変更なく、今後の見込みも「安定的」を維持するとしています。格付け「B2」は、「投機的とみなされ、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付け」と定義される「B」のうち中位にあることを示しています。

ムーディーズのサイト(英文です)
https://www.moodys.com/



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カンボジアとタイ 越境QRコード決済開始

2020年02月26日 | 経済
 2月18日、タイとカンボジアの二国間での越境QRコード決済が開始され、バンコクで式典が開催されました。式典には、カンボジア中央銀行(カンボジア国立銀行)のチア・チャント総裁とタイ中央銀行(タイ銀行)のウィラタイ総裁が参加しました。
 タイ側はサイアム商業銀行、カンボジア側はACLEDA銀行とカンボジア商業銀行、カンボジア外国投資銀行がサービス提供銀行となり、「相互運用QRコード決済システム」を運用します。まずは、カンボジアの3行いずれかのモバイルバンキングアプリを通じ、タイ国内でQRコード決済することが可能となったとのことです。タイの銀行のモバイルバンキングアプリによるカンボジア国内でのQRコード決済は今年第3四半期(7~9月)に開始する見通しです。
 しがらみが少ないカンボジアでは、日本ではなかなか難しい新しいシステムの開発や利用が行いやすいという利点があります。カンボジアでのフィンテックの進歩は目を見張るものがあり、今後ともその進展が大いに期待されます。
(写真は、カンボジア国立銀行の発表より)

カンボジア中央銀行の発表(英文です)
https://www.nbc.org.kh/english/news_and_events/news_info.php?id=527



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アジ研レポート カンボジアの静かな選挙 2018年総選挙とそれに至る道のり

2020年02月25日 | 経済
 アジア経済研究所は、「カンボジアの静かな選挙 2018年総選挙とそれに至る道のり」と題する情勢分析レポートを発表しました。編者は、カンボジア研究の第一人者である初鹿野直美先生です。このレポートは、機動研究プロジェクト「カンボジア:最大野党不在の2018 年総選挙」研究会の最終成果として執筆されたものです。2018 年総選挙に至るまでの背景事情と選挙結果を振り返りつつ、その前後に政府が行ってきた「改革」の内容と実態、それにともなう社会環境の変化を考察したもので、今回の選挙を詳細に分析しています。
 内容は、序章:カンボジアの2018年国民議会選挙に至るまでの経緯、第1章:2018年総選挙:参加政党の公約と選挙の結果、第2章:カンボジアの選挙をめぐる改革、第3章:若年層に対する人民党の諸戦略:締め付け・取り込み・記憶の政治、第4章:新しい5年間の船出:野党との「対話」の行方と政権の方向性となっています。
 初鹿野先生は、「選挙直後から、人民党および政府は救国党や野党勢力に対して懐柔策を展開している。しかし、それは結局、救国党の結束に揺さぶりをかけるものであり、民主化とは異なる方向のものであったといわざるを得ない。新しく成立した内閣は、閣僚も政策も、2016年に成立した内閣を引き継いだものとなっている。人民党と政府は、継続性と安定性を生かして次の選挙に向けて地ならしをしていくこととなる。 そのなかで、EBAの適用問題の行く末など、国際社会からの信頼回復がどのように実現しうるのかが懸念される。」と述べています。
 2018年の選挙、及びその後の動向について、きちんとまとめられた好レポートです。全文サイトからダウンロード可能です。カンボジアの政治状況を把握するには最適ですので、ぜひご一読ください。

アジア経済研究所のサイト
https://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Josei/031.html



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年02月24日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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みずほ総合研究所 カンボジアで高まる中国の存在感

2020年02月24日 | 経済
 2月10日、みずほ総合研究所は、「カンボジアで高まる中国の存在感 背景に一帯一路、ドル建て資産確保と米中貿易摩擦」と際するレポートを発表しました。著者は、同研究所アジア調査部の酒向浩二上席主任研究員です。
 レポートでは、20 年来の緊密関係を築いてきた中国とカンボジア、中国の対カンボジア直接投資が急伸した背景、中国とカンボジアの蜜月関係は今後も続くのか、求められる日本企業の戦略対応等について分析されています。
 ポイントとしては、「カンボジアにおいて、中国の存在感が急速に高まっている。対内直接投資額で突出するようになり、 建設、道路・発電などのインフラ整備、縫製業の経済特区への進出などで存在感が極立っている」、「中国とカンボジアは20年来の親密関係にあるが、投資が急拡大したのは2010年代半ば以降である。 背景には一帯一路政策、人民元安回避のドル建て資産確保、米中貿易摩擦の回避がある」、「カンボジアにおいて中国の投資拡大は概ね歓迎されており蜜月関係は続くとみる向きが多いが、過度な影響力には警戒感があり、対中バランス上、日本への期待が高まっていることは商機となる」としています。
 レポートは、「日本企業には、カンボジアを国という「点」ではなく、ASEAN地域という「面」の一角と捉えた戦略が得策となろう。カンボジアは、日本企業が集積するタイおよびベトナムに隣接している。両国における産業集積を活かした労働集約工程のカンボジアへの生産移管は伸長余地が大きい。カンボジアにとってタイおよびベトナムとの連結性強化は、中国依存のウェイトを引き下げる効用が期待し得る。日本企業がその一助となることは、戦略パートナーとしての役割期待に資するものであろう。」と結論付けています。
 写真や図表も多数入った読みやすいレポートです。ぜひご一読ください。
(写真は、中国化が進むシアヌークビル)

みずほ総合研究所のサイト
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as200210.pdf



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可愛いおにぎりやさん Rice Ball Phnom Penh

2020年02月23日 | 経済
 プノンペン中心部バンケンコンに開店した可愛いおにぎりやさん「Rice Ball Phnom Penh」です。場所は、日本人も多く住んでいるロイヤルアパートメントのところです。道路に面したお店で、テラス席もちょっとありますが、明るくてシンプルな内装です。メニューは、北海道から輸入したブランド米の「ななつぼし」を使った普通サイズ各種と、バッタンバン産のジャスミン枚で作った可愛いサイズの2種類です。今回は、普通サイズの塩こうじサーモン(2ドル)と葉鰹(2ドル)、可愛いサイズの6個入(3.8ドル)を購入しました。手作りのおにぎりは、ソフトな握り具合で、美味しかったです。家で食べたので、手持ちのノリを巻いて食べてしまいました。お持ち帰りメインですが、テラス席もあり、みそ汁もメニューにあります(1ドル)。お値段は、普通サイズが1.5ドル~2ドル、小さいサイズ6個入りが3.8ドル、12個入りが7ドルと、プノンペンとしては高級な値段設定です。お手軽ランチにもってこいですので、お試しください。

Rice Ball Phnom Penh
https://web.facebook.com/riceballphnompenh/

小さいサイズの12個入。可愛いの一言です。


普通サイズ。優しい握りです。



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若者向け韓国料理 GOGOS

2020年02月22日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンにある韓国料理屋さん「GOGOS」です。場所は、392通りでモニボン通りと63通りの間です。内装はちょっとシャビ―な感じですが、若い方々に人気の様です。今回は、真っ赤な部隊チゲ、サムギョプサル、キムパブ(韓国風海苔巻き)、トッポギ、揚げ餃子等を頼んでみました。ボリュームも満点で、私が好きな部隊チゲも韓国そのままの感じで、美味しかったです。お値段もリーズナブルで、5人でビールも飲んでしっかり食べて、一人15ドルほどでした。メニューは、伝統的というよりは、韓国の若い方々に人気のものと思われます。お客さんは、韓国や地元の若い方が多いようでした。お試しください。なお、63通りにも同じお店があります。

GOGOS
https://web.facebook.com/Gogos_cambodia-1159681310715585/

部隊チゲ(左)とサムギョプサル。ボリュームたっぷりで、お腹一杯でした。



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感染疑いの香港クルーズ船 シアヌークビル港に入港

2020年02月21日 | 経済
 2月13日、新型コロナウイルスに感染した疑いのある乗客がいるとして、日本などが入港を認めなかったクルーズ船「ウエステルダム」は、カンボジア・シアヌークビル港に入港しました。14日午前から乗客が下船を始めています。クルーズ船の乗客は1455人、乗員は802人で、日本の国土交通省によると、うち乗客4人と乗員1人が日本人とのことです。カンボジア保健当局は、クルーズ船で体調を崩している20人の検査を行ったところ、新型コロナウイルスへの感染は確認されなかったとしています。下船した乗客は、大型バスでシアヌークビル空港に移動したあと、専用チャーター機でプノンペンの空港に向かい、そこから帰国の途についています。
 フン・セン首相は、船の乗客を埠頭で出迎え、マスク無しで握手やハグまでしていました。お得意のパフォーマンスではありますが、ここまでリスクをとるトップはなかなか見当たらず、修羅場をくぐってきた人にはかなわないと感じさせます。今回の入港やその後の対応には賛否両論あるものと思われますが、感染のリスクを見極めたうえで人道的配慮を行って決定されたものと見られます。また、このクルーズ船と全く関係もないにもかかわらず、後発開発途上国であるカンボジアが入港を認めて対応したことは、評価されてしかるべきかと思われます。
(写真は、フン・セン首相のフェイスブックより)



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リネットジャパン カンボジアでネット銀参入検討

2020年02月20日 | 経済
 2月13日、リネットジャパングループ株式会社は、フィンテックやブロックチェーンの技術開発を行うベンチャー企業であるソラミツ・ホールディングスAGと、ネット銀行参入を目指しカンボジアにおいて合弁会社を設立することで基本合意したと発表しました。出資比率リネットジャパン社80%、ソラミツ社20%で、2020年4月を目処に設立を予定しているとのことです(資本金額は未公表です)。
 リネットジャパンは、カンボジアで子会社チャムロンマイクロファイナンスを運営し、農村地域を中心にマイクロファイナンス事業を展開しています。また、ソラミツ社は、世界に先駆ける形でブロックチェーンを活用したカンボジア国立銀行のデジタル通貨決済システム「バコン」を開発しています。両社の提携により、バコンを活用したビッグデータビジネスを手始めに、2021年ごろのネット銀行業務への参入、および農村をはじめとした地域における金融包摂の推進を目指すとしています。
 カンボジアでは、日本とは違ってしがらみのない自由な環境で、フィンテック等の開発が柔軟に行えるという利点があります。こうした環境を活かして、世界に先駆けるシステムを開発していくことは、カンボジア経済が目指す方向と一致しているものです。日本のIT関係企業、フィンテック企業等が、カンボジアに更に進出してくることが大いに期待されます。

リネットジャパングループ株式会社の発表
https://corp.renet.jp/wp/wp-content/uploads/2020/02/20200213.pdf



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カンボジアの電力事情2019 電力需要が急増

2020年02月19日 | 経済
 カンボジア電力庁(Electricity Authority of Cambodia: EAC)は、2019年年次報告書「カンボジア電力開発の概要」を発表しています。
 2019年末の設備容量は、前年末の2635MWから28.3%増の3382MWに増加しました。なお、この数字は、周辺諸国からの輸入枠(627MW)と自家発電設備(400MW)を含んだものです。年間発電量は、前年の9739GWhから23.4%増加して1万2015GWhに達しました。過去15年間で、設備容量は14.5倍に、発電量は12倍に急増しています。2020年の発電量の予測は、前年比16.4%増の1万3981GWhに達する見込みです。
 2019年は、国内での発電量が74.8%、ベトナム、タイ、ラオスからの輸入電力が25.2%となっています。国内の内訳は、水力33.5%、石炭火力32.6%、石油火力5.8%、再生可能エネルギー1.3%、自家発電1.5%等となっています。輸入電力の比率が一時は60%にも達していましたが、国内での発電所整備が進み、輸入電力の比率は2018年には16.1%まで大幅に低下しました。しかし、昨年の乾季に電力需給がひっ迫し計画停電に追い込まれたこともあり、2019年の輸入電力量はほぼ倍増しました。
 送電線も整備が進み、115KVと230KVの基幹送電線は総延長2267kmに達しています。建設中・計画中の送電線は、1750kmとなっており、一部は超高圧の500KVとなる予定です。
 全国送電網と接続している村落数は、1万3131村で、全体の92.7%となっています。世帯ベースでは、357万世帯中268万世帯が電化されており、電化率は74.7%となっています。
 昨年の計画停電に懲りて、カンボジアではいくつもの発電所建設が進められ、送電網の整備も進められています。しかし、発電所の完成までにはまだ数年を要することもあり、当分の間は、電力需給は引き続きギリギリのラインが続くものと見られます。

カンボジア電力庁のサイト(英文です)
https://eac.gov.kh/site/index?lang=en



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第19回日本カンボジア官民合同会議

2020年02月18日 | 経済
 日本とカンボジアは、日本・カンボジア投資協定に基づき、概ね1年に1~2回の定期協議会を実施しています。2月12日にカンボジア開発評議会で第19回官民合同会議が開催されました。会議には、カンボジア側は、ソク・チェンダ・ソピア首相補佐特命大臣兼カンボジア開発評議会事務総長をヘッドに関係省庁の関係者が参加しました。日本側は、三上正裕日本大使をヘッドに、日本人商工会、JETRO、JICA等の関係者多数が参加しました。
 会議では、カンボジアの投資環境を改善するために、日本企業が直面する問題について、政策・法律といった大きな課題から、事務手続きの改善といった個別の課題まで、幅広く取り上げられました。今回の会議では、優先重点案件として、物流関連(ストゥンボット国境早期開設、国境通関の迅速化/24時間稼働)、税制関連(QIP企業へのミニマム税免除の規定明確化)、年功補償、電力関連(電力料金の低減、計画停電の事前通知)の4分野を中心に議論されました。
 また、今回初めて「政策提言書」が日本側からカンボジア側に提出されました。会議に先立って、三上大使はフン・セン首相と面談し、政策提言書を直接提出するとともに、その概要を説明し、投資環境改善へのカンボジア側の協力と努力を求めました。これに対し、フン・セン首相からは、カンボジア側としても日本企業からの要望を最大限取り入れて投資環境改善に努力したいとの前向きの回答があったとのことです。
 多数の問題があり、すぐには解決できないものもありますが、個別の課題について一つ一つ地道に取り組んで解決していくことが重要と見られます。また、日本側も、問題を指摘するだけでなく、解決案を提示したり、問題に詳しい専門家を派遣する等、カンボジア側と協力して対応する姿勢です。この会議を通じてこれまでも、カムコントロールの国境検査廃止、電力料金の引下げ方針等、いくつもの問題が解決されてきています。こうした地道な取り組みが、カンボジアの投資環境の改善とカンボジアでの日系企業の発展、更には、カンボジア経済の成長と日本・カンボジアの二国間の友好関係の深化に繋がることが大いに期待されます。

会議に先立って行われた三上大使とフン・セン首相の会談(AKPより)



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年02月17日 | 一般
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EU カンボジアに対する特恵関税を一部停止

2020年02月17日 | 経済
 2月12日、欧州連合(EU)の欧州委員会は、カンボジアに適用している貿易優遇措置の一部を停止すると発表しました。フン・セン政権が2018年の選挙がらみで強権的な対応をとったこと等から、「組織的かつ深刻な人権侵害」が続いていることを理由としています。全品目ではなく、衣料品や靴の一部、砂糖などが対象で、影響額はカンボジアの対EU輸出総額の約2割に当たる10億ユーロ(約1,194億円)程度となる見込みです。6カ月の経過期間ののち、8月12日から施行することとなります。
 EUはカンボジアを含む後発開発途上国に対し、無関税、数量無制限で対EU輸出を認める特恵関税制度「武器以外全て(EBA)」を適用してきました。2019年2月以来、カンボジアの民主主義の状況や人権・労働者の権利等につき調査を行った結果を基に、今回の決定を行ったとしています。
 これに対し、カンボジア政府は、「不当な決定で遺憾だ」との声明を発表し、「決定は政治的なもので、客観性と公平性が欠如している」と主張しています。また、主要国の反応では、米国は特段の反応を示していません。日本も「異なるアプローチ」をとるとしており、粘り強く我慢の外交を続ける方針と見られます。政権の後ろ盾となっている中国は、2月5日にフン・セン首相とか北京で会談した習近平主席が「「どのような結果になってもEUに屈するべきではない」と述べています。
 全面停止ではなく、EU向け輸出の2割程度に影響が出る程度としてはいるものの、対象となった縫製品等は他国でも生産可能であり、カンボジアの縫製業は大きな影響を受けるものと見られ、生産停止や工場閉鎖等により、雇用にも影響が出ることが懸念されます。新型肺炎による中国経済のスローダウンも重なって、カンボジア経済の今年の成長率は下振れすることが確実と見られます。

EUの発表(英文です)
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_229

日本経済新聞2月14日の記事(10面) カンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストの鈴木博のコメントも入れていただいております。
https://www.nikkei.com/paper/article/?n_cid=kobetsu&ng=DGKKZO55586700T10C20A2FFJ000



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