国家統計庁から発表された2019年1月の物価上昇率(対前年同月比)は、1.6%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2013年後半から若干の上昇が続いた後、2014年後半から下降し、2015年終盤から若干の上昇に転じています。その後、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月は久しぶりに3%を超えてきましたが、11月は2%台に戻り、12月以降はさらに低下しました(2013年1月1.8%、2月1.7%、3月1.0%、4月1.0%、5月2.8%、6月2.9%、7月4.1%、8月3.4%、9月3.9%、10月4.2%、11月4.1%、12月4.7%、2014年1月4.5%、2月4.3%、3月5.0%、4月4.9%、5月4.6%、6月4.9%、7月4.3%、8月4.1%、9月3.6%、10月2.9%、11月2.4%、12月1.1%、2015年1月0.4%、2月1.6%、3月1.1%、4月1.2%、5月1.0%、6月0.7%、7月0.8%、8月1.0%、9月0.9%、10月1.3%、11月1.9%、12月2.8%、2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%)。なお、12月と比べると1月は0.02%の下落でした。
ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いており、12月の3555リエル/リットルから、1月は3221リエル/リットルに下落しました。ディーゼルは、12月の3505リエル/リットルから、1は3192リエル/リットルに下落しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、2018年6月末には74ドル/バレルを超え、1年で76%も上昇しました。カンボジアのガソリン価格も、この国際価格の動きを受けて上昇し、6月には一時4300リエル/リットルまで上昇しました。7月の総選挙も見据えて、カンボジア政府は、石油製品価格の急激な上昇を緩和するために、7月1日に石油製品の特別税の減税を行い、7月末現在でガソリン小売価格は、3950リエル/リットルまで下がりました。しかし、10月には4250リエル/リットルまで上昇しました。国際価格は10月前半に76ドル台でピークを付けた後、12月には40ドル台中盤まで急落したため、カンボジアのガソリン価格も低下しました。国際価格は、最近50ドル台まで戻しており、カンボジアのガソリン価格も反転してきています。
国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2018年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.6%、世界銀行は3.2%、国際通貨基金(IMF)は2.5%、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は3.1%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。1月19日撮影)
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