カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

リアム海軍基地 またも中国軍進出疑惑

2023年03月31日 | 経済
 3月中旬、欧米メディアは、カンボジア南部シアヌークビル郊外のリアム海軍基地への中国軍進出疑惑について報道しました。最新の衛星画像では、リアム海軍基地周辺の景観が大きく変化し、新しい建築物が建てられたり、大規模な整地が行われたりしていることが一目瞭然となっていると指摘しています。これに対し、3月16日にフン・セン首相は、「根拠のない非難だ」と否定しています。
 2022年6月、リアム海軍基地で中国支援による改修工事が開始されました。カンボジア側は、今回の工事は、同基地の「近代化」を念頭に置いたものであり、乾ドック、埠頭、船台といった設備の建設・改修を行うものとしています。他方、米国等は、カンボジアと中国がリアム海軍基地の利用に関して秘密合意を行っていると批判しており、中国軍の拠点拡大の兆候として警戒しています。
 リアム海軍基地は、シアヌークビル空港の南の海岸にある小規模な基地で、現在は、桟橋が1本あるだけです。また、周辺海域は、水深が浅く、大型船舶の入港は現状では困難と見られます。直ちに中国海軍の軍事拠点となるのは難しいものの、タイ湾の湾口を押さえる重要な戦略拠点となりうる場所にあり、万が一にもこの基地が中国の手に落ち、中距離ミサイル等を配備された場合、タイや周辺諸国との海上サプライチェーンの安全保障に重大な脅威となりかねません。また、3300メートル級の滑走路を有する空港が近いこともあり、航空輸送で展開可能な電子戦部隊の進出等も危惧されます。
 2022年11月、ASEAN 関連首脳会議のためにカンボジアを訪問したバイデン米国大統領は、フン・セン首相と首脳会談を行いました。この会談で、バイデン大統領は、リアム海軍基地問題を取り上げました。米国としては、絶対に譲れない一線(レッドライン)を明確にカンボジア側に伝える意図があったものと見られます。本件の取扱いはカンボジアにとって非常に重要なものとなりかねません。米中対立激化の中で綱渡り外交を続ける小国カンボジアにとって、慎重な対応が必要な状況と見られます。
(写真は、リアム海軍基地の入口)

Naval Technologyの記事(英文です。衛星写真が見られます)。
https://www.naval-technology.com/features/chinas-secret-naval-base-in-cambodia-through-satellite-imagery/


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カンボジア 新たな電力開発マスタープラン アジア開発銀行も協力

2023年03月30日 | 経済
 3月16日、鉱業エネルギー省は、アジア開発銀行の支援を受けて、プノンペンで新たな電力開発マスタープランと国家省エネ計画を紹介するための電力フォーラムを開催しました。電力開発マスタープランは、今後20年間の電力需要の増大の長期見通しに対応するための発電所の増強や送配電網の拡充を実施するための計画です。国家省エネ計画は、2030年までに省エネを実施しない状態と比較して19%の省エネを達成するとの目標を設定しています。
 フォーラムに参加したスイ・セン鉱業エネルギー大臣は、パリ協定等の国際公約を遵守しつつカンボジアのエネルギー転換を図る重要性を強調しました。サイ・サマル環境大臣も、カーボンニュートラル長期戦略の目標を達成することの重要性を指摘しました。アジア開発銀行は、クリーンなエネルギーへの転換を図るカンボジアの努力を評価するとともに、アジア開発銀行としてもプロジェクトへの支援や技術協力によってカンボジアへの支援を続ける姿勢を示しています。アジア開発銀行は、これまでにも、送電網の整備、官民連携(PPP)を活用した太陽光発電所の拡充、蓄電システム等の新たな技術の導入等を支援してきています。
 カンボジア政府も脱炭素を目指して石炭火力発電所の新規開発は行わない方針を決定しています。他方、電力需要は大幅な増加を続けており、引き続き発電所・送電線等の拡充努力を地道に続けていくことが必要と見られます。その際に、太陽光発電等の持続可能型エネルギーの活用を図る必要もあるものと見られます。電力需要急増への対応、電力の安定供給、電力料金の低減、クリーン電力への転換等の目標を同時に短期間で達成するのは容易ではないものと見られ、現実的な対応も取り混ぜてバランスの取れた対策を継続していくことが必要と見られます。
(写真は、シアヌークビル郊外の中国系石炭火力発電所)

アジア開発銀行のフェイスブック(英文です)
https://web.facebook.com/ADBCambodia/posts/pfbid0QESo3g9Gawe2MKtgXt6DW2RyLueCVyBdFTXAnqGUF4x1TY9VxnoV9TV3JEdc8LWGl


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経済財政省 5角形戦略を策定へ アジア開発銀行も協力

2023年03月29日 | 経済
 3月16日、経済財政省はアジア開発銀行と共催で、セクター別政策協議を開催しました。協議では、スキル開発、教育、エネルギー、農業等のセクターについて協議されました。協議には、カンボジアの関係省庁や世界銀行、フランス開発援助庁等が参加しました。
 経済財政省のボンセイ・ビソット次官(首相付大臣)は、新型コロナからの回復と成長、気候変動や地政学的リスクの脅威に触れつつ、次の5カ年計画(2024年~2028年)となる「第1期5角形戦略(Pentagon Strategy – Phase 1)」を策定するための助言を求めました。
 カンボジア政府は、2004年7月に、「四辺形戦略(レクタンギュラー・ストラテジィ)」を打ち出しました。これは、四角形の真ん中に政策の中核となる「良き統治(グッド・ガバナンス)」を置き、四つの辺に、農業セクターの強化、インフラの復興と建設、民間セクターの開発、人的資源の開発を置いた戦略です。その後、5年毎、選挙の年に改定されてきました。今回からは、5角形の戦略とする模様です。
 今回の協議では、人的資源開発、気候変動対応(グリーンエネルギーへの転換)、新技術の導入等が協議されました。また、5角形戦略については、ガバナンスの改善、組織能力の改善、ジェンダー主流化、デジタル化、イノベーション等の必要性が指摘されました。
 カンボジアは、リーマンショックや新型コロナを乗り越えて、発展を続けてきました。今後も、様々な課題に対応しつつ、成長を確保していくことが必要であり、メリハリのある5角形戦略が策定されることが期待されます。

アジア開発銀行のフェイスブック(英文です)
https://web.facebook.com/ADBCambodia/posts/pfbid02M3YxVLUfRbaSAm7wFSFkF4XSVg3erD5VD3co18oX3sufXpfHG8CGbWd1qNVwmghwl


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公共財政管理改革プログラム(PFMRP) 第4期始動

2023年03月28日 | 経済
 3月20日、プノンペンで公共財政管理改革プログラム(PFMRP)第4期の開始式典が開催されました。フン・セン首相、オウン・ポン・モニロット経済財政大臣他多数が出席しました。
 公共財政管理改革プログラム(PFMRP: Public Financial Management Reform program)は、カンボジア政府が取り組んでいる改革のうち、もっとも重要なもののひとつです。日本を始めとする各国(フランス、イギリス、オーストラリア、スウェーデン等)、国際機関(世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行等)が支援を約束し、進められてきています。2004年に合意され、2004年から既に18年間進められ、第4期は、2023年~2027年を対象としています。第1期(2004年~2008年)は「予算の信頼性」、第2期(2009年~2015年)は「財政のアカウンタビリティ(説明責任)」、第3期(2016年~2022年)は「予算と政策の連携」に重点を置いてきました。今回の第4期では、「実績のアカウンタビリティ(説明責任)」に重点を置くとしています。
 式典で、フン・セン首相は、この改革プログラムによって、カンボジア政府の自主性と役割が増大し、30年前には予算の3分の2を占めていた外国の支援を、現在は20%以下にまで減少させることができたとしています。オウン・ポン・モニロット経済財政大臣は、PFMRPにより公共財政システムの強化とガバナンスの改善が実現できたと述べました。
 大変に息の長いプログラムですが、課題を一つずつ地道に改善してきたものであり、今後も粘り強く取り組みが続けられていくことが期待されます。
(写真は、AKPサイトより)

公共財政管理改革プログラム(PFMRP)のサイト(英文です)
http://www.pfm.gov.kh/

ブログ「カンボジア経済」2016年3月30日「公共財政管理改革プログラム(PFMRP)第3ステージ発動」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/8504485f1c94b1317c9003dcd28942a4


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カンボジア 2023年2月の物価上昇率

2023年03月27日 | 経済
 国家統計庁から発表された2023年2月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、2.2%と、かなり落ち着いてきました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月以降は久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向にあります(2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%)。なお、1月と比べると2月は0.5%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。1月の4400リエル/リットルから、2月は4500リエル/リットルに上昇しました。ディーゼルは、1月の4600リエル/リットルから、2月は4650リエル/リットルに上昇しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、最近は70~80ドル前後の動きとなっています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しており、2022年中盤に急速に上昇しましたが、国際原油価格の下落を受けて落ち着いてきました。
 国際機関も2023年のカンボジアの物価上昇率については落ち着いてくるものと予測しています。アジア開発銀行は2.2%、世界銀行は4.2%、IMFは3.5%、AMROは3.0%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内の街角レストラン。お昼時は満員です)  



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年03月27日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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春分の日のアンコールワットの朝日が人気 東南アジア競技大会の聖火も採火

2023年03月26日 | 社会・風土
 3月21日の春分の日、世界遺産のアンコールワットの中央の尖塔の先端から昇る朝日を見に1万人近くの観光客が集まったとのことです。アンコールワットの日の出は、最近、観光の目玉となりつつあり、多くの観光客を集めていますが、春分・秋分の日は特に人気となっています。アンコールワットの正面は、正確に西側を向いており、春分・秋分の日は、アンコールワットの中央の塔の先端から昇る朝日を見るのに最適と言われているためです。アンコールワットの初日の出も、日本人としてはぜひ見たいのですが、東西南北をきっちりと出しているアンコールワットでは、春分・秋分の日もぜひ訪れたいものです。
 また、今年は、5月に開催予定の東南アジア競技大会(SEA Game)の聖火の採火式典も、同日にアンコールワットで行われました。式典には、シハモニ国王陛下もご臨席されました。聖火は、レンズで太陽光を集める方法で採火された模様です。聖火リレーはこれから、競技大会に参加する国々を回り、5月のプノンペンでの開会式に合わせて、カンボジアに戻ってくる予定とのことです。
(写真は、AKPより。資料)

アンコールワットから始まった聖火リレー(AKPより)



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ちょっと変わったカフェ 2d Cambodia

2023年03月25日 | 生活環境
 プノンペン中心部、バンケンコンに開店したちょっと変わったカフェ「2d Cambodia」です。インテリアは白黒で、二次元的に見えるようになっているようです。二次元の窓の外にはカンボジアの名所が描かれています。店員さんも白黒のメイド姿です。メニューは、「映える」ドリンクやデザート、フード類がいろいろあります。今回は、桃のスムージーとスヌーピーパンケーキをお願いしてみました。パンケーキは、メイドさんが可愛いパフォーマンスで持ってきてくれました。お客さんは、カンボジアや西洋系のお洒落な若い女性が多いようでした。ブームの先端なのかもしれません。カンボジアにもこんなところがあるという例を見るにはお勧めです。ぜひお試しください。

2d Cambodia
https://web.facebook.com/2dcambodiaphnompenh

メイドさんがスヌーピーパンケーキを持ってきてくれました。



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欧州議会 カンボジアの人権侵害に関する非難決議案を採択

2023年03月24日 | 経済
 3月16日、欧州議会は、イラン・チュニジア・カンボジアの人権侵害に関する非難決議を採択しました。カンボジアについては、拘束されている前野党党首ケム・ソッカ氏や野党関係者の即時・無条件の開放を求めています。更に、今年の総選挙の公平・公正・透明な実施を求めています。また、最近閉鎖されたラジオ局の復活を含めて、報道の自由を守ることも要求しました。カンボジアが応じない場合は、対象を限定した制裁を含む効果的な対策を実施するように欧州委員会に求めています。
 カンボジア側は直ちに反発し、カンボジア国会は、欧州議会の決議を拒否する声明を発表しました。声明では、欧州議会の決議は、国連憲章で規定された内政不干渉の原則に反するもので、カンボジアの主権を犯している上、一方的なものであると批判しています。
 欧州議会としては、総選挙前にカンボジアに釘を刺したかったものと見られます。なお、今回の決議については、賛成496票で採択されましたが、反対11票、棄権36票があったとのことです。
(写真は、カンボジア国会。とんがり屋根の建物。)

欧州議会の発表(英文です)
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20230310IPR77236/human-rights-breaches-in-iran-tunisia-and-cambodia


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リエルデー 「リエル」再導入43周年記念式典

2023年03月23日 | 経済
 3月20日、カンボジアの通貨「リエル」を再導入して43年となることを記念する式典「リエルデー」の様々なイベントが、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の主催で開催されました。今回は、プノンペンのイオン・ミエンチェイで、様々な展示や音楽イベント等も開催されました。
 原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
 ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。
 NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。
(写真は、現在建設中のNBC新本店ビルの完成予想図)

NBCのフェイスブック(クメール語)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial


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カンボジアで小規模下水処理法の実証事業 下水事業団

2023年03月22日 | 経済
 3月16日、日本下水道事業団と神鋼環境ソリューションは、「カンボジアにおけるPODコンセプトを用いた小規模下水処理法の現地適応性に係る実証事業」に関連し、実証結果報告セミナー及び視察会をプノンペン及びタケオ州バティ郡にて2月24日に開催したと発表しました。セミナーには、国土交通省、公共事業運輸省、タケオ州政府をはじめ、関係者約50名が出席しました。本件は、国土交通省2022年度下水道技術海外実証事業として採択されたものです。POD(プレハブ式オキシデーションディッチ法:Prefabricated Oxidation Ditch)とは、オキシデーションディッチ法の優れた特性を生かしながら、小規模施設向けにシステムのパッケージ化と部材のプレハブ化を行ったものとのことです。実証は、タケオ州バティのサムロン・ヤン市場周辺で、2022年10月~2023年3月に実施されたもので、神鋼環境ソリューションと日本下水道事業団は事業の一環として、小型下水処理設備(能力は日量100立方メートル)の設計、調達、製作、試運転に関する契約を締結していました。
 カンボジアにおける下水道整備はプノンペン都では汚水/雨水対策マスタープランが見直され本格的な下水処理施設整備が始まっている一方、地方都市では整備が追いついておらず、家庭排水の垂れ流しによる河川や湖沼の水質汚染問題が顕在化しています。また、地方都市では集落が点在していることから、集中処理では集水管設置コストが嵩むことが課題となっています。このため、日本国内でも多くの中小市町村で導入されている小型且つパッケージ化された下水処理装置を採用したとしています。セミナーでは、2022年10月から行っている実証試験について、建設や運転結果に関する説明、今後の取り組みや標準化による普及活動、下水汚泥による消化発電など、将来のカンボジアにおける下水及び汚泥利活用技術等について報告されました。
 日本は、カンボジアで上水道の整備に長年協力してきており、神鋼環境ソリューションもカンボジアで10件の浄水設備事業の受注実績を持っています。今後は上下水道を一体化した水処理事業を推進していきたいとしており、カンボジアの上下水道の整備が進んで行くことが期待されます。
(写真は、下水処理場への流入原水及び処理水。新聞発表より)

日本上下水道事業団の発表
https://www.jswa.go.jp/topics/2023pdf/230316kisya.pdf


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日本ASEAN友好協力50周年記念国際シンポジウム カンボジアからも

2023年03月21日 | 経済
 3月16日、日本ASEAN友好協力50周年を記念し、国際シンポジウム「新たなステージを迎えた日・ASEAN関係 グローバル・パートナーシップの構築に向けて」が国際交流基金の主催にて東京で開催されました。ASEAN独自の地域協力の構想「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の形成に大きく寄与したマルティ・ナタレガワ元インドネシア外務大臣や、「アジアのノーベル賞」として名高いマグサイサイ賞を主宰するラモン・マグサイサイ賞財団のスーサン・アファン理事長ら東南アジアを代表する知識人や次世代の有識者13人が来日し、日本の有識者と次の半世紀に向けた新たな日・ASEAN関係について議論しました。カンボジアからは、中央銀行であるカンボジア国立銀行のチア・セレイ副総裁が参加しました。シンポジウムでは、政治(世界/地域の平和と安定に向けて)、経済・社会(持続可能で豊かな社会の実現に向けて)、文化(人々の相互理解と信頼醸成に向けて)の3つのパネルが設けられました。
 本年は、日本ASEAN友好協力50周年の歴史的な節目であり、日本とASEANの双方で50周年を一層盛り上げる観点から、記念行事・交流事業が官民で実施される予定です。このため、日・ASEANセンターの50周年特設ウェブサイト上で、公式ロゴマークとキャッチフレーズ「輝ける友情、輝ける機会」の使用を認定する事業の募集が行われています。
(写真は、カンボジア国立銀行のフェイスブックより)

国際交流基金のサイト
https://www.jpf.go.jp/j/project/intel/exchange/asean/symposium/2022/03-01.html


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カンボジア政府 水道法を公布 日本が支援

2023年03月20日 | 経済
 3月11日、カンボジア初の水道法(Clean Water Management Law)が公布されました。水道法では、きれいで安全で安定した給水サービスが適切な料金で提供されることにより、カンボジアの全ての人々の生活水準と公共の福祉の向上を目指すための枠組みを定められています。今回の水道法については、長年カンボジアの水道整備に協力してきた日本が支援して実現したものです。特に、「プノンペンの奇跡」とも言われるカンボジアの水道復興を20年以上にわたり支援してきた北九州市上下水道局等が重要な役割を果たしました。
 チャン・プラシット工業科学技術革新大臣は、「この法案は、日本の支援で作成されたもので、上水道セクターにおける重要な最初の法律である」と報告しました。フン・セン首相からもカンボジアの発展に常に寄り添ってくれた日本政府と日本の人々に深く感謝するとのコメントがあったとのことです。
 カンボジアの地方部では、まだ天水に頼っているところもあります。また、小規模な水道業者も多く、家族経営を含む大小の民間水道事業体が乱立しているのが現状です。こうした中で、今般制定された水道法の理念と規定に基づき、カンボジアのすべての人々がきれいな水と安全で安定した給水サービスを適切な料金で享受できるようになることが期待されます。
(写真は、日本の円借款で建設されたプノンペンのニロート浄水場)

国際協力機構の発表
https://www.jica.go.jp/press/2022/20230313_30.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年03月20日 | 一般
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日本への一時帰国2023冬 カンボジアはコロナ関連の入国規制を全て撤廃

2023年03月19日 | 生活環境
 日本に一時帰国した後、カンボジアに戻る旅の実際です。カンボジアは、既に新型コロナ関連の入国規制を完全に撤廃しており、証明書等の書類は一切必要ありません。
 出発当日は、リムジンバスで東京シティエアターミナル(TCAT)から成田空港に向かいました。TCATは、すっかりさびれていて残念な感じでした。今回の帰途は、アシアナ航空でインチョン経由でした。成田でのチェックイン時には、コロナ関連の特段のチェックはありませんでした。成田空港の商店街や免税店街は、前回(昨年12月)は半数程度が開店している感じでしたが、今回も未だにシャッターが閉まった店が数多く見られました。楽しみにしているつけ麺の富田は休業が続いていました。
 アシアナ航空に搭乗すると、特段変わったところはありません。インチョン空港では、トランスファー客については、到着時のコロナ関連のチェックはなく、セキュリティーチェックも特段変わったところはないようでした。インチョン空港の免税店は、全店が開店しており、賑わいを取り戻していました。ほんのわずかな政策的な違いや、やる気の違いが、結果として成田空港と大きな差となっていると思われます。
 プノンペン空港では、コロナ関連規制が撤廃されているので、必要書類は、いつもの入国カード・税関申告書だけです。いつもと変わらない入国手続きを終え、荷物をターンテーブルからピックアップして、税関を抜ければOKです。到着からここまでにかかった時間は15分ほどで、非常にスムースでした。成田空港到着時の手続の煩雑さと比べると、はるかに合理的・効率的で、非常にスムースでした。日本到着時の手続の早期改善が必要であると強く実感します。
(写真は、まだ多くの店が閉店中の成田空港第1ターミナルの商店街。3月9日撮影)



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