カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

カンボジア 人民元国際決済システムへの参加を検討

2023年02月28日 | 経済
 2月13日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、フン・セン首相の中国訪問に関連し、カンボジアも人民元国際決済システムへ(CIPS)の参加を検討していると発表しました。人民元国際決済システムは、中国の人民元建での外国送金と貿易清算、決済手段を提供する決済網で、2021年時点において103カ国・地域の1280の金融機関が接続しているとのことです。
 NBCでは、カンボジアも2015年の人民元国際決済システムの設立以来、参加を検討してきたとしています。今般のフン・セン首相訪中時の首脳会談で原則合意がなされたことから、参加手続きが促進されると期待しています。
 中国はカンボジアの貿易にとって重要な相手先となっており、2022年は、輸出で第3位、輸入で第1位の相手先となっています。こうした中で、人民元国際決済システムに参加することにより、貿易通貨として人民元をより便利に利用できる効果が期待されています。また、人民元建てでの貿易が増える場合には、外貨準備としても人民元の比率が高まる可能性があります。
 人民元国際決済システムの利用は、世界的に拡大している模様です。大和総研によりますと、人民元国際決済システムを使った一日当たりの平均の決済件数は先月、ウクライナ侵攻前の1.5倍の2万1000件に上りました。また、2022年12月までの1年間で100を超える金融機関が、新たにネットワークに参加しました。その背景として、欧米等によるロシア制裁があります。国際的な決済システムとしては、約200の国・地域の金融機関が利用するSWIFTが主流ですが、欧米や日本は、ロシア経済に打撃を与えるため、SWIFTからロシアの特定の金融機関を締め出しています。このため、人民元国際決済システムをロシアに加えて欧米の制裁を警戒する国々が利用していると見られます。カンボジアが人民元国際決済システムへの参加を検討しているのも、万一の際に備えるという意味もあるものと見られます。
 他方、カンボジアは高度にドル化された経済であり、市中通貨・預金通貨の8割以上がドルであると見られます。また、貿易決済通貨もほとんどがドル建てであり、カンボジア国内での大口取引や給与もほとんどがドル建てとなっているのが実情です。このため、通貨当局としての中央銀行は、現地通貨リエルの対ドル為替レートの安定に努めてきました。こうした中で、人民元の使用が増えた場合、為替市場のかく乱要因となる可能性が高く、万一にもリエルの対ドルレートが不安定化した場合、通貨・金融市場に対し大きな影響が及ぶ可能性があります。中央銀行の慎重な検討と漸進的な対応が必要なものと見られます。
(写真は、NBCのチア・スレイ副総裁。プノンペンポスト紙より)


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祝900万PV達成 皆様のご愛顧に感謝いたします

2023年02月27日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、2023年2月27日に「900万PV(ページビュー)」を達成しました。このブログは、2007年11月11日に開始し、2011年12月13日に100万PV、2013年4月19日に200万PV、2014年8月8日に300万PV、2015年11月21日に400万PV、2017年6月29日に500万PV、2018年9月11日に600万PV、2019年11月20日に700万PV、2021年3月27日に800万PVを達成し、更に約1年11カ月でこの記録に達しましたこと、本当にうれしく思っています。これも皆様のご愛顧の賜物と心より感謝申し上げます。
 ブログ「カンボジア経済」では、カンボジアの経済情報を今後ともビビッドにお届けして参りたいと思っております。引き続き、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 なお、幣研究所では、週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレスから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

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日本政府 カンボジアの地雷対策等を展示する平和博物館建設を支援 

2023年02月27日 | 経済
 2月9日、駐カンボジア日本国大使館の植野篤志大使は、シェムリアップ州にある地雷対策平和博物館を視察しました。博物館では、カンボジア地雷対策センター(CMAC)のヘン・ラタナ長官からカンボジアの紛争の歴史や地雷・不発弾の処理状況、CMACの活動概要について説明を受けました。
 日本政府は、2022年11月12日にカンボジア地雷対策センター研修複合施設及び広報施設建設計画に対して無償資金協力(24億5100万円)を供与しています。この計画は、カンボジア地雷対策センターの研修機能を担う地雷対策技術研究所の施設に加えて、広報施設である地雷対策平和博物館の整備を行い、地雷対策関係者に対する教育訓練環境の改善及び地雷問題の理解促進及び啓発を目指すものです。地雷対策平和博物館は、カンボジアにおける内戦から復興・開発までの歴史や、その中での地雷除去が果たした役割等を発信するもので、国内外の一般の訪問者や学生等に対して地雷問題に対する理解促進・啓発活動を行うために重要であるだけではなく、国内外の地雷除去関係者がカンボジアの内戦から復興・地雷除去の歴史等への理解を深める場としても期待されています。現在の施設は、老朽化等の問題もあるため、新たな博物館を建設する計画とのことです。
 日本政府も長年に渡り、カンボジアの地雷処理に協力してきています。本年1月には、日本政府とカンボジア政府は協力して、ウクライナの領土にロシア軍が設置した地雷の除去を支援するため、ウクライナの地雷除去要員15人を招いて、最新の地雷探知機の使い方などを身につける訓練を実施しています。

国際協力事業団の発表
https://www.jica.go.jp/press/2022/20221115_10.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年02月27日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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アーチ橋の遺跡 スピアン・コンポンクディ

2023年02月26日 | 社会・風土
 国道6号線沿い、シェムリアップ州にあるアーチ橋の遺跡です。通称は、場所の名前から「スピアン・コンポンクディ」ですが、正式には、スピアン・プラプトス(Spean Praptos、プラプトス橋)というようです。石造りのアーチ橋は、延長87m、幅17m、高さ10mという巨大なものです。12世紀末~13世紀初頭、王ジャヤーヴァルマン7世の統治中に建造されたとのことです。びっくりするのは、2006年まで国道6号線の橋梁としてそのまま使用されていて、この遺跡の橋の上をバスやトラックが走っていたということです。個人的には、好きな遺跡の一つです。国道6号線のすぐわきにあって。見やすいのも良いところです。プノンペン~シェムリアップを車で移動される際には、ぜひお寄り下さい。

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%88%E3%82%B9

この遺跡の橋の上をバスやトラックも行きかっていたそうです。現在もバイクは通行可能なようでした。



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プノンペンで鰻 鰻屋(UYA)

2023年02月25日 | 生活環境
 プノンペン中心部、ホテル東屋の1階に開店した鰻料理の「鰻屋(UYA)」です。店内は、木材を多用した和風な雰囲気です。伺ったのがプレオープン期間中だったので、メニューはまだ限定的でしたが、ひつまぶし(15ドル:約1950円)を頂きました。鰻も肉厚でふっくらした感じで美味しくいただきました。ひつまぶしは私の好物の一つで、お出汁をかけてお茶漬けにするのが好きです。今後、夜のメニュー等が増える予定とのことで、楽しみです。お客さんは、日本の方が多いようでした。お試しください。

鰻屋(UYA)
https://web.facebook.com/uya.cambodia

ひつまぶし。お出汁をかけてお茶漬けにするのが好きです。


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教育機関のMJQE IPOを申請

2023年02月24日 | 経済
 2月9日、教育機関のMengly J Quach Education Plc (MJQE)は、カンボジア証券取引所への上場を目指して新規株式公開(IPO)を行うための手続を進めていると発表しました。今年第2四半期に取引所の主市場(Main Board)への上場を目指しているとしています。申請は、1月26日に提出され、カンボジア証券取引機構(SERC)、カンボジア証券取引所(CSX)の審査が行われています。IPO対象となるのは株式の5.9%程度で約1000万ドル(約13億円)の調達を行う見込みです。IPOで調達した資金は、新校舎の建築等の投資に使用する計画です。
 カンボジア証券取引所の主市場への上場は、8社目で、2020年のペステック社以来で3年ぶりとなる見込みです。カンボジア証券取引所では、今年は、MJQEに加え、更に2社が上場を検討しているとしており、上場企業数の増加に期待を示しています。
 カンボジア証券市場は、2020~2022年は新型コロナの影響もあって株価は沈滞した状況が続きましたが、出来高はACLEDA銀行の上場もあって増加傾向にあります。新規上場により上場企業数が増加していくことは、市場の活性化にも効果があるものと期待されます。
(写真は、カンボジア証券取引所)

Mengly J Quach Education Plc (MJQE)のサイト(英文です)
https://mjqeducation.edu.kh/


免責事項
 カンボジア総合研究所の記事は、情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。弊研究所は、有価証券価格や為替レート等の上昇または下落について断定的判断を提供することはありません。弊研究所は、本記事の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではありません。投資にあたっては、お客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。


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日本人商工会 2022年度第2回労務セミナー

2023年02月23日 | 経済
 2月10日、カンボジア日本人商工会(JBAC)は、「2022年度第2回労務セミナー」をハイブリッド形式で開催しました。オンラインを含めて100名近くが参加した模様です。今回のセミナーでは、「労務関連の困りごとについて事例の紹介及び対応策や解決策」についてTMI SOHGOHの永田有吾弁護士より説明がありました。JBAC会員からの事前質問に答える形で、実務上の問題点と現状等について細かく説明されました。
 年金制度や年功補償といった比較的新しい制度の現状や課題、社員に対する懲戒処分や解雇・退職等に関連する問題、取締役への給与の取扱等について実務に基づく解説があり、大変勉強になりました。
 JBACでは、官民合同会議等を通じて、日系進出企業の直面している問題・課題等をカンボジア政府に対して提起し、その解決に向けて一緒に努力してきています。また、税務総局や関税消費税総局とも個別に協議し、会員向けのセミナー等も実施されています。今後も引き続き、分かりにくい制度の理解促進や、制度改善に繋げていく地道な活動が期待されます。
(写真は、プノンペン北部の高層ビル群)

カンボジア日本人商工会のサイト
https://jbac.info/


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中央銀行や銀行協会 非公認金融について警鐘

2023年02月22日 | 経済
 2月2日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)と国家警察は、非公認金融のリスクを警告する共同声明を発出しました。声明では、こうした非公認金融は、借入人に過剰な債務負担を負わせるだけでなく、重大な結果にもつながる懸念があると警告しています。非公認金融は、スマホのアプリやSNSを使って宣伝やサービス提供を行っているものが多いということです。これらの非公認金融は、中央銀行の認可を受けておらず、法定上限金利を上回る高金利を課したり、不正な契約書を使って借入人を騙したりしている模様です。その結果、過剰な債務を負って、重大な結果となっている例もあるとしています。また、こうした行為は、金融の安定性や公衆の信頼を傷つけ、カンボジアの銀行セクター全体に悪影響を及ぼすものだとしています。中央銀行と国家警察では、非合法の貸付だけでなく、非公認金融サービスの提供に関するあらゆる形態での宣伝に対し、厳しい法的措置をとると表明しています。また、国民に対し、こうした非公認金融からの借入を避けるとともに、疑わしい事例については当局に報告するように求めています。
 2月7日、カンボジア銀行協会(ABC)とカンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)は、共同して、非公認金融との戦いについて政府と協力する計画を策定すると発表しました。非公認金融は、高金利だけでなく、不正な契約書や脅迫・恐喝等の行為等により社会的な問題を引き起こしていると警告しました。両協会は、借入人に対する教育や指導を通じて、合法機関と非合法機関の区別や適正な借入の検討に役立てたいとしています。また、地方自治体に対しても、非公認金融の利用を避けるための指導を行って、地域住民への周知を徹底したいとのことです。
 金融リテラシーがまだ不十分なカンボジアにおいては、こうした不正行為が行われるリスクがある点には留意が必要と見られます。特に、オンラインで簡単に手続きできることを悪用する例もあるようで注意が必要です。カンボジア政府・金融機関等が共同して、こうした不正を許さないための努力を継続して実施することが期待されます。
(写真は、商業銀行最大手のACLEDA銀行)


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2022年 カンボジアから日本向けの輸出 大幅増加

2023年02月21日 | 経済
 日本の財務省貿易統計によりますと、2022年(1月~12月)のカンボジアから日本への輸出額は、対前年比32.5%増の2540億4402万円でした。また、カンボジアの日本からの輸入額は、対前年比5.8%増の672億5465万円でした。
 カンボジアから日本への主力輸出品である縫製関係は健闘しました。衣類(構成比62.9%)は対前年比30.8%増の1598億842万円、はき物(構成比12.0%)は45.3%増の304億3089万円、バッグ類(構成比8.4%)は29.8%増の214億4347万円となりました。また、日系企業が製造していると見られる自動車部品のワイヤーハーネス等の電気機器(構成比8.0%)は、24.1%増の202億2667万円と大幅増加でした。
 日本からの輸入品では、一般機械(構成比17.6%)が対前年比10.0%増の118億1353万円となりました。プルドーザー等の建設用機械は59.2%減でしたが、エアコンが57.7%増となったためです。また、電気機器(構成比13.9%)も36.5%増の93億6294万円となっています。輸送用機器(構成比19.5%)も24.9%増の130億8729万円となりました。自動車(構成比6.0%)が99.9%増の40億4416万円となったためです。この他、肉類(構成比10.6%)は55.6%減の71億4201万円となりました。日本の高級牛肉と思われますが、その大半は中国に再輸出されていると言われており、中国のゼロコロナ政策の影響を受けたものと見られます。
 2022年の対日貿易については、新型コロナの影響を厳しく受けるものと見られていました。しかし、輸出については、予想以上の健闘を見せた縫製・はき物・バッグ等の伝統的輸出品に加えて、日系企業製造の電気機器の輸出が増加して、総額でも大幅な増加となりました。なお、2022年は急速に円安が進んだために円建てでの金額が大きくなっているという要因もあるものと見られます。
 カンボジアからの輸出先(2022年)は、1位は米国で対前年比19.7%増の89億6873万ドル(約1兆1840億円)で、全体の39.9%を占めています。2位ベトナム、3位中国についで、日本は4位となっています。日本向けの輸出が順調に伸びていることは、輸出先の多様化や輸出品目の多様化といったカンボジア経済にとって重要な課題への対応にも貢献するものです。引き続き日本向けの輸出振興に向けた官民協力しての努力が期待されます。
(写真は、日本からの円借款等の支援で整備されてきたシアヌークビル港)


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アジア開発銀行 カンボジア郵便銀行と中小零細企業支援で協力へ

2023年02月20日 | 経済
 2月7日、アジア開発銀行は、中小零細企業の新型コロナからの回復を支援するため、カンボジア郵便銀行(Cambodia Post Bank)と1000万ドル(約13億円)の借款契約を調印したと発表しました。なお、50%以上の金額を女性が代表を務める中小零細企業に貸し付けるとしています。中小零細企業の金融アクセスの改善は、その企業の成長だけでなく雇用創出や広範囲の経済回復に大きな効果があります。運転資金や長期的投資資金を融資することにより、競争力を向上させ、国際的サプライチェーンへのアクセスを改善する効果が期待されるとしています。
 カンボジアでは、事業所の99.8%が中小零細企業ですが、これらの企業で銀行等からの借入を行っているのは20%以下と見られます。特に女性起業家は、公的な金融機関から借り入れが可能なのは5%程度ということであり、こうした企業への支援は喫緊の課題となっています。
 カンボジア郵便銀行は、カンボジア郵政公社も参加して設立された銀行で、郵便局も活用して銀行業務を行っています。カンボジア郵便銀行は、国内第5位のネットワークを有し、地方を含めて約25万8600人・社に貸付を行っています。
 カンボジアの産業界初政策の柱の一つである中小企業振興の最大の課題は、金融へのアクセスであると指摘されています。多くの中小企業にとって、こうした優遇条件での融資は、大きな役割を果たすものと見られます。カンボジア政府では、中小企業銀行や信用保証公社も活用して、中小企業向け金融を支援していく計画です。海外ドナーの資金も活用して、引き続き中小企業を支援していくことが期待されます。
(写真は、アジア開発銀行の発表より)

アジア開発銀行の発表(英文です)
https://www.adb.org/news/adb-and-cambodia-post-bank-sign-10-million-loan-improve-access-finance-msmes-cambodia


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2023年02月20日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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バレンタインデー2023

2023年02月19日 | 経済
 2月14日のバレンタインデーはカンボジアでも一大イベントです。日本では女性からチョコを贈る日となっていますが、カンボジアでは「A Day for Lovers」として、男性が女性をデートに誘ったり、プレゼントを贈ったりする日として定着しつつあります。街角には、花束やぬいぐるみを売るにわか露店(写真上)がたくさん現れます。街では夜遅くまで、花束を持った女性をバイクの後ろに乗せたカップルがたくさん見かけられます。
 新聞報道によりますとプノンペンの中流階級の若い男性の多くはこの日を「勝負の日」と考えているそうで、バレンタインデーは「1年で最も危ない日」と言われているとのことです。大人側は、この傾向をあまり好ましくは思っていないようで、教育省ではバレンタインデーに関する声明や通達を発表し、学校での適切な指導を行うことを求める等、対策に追われています。
 カンボジアのバレンタインデーは、バブルのころの日本のクリスマスイブを思い出させるような熱気もあり、国内消費拡大には、こういった若者が盛り上がるイベントも重要性が高いと感じさせます。

日本式にチョコをもらうのは、いくつになってもうれしいものです。



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コンポントム 静かな雰囲気のホテル Sambor Village

2023年02月18日 | 生活環境
 カンボジア中部のコンポントム州の州都のコンポントムにある静かな雰囲気のホテル「Sambor Village」です。世界遺産のサンボープレイクックの専門家の日本人女性が経営されています。場所は、コンポントム中心部から車で5分ほどですが、川に面した静かな環境です。入り口がちょっとわかりにくいのでご留意ください。ホテルは、池を囲んだコテージタイプです。レストランは、プールに面していて開放的なクメール建築です。今回は、ランチでお邪魔しました。メニューは、クメール料理中心ですが、トンカツやかつ丼等の和食メニューもあります。今回は、プールを見渡すレストランの2階で、クメール料理を頂きました。ほっとする味で、美味しく頂戴しました。お値段はリーズナブルです。他のお客さんは、日本の方のご家族連れでしたが、ファミリーでのんびり過ごすのには最適と感じました。なお、サンボ―プレイクックのガイドツアーも行っているそうです。また、シェムリアップとプノンペンの中間にあるので、車で移動の際のランチにも最適だと思います。お勧めです。ホテルでも食事でもぜひお試しください。

Sambor Village
https://www.facebook.com/SamborVillage/

日本語で書かれたnoteもいい感じです。
https://note.com/samborvillage

入口はこんな感じです。私も気が付かず通りすぎていました。


ホテルのお部屋はコテージタイプです。好い雰囲気です。



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フン・セン首相 中国訪問 共同声明を発表

2023年02月17日 | 経済
 2月9日~11日、フン・セン首相は、中国を公式訪問しました。北京で習近平国家主席や李克強首相と会談した他、中国の官民関係者多数と面談しました。また、カンボジアへの投資と両国間の貿易を促進するための会議に参加しました。今回の訪問には、プラク・ソコン外務大臣、パン・ソラサック商業大臣等の政府関係者、民間関係者等、約60人が随行し、首相の長男と三男も公式に同行したとのことです。
 習金平主席との会談では、習主席は「3年前、首相は雨にも風にもかかわらず訪中し、新型コロナウイルス感染症と闘う中国人民をしっかりと後押ししてくれた。中国・カンボジア運命共同体共同建設という新時代を切り開くことで、『3年前の約束』を果たすことができた」と述べました。これに対しフン・セン首相は「私も3年前の情景を覚えており、大変嬉しく思う。私はここに来て、中国の人々に寄り添って、共同で新型コロナウイルス感染症に対応した」と述べました。両首相は、両国の緊密な関係を相互に確認し、「ダイヤモンド協力」という名称の下、政治、製造、農業、エネルギー、安全保障分野に関し、さらに協力を深めることで合意しました。
 両国は、「新時代における未来を共有するカンボジアと中国の共同体の構築に関するカンボジア王国と中華人民共和国の共同声明」に合意し、発表しました。また、共同声明に関連した合意文書、カンボジア・中国開発協力計画(2023-2025)等、12の文書に調印しました。
 中国は、ゼロコロナ政策に失敗や不動産バブル危機等の影響を受けて経済が減速しつつあります。また、国際社会では、気球問題等の戦狼外交や問題行動を厳しく批判され、中国包囲網も形成されつつあり、苦しい立場に追い込まれています。そうした中で、カンボジアは、小国ではありますが中国寄りの姿勢を保っており、中国にとってはありがたい存在となっているものと見られます。現実派のフン・セン首相はこの機を逃さず、中国から様々な支援を引き出しており、米中冷戦の狭間での綱渡り外交を強いられる中で外交の巧さを感じさせます。
(写真は、AKPより)



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