英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

アニメ『AIの遺電子』 第8話「告白」

2023-09-04 17:33:04 | アニメ
第8話 ストーリー(番組サイトより)
バレンタインデーに愛情を伝える風習は未来も健在だが、人間の不器用さや鈍感さもまた健在だ。すれ違うこともあるけれど、勇気を出して踏み出せば、物語は動き出す。リサ、須堂、サバちゃんの3人も、例外ではなく……。


今回は“リピート”テーマ←違います!
バレンタインデーに纏わるエピソードで、《ヒューマノイドには恋愛感情は不要か?》というテーマだが、それほど“普遍的な問題”ではなく、“個人的な問題”と言ったほうがよい
(バレンタインデー……20世紀の製菓企業が始めたチョコレートの販売促進日)

(本題に入る前に)
隠しテーマ(“お題”と言った方が良いかも)――リピート
①(義理チョコをもらった患者に「本命いるの?」と訊かれて)
「今日来院した人には、みんなあげてます」

②(ホワイトデーに、その患者が”お返しチョコ”を贈呈の際)
「くれた人には、みんな返してるから」
 
③リサ「先生だけに…せ、先生だけにプレゼントと言うか…もう食べてる…」
(チョコレートケーキを食べて、ちょっとむせたような須堂を見て)
「無理して食べなくていいので…」と、リサが心配げに言う
須堂、おもむろに立ち上がり、じっと顔を見て
“うまい・不味い”で言ったら、何でもロボに作らせれば間違いないわけだ
 でも、リサが一生懸命作ったっていうストーリーは、ロボットには作れない。
 そういういろんなモノをまとめて食べるのが、人間の暮らしなんだと思うよ。
 ケーキ、ありがとな」
(リサ、うるうると感動)←やはり、リサは察する能力が低い。須堂は優しげなことを話すが、暗に…
「それで、その……お口に合いました?」
「………“うまい・不味い”で言ったら、何でもロボに作らせれば間違いないわけだ」(とリピート)………ガーン!

★リピートの真意……《更なる追及の質問は受け付けない》《察してくれ!》
 (②は、《バレンタインデーで他の人にもチョコはもらったよ。モテるんだぞ!》というアピール)


“試合に勝って、勝負に負けた”という例えは?……
(須堂のバレンタインデーでの対応に関して)
「“試合に勝って、勝負に負けた”ってやつだね」(三好レオン:愛称”サバちゃん”)
「その例えはよくわからないけれど、負けた気はする」(リサ)
……この例え、よく使われるけれど、よく分からないなあ……試合の勝ち負けに関しては勝ったが、内容としては負けていて、《実質は負け》、《勝った気がしない》ということなのだろうか?


患者:三好レオン(愛称 “サバちゃん”)
「(恋愛感情は)面倒。
 自分で気持ちコントロールできないし、そういうモノに振り回されるのは無駄。
 まして、私はヒューマノイドですから」
(「ヒューマノイドに恋愛は要らないですか?」)
「恋愛して繁殖している人間よりは、必要性ないと思う」


(いつも冷静に分析し、客観的姿勢を保とうとしている須堂だが)
今回の須藤……リサとその友人のレオンの友情(恋愛)ということもあり、かなり踏み込んだ言動
「彼女はキミのこと好きみたいだしなあ
 (彼女の口からは聞いてはいないが)でも、バレバレ。
 ”サバちゃん”とか言うらしいけど、全然、サバサバしていない。
 リサに気づいてもらえないのが辛くて、わざわざうちの病院に来たんだろう。
 それで、きみを困らせて…女々しいったらないねえ」
と、憎まれ口を叩き、リサを怒らせ、
「その意気で、彼女にも一言言ってやれよ。
 傷つけたり、傷ついたり…面倒だけどさ。
 怖がって何いわないのは、もったいないと思うぜ。友達なんだろう」


須堂に背中を押されて、リサも
「私もサバちゃんのこと好きなの。
 サバちゃんの好きとは違うけど、私はそのままの…恋しているサバちゃんが好き!」
「私が“そのまま”じゃなくなったら、好きじゃない(好きじゃなくなる)?」(レオン)
「そんなことないよ。サバちゃんはサバちゃんだから。
 “今のままのサバちゃんが好き”って、ちゃんと伝えたかったんだ


(リサの気持ちをぶつけられた後)
「恋ってのは、たいがいの人間が発症する病気なんですけどねえ。
 医者としちゃあ、極力放置したいってのが本音ですね。お気持ち変わりませんか?」(須堂)
「(涙を浮かべて)先生、わたし…」

 おそらく、施術は思いとどまったのだろう。(直接言葉に出すのも何だけど、もう少し、分かりやすくしてほしいなあ)
 いろいろな面倒(恋愛など悩み)を抱えて生きるのが人間(ヒューマノイドも含む)なのだろう。
 「私はそのままの…恋しているサバちゃんが好き!」
 「“今のままのサバちゃんが好き”って、ちゃんと伝えたかったんだ」
というリサの言葉に尽きる。
 面倒なものを切り捨ててしまったら、人間じゃないよなあ

 
【察しが悪すぎるリサ】
 「“うまい・不味い”で言ったら…」と須堂にリピートさせるなど、リサは“察し”が悪すぎ
 レオンに対しても、「第4話」の“ほのめかし”をスルーするのは仕方がないにしても、レオンに突撃告白を強いたうえに、その告白(片思いは目の前にいる)に対して、「えっ?どこ、どこ?」は酷い…

【義理堅くて完璧主義で気づかいのできる須堂】
・術式完了!
 綿密にプランニングし、それを精密に実行!
・手作りであることを、さり気なく隠す
 絶品の出来の須堂チョコ。チョコレートケーキが不出来だった気づけまいと、とぼける。


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』 第7話「人間」

2023-08-24 22:31:29 | アニメ
第7話 ストーリー(番組サイトより)
電脳に障害を負った老人の感情が、音楽に触れると戻ってくる――。そんな美談に裏の事情を嗅ぎ取った人権団体の男が、須堂新医院の門を叩いた。「人間の謝罪」にこだわるモンスタークレーマーに気を病んだヒューマノイドもまた、須堂に診察を求める。信念の交錯が生み出す、患者たちの意外な結末とは。


 タイトルは「人間」だが、第6話「ロボット」と同様に、“ロボット(ヒューマノイド)”と“人間”との関わりを描くことで、両者を描いている。
 例えば、第6話の《ケース1》では、伝統工芸を習得し記録する“覚える君”の習得過程がメインストーリーであるが、鍛冶職人・桐山の矜持(職人魂)がテーマであった。
 この7話のケース2では、人間のエゴを描き、そのエゴに振り回されるヒューマノイドの苦悩が主題であった。

 この第7話を見て、更に“ヒューマノイド”の設定が分からなくなってしまった……
 このアニメ、原作がそうなのかは分からないが、非常に不親切と言うか、“視聴者の解釈任せ”の傾向が強い。
 『世にも奇妙な物語』をオマージュ(尊敬し、影響を受けたり、その作品を目指したりする)しているように感じる。(今回のオチは、特にそう感じる)
 (そういったことを含めてレビューするか、最後にまとめて考察するか……取りあえず、「ケース1(患者1)」から)


患者1.後藤賢治――
 後藤賢治(ヒューマノイド)は、頭部に何らかの損傷を受け、主体性や見当識が著しく低下してしまった(情報を認識、把握、判断能力が低下し、意思を示さず、ぼ~としている)。運動機能も損傷し、車いす(自力で扱えない)生活。
 そんな状況ではあったが、孫娘の唄には反応を示す。歌声に和み、孫娘に話しかける。
 そういう後藤家の様子伝える映像では、「音楽や映画に触れたひと時、傷ついた健二さんの回路に人間性が戻ってきます」とナレーションが入っていた。
 この「人間性」という言葉は、後半パート(患者2)でも使われていたので、第7話のテーマ要素なのだろう。

 この映像を須堂に見せ、
「我々”ヒューマノイド・ライツ・ジャパン”としては、これを美談にして良いのか、疑問なんです。
 電脳をなおす方法がある…なのに、なおさない。……ネグレクトですよ」
と、掛居は主張。

 ネグレクト……決めつけが強い男だなあ。そもそも、”ヒューマノイド・ライツ・ジャパン”って何?
 台詞(音のみ)なので分からないが、この男が発した“なおす”って、「治す」?「直す」?…どちらなのだろう?

 掛居は、後藤一家を須堂医院に連れてきて、賢治を診察させる。
「ハードウェアの損傷はそれほどでもなさそうです。個性の根底を揺るがすような部位には障害はないと思われます。失われた機能を補うためのシステムを埋め込めば、お父さんの症状はほぼ治ると考えられます」という所見だったが、賢治の息子は治療(修復)をためらい、しばらく様子を見ることに。
 しかし、掛居は夜遅くに後藤家に電話して、今日のうちにお話ししたいことがあるとか言い、
「全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である(第一条)1948年の世界人権宣言の第一条にこうあります。ここでいう人間にヒューマノイドに含まれていません」と語る。

 現代(現実の地球)とリンクしているのなら、1948年には当然ヒューマノイドは存在していない。なので、《この人権宣言はヒューマノイドについては考えられていない》ということなのだろう。
 ……しかし、それが何なのだというのだ?掛居は、半ば脅すような口調で、賢治の治療に踏み切らせたが、《ヒューマノイドに人権はないというのなら、なおす義務はないのではないだろうか?》
 そもそも、“ヒューマノイド・ライツ・ジャパン”ってどういう組織?
 人権に拘っているようだ……「ライツ」=「権利」……ヒューマノイドの人権を守る人権団体ということらしい。
 で、先ほどの人権宣言を引き合いに出したのは、《世界人権宣言ではヒューマノイドの人権は保障されていないので、代わりに我々“ヒューマノイド・ライツ・ジャパン”がヒューマノイドの人権を守ってあげましょう》ということなのだろう。
 でも、そもそも、《いろいろあって?ヒューマノイドが人権を得て、人間とヒューマノイドが共生するようになった》のではなかったのだろうか?

ちなみに、【アニメサイトのINTRODUCTION】によると……
 21世紀に始まったAIの圧倒的な進歩は、社会の発展に寄与する一方、高い知性を持つ機械を道具として使う是非を、
人類に突きつけた。
 そして22世紀後半。人々は「産業AI」とは別格の存在として、人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている………


―――それはともかく―――
 最初は、「こころの輪」(←賢治が携わる青少年育成団体)を支援していた人権保護団体“ヒューマノイド・ライツ・ジャパン”の掛居が、賢治を本格治療しない現状に憤りを感じて、須堂に相談したのかと思ったが、かなり違った。
 独りよがりの正義を押し付ける人物だった。たぶん、勝手に押しかけ、後藤家にあれこれ指図していたのだろう。
 夜中に電話して、自分の主義を押し通そうとするなんて、迷惑行為も甚だしい。
 手術後にも、カメラクルーを引き連れ医院に押し掛けるし。

 ただ、賢治の息子は、手術(処置)には消極的なのが気になる。
 掛居は、《美談(孫の唄声が祖父の人間らしさを呼び起こす奇跡)で注目されたいのだ》と主張。
 私は、賢治の事故は息子か家族の仕業で、手術を受けることで、その記憶が復活してしまうことを怖れているのかな?と。

 まあ、《補修のため異物(回路)を挿入することに抵抗がある》とか、須堂も指摘したが《完全に元通りにするわけではないので、多少、人格に変化が生じることを怖れた》と考えるのが普通か。

 結局、賢治の回復を望み、手術を受けいれた。
 ………結果、自分の様子を世間に晒したことに怒り、暴れる。
 暴力的になったのは、手術のせい?…………と思ったが、
 賢治の息子曰く「須堂の治療方針は正しく、手術も精巧だった」と。
 事故前の賢治に戻っただけだという。世間的には人格者に見えた賢治だったが、家では暴君だった。

 《機能は回復しないが、温厚な賢治》と《元の暴君》とどちらが幸せだったのだろうか?……という『世にも奇妙な物語』風オチであった。
 賢治本人のことを考えると、“暴君”に戻すべきなのだろう。
 それはともかく、賢治の息子夫婦は、手術を躊躇する理由を話した方が良かっただろう。まあ、須堂も《元の状態(近い状態)に戻す》という主義であろうが、須堂の悩むす様子も見たい気がする(いや、けっこう、いつも悩んでいるのかも)


患者2.城崎――
 カスタマーセンターで働く城崎
 クレーマーの罵倒などに、胃の痛い日々

 「機械(AI)に謝ってもらっても、誠意を感じない。人間を出せ」など言われ、ストレスもリミットを超え、上司に辞職を願い出る。
  ……『人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている』はずなのだが、《ヒューマノイドは機械だ》という差別意識を持っている人間も多いようだ。


 それはともかく、「クレームには、外部委託の謝罪屋が対応するようになった」と告げる。
 
 謝罪屋は二人。部下役が、論理的にクレーム内容の検証をし、説明する。
 「ケルビン(色温度)値などを測定し、壁の色は照明によって違って見えるので、問題はない。謝罪はしない」と。
 納得しないクレーマー。押問答を続ける二人に、謝罪屋の上司役が切れて、部下役をぶん殴り、涙を流し、土下座して、“誠意”を見せる。
 この猿芝居にクレーマーも毒気を抜かれてしまう。

 この猿芝居をモニターで観ていた城崎が
「人間性の放棄だ~!」と叫ぶが、情に訴える人間性そのもののように思える。
 ただ、正当な商品を提供したのに、安易に謝ってしまって良いのだろうか?
 ちゃんと説明し、今回の場合なら、照明の色温度を調節して、お客の要求に応えるとかした方が良いような気がする。
 それに、謝罪屋も壁の色や材質と照明の色温度など、けっこう知識が必要で、その上、殴られるは、土下座するはで、けっこう大変。(人間か、ヒューマノイドか、産業ロボットか?不明)
 謝罪屋への支払いは高額なのでは?

 無茶苦茶怒っていたクレーマーだが、壁の色には本当に拘っていたように見えた。
 最初は、怒って、ごねて、“誠意”(謝罪金)をせしめようとする輩だと思ったが、どうなのだろう?
 電話クレームの対応としては、一旦、受け流して、その場はやり過ごし、クールダウンするのを待つのも一策かもしれないが、時間を引き延ばせば引き延ばすほど、怒りが蓄積する場合もあるので、そこら辺をプロの対応者は見極めるのではないだろうか?
 

今回(第7話)は、主体はヒューマノイドだったが、ケース1では、自分の主義を押し付けようとする人権保護団体・迷惑男の掛居、ケース2では、ヒューマノイドを差別し”機械”扱いするクレーマーの人間のエゴを描いていた


 
 それにしても、“ヒューマノイド”の設定がよく分からない。
 アニメサイトのINTRODUCTIONによると………
《高い知性を持つ機械を道具として使う》⇒《ヒューマノイドの人権を認める》という歴史
なので、
 “ヒューマノイド”は、《機械(道具)》⇒人権を持つ人間と同格の存在”に昇格したことになる(ヒューマノイドを機械と差別する人間も多いようだが)
 だとすると、《家族や友達として人間と共生している》という状況は、無理があるように思える。

 「第2話」は、タイムが縮まらないことに悩む陸上部員(ヒューマノイド)が主人公だった。
・ヒューマノイドの肉体は人工物でケガ(破損)しても取り換えが利く
・肉体は人間と同じくらいの性能で、伸びしろもある(「人間の方が伸びしろがある」と悩んでいた)
・老化もする
 ……つまり、人工知能であること以外は人間とほぼ同じ。

 今話(第7話)の松崎をはじめ、これまで登場したヒューマノイドは、感情も何ら人間と変わりなく、繊細とさえ感じられる。

 この人間に限りなく近いヒューマノイドだが、人工物(体の部位は交換可能、人工頭脳)という設定が奇妙なのだ。
 一番奇妙なのが、子どものヒューマノイドの存在。《子どもを失った母親が、その代わりを求める》という願いはあるかもしれないが、普通に子どもヒューマノイドがたくさん存在しているようだ。
 大人のヒューマノイドなら必要性があるように思われるが、単に産業面の需要なら、産業ロボットで良い。
 おまけに、家族として人間とヒューマノイドが混在しているが、生殖は可能なのだろうか?ヒューマノイドが人工物である以上、不可能のように思える。

 なので、《人間が病気や事故で、脳に障害が生じたり、損傷した場合に、それを補うために人工頭脳を取り換えるとか、装着した》という設定の方が、自然のような気がする。
 原作を読めば納得できるかもしれないが……


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』 第6話「ロボット」

2023-08-15 22:18:19 | アニメ
第5話 ストーリー(番組サイトより)
今やAIは、驚くべき学習速度で人間をあっという間に追い抜くことが珍しくない。伝統工芸の技を記録するため、山の鍛冶屋に弟子入りしたロボット・覚える君と、人とのコミュニケーションを学ぶために小学校に入学したロボット・パーマ君。彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは。


 タイトルは「ロボット」だが、上記のストーリーで記されている《彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは》というように、ロボットと正対した(真正面から向かい合った)人間の成長とも見られるストーリーだった。
 「第3話」で、《“産業ロボット”に心(感情)はあるのか?》を考察したが、今回のロボットの“覚える君”と”パーマ君”にも感情があるように感じた。


1.“覚える君”と名工――
 “覚える君”……伝統工芸の技を記録するために鍛冶職人に弟子入りした。
        刃物を製造するための産業ロボットではなく、名工の技術を記録するためのロボット。
        鍛冶職人自身も”時代遅れの仕事”と言っていたが、最新テクノロジーで名工の作るモノに匹敵する製品を大量生産でき、ロボットが一本一本作るのは生産性が低いのだろう。


 ”記録用ロボット”なのだが、けっこう個性的。真面目だが自信家で強情。
「そのような若者(挫けて去っていった弟子志願者)と私は別物です。
 手仕事を覚えるという点では、どんな人間よりうまくやる自信があります」

 この個性が、この“覚える君”だけのモノなのか、”覚える君シリーズ”の個性なのかは不明。(開発者の態度だと後者のような気がする)
 そういう個性であるが、非常に有能で、技術を会得し1週間で名工が作る刃物を再現してしまった。
 “再現”どころか“名工を上回る出来で、名工はショックを受ける。


 鍛冶職人・桐山……表彰を受けるほどの技術、腕前だが、“時代遅れの技術・仕事”だと“たそがれる”面もあった。

「(親父が作るモノより、大量生産品の方がよほどいい仕事に見えた」
「職人が機械に勝つ時代もあったが、昔の話よ」
「俺もだいぶ腕を磨いた。親父より良いもんを作っている。まあ、でも後生大事に受け継ぐようなもんじゃあないよな。
 使う人間なんていないんだからよ」
(大量生産品に負けたというより、鎌や鉈などを使うことがなくなったのだろう)

 《“覚える君”がたった1週間で自分を超えてしまった》ことにショックを受けるが、“覚える君”のおかげで《(自分の技の到達点を勝手に決めていたが)もっと良いものが作れることに気がつき、修練に励み始めた。(覚える君の開発者は、これまで何人もの職人を見てきており、桐山が立ち直ることを見越していた)
 修練に励む桐山を見て、開発者は
「我々はどのように記録すればいいのでしょう?……輝くこの汗を、この熱を!」

【味のある名工・桐山】
「ベースのAIは“富士山”という日本製のモノですが、私固有の名前としては、“覚える君”と呼ばれています」
「はあ? 先生さあ、もっと真面目に付けてやれよ!」

「鍛接は鍛冶屋の命だわなあ。よおく、色を見ておけ」
「何も教えないのではなかったのですか?」(“何も教えないからね。せいぜい、観て盗むんだねぇ”と言っていた)
「おらぁ、気まぐれなんでね。ロボットのおまえさんが、どんなモン作るのか、ちょっと楽しみでねえ」


2.“パーマ君”と少年・笹やん――
パーマ君……人間と生活することで、人間を学習し、経験を積むことが目的。
 いかにもロボット(人間ではないと一目でわかる容姿)だが、子どもの姿で愛らしい。



――パーマ君は、簡単なことができなかったり、すごいことが出来たりする
・計算は瞬時にできるが、計算式を書くことはできなかった
・大縄跳びは変な格好で跳ぶ(楽しかった)
・カッターナイフを使いすごいスピードで切り絵を作製
・牛乳を飲んで、ぶふぁ~と吹き出す
・ゲームをしたくて、雑巾がけを早く終わらせようとして、壁に激突し、目を回して星が出る


――パーマ君の進化
パーマ君は大勢いて、ネットで繋がっていて、経験を共有するのでどんどん成長する

――パーマ君の変化
切り絵をしなくなった……カッターが怖い。切られると怪我をする。(ほかの学校で虐められた経験をした)

 そんなパーマ君を励まそうと、大縄跳びに誘う……パーマ君は、一生、失敗しそうにない(2514、2515、2516回……)
《でも、こんなに喜んでいるんだから、ぼく…頑張るぅ!》
……ザシッ…「ああ、しまった!踏んでしまいました。皆さん、ありがとうございます。とても楽しかった」
  ……パーマ君は、気を使って、わざと踏んだ……みんなは、何となくわかった

夏休みが終わったとき、パーマ君はすっかり別人だった。
「今日は、みんなと遊ばないの?」
「ここからの眺め(教室からの校庭の眺め)、とても好きでしてね。今日はじっくり観たかったのです」
「先生から聞いたよ。もうすぐ、いなくなっちゃうの?」
「お別れは残念ですが、あと一か月はご一緒出来ますよ」
「パーマ君、変わったよね、この半年で」
「笹やんさんは、憶えていますか?夏休みに入るちょっと前のことです。
 私の縄跳びに、延々とつき合ってくれましたね。私の経験したすべての半年の中で、一番、素敵な時間でした。
 私のことを本気で友達にしてくれて、ありがとうございました」
「ぼくら、ずっと友達だよね」
「もちろんですとも、もちろんです」



 今回のロボットも心があるよね。(特にパーマ君)


【面積問題】三つの正方形の面積の合計を求めよ

 一番小さい正方形の1辺の長さをXcmとして、Ⅹ+Ⅹ+3+Ⅹ+3-2=13と方程式を立て、Ⅹ=3
 3×3+6×6+4×4=61   答 61㎠
とパーマ君は解いたが、小学生に求めた本来の解き方が分からない……


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』 第5話「調律」

2023-08-09 20:16:58 | アニメ
第5話 ストーリー(番組サイトより)
ヒューマノイドは人間とは異なり、電脳を書き換えることで様々な精神治療ができる。生きづらさを抱える患者に、そうした「調律」はどこまで許されるのだろう。睡眠に悩むワケありの男と、学校に馴染めずピアノを弾いてばかりの子供。2人の患者が須堂の心を揺さぶる。


患者1 松村
【症状など】
・悪夢、不眠症に悩んでいる(悪夢は《現実の日々が幻ではないかという不安》を暗示している?)
・《毎月、かなりの額をどこかの団体に振り込んでいる》ことを、妻が問いただすと「、非常にお世話になった伯父(叔父)さんの主宰する慈善団体に寄付している」と言うが、架空の団体らしい
【須堂の診断】
・松村には記憶を改ざんした形跡がある

  この処置に心当たりのある須堂は大学時代の友人・瀬戸を訪ねる(友人…学生時代のスナップ写真に写っている)
【松村の当時の状況】
 松村は当時、バーチャルポルノや電子ドラッグに嵌まるなど、自堕落な生活。
 松村本人は「酒さえやめられれば」と訴えるが……
【瀬戸の診断】
・アルコール依存症を直しても、また、別の何かに依存してしまう(その言葉に、松村は自分の駄目さを嘆く)
・頭も体も悪いところはない。悪かったのはあなたではない。あなたの人生だ!  と、人生そのものを否定!
【瀬戸の治療】
・自分史を振り返らせる
・要所で誘導して、過去(記憶)を改良していく
・松村の場合、《人生の支え》を創作してやれば、自然と立ち直る
《人生の支え》=架空の伯父さん
 「泣いているだけでは何も変わらない。怒るべき時には、きちんと怒るべきだ」(by 伯父さん)
 (その信条を実践した結果)「乱暴だった親も、虐めた奴らも、最後は謝った。勇気を出して起こったからだ」と偽りの過去を補足
・(学校に行かなかったことに不安を示す松村に対して)
 「学校に行かなかったことも、伯父さんのアドバイス。
  大切なことは、すべて伯父さんが教えてくれたんだ」
   ………学校に行かなかったという事実は変えられないので、正当性を植え付けて巧妙にごまかす

 治療内容は松村の了解を得たが、記憶を改ざんした事実は記憶から消してしまった
   これに対し、須堂は批判的だったが、瀬戸は《症状が改善されればよい》という考え


 帰る須堂に対し、サボテンを進呈。
「サボテンは生命力が強いので、育てるのは簡単。
 しかし、どんな個体でも、水がなければ枯れる。
 弱り切っている奴は、諦めるしかない」
「だから、時間を巻き戻して、嘘っぱちの水をやったことにするのか!」と須堂は痛烈に批判


 須藤新医院を退院する松村と妻と娘。
 不眠は治まって、喜ぶ一家。

 でも、実際にどういう治療をしたのかは不明?
 人間への治療のように、根気強く、カウンセリングしたのだろうか?(でも、須堂の治療の領域ではないような…)
 結果オーライで倫理観はない瀬戸の治療だが、《“人生の支え”を創作する(構築する)》というのは、ヒューマノイドに限らず、有効な方法に思える
 ただし、「怒るべき時には、きちんと怒るべきだ」というアドバイスは、「ダメな松村」+「激しい気性」となるだけのような気がする……


患者2 ユウタ
【症状】
 《ピアノは自分を裏切らない……“ド”を叩けば、必ず“ド”が返ってくる》
 《音をたくさん並べていく…すごく気分のいい時間》
           ↓他人の介入
 《幸せな時間を邪魔されるのは耐えられない》
 《頭の中が(いらいらで)いっぱいになる》
 《辛い気分になる 苦しくなる》
 《ピアノがあればいい……(邪魔をする)みんながいなくなってしまえばいい》
           ↓
    邪魔をした者に対して、攻撃し排除しようとする


【医療用AI・ジェイの治療方針】
情動系の“調律”を行う
・人間への治療(カウンセリング)は時間がかかるが、ヒューマノイドの場合は、情緒のメカニズムそのものを微調整することで、効果的に治療できる
【治療に対する須堂の見解】
“調律”というのは性格を無理やり変えることだ」とかなり批判的
【母親の躊躇】
《自分の感情をコントロールできない》というのは、ユウタの個性ではないのか?(性格を矯正しても良いのか?)

 結局、(須堂の予見通り)初診後にクラスメイトと争い(喧嘩)が起こり、“調律”を行うことに。
    ↓
 心に余裕が生まれ、クラスメイトとも仲良く過ごすことができるようになった。
 しかし、処置前の音に対する渇望感がなくなり、緊迫した音色が出なくなってしまった
 ユウタ自身も、ピアノ演奏は好きだが、以前とは音色が違うように感じている。




 瀬戸もヒューマノイド。
 ジェイは医療用AIだが、医療用AIに留まらない能力を持っているらしい。
 この両者は、電脳的処置《メモリ-の改ざん(記憶の改ざん)や調律(性格矯正)》をするのが、効果的かつ効率的と考えている
 これに対し、須堂は否定的考え。

 しかし、今回は“調律”処置をした。
 この“調律”は、記憶の改ざんよりより強制的(強引な)処置であろう。
 まあ、人生を否定した瀬戸も罪は重いが、”人生の支えの存在”=“架空の伯父さん”を創造することで、記憶の改ざんは限定的にとどめている。
 (とは言え、伯父さんの教えも、かなり適当)
 タイトルも“調律”としており、作者の意思が込められていると思う。



 瀬戸が配るサボテンに深い意図はあるのだろうか?


参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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間違えていました・その2 『AIの遺電子』

2023-08-09 14:54:37 | アニメ
恥ずかしながら、「間違えていました」の「その2」です
『AIの遺電子』 の第3話において誤認記述があり、訂正記事を書きましたが、再び、訂正です。
しかも、ずっと間違えていました。しかも、最悪な間違い……アニメ(漫画)タイトルです。

『AIの遺伝子』 ではなく『AIの遺電子』 でした!
作者の山田胡瓜様、制作の皆さま、
大変申し訳ありませんでした。



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』 第4話「4つのケース」

2023-08-01 07:41:02 | アニメ
第4話 ストーリー(番組サイトより)
好きな女の子の姿をAIに学習させ、恋愛VRゲームのキャラクターとして召喚……そんな裏技に手を出してしまった高校生の野崎は、須堂に「リアルとバーチャルの区別」の大切さを諭されるも、ゲームの虜となってしまう。
するとある日、「本物」の好きな子から意外な提案が…。愛と煩悩の狭間で繰り広げられる、喜怒哀楽のショウケース。


 上記のあらすじは、4つのケースの内の2番目(ケース2)のモノ。
 この第4話は、VRアプリケーションを利用した4人の話となっている(“ケース3”はインプラント施術によるもの)

※『AIの遺電子』における“インプラント”とは?
 このアニメ、第1話からいきなり“インプラント”なる言葉が登場する。
 “インプラント”と言うと、歯科治療の“インプラント”で、あごの骨に人工の歯根を埋め込み、その根元(インプラント)に義歯を装着することを思い出す。
 “インプラント”をもう少し広義で捉えると、《体内に埋め込む医療機器や材料の総称》。 心臓のペースメーカー、人工関節、美容成形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントの一種。
 『AIの遺電子』の場合は、脳に装着する人工知能のチップと考えればよいのだろうか?

 で、「4つのケース」というのが、樋口リサ、野崎ダイスケ、豊田ヒデ、三好レオン。
 
ケース1:樋口リサ
 樋口リサは、須堂新医院の看護師。須堂に好意を抱いているようだ。
 その気持ちを汲んで、友人の三好レオンが、VRドラマを作った(ストーリーやキャラの容姿や性格を利用者が設定して、そのドラマをヴァーチャルに視聴・体感する。身近な人物をキャラに当てはめることが可能)

なりきりドラマ その1
  遅刻しそうなヒロイン・リサが、走って学校に向かう際中、憧れの龍ヶ崎昴先輩(架空キャラ)と出合い頭に衝突……思いっきり定番な始まりだったが、先輩が須堂でないので、即、却下!
なりきりドラマ その2
  《須崎とリサは幼馴染、ふたりの両親が結婚し、兄妹となり同居することになった》という設定。須堂が、幼なじみでぶっきらぼうなツンデレタイプにキャラ改変されていたので、却下!
なりきりドラマ その3
  《須藤が男性患者と只ならぬ仲 男性患者に迫られて…》←「なんなのよ、これぇ~!」と却下

ケース2:野崎ダイスケ
  恋愛VRゲーム「ラブドリーム2」……好きな女の子の姿をAIに学習させ、ヒロイン・ヒロイン・ナナとして召喚。架空キャラでも身近な人物でも、ナナとして利用可能。
  身近な人物の画像を読み取らせるが、ボディサイズなどはゲームの既存の設定に変換されるが、好きな人の顔のヌード姿(架空)を拝むことも出来る。


 そのゲームを利用して、好きな佐々木イチカとのデートを楽しんでいた。(かってにイチカの顔画像を使用する後ろめたさも感じていた)
 ところが、実物のイチカからも映画の誘いを受け、デートもうまくいきかけたが、ポロリとゲームキャラの名前で呼び掛けてしまい、イチカにゲームを利用していることがバレてしまった。(多分、フラれた)
 痛恨の失敗を、ゲームヒロイン・ナナに嘆くダイスケ。
ナナ「私はずっと、野崎君の味方だよ」
ダイスケ《もう、後ろめたさは感じない。なぜだろう?》←ゲームは続けるんだ。心置きなく(笑)


ケース3:豊田ヒデ
  ヒデは、おっぱい大好きの煩悩の塊で、浮気性(『うる星やつら』の“諸星あたる”のごとき)
  彼女・カヨに別れを告げられるが、彼女のことは好きで、別れたくない。しかし、煩悩は自分で制御できない……
  そこで、インプラント施術・“賢者スイッチ”を装着


 理想の恋人となり、これでうまくいくはずだった
 1年が過ぎ……彼女に「好きな人ができた」と別れを告げられる
 「ヒデに萌えなくなった」と言う。
 彼女とヒデを繋ぎとめていたのは、嫉妬心だった。恋の炎などはとっくに消えていたのかも
 そんなヒデに、須堂は「“気分が晴れるスイッチ”を付けますか?」とチクリ。


ケース4:三好レオン
  ケース1のお試し版ではなく、本編(本格版)を作ろうと持ち掛けるレオンに、「私は本物の先生が好きなの」とリサは拒否


 レオンは「自分とリサのサンプルドラマを作ったんだけど」と言うが、「ええぇ!」と引いてしまうリサを見て、「冗談よ」と言う。
 でも、レオンは、リサに特別な感情を持っている様子。
 しかし、その気持ちは心に秘め、リサを応援する。(“ふり”ではなく、心から。でも、リサと自分の“なりきりドラマ”は作ったんだよね)


 第4話の主題
 “ケース3:豊田ヒデ”の《AIに頼っても幸せにはなれない》であろう。
 それと、リサの「私は本物の先生が好きなの」(ヴァーチャルより生身が良い)かな。
 ケース2のダイスケはヴァーチャルを選んだようだが(笑)



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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間違えていました 『AIの遺電子』 第3話「心の在処」の記事

2023-07-31 19:05:18 | アニメ
 『AIの遺電子』のレビュー記事の第3話「心の在処」において、間違えたことを書いていました。
 ジョーの使用者(クライアント)が、ジョーのことが忘れられないと須堂に相談し、その後、結局、ジョーを再レンタルしたと書きましたが、ジョーをレンタルしたのは、別の女性でした。
 この後すぐ、第3話の記事も訂正します。



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』 第3話「心の在処」 【追記あり】【訂正もあり】

2023-07-26 16:36:53 | アニメ
前記事の続きを書くつもりは、全くなかったのですが……

【第3話 ストーリー】番組サイトより)
 壊れたクマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポを修理した須堂。持ち主の少年は大喜びだが、母親はポッポに強く感情移入する息子を心配していた。
 時を同じくして、ある女性が恋人ロボットのジョーに別れ話を切り出していた。人間の恋人ができて、ジョーとの生活を続けられなくなったのだ。人の心を癒すために作られたポッポとジョー。
 2体のロボットの運命が邂逅する。


 今回登場する「クマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポ」と「恋人ロボット・ジョー」は共に“産業ロボット”で“ヒューマノイド”ではない。
 使用者(人間)と会話はするが、それは、ロボットが感情を以て発するわけではなく、プログラムによって答えているだけのものであった。
 心は存在せず、いわゆる”道具”として存在し、用が終われば、メモリなどはリセットされたり、激しい破損が生じた場合は“廃棄”される。


 ジョーは女性を慰めたり元気づけたりするようにプログラミングされており、嫌な顔はせず、食事の準備や家事などもしてくれる。当然、美形。
 人間の男性より、遥かに心地よい存在のジョー。恋人ができても、ジョーとの生活(7~8年)を経た後だと、うまくいくとは思えないと余計な心配。
 それでも、恋人ができた女性は、リース契約を解除した。
 リース契約終了によって、リセットされてしまうジョーに後ろめたさのような感情を抱いたが、ジョーは「産業ロボットなら当然の処置なので、何も気にする必要はない」と諭すように語る。

 ポッポは愛らしく、ペットのようにも見える。
 子ども相手の愛玩ぬいぐるみなので、高度な思考や会話はできないが、使用者(飼い主)と「いつも一緒にいるよ」と約束をしていた。
 父親がいないので、寂しさを感じないようにと母親が買い与えたのだったが、あまりのべったり感に、母親はポッポに依存し過ぎではないか(と私は余計な心配)。息子が自分よりポッポを第一に思うので、ヤキモチもあるようだ。
 ポッポのメモリーに異常があり、主人公・須堂光が直すことになった(「本来の仕事ではない」と思いながら)

 ポッポは、無事治ったのだが、前の使用者の時のメモリーも復活させてしまったようで、少年の「ずっと一緒」という言葉がきっかけとなり、「ユキちゃんはどこ?」とユキちゃんを探すようになった。


【ここからは、アニメでの実際の会話(青字部分)
「ポッポに心はある?」と少年の問いかけに、主人公・須堂(主にヒューマノイドを治療)は
「脳の秘密はずいぶん解明されたけれど、《心が何か》というのは、解釈がいろいろある。そもそも、心なんて誰にもないかもしれない」と。

メモリ内にある20年以上前のデータに残っていた前の持ち主の記憶のようだ
古いデータ(ユキに関するデータ)を消せば、元通りになるが、少年は「ユキとの思い出を消したら、ポッポは悲しいだろう」とそのままにすることにした。


 母親が、息子はポッポに依存し過ぎと考え、ポッポをレンタル会社に引き取らせることにした。そのことを知った少年はポッポを連れて家出。
 そこで、ジョーと女性・シズカが別れるところに遭遇。

「今日一日楽しかったよ。最後の思い出をありがとう」
「想い出?」
「うん、記念になった」
「もうすぐ忘れるのに?」と言う問い,にっこり微笑む。

「それじゃあ、お別れだ」
「さようなら、ジョーくん」
「当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。
 本日を以って、レンタルロボット・ジョーとの契約を終了させていただきます。
 きみとのデータは、本社のサーバーに5年間保管されている。
 もし、恋人とうまくいかなくなったら、復活の呪文をどうぞ」
「5年経ったら、どうなるの?」
「どんな想い出も、いつかは消えるんだよ」

彼女が去っていくのを見送るジョーに少年が
「あの……悲しくないの?」
(少し間をおいて)
「僕の振る舞いのすべては、予めプログラムされているんだ」
「学校で習った……《昔はヒューマノイドも機械だ》って考えられていたと。
 でも、今は違う…だから(ロボットも機械ではない)」
僕たちロボットは人間のために作られた商品だ。 
 《ロボットとヒューマノイドは違う》…それを忘れてはいけないよ
」(微笑みながら語る)
「でも、さっきのお姉さんは泣いてたじゃないか。
 歯ブラシを捨てる時に泣く人なんかいない。
 だから、おにいさんにも…ロボットにも心がある……そうに決まっている
「そうだね、彼女の中のぼくには心があったのかもしれない
(ポッポに向かって)
「きみは誰?」
「ぼく、ポッポ」
「こんにちは、ポッポ。君のクライアントはいい人だね」
「うん、けんちゃん、すごく優しいよ。ポッポはケンちゃん大好きだよ」


レンタル会社の車の中で、機密保持契約に基づき、メモリをリセットされるジョー。
 データ(記憶)のバックアップは録られるが、ロボット本体はデータをリセットされる。
 だから、先の会話での「いい想い出になった」というのは、プログラミングによる“おざなりの言葉”と考えられる。


 ジョーと別れた後、道端の階段に座り込む少年
「けんちゃん、おうち帰ろう」
「それって、僕を心配しているの?それとも、プログラムで言っているの?」
夕闇が進んでも座り込んだままの少年
「けんちゃん、けんちゃん……(少年が寝入ってしまったのに気がつき)けんちゃん、風邪ひいちゃう」
「誰かいますか?誰か気づいて、
 誰か、けんちゃんを。だれか、だれか…」

皆、ポッポに気づかず通り過ぎる。
その一人が、ポッポにぶつかり、その衝撃で、ポッポは階段から転げ落ちる。
そこへ通りかかった車がポッポを轢いてしまう。
 無残な姿になったポッポにようやく気付き、泣き叫ぶ少年……

 両親が少年とポッポを引き取り、母親がようやく寝かしつけ、ボロボロのポッポを抱いて、夫のところに戻ったとき

「けん…ち…ゃん、かぜひいちゃう……だれか……気づいて、…だ…れ…か………」
「ポッポが自分を犠牲にして、車を止めたと考えてる?…考えすぎだと思うよ」
「そうよね…うん、そうに決まっている」


少年と母親とぽっぽで、ユキに対面(お墓の遺影)
「ポッポ、ユキちゃんだよ。ポッポはユキちゃんと仲が良かった?」
「うん、いつも一緒だったけど、突然会えなくなった。
 ママもパパも、ユキちゃんがどこにいるか教えてくれなかった。
 でも、ぼく、いつもユキちゃんに会いたかった。《ずっと一緒だ》って約束したから。
 ユキちゃん、やっと会えたね」

涙を流す母親

「ロボットに心なんてない…か?」(←母親)
「本当にそう思う?」(←少年)
「わからない……ママもわかんなくなっちゃった」
「けんちゃん、これは海?」(←ポッポ)
「そうだよ」
「ぼく、海を見るの初めて……きれいだね」


シズカ(ジョーの元クライアント)が須堂のもとを訪れていた
「気がついたら、ジョーくんのことばかり考えていて」
「正直、医療の出番じゃないですよね。今の恋人と別れて、その復活の呪文とかいうサービスを使ったらどうです?」
「でも、ジョーくんの気持ちは?」
「ロボットはあなたのことを責めたりしませんよ。そいうふうにできてますから」
「だからって、わたし、そんな簡単に…。ジョーくんにどんな顔して会えば…」


「先生は、”ロボットに心はある”派じゃなかったんですか?」(←看護師・リサ)
「誰がそんなこと言った?」
「えっ?…でも…」
「俺は俺にしかできない治療がしたい…それだけだよ」

…………結局
「この度は、当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。レンタルロボットのジョーです」
「よ、よろしくね」

    ↑
【訂正】
 ジョーを利用したのは、シズカではなく、別の女性でした。




ポッポは泣かせるなあ
自分がボロボロになっても少年のことを心配する……
前の使用者のユキちゃんとの“ずっと一緒”の約束を果たそうとする……


 ポッポを毛嫌いしていた母親も、《ロボットには心がない》と言い切れなくなってしまった。
 《テディベアの姿》、《簡単でストレートな言葉しか発しない》……それがことさら、心を持っているように感じさせるのかもしれない。
 しかし、上述の少年を心配する様子、ユキちゃんとの約束を果たそうとする姿は、心があると思えてしまう。
 ポッポは20年以上も旧型であるにもかかわらず、恋人の要求に応じるよう精密に作られているはずの恋人ロボットよりも、心の存在を感じさせる。
 もっとも、“恋人ロボット”は下手をすると、使用者がトチ狂ってしまう恐れがあるので、より事務的な対応をするようにプログラミングされているのだろう。
 それに、人間の感情にあまり近づけてしまうのは、ロボットにとっても危険である。
 逆に、テディベアタイプの愛玩ロボットなので、より人間に寄り添うように作られたのかもしれない。更に、20年前は、ロボットと人間の線引きが緩やかで、疑似感情に近づけたのかもしれない。

 もっと深読みすると、ジョーも本当は心のようなものがあるのかもしれないが、プログラミングで事務的な会話しかできないようになっているかもしれない。(使用者の依存を軽くするため、“捨てる”という罪悪感を軽減させるため)


 それはさておき、ジョーが言った「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」は、ある意味、真理である。
 人間に対する人物像も、勝手に自分がその人に対して思っているものと、実際の性格(人格)はかけ離れていることも多い。例え、夫婦であっても
(←私が“仮面夫婦”と言う訳では決してありません)


 初めて海を見て「きれいだね」と言うポッポ。
 それが、「海を見たら→”きれいだね”と言う」プログラミングではなく、《海を見て、美しいと思った》からだと思いたい。



【追記1】
ジョーが少年に言った言葉「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」
これ、プログラムによる言葉だとしたら、このプログラマーのセンス、素晴らしすぎる!

【追記2】
今話、シズカ(ジョーの使用者)が「私は悪くない」ジョーと思われる男性を地中に埋めているシーンから始まった。
そのシーンの後、うなされていたシズカが目を覚まし、隣にジョーがいて心配するシーンになった。

ジョーがいたのだから、過去の出来事ではないと思われる。
となると、《リース契約終了に怒ったジョーが暴走し、シズカに危害を加えようとして、抵抗したシズカに逆に破壊されてしまった》という予知夢的なものかと思ったが、
単に、契約終了(ジョーを捨てる)ということに、罪悪感を感じ、それが夢となって具現化?した……というだけのようだった。

……この夢、要らないよね。




参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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アニメ『AIの遺電子』

2023-07-23 13:56:40 | アニメ
 もともとBS放送(BSフジとかBS日テレ)などでアニメを観ることは多かったが、2、3年前から「BS11」「BS松竹東急」も観始めるようになって、更に忙しくなった(笑)
 今クールもかなりの本数を観ることになったが、『ライザのアトリエ』は2話で離脱。『AYAKA ‐あやか‐』も離脱を考慮中(『もののがたり』など既存の作品をなぞっただけ。キャラクターもそれらしく脚色しているが、魅力なし)。
 昨クールは粒ぞろいだった。『鬼滅の刃 ~刀鍛冶の里編~』は多少低空飛行だったが、面白かったし、掘り出し物だったのは『デッドマウント・デスプレイ』!登場キャラが、一癖も二癖もあって、面白い。特に、怪人ソリティア。凄腕なのはもちろん、エンターテイメントに富んでいる。視聴者を楽しませることが生きがいで、何をしでかすか、何を語るか(でまかせも多い)…とにかく、彼が登場するとワクワクする。
 残念ながら、《これからどうなるんだぁ~》と序章段階で終了(嗚呼、やっぱりぃぃという感じ)

 今クールは『呪術廻戦』がやはり面白い(第1シーズンとは時間が遡るのが、不満)。それと、『もののがたり 第二章』も好みだ。他にもいろいろあるが、語り始めたら終わりそうもないので、後日(“後日”はあるのか?)

 さて、表題の『AIの遺電子』だが……
 設定などは全く違うが、手塚治虫氏の『ザ・クレーター』を思わせるような作品のテーマ。(『ザ・クレーター』は17本の読み切り漫画からなる手塚治虫の連作短編シリーズ。1969年から1970年にかけて『少年チャンピオン』。1作品ごと主人公も時代背景・設定も異なっていおり、『AIの遺電子』とは全く違うが)

 『AIの遺電子』は主人公が関係した「ヒューマノイド」(AI頭脳のアンドロイド)の苦悩を描いているらしい(まだ、2話までしか視聴していない)
 しかし、この“ヒューマノイド”の設定が曖昧過ぎて、全く納得していない!

取りあえず、番組サイトを見る―――
【INTRODUCTION】
これは、私たちの未来の物語 ――。

21世紀に始まったAIの圧倒的な進歩は、社会の発展に寄与する一方、高い知性を持つ機械を道具として使う是非を、人類に突きつけた。
そして22世紀後半。人々は「産業AI」とは別格の存在として、人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている。

須堂光は、ヒューマノイドを治す新医科の医者として、ヒトとAIの共存がもたらす「新たな病」に向き合っていく。
時に、裏の顔も使いながら……。



何が不満なのかと言うと……
《人々は「産業AI」とは別格の存在として、人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、共に暮らしている》という設定。

①産業AIロボットと何が違うのか?
②人間とは何が違うのか?
・生活は人間と全く変わらない。老化するようにも作られている
・短距離走では全く区別なく人間と競い合っていて、タイムが速くならないヒューマノイドが悩んでいた(第2話)
③どういう過程(どういう理由で)でヒューマノイドが誕生し、人権が認められ、人と共生するようになったのか?


 ②がこの作品のテーマだと思われるが、③がはっきりしないと、視聴者(私)はどのように考えれば良いのか全く分からない。
 例えば、第1話では、頭脳(AI)が壊れてしまうと、再生できない(人間の死亡と同じ)。身体の部品は取り換えが利くらしい。
 ただし、よく分からなかったが、AIのバックアップは禁じられている。妻が死ぬことに対して不安を持っていた夫が、不法にAIのバックアップを録った。しかし、その際、ウイルスに感染し、身体の機能に不具合が生じ始め、主人公に助けを求めたという話。

 バックアップデータで妻を直すことはできる。ただし、《バックアップ後の記憶は失ってしまう》。
 バックアップで再生した妻は、果たして、これまでの妻と同一人物と言えるのか?……これがこの話のテーマ
 妻自身も、自分が自分で亡くなるという恐怖を感じ、娘もバックアップを録った時から、バックアップで再生するまでに暮らした自分との記憶が母から消え去ることに悲しみを感じる。

 結局、機能不全に陥った後、再生処置が行われた。



 非常に面白いテーマだが、③で述べた設定をきっちり定義してくれないと、モヤモヤ感が大きくて……困る 



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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「不滅のあなたへ」Season2 (アニメ)

2023-04-30 18:44:01 | アニメ
《今記事で、いろいろ疑問点を述べますが、アニメのSeason2までを視聴した時点でのものです。
 「現代編」もあるようなので、そこで、改名されることも多いと思いますが、私は放送される「現代編」(アニメ)を待つつもりですので、コメントをくださる場合は、その点に留意していただけると有難いです》

 (参考:Season1の記事2021年9月1日)

 昨年秋(2022年秋)から放送された「不滅のあなたへ ~Season2~」をようやく視聴。
 Season1が終了し「Season2は来年秋放送」と聞いた時は、《なんだ、そんな間が空くのか》と思ったものだった。しかし、月日が経つのは早く、昨年(2022年)10月に放送が始まった時には、《もうそんなに経ったのか》と。
 しかも、実際に始まっても、なかなか観る気が起きなかった。《主人公のフシは、自分と関わった人の死によって成長する》というストーリーの根幹があるので、視聴する身にとっても、けっこうしんどい。
 それで、視聴に二の足を踏んでいた。実生活で、寒いのが嫌い、雪かきは嫌……なので、春になってから一気に観ようと思っていた。一気に観れば、しんどい期間も短い。


 やはり、多くの登場人物が死んで、敵であるノッカーとの戦いは過酷なものだったが……面白かった。
 面白かったが、Season1の方がおもしろかったかな。スケールや劇的な展開自体はSeason2が上回っていた。しかし、ストーリーの緻密さはSeason1の方があった。
 もちろん、Season1は未完で、不明な部分を先送りしたので、矛盾や疑問がはっきりした形にはならなかったということもある。
 その点を差し引いてもSeason2はストーリー展開をしっかり構築せずに、話を進めたように感じた。それで、疑問点が多くなった……


 
ノッカーについての謎、疑問
 ノッカーの存在や、目的が謎だった。
 Season1では、フシの敵、フシと相反する存在で、《フシを葬る》のが目的、《人間を襲う》のが手段(目的かも)という感じだった。
 人間に寄生(侵入)し意識を乗っ取り、ゾンビ化して人間を襲う。人間に寄生するという点では『寄生獣』に似ているが、寄生獣は人間を乗っ取った状態で生きる、生きのびようとするので、目的が違う。ただし、寄生獣を生み出した存在は、《自然界からはみ出てしまった人間を駆逐する》のが目的だったようなので、寄生獣も本来はノッカーとよく似た存在と言える。
 それが、Season2では、守護団のカハクの左腕に寄生しているノッカーから、ある程度のノッカーの目的を知ることができた。(『寄生獣』のミギーと酷似)
 ノッカーは、《肉体(人間)はファイ(魂)を閉じ込める忌むべき存在》で、《人間を襲うのはファイ(魂)を開放するため》らしい。
 なので、Season2ではノッカーはフシが関与しないところでも人間を襲っていた。Season2では最優先事項が《フシを葬る》ではなく《人間のせん滅(魂の解放)》になっていたように思う。

 そもそも、観察者は《世界の情報を記録・保存する》ためにフシを創った。(そのため、フシは記録したものを再現できる能力を持っている)
 では、ノッカーは誰が作ったのか?……
 フシ側の人間には、“黒い人“と呼ばれていたが、番組キャラクター名は“観察者”。その呼び名からすると、フシを創る一方で、それと相反する存在のノッカーを創り、両者の戦いを観察すると考えたが、作者(番組制作サイド?)は明らかにしない。
(“現生編”もあるようなので、そこで、いろいろなことが明らかにされるのかもしれない)

ストーリーの設定に関する疑問・謎
①パロナは、なぜ復活しなかったのか?
 Season2の後半で《使者を再現、復活させることができる》というフシの能力が明らかになった。
 その顕著な例が“不滅の三戦士”のカイ、ハイロ、メサール。彼らは、フシによって何度もよみがえり、ノッカーと戦った。
 蘇った者は、人形やロボットのようではなく、人格、記憶、能力がそのまま再現され、生前の本人そのものであった。
 ただし、蘇らせることができる条件があって
・フシが対象人物の健康体を再生できること(対象人物が健康であった時に会っていなければならない)
・対象者が厳正に未練がなく、昇天してしまっていたら蘇らせることはできない

 (ノッカーに寄生されてしまったらダメなのかと思ったが、トナリは復活した)
 この2つが条件だとしたら、パロナは未練がなく昇天したということになるが、ハヤセに殺された(かなりの惨殺)らしいので、昇天したとしたら不思議。
 同じようなことがアルメについても言える。彼女はメサールが好きだったが、その思いを遂げることができなかった。ノッカーに寄生されて死亡したが、その前に、メサールとは兄妹であったことを知ってしまった。この事実に絶望して、現生を去ってしまったのだろうか?(昇天してしまったのだろうか?)

②守護団の目的がよく理解できない
 初代?ヒサメはフシと敵対したが、同時に支配したいという欲望もあったようだ。
 その欲望を代々引き継いだと考えられるが、“勝手に押しかけ応援助力段”のようで、親衛隊的団体と思えばよいのだろうか?
 なぜ、“寄生獣ミギー状態”(実際は左腕だが)を保てるのかは、不明。


個人的な不満点
①マーチの2度目の死は悲しすぎる
 人間としてのフシを失った大きな悲しみで、今後の人生を否定して何も受け付けずに死んでいった(実際は、薬による安楽死)。
 もっと生きて欲しかった

②グーグーの安楽死
 あれだけ勇気があって真っすぐなグーグー、半死半生になったとしても安楽死を選んでほしくなかった。

③トナリの一度目の死
 フシがノッカーに対抗できるため、自ら毒耐性を獲得したトナリ。
 なのに、フシと再会してすぐノッカーに寄生されて死亡……悲しかった(後に復活したけれど)。

④エコの存在意義
 土器人。自分の意思を伝えるのが困難。
 ノッカーや自然などの異変に敏感で、活躍したが、カハクの左腕のノッカーに寄生され(←確信なし)、死を選ぶが…ノッカーがそれを許さず逃亡を図る。
 結局、カハクが左腕ノッカーを取り戻し、エコは仲間のもとに帰ったが、衰弱して死亡。
 フシはエコを救えたはずだが、そのまま死なせた。なぜ?
 現代編で、エコはフシに大きく関わると予感。

⑤フシの比重が大き過ぎ
 不滅の三戦士やボンやカハクや兵士たち、更にグーグーら復活者も奮戦したが、結局、フシの力に負う部分が大き過ぎ。
 「ノッカーは、人間の数が減らない(←フシの復活させる能力による)ことに、意気消沈?」という説明はあったが、最終的にはフシは人間離れした存在になってしまった。
 ストーリー的にもう少し人間の力を示してほしかった。


………ボンは阿保王子だと思ったが、思慮深く、信念の人だった。
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