英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ゴールデンウィークのニュース

2010-04-29 23:53:24 | 日記
 ゴールデンウィークが始まりましたね。今年は天気もよさそうです。

 私は半分仕事です。休みは2日、3日、5日の予定。完全に休めるのは6日だけかもしれません。
 あ、いえ、休みがないという愚痴を言うつもりではありません。まあ好きだという人はあまりいるとは思えませんが、私は渋滞や混雑が嫌いです。旅行は嫌いじゃないのですが、わざわざゴールデンウィークに出かけて、混雑の中に飛び込むのは合理的ではないと思っています。
 休みは少なくて、普段も家庭サービスは不十分なので、世間がレジャーに出かけるゴールデンウィークは、サービスしないといけないかなあと思いますが、4月は年度初めで何かと忙しく疲れがたまってきている5月上旬に、さらに疲労を重ねたくないというのが正直な気持ちです。
 妻もその辺は理解してくれていますが、やはり不満を感じています。毎年、その圧力を感じています。「砺波のチューリップフェアに行きたいなあ」と漏らしています。

 そういえば、去年は最悪でした。
 ゴールデンウィークの最終日、兄が来て「チューリップフェアに連れて行ってやる」と、突然やってきて、両親をさらって行きました。あとに残されたのは、私と妻と最悪の空気。
 そんなこともあったので、今年は何とかしたいなあという気持ちと、混雑の中に飛び込むのは勘弁してほしいという気持ちが葛藤しています。

 それはともかく、今年ゴールデンウィークは天気がとっても良さそうです。個人的には雨が降って欲しいのですが…。

 で、タイトルの『ゴールデンウィークのニュース』です。
 できれば、もっと強く「渋滞で大変です」と連呼して欲しいです。
 嬉しそうに「○○に行ってきます」という出国の状況を伝えるのはやめてほしいです。
 連休中、のんびり昼寝しているお父さんの様子を映してほしいです。

 今夜、名探偵コナンの映画を妻と末っ子とで観に行きました。
 途中トイレに行った妻が「全部観れなかったので、もう一度観に行こうか」と息子に言っていました。「時間はたくさんあるし」とぼそり……(汗)
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棋王戦第1局『将棋世界4月号(先月号)』自戦解説:佐藤九段②

2010-04-28 14:59:03 | 将棋
先日(4月23日)の記事、棋王戦第1局『将棋世界4月号(先月号)』自戦解説:佐藤九段①の続きです。

第5図

局面は終盤の入り口、佐藤九段は形勢に自信を持っていたようだ。とはいえ、▲8三馬は金桂両取りになっていて、予断の許さない形勢。

 佐藤九段は9分の考慮で△7八歩。この手は先手玉への直接の響きが弱く、手抜きで▲6一馬と踏み込まれる危険性がある。実際はその変化は大丈夫(その変化の一例が、先日の変化5図)。
 なので、普通は玉の付近の銀を取る△6八と指したい。これなら、手抜きはされない。しかし、佐藤九段はそう指さなかった。なぜか?
【以下は、佐藤九段の自戦記】============

 まず第5図で△5一金寄は▲6五馬で悪い。また△6八とと取るのが普通に見えるが、▲同金△7九角に▲5八金と寄られてしまう。以下△5七桂成▲同金△5九銀▲同玉△5七角成に▲4九銀(変化1図)で悪い。


これは1八の飛車の守備力が最大限に生きる形だ。

 だが、変化1図で7八の地点に歩があると、△6九金▲同玉△7九歩成から詰むことがお分かりだろう。つまり本譜の△7八歩は(△7八歩▲6九金を利かせておけば)、次の△6八と▲同金△7九角に▲5八金と寄れない仕組みなのだ。
 △7八歩には▲6一馬と踏み込まれるのが怖いが、△7九歩成で勝ちだ。………《変化は省略》………
 よって本譜、先手は△7九角に▲5九銀と1枚投入する必要がある。

=========【以上、佐藤九段の自戦記】

 ネット中継を見ていて、この第5図での△7八歩の意味がよくわからなかったが、こういう深い読みがあったのかと感服。

 ちなみに、ネット中継での解説陣は第5図を「後手かなり優勢」と見ていたようだ。

【以下、ネット解説より】=========
 「これは形作りになってきましたね」と青野九段。
「ずっと言っているけれど、1八の飛車がどうしようもないんです。」
継ぎ盤では△6八と▲同金△7九角▲5九銀(1)△5四香の攻めが厳しい。さらに、(2)△6九金▲同金△5七角成▲4九玉△6七馬の王手飛車のほうがより厳しいと言われている。
=========【以上、ネット解説】

 対局者とは異なり、解説陣は1八の飛車を単なるお荷物と見ている。佐藤九段の△7八歩の意味にも触れていない。
 そのかわり、佐藤九段は(1)を選んだが、解説陣推奨の(2)のほうがより良かったようだ(自戦記で佐藤九段も認めている)。
 この後、ややもつれ気味となった73手目の局面では

「後手に銀を渡しても、じつは先手玉は寄らないんです。△3九銀▲同玉△5九竜のときに▲4九銀!」(青野九段)1八の飛車が最強の守り駒となっている。

 という解説があるのが、おもしろい。


 やはり、対局者はよく読んでいるなあと思ったが、変化1図には疑問がある。

再掲、変化1図

 確かに。この図においては7八に後手の歩があれば、先手に詰みがあり後手の勝ちだ。しかし、変化1図でも△5五香と打てばこれが詰めろになる。たとえば△5五香に対して▲6一馬とすると、

△4八金(変化2図)で詰む。▲4八同銀は△5八金の1手詰みなので▲同飛だが、△7九馬(変化3図)の開き王手で決まる。

 5八に合駒を打つのは△6九金の1手詰みなので、玉の逃げ道を作る▲5八飛か▲5八銀の移動合が最善の抵抗。しかし、▲5八飛には△同香成▲同銀△6八金以下、▲5八銀にも△6八金▲4九玉△5八金以下の詰みがある。
 よって、変化1図では詰めろを受けなければならないが、うまい受けは難しい。一番延命できるのが▲6九銀だが、△4七馬(変化4図)で▲5六歩△同香▲5八歩△同香成▲同飛(銀)△8三馬と馬を抜かれては先手の負け。



 と、ケチをつけましたが、第5図で△7八歩が利けば、その方が得のようなので、私の疑問は取るに足らないもののようです。
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王者の義務

2010-04-26 11:26:04 | スポーツ
 女子ゴルフのロレーナ・オチョアが引退。
 オチョアは、世界ランク1位で誰もがナンバー1と認める第1人者である。

 引退の理由は、「家族との生活を大事にしたい」、「慈善事業に力を入れたい」という理由で、故障などの肉体的なものではないらしい。
 会見では、「ナンバーワンとして引退したかった」とこの時期を選んだ理由も話したとのこと。

 引退するのは個人の自由だし、その理由も問うものではない。また、心情も理解できる。
 しかし、その世界の第1人者は、王者として君臨し続け、挑戦者の挑戦を受ける義務がある。
 ライバルや若手、世界のトップを目指すプレーヤーの多くは、王者を倒すことを目指して努力を重ねてきたはずだから。それが、「ナンバーワンとして引退したかった」と、突然引退するのでは、王者の責任を果たしていない。
 王者として君臨し続けて、そして敗れて王座を明け渡してこそ、王者の責任を果たしたことになると思う。
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菜の花・枝垂れ桜など

2010-04-25 10:55:33 | 歳時
 寒かったですね。
 昨日(24日)は晴れましたが、放射冷却と風が冷たかったので、かなり肌寒かったです。

 21、22、23日は日中の気温もほぼ10℃以下でした。(21日の東京は25℃を越えて夏日だったそうです)

 写真は23日のもの。曇り(雨)空だったので、暗めに写っています。



 基準木(私が勝手に決めています)です。
 一見葉桜ですが、よく見ると花が残っています。


 幹から直接咲いているものも多いです。


 次の写真からは隣町の越前陶芸村の公園内のものです。

しだれ桜です。


花は八重ですね。


こちらは、別の種類の桜です。

 花が下向きに集まって咲いています。小さめの提灯が下がっているように見えます。


 拡大すると

 八重で、しだれ桜よりも花弁が多く、牡丹の花のようです。


 奥の方に行くと、大きな枝垂れ桜がありました。

角度を変えて観ると

滝のようですね。


やはり、花は先ほどの枝垂れ桜に近いです(ピンボケですみません。風が強くて…)


こちらは、同じ公園内の桜です。ソメイヨシノに近いですが、それとも少し違うようです。



こちらは、近郊の紅梅?です。保育園の園庭に咲いているので、近づいて撮るのをためらいました。「怪しい人」と間違えられそうです。



以下は、24日(昨日)のものです。
基準桜と同じ川の河原に咲いている菜の花です。
実は23日も撮ったのですが、昨日はよく晴れたので、撮り直しました。すごく暇みたいに思われますが、そうじゃないです。はい。

やはり、光が強いときれいです。



ほんとは、アップの写真も載せたいのですが、風が強くて、失敗していました。

いつも同じような写真で、すみません。
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棋王戦第1局『将棋世界4月号(先月号)』自戦解説:佐藤九段①

2010-04-23 23:21:20 | 将棋
 相変わらず時機を逸した記事です。

 この将棋は、佐藤九段のA級陥落が決まった翌々日、しかも、上海での対局。順位戦は深夜まで指しての敗局で、精神的にも体力的にも非常にきつかったはずだ。

 本局はそんなことを微塵も感じさせない内容だった。


 御覧のように、角を中段に打ち合う縁台将棋のような序盤。

 勢いはとどまらず、1図より△4二玉▲3八銀△5四角▲7八飛△7六角▲同飛△2八角と2図に進む。


 さらに、▲5五角△3三桂▲7四歩△同歩▲8二角成△同銀▲1八飛△3九角(第3図)。

 途中の▲7四歩までは実戦例があり(平成21年12月1日・棋聖戦、戸辺五段(当時)×北浜七段)、▲7四歩に対し△6二銀▲7三歩成△同銀▲同飛成△同桂▲同角成△5二飛▲9一馬△1九角成▲5五馬と進み、後手が勝っているそうだ。
 本譜は飛車を1八に打ちつけ後手の打ち込んだ角を強引に召し取る。それは困ると、角を金の利きがある3九に放り込む。
 第3図の右下部は相当な珍形で、縁台将棋そのものだ。

 もちろん、二人の精密な読みが均衡を保っている。この後もこの2枚の角を巡る華々しい折衝が続き、第4図で局面は一段落する。この間も、いろいろな変化が内包されていて、面白い。(書くと長くなるし、佐藤九段の自戦記の受け売りにしかならないので、割愛します)



さて、ここでの佐藤九段の先手陣の評価が面白い。

「久保棋王は、飛車は1八にいるだけで役に立っていると考えていたようだ。普通は▲1六歩と突いて飛車を使おうとすると思うので、その感想にびっくり。
 だが局後に考えてみたのだが、第4図の先手の陣形は1八の飛車が4九の金に代わった形、いわゆる片美濃囲いよりも寄せにくい気がする。本局、終盤で寄せの形をいろいろ考えたのだが、4九の金よりも1八に飛車がいる方が玉が遠いのだ。3八の銀を4九に引くと、1手で2手分の価値があるような感覚があった。久保棋王の感性に感心するとともに、将棋の奥深さを知った」

とある。
 「へえ、そうなのかなあ?」というのが、私の感想だが、この局面の検証は後述するとして、まず、久保棋王、佐藤九段の将棋の感性の柔軟さに感心する。先入観にとらわれず、局面を常に探究心を持って考える。だから、未知の局面やねじりあいに強いのだ。

 それはともかく、まず単純に4図と1八の飛車が4九の金に代わった形(片美濃)を比較すると、陣形としては片美濃の方が断然良いはず。
 4図で1八の飛車を駒台に乗せ、金も持ち駒に加えたとして、自陣の強化の一着として、▲4九金と打つ人はいても、▲1八飛と打つ人はいない。相居飛車戦ならともかく、(玉が右側に移動する)振り飛車系において、自陣の1八に飛車がいる形は、相当な悪形。
 それにもかかわらず、本局において、4図はお互いに自信のある局面でバランスが取れている。

 1八飛型の先手の利点は
①二段飛車の守備力
 「3八の銀を4九に引くと、1手で2手分の価値があるような感覚があった」と佐藤九段も述べているように、飛車の守備力は馬鹿にならない。4九に銀を引くと、飛車の利きが二段目を制するほどの力を発揮することがある。「1八に居るだけで働く」という久保棋王の主張も、こういった飛車の潜在的守備力を指しているのだろう。

 「いるだけで働いている」という意味にはもうひとつある。
②相手に飛車がない
 4図の駒割は、飛車対金と歩2枚、「2枚換えなら歩ともせよ」という格言があるが、単純に駒の価値だけ考えると飛車の方が高い。飛車で攻められないというのは、やはり大きい。ただ、その飛車がへき地にいる。その他の要素として、先手は歩切れだが、▲7四飛で解消できる。
 やはり、4図は均衡していると考えられる。


 1八飛の長所として、潜在的な守備力があると述べたが、短所もある。
 1八に飛車がいるため、玉の逃げ場所が狭くなっている。変化5図は終盤の1変化。(いきなり変化「5」図なのは、気にしないでください)


 図の△5八金は、先手玉を5八に呼んで、△6八とを王手になるようにさせる捨て駒。△5八金に▲同玉△6八と▲同玉△7七角▲5八玉△4三銀で後手勝ち。7七の角が3三に利いている。△5八金に▲3九玉なら、△4八金▲2八玉△3九角で詰んでしまう。逆に、飛車がいなければ、先手の勝ち。
 このように、1八飛・3八銀が裏目に出る変化も内包している。後手としては、▲4九銀を指させないような攻め方をすればいい。
 よって、佐藤九段の「いわゆる片美濃囲いよりも寄せにくい気がする」という感覚は、ある意味正しいが、総合的に判断すると、その考えには同意できない。


 恐れ多いことを書いてしまいました。まあ、これはいつもの「揚げ足取り」のようなものです。将棋の内容は、非常に面白いものです。
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『絶対零度~未解決事件特命捜査』  第2話「時効7日前の魔物」

2010-04-22 23:00:56 | ドラマ・映画
 初回より面白かったです。

 テーマは「逮捕するということは……」でした。

① 事件発生から15年経過して、新たな生活を築いている事件関係者。改めて、捜査をすることによって、家庭や当人の心に波風を立てることを主人公・桜木刑事は実感する、逮捕する(捜査する)ことの重みを知る。
② 犯人は「神の手」といわれるほどの外科医。彼を逮捕することは、今後、彼の手術を受け、助かるであろう命を見捨てることになるのではと思う。

 ①②によって、捜査する(逮捕する)のは、正しいことなのかと悩む。


①に関しては、被害者の恋人は、事件の当夜、約束の時間に遅刻したこと後悔し、彼女が彼を呼び出して何を話したかったのか、思い悩んでいた。
 捜査によって、真実を知り、元恋人は過去の呪縛から解放され、本当の再スタートを切ることができた。

②は、「いくら名医で、幾人の命を救おうとも、人の命を奪った罪は消えない。許されない」と結論を出し、逮捕する(手錠をかける)。


①に関連して、一見他人に厳しく思いやりのない被害者、自分の夢を捨て異性の気を引くことばかりを考える元恋人のように思えたが、人にやさしく、お互いに思いやる結構素敵な関係だったようで、心が暖かくなりました。
それだけに、被害者が若くして命を失ってしまったことは残念で、元恋人も15年間も心の呪縛が解けなかったと思うと、心が重いです。

②は、名医だったが人間的には非常に自己中心的で、罰せられるべき人物だったので、結論は出しやすかったですね。これが、もし、名医で人格者で、偶発的なアクシデントで人の命を殺めてしまい、ずっと懺悔の念に駆られていたとしたら、もっと重たい話になったと思います。
人間ドラマとしては、その方が葛藤が大きく、桜木刑事にはもっと悩んでほしかったです。


 とにかく、時効寸前の事件を捜査し、いろいろ悩み成長するという人間ドラマとしては、面白いのではないでしょうか。
 ただ、個人的には、桜木刑事のキャラには感情移入しにくいのと、ちょっとテーマが重たいので、毎週見るのはつらいかなあと思っています。
 まあ、普通のサスペンスでも、殺人事件ですから、このドラマに限らず、重たいテーマですね。しかし、最終的に明かされる殺人に絡む人間関係や感情は重いものでも、事件の謎解きや真相究明が主体となるので、軽いと言えるかもしれません。

 さて、第2回は、先のテーマを掘り下げた分、逮捕に漕ぎ着ける過程は強引でした。かなり端折られた分、突っ込みどころは少なかったです。

 強いて挙げるとすれば、
・血のついたカフスボタンの物証だけで起訴するのは難しいのではないか
・真相解明に至る過程が強引過ぎ(ホームレスに聴取するに至る過程等)
・ゴミ収集が趣味といっても、中身を開けずごみ袋のまま15年間も保管するというのは、あり得ない


 重なった紙の枚数によって、筆圧が変わり、それを解析することによって判読できるのですか、すごいですね。
 こういう時効寸前の事件は、どうしても当初の捜査が甘すぎると感じてしまいますが、これは仕方がないですね。
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矢内失冠

2010-04-20 20:28:56 | 将棋
 あぁぁ、負けてしまいました。A級陥落してしまっているので、女王から一気にB級棋士へ転落。一方の甲斐新女王は、二段から一気に女王のトップへ。こうなると、NHK杯微妙です。二人の立場は逆転。
 司会・聞き手が甲斐女王になり、
「では、対局場の(読み上げの)矢内さん、よろしくお願いします」
と呼びかけるシーンを想像してしまいます。


 0-2という星勘定も苦しいのですが、将棋の内容から考えても、逆転防衛は相当困難のように思えました。
 現在の矢内女王不調さを差し引いての実力と甲斐女流二段の充実ぶりを加えた実力を比較すると、矢内女王の方が、まだ上だと思いますが、二人の棋風を考えると、矢内女王にとって相性が悪いように感じます。

 はっきり言って、矢内女王は序盤は下手。序盤はたいてい作戦負けになる。わざと悪くしているんじゃないかと思えるほどだ。
 ただ、はっきり悪くならず、決め手を与えない。ボクシングで例えれば、パンチを受けるのだが、急所をはずしたり、パンチに合わせて体を引いて、ダメージを小さくする。そして、ただ防御するだけでなく、時折、ゆるいパンチをカウンター気味に当てたり、鋭いアッパーで相手の機先を制する。
 そうしながら、相手のパンチの射程距離をを見極め、間合いを計って詰めていく。対する相手は、パンチも当たっていて押しているはずなのに、手ごたえをあまり感じない。徐々にスタミナが切れ、平衡感覚もおかしくなっていく。
 ちょっと話がそれますが、聞き手をする矢内女王が好きだ。棋力は高いので、解説にも付いていけるうえ、初心者への気遣いも心得ていて、解説を補足する気の利いた質問や、フォローも忘れない。
 また、さりげない会話も素敵である。基本的に相手の話をよく聞き、答える。時には、とぼけたり、ユーモアで返したりする。矢内女王の受け答えがうまく、懐が深いので、解説者も安心して、解説したり、踏み込んで突っ込むこともできる。やりやすそうだ。
 「うふふ」と独特な笑みで、追及をかわすが、そこがたまらない。なかなか、パンチが届かないような、方角を間違えるような感じだ。そう「幻惑」させるのだ。
 矢内女王の棋風もそんな感じで、幻惑させ、疲労させる。「矢内幻惑流」である。対局相手はすっかり平衡感覚を失いバランスを崩して、抵抗することができない。

 対する甲斐女流二段は、勝ちやすい手、負けにくい手を選ぶ。一番の長所は方向感覚が狂わないことだ。
 疑問手、悪手を指しても、すぐ正しい方向に向き直る。粘りの手を指しても、後ろを向くのではなく、前を向きながら半歩、あるいは一歩下がって、足場を整え、前進するエネルギーを蓄える。地道に勝利に歩を進み続けるのをやめない。既に先駆者がいるが、敢えて「甲斐地道流」と呼ばせていただく。
 矢内女王が幻惑させても、正確でタフなコンパス(方位磁石)を持っていて、方向を失わない。「甲斐磁石流」と呼ぶべきか?(「地道流」「磁石流」…女流らしくないなあ)
 足を滑らせても、着実に進んでいく。矢内は一歩一歩のコンパス(歩幅)は大きいが、方向がずれるので、足を踏み外しやすく、バランスを崩しがち。
 最近の矢内女王は、序盤の失点が大き過ぎて追い切れなかったり、スタミナを使い果たしてしまったりすることが多い。また、終盤のパンチの威力がなかったり、コンビネーションが悪かったりして、勝利をつかめないことも多い。
 将棋の感覚がずれているせいもあるが、精神的な疲労、あるいは、自信の喪失によるところが大きいのではないか。秒読みの中、読み切れずに踏み込めず、長引かす手を選んで、形勢を損じてしまう。
 棋力が落ちているとは思えない。勝利へ執念と自分を信じる気持ちが薄いだけ。復活を待ちます。
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『絶対零度~未解決事件特命捜査』

2010-04-18 23:05:18 | ドラマ・映画
 時効直前の未解決事件を検証し直す専従捜査部署「特命捜査対策室」で、上戸彩、初の刑事を演じます。
 他の方のブログを拝見しましたが、「思ったより良かった」という評価が多かったように思いました。でも、「俺のとは違うなあ」(『臨場』の倉石検視官(内野聖陽)風にお読みください)

 主人公・桜木泉は純粋で正義感に燃えた若手(新米)刑事。時効寸前など未解決の事件を解決し、事件にとらわれ続けた関係者の時を動かす。その周辺の心の闇や人の思いと、それに直面した桜木泉の成長がテーマなのかなあと思いました。
 上戸彩はご存知のように、ドラマやCMで大活躍です。私は、役者としてもタレントとしても、嫌いじゃないです。どちらかと言うと好きだとは思うのですが、よく考えると彼女主演のドラマは、ほとんど見たことがありません。だから、好きじゃないのかもしれません。

 初回は3億円横領後、失踪した娘(清美)の母親の心の葛藤と、その母娘の絆を信じ、何とか真相を究明しようとする桜木のがんばりが主題だったと思います。初回SPということで10分延長版でしたが、登場キャラや設定の説明もあり、主題以外は掘り下げ不足という感じがしました。

 例によって、箇条書き(粗探し)です。


①白骨死体が発見されて、「特命対策室」に命が下ったが、普通は白骨死体が発見された時点で、捜査本部が立つのではないか?

②当時の捜査本部は解散しているのかもしれないが、当時の捜査資料を検証するだけで、当時の担当刑事に捜査状況を聞かないのはおかしい。①、②のように、とにかく、特命対策室単独で捜査するのはおかしい。


 聞き込みの段階で「あやしい」という所見は示されたが、真犯人には意表を突かれた。しかし、その犯人(犯人像)には納得がいかない。

③妖しいという印象を持った割には、パソコンの持ち主が特定されるまで、全く全く捜査をしないのは何故?

④横領犯の3人の女性行員を別々に連続して殺害するのは困難。カモフラージュのための襲われる映像を取るためとは言っても、ひとりが連絡不能となった時点で怪しまれるはず。

⑤銃を使っているが、その入手先は?

⑥10年間もパソコンを使ったのだろうか?証拠となるような映像を、なぜパソコンに保存したのか?(データを消去したとはいえ)

⑦殺された女性行員たちは、カモフラージュの映像をどのように利用するつもりだったのだろうか?そんな映像が残ること自体が不自然

⑧あの映像だけで現場の特定が可能なのか。その特定の根拠を示してほしかった

⑨一度、現場を捜索したが遺体が見つからず、再度の捜索で発見。最初と2度目の違いは何か?最初の捜索がずさんだった?

⑩なぜ、清美が犯行(横領)に至ったかが、納得できない。母の背中を見て育ち、父親なしでも子どもを育てようと決意したというのに。(これに関しては、私の印象です)

⑪連夜の泊まり込みなど、大奮闘する桜木だが、その割には大した成果が上がっていない。なのに、事件は解決してしまう。



 冒頭にも書きましたが、桜木の成長もテーマの一つのように思えますが、彼女の空回りをずっと見続けるのはつらいかもしれません。初回という不安定要素があったせいかもしれません。もう少し見てみようと思います。
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余韻桜

2010-04-16 21:00:09 | 歳時
 今日も寒かったですね。
 特に関東地方は真冬の寒さだったらしいです。

 この陽気、というか冷気のせいで、桜の散るスピードはゆっくりです。
 また、葉も伸びも遅いので、散り掛けの桜も緑の混じり方が少なく、例年より綺麗です。

 先日紹介した堤防やグラウンドの桜はかなり散ってしまいましたが、山あいや高台の桜や遅咲きの桜は身ごろのものが多いです。




 本当はもっとたくさん綺麗な桜があったのですが、車を停車する場所や時間がなくて、4枚だけです。
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菜の花

2010-04-15 17:26:02 | 歳時
 昨日今日と、日中でも8℃前後と真冬みたいな陽気です。
 北日本の暴風はすごかったようです。

 4月11日の記事で、「堤防の桜は満開なのに対して、河原の菜の花は去年より遅れている」と書きました。
 その様子がこれです。


 昨日今日は寒かったものの、11日、12日、13日は平年並みの気温だったので、昨日(14日)はかなり花が開いていました。




 これからもっと黄色の部分が増えていきそうです。


 桜はかなり散ってしまいました。

 写真で見るとぱっとしませんが、これはこれで素敵です。

 堤防の桜は、見ごろを過ぎつつありますが、近辺でもまだまだ見ごろの桜を見かけます。
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